IS~科学と魔術と・・・   作:ラッファ

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第103話

9月26日 午前11時

 

昼に近い時間になり一夏達はようやく起床

思っていた以上に移動の疲れがたまっていたようである

そして彼らは食事を取り終わりのんびりと過ごしていると、不意に少年が

 

「織斑さん、街に出かけましょうよ。こんな天気のいい日に家に引きこもってちゃもったいないですよ」

 

「俺も出かけたいなとは思ってるんだけど誰も居ない間に千冬姉帰ってきたらまずいことになるだろ。」

 

一夏はそう言う

千冬が返ってくることなど余り無いのだが今彼女が返ってくるような事が有れば面倒な事になるのは確実

人払いを発動している術者は一夏であり彼が家に居ればいいのだが、外出中はどうしても結界を解く必要がある

だからこそ一夏は家から出ることが出来ないのだ。

すると少年は

 

「そうですよね…ジュノンさーん。一緒に買い物行きましょうよ」

 

「はいはい。」

 

彼女はめんどくさそうに了承すると身支度を整え少年と共に家をでる

人払いを発動しているため彼女たちも家から出ると家には入れなくなるため、少年は一夏に携帯の電話番号を教え家の近くまで来たら連絡。その後の合図で一瞬だけ結界を解くようにすると言う打ち合わせを行い彼らは出発する

ちなみに一夏はと言うと探し物をすると言っていた

 

そうしてジュノンと少年は街へと出発する

向かったのは一夏から教えて貰ったショッピングモール

土曜日かつ明日はキャノンボール・ファストと言う行事の為かなり賑わっている

 

二人はその中を歩いているとジュノンが急に

 

「故郷にいた時には気にならなかったけどここら辺だとよく見かけるわね、ああいうの」

 

「日本はISが生まれた土地ですしからね。こういう光景は海外に比べて多いと思いますよ」

 

彼らが見かける光景とは街中で女性が男性に対し理不尽な命令を行っていると言うものだ

ジュノンや少年は魔術師であり片方は辺境の村、片方はイギリスの比較的差別が少ない地域で生きてきたためこのような光景は異常に映っているのだ

と言うかジュノンが一夏達に会うまでいた村はISとは無関係の地域であり人口も都市に比べ少なく差別を行っていたのでは生活が成り立たないと言った方が良いのかもしれない。

 

「最強の兵器を使える自分たちが最強だって思い込んでる連中が多いんですよきっと。補足ですが今の日本の国家代表…簡単に言うと日本で一番強いIS乗りの近江咲夜さんはこういうのをどうにかしようと行動しているらしいですよ。スタッフも優秀なら男性も採用しているらしいですし。」

 

「全員が全員理不尽な事をする訳じゃないって事ね」

 

彼らはそんなやり取りを行う

ちなみに少年がこんな事を知っている理由は簡単、自分がいつどのような命令で様々な国や地域、都市に派遣されてもいいようにその場所の話題と言うのは逃さずチェックし、居ても違和感を感じられないようにするためである。今のは暗記+カンペを使用していたりする

すると少年は

 

「まっ、ジュノンさんならIS位素手で破壊できますよね?」

 

「実物を見たことが無いからノーコメント」

 

そんなやり取りを行い、買い物を行うのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方自宅に残った一夏はと言うと部屋のイギリスに持っていく荷物をまとめるのと同時に収納スペースや物置の段ボールを開けあるものを探していた。それは

 

「やっぱり無い…どういう事だ」

 

アルバムを探しているのだが小学校よりも前の写真が貼られている物を探しているのだ

夏休みの時はティナ達が一夏の家に遊びに来たのでじっくりと探せなかったのだが、今日は時間もあるため自分の部屋だけではなく和室や物置の段ボールを夏休みの時以上に徹底的に探しているのだが一向に見当たらない。物置の段ボールはかなり多く探すのにも苦労したが一向に小学校以前の写真が出てこない。

明らかに可笑しいと思い、それと同時に疲れもたまってきたため休憩にしようと物置から出ようとしたときであった。風で上から一枚の写真が一夏の足もとに落ちてくる

 

「なんだこれ…?」

 

一夏はその写真を拾い手で埃を払うとそこに打っていたのはスーツを着た男性と、着物を着た髪の長い小柄な女性。

 

「これ…俺の父さんと母さんか?」

 

そうして一夏は写真が落ちてきた所を探すと物置の上に一夏がまだ見つけていない一つの段ボールが有った

一夏はそれを慎重に下におろすと一息ついて箱を開ける

中に入っていたのは大量のノートである。アルバム類は何もない

ノートを開くとそこには英語の文が書かれており、論文かと思われたが日付が書かれており文章も短いため日記である事が明確になる。申し訳ないと思いつつも一夏はノートの最初の番号を手に取り日記を読む

 

{19××年 7月25日 場所アメリカ 天候曇り 

  アメリカ到着三日目、今日は珍しい事が有った。街中で私が落とした財布を日本人の男性旅行客グループが届けてくれた。相手は持ち主を金髪美女だと思い込んでいたらしいけど残念、私は日本人だ(笑)その後お礼も兼ねてディナーを奢る 高級料理ではなくそこらへんにあるようなレストランなのだが。話を聞くと彼らは大学の休みを利用しアメリカを旅行しているらしい。年齢は20前後であろう。私と年が近い。こうしていると私も久しぶりに友達に会いたくなってきた。今度連絡しよう}

 

「お礼で男三人に飯奢るって相当太っ腹だな。この人」

 

一夏は日記の内容にツッコミを入れる

20前後の男性と言えば食欲もあるだろう、三人分奢るのだから確信は持てないが、日記を書いているのは自分の母親、その金銭力には目を見張る

その後も日記を読んでいくが一冊目の内容は女子らしい日記、天気が良いとか海で泳ぎたいとか、死ねよ巨乳とか結婚したら胸の大きい女の子を生みたいとかそんな内容である。

一部可笑しいのもあるがそれを一夏は見なかった事にした

そして二冊目。彼女は日本に帰ったらしくまたくだらない内容。体重が増えてなくてラッキーとかサイズは変化なし(泣)とか書かれていた

 

「その胸に対する執着は何なんだよ…巨乳に恨みあるのか」

 

一夏、自分の母親が胸に対して執着心が有ると言う本当にどうでもいい情報を知る

何が悲しくて自分の親が胸に執着心が有ると言う事を知らなくてはならないのか

 

「次どうでもいい事書かれてたら読むの止めよう。」

 

そうして一夏は日記を読む

 

{19××年 8月19日 場所日本 天候晴れ

  日本もついに標的になったか。狙われたのは神宮に保管されている神器といった魔術的に見ても貴重かつ強大な力を兼ね備えた物。今までは欧州方面だったけど最近日本も注目され始めたと言った噂は本当だったようだ。相手はそんな強くもない魔術師、私一人で十分。と言う訳で戦闘を行ったわけだけど途中、日本式の魔術集団の協力もあり予定よりも早く任務完了。向うは私も疑ったわけだけどそれは濡れ衣。説明すると納得してくれた。フリーでこれだけ強いとやっぱ目立つよなぁ。自慢じゃないけど私結構強いのよ?綺麗な花には棘が有るっていうじゃない?}

 

「…どっ、どういう事だ。この人魔術師だったのか…?」

 

その後一夏は一度休憩し長丁場を覚悟したのか飲み物をベランダに置き日記の入った段ボールを持ってくると日記を今度は慎重に読むのだった




一夏の両親設定はオリジナルです
過去なので天草式には当然ですが建宮や神裂は居ません
そもそもISすら作られて無いですね

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