IS~科学と魔術と・・・   作:ラッファ

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第99話

戦闘が終わった後、状況は著しく変わった。

先ず侵入者の魔術師が倒されたことで洗脳されていた村人たちの洗脳は次々解けて行き、洞窟の惨状に気づいたため警察に連絡がされ中にいた一夏達も村人に連れられ洞窟から退避する形となる。

勿論魔術師は一夏の付添いの少年が全員拘束し、さらに眠らされているため暴れだすと言う事は無かった。

とはいえ魔術師を何も知らない現地の警察に引き渡すはずもなく警察に変装した現地の魔術師が犯人たちを引き取ったのだ。

この後どうなるかと言うのは全員聞くことは無かった。

 

そして今までの状況を見ていた一夏は

 

「さて、事故処理は彼らに任せて俺らは早々に退散しますか」

 

「そうですね。任務の内容は村の調査と敵勢力の壊滅。事件も解決しましたしもうここにいる意味もないですしね」

 

一夏の言葉に少年がそう言いかえす

そして二人は早々に引き返そうとしたのだが

 

「ねぇ、君達ちょっといい?」

 

そう言って声をかけてきたのはこの村の住人でもあるジュノンであった

その手には自分の霊装である槍もある

 

すると彼女は彼らに

 

「その、よかったらで良いんだけど私も連れて行ってもらえない?」

 

「えっと、それはどういう…」

 

彼女の言葉に一夏が答える。すると彼女は

 

「連中の目的は私の”槍”今回は貴方たちのおかげで助かったけど次もこうなるとは限らないの。それに今回の件は半分私のせいだしこれ以上村に迷惑をかける訳には行かないの」

 

彼女はそう語る。今回の事件は自分が原因で引き起こされたものであると彼女は思っているのだ。

さらに自分と言う存在が故郷である村を魔術的事件に巻き込んだことに責任を感じているのだ。

 

するとその言葉を聞いていた少年は一夏に小声で

 

「…織斑さん、これはチャンスですよ」

 

「チャンス…?」

 

「はい。確かに貴方はIS学園にいた時にも三沢塾や法の書、学園都市での使徒十字の取引と言った事件の解決にかかわってきましたが、それは巻き込まれた形でのこと。そして今回は正式な依頼を解決したんです…戦果としては十分すぎます。さらに聖人の彼女を連れて帰ってこえば貴方は組織である程度の立ち位置を確保できます」

 

少年はそう答える。一夏は必要悪の教会に序属しているとはいえ本格的に活動を始めたのはここ数か月から。そのような状況である程度の戦果を挙げ、今回に関しては貴重な霊装を持った聖人を連れて帰るのだ。戦果としては十分すぎるのであるが

 

「…でもそれってジュノンの身柄は保障できないだろ…?」

 

「たぶん大丈夫だと思いますよ。彼女が事件を引き起こしたわけではないですし…拷問とかそういう目には合わされないでしょう。事情聴取位はありえますが…」

 

一夏の疑問に少年はそう語る。

すると一夏は

 

「とりあえずイギリスに一緒に来てもらう形で良いか?君の処遇は俺の一存じゃ決められないから…」

 

「分ったわ。」

 

ジュノンがそう答える。

そうして彼らは村の住人に別れを告げ、来た時とは別の移動方法でイギリスへと帰還する

イギリスに到着後、少年はジュノンをつれ必要悪の本部へと戻り、一夏は自宅へと戻る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして彼は部屋のベッドに寝転がると一人考える

 

「(今回の事件…犯人を生み出したのはジュノンじゃない…ISのせいだ…)」

 

そう、事件の主犯の男はISのせいで歪まされたとそう言っていたのだ。あの事件で世界は大きく代わり過ぎてしまった。それの差別と言う最も避けるべき方向に進んでいく。彼のように職を奪われ歪んだ人間は大勢いる…そして

 

「(何人かは今回みたいに復讐のため事件を起こす…か。IS自体が悪いとは言わない一組の皆や楯無さんみたいに言い人もいるけどそれはごくわずかだ。大半の人たちはそうじゃない…か)」

 

そう考えながらも彼は携帯電話を取り出すと時刻は午前0時を回っていた。

早朝に依頼を受け現地に向かうまでに8時間弱、そこから戦闘を行いかえって来ればこの位の時刻にはなってしまうであろう。

とはいえ一夏は時刻よりも日付を見て気が付く

 

「(あぁ…そう言えばもう少しで俺の誕生日だったな…すっかり忘れてたよ。まぁろくに祝ってもらっても居ないし忘れても当然か…)」

 

そう一夏の誕生日は9月27日、三日後である。とはいえ一夏はあまりそう言うものを期待しない。何せ魔術師になる前は千冬は現役時代もろくに家に帰ってこないため基本一人ですごしていたのだ。時折中学時代の友人である鈴や弾と騒いでいたぐらいだ

 

「(中学時代の誕生日なんてそんなもんだよな…アイツらとのデュエル楽しかったな…俺の連続ドロー最高記録は9連続だったな。そういやあのデッキ家に置きっぱなしだったな)」

 

一夏はそんな事をふと思い出す。差別されろくな思い出が無い中学時代でも彼らと過ごした時間は今でも鮮明に思い出せる。そして一夏はふとIS学園がどうなっているかが気になる。悪役としてほとんどの生徒を敵に回した中でも楯無や鈴、同じ魔術師であるティナや一組の鷹月や谷本と言ったように専用機持ちではない生徒の大半が彼の味方であった。

 

「(もし許可が出るなら変装して日本に戻ってみようかなぁ…IS学園がどうなったのかも気になるし亡国機業の動向も気になる。)」

 

生半可な変装なら直ぐに気づかれるが魔術も使い念入りな変装を行えば素人にはまず見破られることは無いと一夏は考える

IS学園の他に一夏は自宅に戻る事も予定に入れている。それは

 

「(…とりあえずアルバムを徹底的に探す。俺の幼少時代の写真が無いのはいくら考えても可笑しい。千冬姉は絶対に教えてくれないし…ってか何で家族をここまで疑う必要があるんだろうな…)」

 

一夏は自虐的な笑みを浮かべる

そんな事を考えつつ一夏は食事を用意し早々に眠りにつくのであった




次回から一端番外編に戻り生徒会長決定戦を行います
その後こっちでISの時系列に復帰です

今まで更新が遅くなり本当に申し訳ないです
暫くの間はペースを速められるはずです


一夏のデッキの正体は…アレですよ。
一夏自信は天使の力を使う魔術師ですのでそれを組み合わせてみました

デュエル描写はしないと思います。
やる時はタグ付か前書きで注意書きをしますのでご安心を

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