IS~科学と魔術と・・・   作:ラッファ

100 / 126
第94話

一夏とジュノンが地面に倒れ、現在彼女が一夏を押し倒したような体制になっている。

すると彼女は慌てて一夏の上から移動し彼に

 

「だっ大丈夫…!?」

 

そう言いながらも彼女の顔はかなり赤い。

確かに見ず知らずの少年と事故とは言えいきなりキスをすればそうなるのも無理はない。

すると一夏は起き上がると

 

「あっ…あぁ、大丈夫だ。」

 

気まずそうにそう告げる。そしてこのような事態を引き起こした少年はと言うと

 

「うひゃー、本当に起きましたよラッキーな出来事が…土御門さんあたりが聞いたら発狂しそうな事が…ククッ」

 

笑いを堪えながら自分は関係ない事のように告げる。

すると一夏は学園都市で知り合った友人や同僚を思い浮かべつつ

 

「いやアイツは妹一筋だからなぁ…(俺も当麻の気持ちがよく分った気がする)」

 

そんな雑談を繰り広げているとジュノンが

 

「…そんな事より早くここを出ましょ。あいつらが来たらマズイわ」

 

そう言ったため一夏と少年も彼女に連れられる形で倉庫を脱出する。

彼女はこの村の住人のためか敵に見つからないルートを知っており大きな戦闘もなく近くの民家に避難数ることが出来た。この民家は彼女の自宅だと言う

そうして彼らは椅子に座り落ち着いて話を出来るような状態になった。

とはいえ肝心の彼女はしばらく倉庫に幽閉されていたためいったんシャワーを浴び着替えてから話をすることになった。一夏達は見張りの意味も込めてこうして自宅内にいるのだ。

家が先ほどの倉庫よりは明るいため一夏達は初めてジュノンの容姿を見ることが出来た。

桃色の長い髪に翡翠色の瞳の少女であり、年齢を聞いたところ一夏と同い年であると言う事もわかった

 

そうしてしばらくすると彼女が一夏達の所にやってくる。

すると

 

「お待たせ。さてそれじゃぁ話をしましょうか…とはいっても私が知ってることなんてあまりないけど…」

 

すると一夏が

 

「それじゃぁ聞くけど、どうして君はあんなところで十字架につながれていたんだい?」

 

「魔術師の貴方たちなら聞いた事位はあるんじゃないかしら…”聖人”って言葉。私もそれなのよ」

 

「「!?」」

 

彼女の言葉に一夏達が驚く。聖人と言うのは世界に20人ほどしかいない魔術サイドにとって貴重な人材、彼らの所属する必要悪の教会にも神裂火織と言う聖人がおり切り札的な立ち位置にいる。

そのような最大戦力と同等の力を持つ人材とここで出会えるとは思いもしなかったのだ。

しかしここで少年は一つの疑問を口にする

 

「聖人となると貴方は十字教の人間と言う事ですか?」

 

聖人と言うのは十字教の人物が持てる力であると彼は認識しているためそう思っているが彼女は

 

「私は十字教の人間じゃないわ。どうやら聖人って言うのはランダムに生まれるそうよ。私も4年位前かな?十字教徒じゃない聖人と会った事があるしね。あの人は確か北欧系の体質も兼ねてたっけ…」

 

「聖人は本当に謎に包まれた存在と言う事ですね…メモしよっと…」

 

少年は今聞いた話を手帳にメモしている。

すると一夏は

 

「それじゃぁ君があそこで捕まっていたのは十字架に縛り付けることで意図的に処刑術式のようなものを侵入者が作り上げたって事かい?」

 

「そんな所。普通の魔術なら大したことないけど処刑関係は私たちの天敵だから…」

 

彼女は苦笑いしながらそう告げる。

聖人の致命的な弱点、それは神の子の弱点も受け継いでしまっているため処刑や刺殺と言ったものすら受け継いでしまっているのだ。

 

「ならどうして連中は君を殺さずにあんな所に…聖人を潰したいなら後は刺殺関係の武装か術式を使えばよかったはずだろ」

 

「そりゃ私が作り上げた”霊装”のありかを吐かせたいからよ」

 

”武器”その言葉に一夏は驚く。聖人が作り上げる程の霊装。

どれほど強力な物なのかと彼は考える。すると彼女は

 

「助けてくれたお礼に教えてあげる。私が作り出した霊装の名前は…”影の魔槍”(ゲイ・ボルグ)よ」

 

「ゲイ・ボルグって…マジで!?」

 

一夏もその名前に驚く

彼女が作り上げた槍と言うのはかなり有名な武装であり魔術師でない人物が聞いても思い浮かべることが可能なほど有名な武装だ。

その槍は有名な話では投げれば30の鏃となり刺せば30の棘となり破裂すると言うものであり、そのほかにもさまざまな解釈がなされているがどれもこれも反則級の出来事である。

しかし一夏はここで一つの疑問を口にする

 

「でも…君って聖人だろ。そんな刺殺の代表的な武器使って大丈夫なの?いや、ケルト神話でもその武器は神の子が使ってたし渡したのも神だから問題は無い気がするけど」

 

「その辺は上手く調整してるから大丈夫。流石に私だって自分の作った武器で自滅なんて御免だね」

 

すると今までの話を聞いていた少年はあわてながら

 

「と言う事はマズイですよね。そんな武器が侵入者の手に渡って悪用されれば大事件ですよ!!。っって言うか侵入者の目的はそれだったんですね。」

 

「そう言う事」

 

一夏の初仕事が随分と大ごとになり少年はかなり焦っている。

調査のはずがここまで大ごとになるとはさすがに予測できなかったのであろう。

すると彼は

 

「今からじゃ増援を呼ぼうとしても時間が無い。俺たちで敵を倒し槍を奪還する必要があるって事か…話を聞く限りじゃ相手は聖人用の術式も持ってるみたいだし…」

 

すると彼女は

 

「処刑用+女性に対して大ダメージを与える呪いみたいなものも持ってるわね。私が捕まったのもそのせい。敵さんの一人はかなり女性を恨んでいたわよ。君たちなら突入しても大丈夫」

 

「女性に恨み…ねぇ…」

 

彼女の言葉に少年は胡散臭そうにそう言う

すると一夏は内心

 

「(女性に恨み…まさか…な)それでジュノン、槍の隠し場所って言うのは何処なんだ?」

 

彼の問いに彼女は

 

「この先にある洞窟の一室よ。場所は覚えてるし敵にも把握されてないわ」

 

「そっか、なら作戦は俺と少年で出来るだけ敵をひきつけるからその隙に君は槍を探し出すんだ。」

 

すると彼の言葉に少年は

 

「そうなりますね。まぁ支援用の術式ならいろいろありますし大丈夫でしょう。さっきの戦闘で洗脳されている村人に対しての有効打もわかりましたし…本命倒せば正気に戻るでしょう」

 

そしてそれを聞いた彼女は

 

「ごめんなさいね。槍見つけたらすぐにでも増援に向かうから。」

 

彼らに対しそう告げる。

 

 

こうして彼らは倒すべき敵を定め行動を開始する。




更新遅れすいません
レポートやらポケモンやらいろいろあったのでww

聖人が槍を使うこと自体問題は無いように見えます
ブリュもグングニール使ってましたし…

と言うか槍にした理由は場所がアイルランドと言う事とナッシュさんのエースに影響されたのが大きかったりしますw

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。