IS~科学と魔術と・・・   作:ラッファ

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第95話

一夏と少年は洞窟の入り口の近くまでやって来ていた。

ジュノンは他の入口から侵入し槍を取ってくると言う事を言っていた。

 

洞窟の入り口には人がおらず侵入するのは容易であるが一夏は中で待ち伏せしている可能性も考え簡単に侵入することが出来ない

すると少年が彼に

 

「ココからじゃ中はよく見えませんね…発光系の術式は僕持ってるんで侵入しますか…?」

 

「そうするしかないだろうな…(…ISが有ればハイパーセンサー使ってここからでも様子を探れたんだが仕方が無い…任務がひと段落したら白式の奪還作戦も考えておく必要があるか。いつまでも奪われたままにしておく訳にもいかないし…)」

 

一夏はつい最近まで自分の相棒であり交渉により引き渡した機体の事を思い浮かべるがすぐに考えを切り替える。

 

「(さてどうしたものか。場所は洞窟…となると召喚爆撃は封印だな。威力が強すぎて全員生き埋めなんてことになりかねないし…火と水も同じような条件で使用不可…となると今回は風と土で行くことになるな…)」

 

一夏は戦闘でどの属性を重点的に使うかを考えていると少年が彼に

 

「織斑さん…どうしました…?」

 

「いや、なんでもない。それじゃ行くぞ」

 

「了解です」

 

一夏はそう合図すると自らが先頭に立ち洞窟へと侵入する。

勿論いつ戦闘が始まってもいいように警戒を怠らない。

すると何処からか

 

「侵入者発見って所か?」

 

そのような若い男の声が聞こえてくる。

一夏は象徴武器を構え少年も警戒するが洞窟の内部で照明などは無いため視界が悪く声の主がどこにいるのかが分からない。

 

「とはいえここは俺好みの場所だ。暗く狭い所だと俺が圧倒的に有利!!来てもらって悪いが早々にご退場願おうか!!」

 

その声と共に入口がシャッターのようなもので封鎖されてしまい視界がより一層悪くなると言うより何も見えなくなってしまう

 

「照明用の術式、用意できるか!?」

 

一夏は少年にそう言うが彼は

 

「暗すぎて道具が何処に有るのか…手探りで今探してるところです」

 

そう言い放つ。この様子では準備が出来るのに時間がかかってしまうだろう。

それを立って待っていたのでは早々にやられてしまう。そう考えた彼は防御態勢に入ろうとするがそれを許すほど敵は甘くない

 

「まずは戦闘要員のお前から!!」

 

その声と同時に一夏の右足に何かが刺さったような感触が伝わる

 

「グッ…何だ!?」

 

激痛と共に膝をつくが彼はどうにか土の象徴武器であるペンタクルに魔力を込め人二人ほどが隠れられるほどの楯を作りだす

 

楯に隠れている今でも敵の攻撃は容赦無く続く

そして一夏は地面に座り込み右足に刺さっているものの正体を探るために軽く触れる

 

「くっ…これはナイフか?…そこらへんで売られている物かな…」

 

すると一夏と同じく隠れている少年は鞄やポケットを手探りで探しているが思うように見つけられないようだ。

 

一夏は少年に対し

 

「なぁ包帯って中に入ってないか?…とはいえこの暗さじゃよく見えないか…」

 

すると彼は

 

「包帯ですか…?包帯ならすぐに出せますよ。さっき物色してる時にそれらしいものを見つけたので」

 

そう言い彼は一夏に包帯を手渡す

一夏も触ってみると確かに包帯の手触りだったので安心する。

 

「(本当はやっちゃいけないんだけど仕方が無いか)」

 

彼はそう考えながらも足に刺さったナイフを引き抜く。もちろん傷口から出血するが一夏は手際よく包帯を巻き応急処置を済ませる

 

「(IS学園でやったことが役に立ったな…さてこれからどうするか…反撃しようにも相手が見えないと…ん…まてよ…この手が有ったか!!)」

 

一夏は一つ妙案を思いつくと片足の痛みに耐えつつ立ち上がり、楯の前に出る

すると相手の男は

 

「これで終わりだ!!」

 

「それはどうかな?」

 

そう言い放つと一夏は右手で短剣を魔力を込め火ではなく風を生み出しそれを正面に射出する

すると正面に向かい突風が吹き、飛んできていたナイフは軌道が乱れ付近の岩などに突き刺さる。

それだけではない。突風により地面を巻き上げ大量の岩の破片も正面に飛んで行った。いくら視界が悪くても相手は正面にいるのだから今の攻撃で多少のダメージを受けたはずだと彼は考える

 

「ぐっ…やってくれたな。攻撃を防ぐだけじゃなく反撃までして来るとは。まっ狙いも定めず広範囲に攻撃すりゃ当たるか」

 

男はまだまだ余裕そうだ、しかし一夏は今の攻撃でヒントをつかんだようだ。

そして彼は男に対し

 

「なら次はピンポイントで攻撃してやるよ」

 

そう言うと彼は再び短剣を構え今度は風の球体を一つ生み出し正面に射出する。そしてそのまま球体は直線的に進んでいく。

しかしその後は何も起きない。

すると男は

 

「おいおい、ピンポイントで攻撃するんじゃなかったのか?」

 

「…油断大敵」

 

「なに…ぐあっ!!」

 

男が声を上げた途端付近で爆発音が聞こえる。

そして一夏は新たな球体を生み出すと今度は後ろのシャッターに向けて射出する。

するとシャッターに穴が開き後ろから光が差し込んでくる。

そして一夏は少年に

 

「発光系の術式と拘束用具を準備してくれ!!」

 

「了解です!!」

 

後ろから光が差し込んだことで視界がだいぶ良くなり自分の立ち位置や通路などが大まかにだが見えてくる。

それだけではない。しばらく先には黒い衣服を着た男が立っていた。この男が敵の正体であろう

すると男は一夏に

 

「なぜ俺の場所がピンポイントで…」

 

「アンタがつかったナイフは使い捨て用の霊装。術式からしておそらく物体に当たるまで突き進むような物だろう。しかも精度はあまりよくない。となると俺からそう離れていないところにお前が居る。後は俺の感だ」

 

「ちっ…ここは引くか…お前らの事をボスに伝えなきゃいけねぇしな」

 

男はそう言い放つとナイフを一夏めがけて放ち退散しようとするが、一夏達はこの隙を逃すようなことはしない

向かってきたナイフはさっきと同じ方法で方向をずらすことで回避する

そして一夏は素早くペンタクルに魔力を込めると岩をいくつか生み出し男の四方を塞ぐ

逃げ場を失った男に対し一夏は仕上げと行かんばかりに後頭部に風の球体をぶつけ気絶させる

そして少年は素早く男を拘束用の術式で調整されたロープで男を拘束し、口には催眠の魔法陣が記された紙を張り付け目覚めないようにさせる

 

それを見ていた一夏は

 

「すげぇなこりゃ。」

 

「道具の場所さえ分かればこれぐらい簡単です。発光系の術式のために必要な道具も見つかりましたよ」

 

「そうか、なら先を急ぐか」

 

「はい…ですが右足、大丈夫ですか」

 

「なんとかな」

 

一夏はそう言い放つと先少年と共に先に進んでいく

照明が有るおかげで散策がだいぶ楽になった事は言うまでもない

 

彼らの作戦はまだまだ始まったばかりである




戦闘描写が相変わらず酷くてすいません…
次回はジュノン初戦闘ですがこれよりクオリティを上げます…


ISのゲームのあらすじを見ました
記憶なくした人間に偽の記憶を植え込むと言うドンさん並の事をしますね彼女達ww

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