IS~科学と魔術と・・・   作:ラッファ

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第10章 少女は音速と共に
第105話


9月27日 午前8時

 

一夏が両親の日記を読み終わった次の日

この日はキャノンボール・ファストの開催日でもあると言う事で街は朝からにぎわっている。

一夏達はと言うと自宅で準備を済ませ、片づけを行い人払いを解くとキャノンボール・ファストが行われている会場へと向かい、現在会場のすぐ近くまで来ている。

直ぐにでも会場に入りたいところだが、人が多く入場ゲートまで近づけないため少し離れた所で待機している。ちなみにIS学園の生徒たちはと言うと特別ゲートから入場し一般客とは離れた特別席で見るらしい

 

少年は一端、一夏達から離れると近くの大人から無料のパンフレットを貰い一夏達に見せている。

するとジュノンは

 

「これ殆どIS学園?とか言う学校の生徒が参加する物なのね~。私的には世界中からパイロットが来るのかなって思ってたんだけど…」

 

「この大会は国際機関じゃなくて市が開催してますからね。IS学園の生徒が大半を占めるのは当たり前ですよ」

 

少年はそう言いながら参加者名簿を見せる。

その中には箒やセシリア、シャルロット、ラウラ、鈴が一年専用機持ちの部で参加すると言う事が書かれており、訓練機の部の中には相川や夜竹のように一夏のクラスメイトも参加している。

参加者の横には最近行われた生徒会長決定戦の成績も書かれており、これを見て優勝予想をする人もいるのだと言う。ちなみに、ティナの名前は無い。

 

そして一夏はパンフレットの欄の生徒会役員の名前を見ると

 

「鈴とのほほんさんが役員入りか、ウェルキンって言う人随分と大胆な起用をしたな」

 

そんな感想を漏らしていた。

すると少年は付近をキョロキョロと見渡すと

 

「ちょうどいい侵入口見つけましたよ」

 

「どこ?」

 

「あそこにある荷物の搬入口です。人も居ない今がチャンスですよ」

 

少年がそう言うと一夏とジュノンは彼の後に続く。

警備は一見すると頑丈に見えるが付近に人はおらずセンサーと監視カメラを使っているようだがそんなもの一夏達は気にせずに余裕で突破する。

ジュノンと一夏は

 

「侵入成功~」

 

「一人ぐらい見張り置いておけよ…」

 

そんな事を呟いていた

そうして彼らはアリーナへと足を進めていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏が会場に入ったのとほぼ同時刻、特別席

特別席と言ってしまうと語弊があるが、これはIS学園の生徒たちが座るための座席を確保していると言うだけで席は一般の人が座るのと同じである。

レースに出場する生徒たちはすでにピットに向かっており特別席でレースを観戦する生徒と言うのはレースに参加しない生徒だ。ティナや鷹月、谷本の三人はレースに参加しないため特別席で試合を眺めているのだ。ちなみに彼女たちの席の後ろには本音と簪も居たりする。簪は専用機持ちであるが、機体が未完成と言う事や高機動戦闘の訓練時間が短いと言う事もあり参加を見送っていると言うのが簪の言い分である

 

すると本音は

 

「とか言いつつ実は参加したかったんでしょこれー」

 

「そんな事は…ない…」

 

「またまた~ウェルルン会長に言われなきゃ参加してたくせに~」

 

「そうなの?」

 

彼女たちの会話を聞いていたティナはそう聞く

すると本音は真相を話す

要約すると、この間の生徒会長決定戦から日が浅くこの大会も見せ物の一面が強い事から本当なら専用機持ち含め操縦時間の長い生徒や訓練機持ちの上位進出者は休ませたかったのだが人を入れたい市の要望や候補生の所属する国家の命令で参加が強制される中、簪の場合、日本政府からそのような命令が特になかったためサラは彼女に対して参加しないようにと言う事を伝えたのだ

 

 

 

それを聞いた鷹月とティナは

 

「休むのも立派な候補生の役目って事だよ更識さん」

 

「そうそう、人間休まなきゃやってられないわよ」

 

そう言ったため簪も軽く相槌を打つ。すると谷本は

 

「今回も何事もなく終わってくれるといいね。前回の生徒会長決定戦が今年初めて最後まで何もなく終わったイベントだからねー、この流れは維持したいよ」

 

そんな事を話している内にレース開始のアナウンスが行われる

順番は二年→一年訓練機→一年専用機→三年となっている

一年生に関しては専用機が多いため部門を分けている

サラとフォルテも訓練機で参加するがハンデとして10秒遅れのスタート、ダリルは20秒遅れでスタートすると言う事が事前に告げられる

 

そんな放送を聞きつつティナは

 

「(一夏から連絡が来ないわね…あっ、私が特別席に居る事伝えるの忘れてた。まぁレースが本格的に始まったら皆レースに注目するしその間に連絡を行えばいいかしら)」

 

そんな事を考えていた

彼女としたら荷物を受け取り一夏とも会いたいが、それはそれ、これはこれ。冷静に状況を把握し行動時期を伺う

下手に行動すれば自分だけでなく相手にも迷惑をかけてしまうのは十分分かっているためである

+ティナ自身レースを見たいと言う願望も有ったりする

 

そんな状況で彼女はレースの開始を待つのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして会場から少し離れた所では少年と少女の二人が会場を見ると、少年が不意に

 

「はぁーあ、俺は今回出番なしか。つまんないの。エム、こんな仕事サボろうぜ。メリットねぇよこんなもの」

 

「お前達にはそうかもしれんが、私たちにとってみれば重要な任務なのだ…多分」

 

エムと呼ばれた少女はめんどくさそうに話す。彼女としても今回の任務は乗り気ではないが逆らうと命が無いためいやいや従っているのだ

すると少年は

 

「あの年増も中に居るんだろ、ならいいじゃーん。IS軍団アイツに押し付けようぜ。」

 

「流石のスコールでもあの数は無理だ。」

 

「そもそもISなんて数ゲーなのにうちら4機しかない時点で不利だろ。あいつから奪った白式なんて未だに動かないし、オトゥーはIS使えないし。」

 

「そう言うな。スコールの合図と同時に私は行く。お前はどうする?」

 

「俺?旦那からはやり過ぎない範囲で好きにしろって言われてるし、この辺で寝てるよ」

 

そう言うと二人は沈黙するのであった




夏の甲子園も今日で終わっちゃいましたね…
決勝戦は見てて最後までドキドキしました。やっぱ強いですね、大阪桐蔭
甲子園が終わると夏が終わるんだなと感じてしまいます


日本政府が簪に参加を強制しなかったのは機体未完成+彼女は知りませんが咲夜が国に掛け合ったりしています
「貴重な人材を潰す気かコノヤロー」みたいな感じですね


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