IS~科学と魔術と・・・   作:ラッファ

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第102話

一夏達は天草式が用意した船で日本へと向かう。

船となると飛行機以上に時間がかかるものであるが、天草式の船は術式加工されており、なおかつ移動に特殊な術式を使用したためであるのか日本に着くまでにそれ程時間はかからず日本に到着したのは夜の9時過ぎであった。

時間的にかなりかかったと思われがちであるが日本とイギリスとの時差は九時間近くありそれを考慮すれば時間はかかっていないであろう。

さらに時間が時間であるため付近に人はおらず一夏達にすれば好都合である

人気のない所で一夏達は天草式と別れ、お互いに連絡先を交換、荷物の整理などが終わり次第連絡すると言う事を伝え別れるのであった。

ちなみに一夏はイギリスを出る前に通過を円に交換しているため持ち金は0ではない

 

すると初めて日本に来たジュノンは

 

「へぇ、ここが日本か。街並みはイギリスとは違うね~」

 

「ジュノンさん日本…と言うよりアジア地域は初めてですか?」

 

「そうね。欧州から出た事は一度もないかな」

 

少年とジュノンがそのようなやり取りを行う

その後一夏は少年から変装グッズ…中身はバンダナと眼鏡、絆創膏、耳に装着するタイプのピアスを渡され、それを装備する

少年曰く、とにかく顔に装飾品を付け加工すれば上手くごまかせるとの事。さらに一夏は死亡さ使いの為写真がそこらじゅうに貼られていると言う事は無く効果はあるそうだ

そうして変装を済ませると彼らは夜の街を歩き駅まで移動。夜と言ってもそんなに遅くは無いため電車は走っており、それに乗り一夏達の自宅のある街まで移動、駅に到着しジュノンは一夏からいくらかお金を借り近くのコンビニで食料を購入その後しばらく歩き一夏の自宅近くに到着する。

 

そして彼らは明かりの当たっていないところに隠れる。

すると一夏は

 

「ちょっと様子を見てくる。人が居なきゃ合図するからそれまで待っててくれ」

 

「鍵は有るんですか?」

 

「庭の物置に隠してある」

 

一夏の自宅の周りは塀に囲まれており付近から見られると言う事は時間的に考えても可能性は少ないため一夏は玄関の策をうまく乗り越え敷地に入る

 

「(人の気配は…なし)」

 

そして彼は物置から鍵を取り出し音を建てないように家の鍵を開けると、少年たちの居る方に合図を送る。

そして彼らを家に入れると、一夏ではなく少年が人払いの結界を張り万が一の可能性をすべて無くす

そしてカーテンをすべて締め明かりが漏れないようにすると家の電気を付ける

電機やガス、水道の料金は千冬が滞納することなく払い続けているため問題なく使える。

しかもカーテンは外に光を漏らさないタイプの物を使用しているため明かりが漏れない

 

そうして彼らはソファに座り一息つくとジュノンが

 

「さて今日はもうご飯食べる以外やる事が無いけど明日から大変なんでしょ?」

 

「持っていく物って言ったって着替えと私物ぐらいしかないぞ」

 

一夏がそう返すと少年は一夏に

 

「あとはハミルトンさんに状況を報告しないと。後言うの忘れてたんですが、僕レイシーさんからハミルトンさんあてに荷物も預かっているのでそれ渡さないと」

 

「って事はその事ティナに伝えなきゃいけないなぁ…」

 

「今の内に連絡したらどうです。通信用霊装、使えるんですよね」

 

「そうだな」

 

「それじゃ僕たちは先にご飯にしてますね。織斑さん、残しておいて欲しいものとかあります?」

 

「ツナマヨおにぎりと焼きそばパン。そうそう、シャワーは勝手に浴びて良いからな」

 

「了解でーす」

 

彼らはそんなやり取りをすると通信用霊装を使いティナと連絡を取る

するとしばらくして

 

<いっ、一夏!?本物よね>

 

<この霊装持ってるの俺しかいないと思うんだけど…とりあえずティナ、久しぶり>

 

通信先の彼女のテンションが少々高いため一夏は驚きつつもそう言いかえす。すると彼女も一呼吸置き

 

<そっ、そうね。一夏久しぶり。この霊装使えるって事は今日本に居るって事よね?>

 

<おぅ、今自分の家に居るんだ。>

 

一夏はその後、日本に来た目的をティナに伝えると彼女は

 

<荷物整理と私への配達ね。>

 

<そう言う事、中身に心当たりは>

 

<あるわよ。>

 

<そっか、でこの荷物、いつ渡す?>

 

<そうねぇ…キャノンボール・ファストの会場とかどう?>

 

<キャノンボール・ファスト…何だそれ?>

 

<聞いた話だと…>

 

そう言い彼女は一夏にキャノンボール・ファストの説明をする

曰くISを使って行われる高速バトルレースでありIS関係者なら知る人ぞ知る有名な大会

会場は市内の臨海地区に作られたアリーナでとても広い、二万人以上を収容できるのだとか

そしてアイドルのライブが行われたこともあるが満員にはできず以降イベントの申請は無いのだとか

そしてこの行事は新生徒会がかかわる初行事でもあるため生徒会は大忙しで役員の鈴も相当疲れているようである…

するとティナは

 

<でも、収容人数、2万人だと少ないのよね…鷹月さんから聞いた話だと高校野球の全国大会の会場だと4万人は入れるんでしょう?>

 

<あそこはプロ野球チームの本拠地でもあるからね…というかプロ野球で使う球場とアリーナを一概には比べられないだろ>

 

その後二人は合流のための軽い打ち合わせをする

会場に入るにはチケットが必用なのだが魔術師である一夏達から見れば警備はザルであると予想されるため裏ワザで入って来ても問題は無いと言うのが二人の共通の認識。会場入りし、ある程度落ち着いたところで荷物を手渡すのが最適、ただ以前戦闘を行った亡国機業(ファントム・タスク)の魔術師の事もあるため霊装は持ち込むようにと彼女から伝えられる

 

一夏や少年の霊装は小型であるため誤魔化せるがジュノンの槍は小さくないので、それはどうにかして誤魔化そうと一夏は考える。

 

 

するとティナは

 

<久しぶりに一夏の声が聴けて安心したわ。…それはそうと、前会長のあの人はどうなったの?>

 

<楯無さんとは学園都市で別れたんだ。あの後一切連絡してないし、どうなったのかは分からない>

 

<そう…でもあの人なら上手く生き残りそうよね。何せ一人で一夏を逃がすために行動したわけだし>

 

<そうだな。楯無さんなら上手くやってるよ。>

 

二人はその後も雑談をし通信を切る

そして通信が終わり付近を見渡すと少年はテレビを見ており、ジュノンは居ない

 

「あれ、ジュノンは?」

 

「あの人なら今シャワーです」

 

「そっか」

 

 

 

その後一夏も夕食を食べ、彼女がシャワーから上がってくるといい時間になったため適当に布団を出し眠りにつくのだった

 

 

 

 

 

 

ちなみにIS学園のティナの部屋では

 

「どうしたのティナ、急に機嫌よくなったりして。新作のスイーツでも出たの?」

 

「ん、まぁちょっとね」

 

「ふーん」

 

 

こんなやり取りが有ったのである。




キャノンボールの会場の収容人数は原作準拠です
移動のご都合主義的な流れはご容赦ください…とりあえず時差のみ考慮した形となっています

試験も終わりようやく夏休みに入りました
出来は…まぁ、アレですけど

次回もよろしくお願いします

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