果たして、あたりを引くのは誰なのか。
視点変更がややこしくなりますが
竜華⇒怜⇒セーラ⇒怜の順番で、お送り致します。
「それじゃあ…後半戦、始めようか――――まずオレの番や」
ここまでくると、当たりの確率も1/3。さすがにセーラも緊張してるように見える。
一見、そう見える。けど、違う。
ふふふふふ、言わずもがなやけど、ウチとセーラはグルや。
ネタばらししとくと、実はセーラはどの饅頭が当たりか最初から知っとった。
始めに迷っとるフリをして、どれが当たりかさりげなく教えてくれたんや。
それプラスとある手品で―――ウチは絶対【当たり】を食べることはない。
「さすがに1/3は緊張するで……もう食べたくないしなぁ」
一周目の時も思ったけど、なかなかいい演技するなぁ。
お仕事そっち系でも良かったんやないかな、セーラ。ないか。
「んっ……セーフ!よっしゃ、オレは一抜けたで!」
「うわぁ。セーラさすがに強運やな。これで2分の1で当たり……きっついなぁ」
「ふふっ、怜。予言するで。怜はここで絶対当たりを引く」
「……そう言われると、是が非でも引きたくなくなるな。別に食べても良かったのに」
「ふふ、食べてしまってええんよ?遠慮なく食べて、発狂してしまってええんよ?」
「うーん…」
「怜VS竜華、これは見ものやナー」
セーラさんは自分が終わったからって高みの見物。
ま、ウチが負けることないからええけどな。むしろ助かったし、これで怜に勝てるんや。
ふふふ、早く食べて悶えるんや、怜!
【残り2つ】
「………」
「…怜、悩んどるんか?」
「まぁ」
「もし怜がセーフやったら、無条件でウチが食べることになるんやなぁ。ま、勝利の女神はウチに微笑むに決まっとるけど」
「……」
分からん、なんなんやこの竜華の自信は。まるでホンマに自分の勝利を確信しとるみたいな。
最初はあんなに嫌がっとったのに、不自然や。絶対なんかある。
といっても、今の状況、これは竜華が先に選ぶんやなくて、先にウチが選ぶ勝負や。
饅頭はセーラが用意したものや、竜華は知らんかったはず。順番だってジャンケンで決めたし
例え二人がグルやったとしても、セーラが当たりをあらかじめ知っとったとしても
それを竜華に教えとったとしても
竜華に、ウチが選ぶ饅頭まで操作ができるわけが―――――
「怜?」
「あ、ごめん。あとちょっとだけ待ってな」
「もう、早く選んでやー待ちくたびれたで~」
「そんなに言うなら、竜華が先に選んでもええよ?残り一つやし、竜華が選ばんかった方が、ウチが食べる方になるし」
「えっ、そ、そ、それはやめとく…だ、だって、順番は怜やし。そういうゲームやん!」
「…」
・・
今の反応……不自然が際立った、セーラのアレ。
そういえばジャンケンの時…なるほど。やってくれるやないか―――――
「それじゃあ怜さん、張り切ってどうぞ!」
「最後の選択やで!」
「……じゃあ、これ」
そして、怜は一つの饅頭を指差した。
だいぶ時間がかかったみたいやけど、決まったみたいやな。
「………」
「…怜?はよ、食べーや。もう焦らされるんも限界やで」
「せやで!往生際が悪いで、怜!」
「………ふーーーっ」
怜は、覚悟を決めたんか、大きく息を吐いた。
いつになく怜が緊張してるような…緊張というより、得体の知れないモノが放つ、底知れない気配のような。
ふと、顔を見てみると、瞳の奥に、えも言えぬ不気味さを滲ませる。
悪戯心ちゅうか、なんというか…とにかく、オレは嫌な予感がした。
「二人に、聞くで。今ウチはこの饅頭を選んだ。指さしただけやけど」
「お、おう?」
「で、もう一つのウチが選ばんかった饅頭がある」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「これは、仮にウチがセーフやったとき竜華が食べる予定の饅頭やな?」
「そうやけど、それがどうかしたん?」
「つまり……」
「――こういうことや」
次の瞬間、怜は素早く竜華の目の間に移動したかと思うと―――
――――――饅頭を竜華の口に突っ込んだ。
「え、ひょ、ふがっ!?」
「はい、咀嚼、噛んで!」
「えっ?!お、おい怜!!?!!?」
「こふっ、がっ……」
怜が、竜華に
無理やり饅頭を――――食べさせてもーた。
「あ……が……ぎゃ……$♪¥●&%」
や、やばい。キャロライナのやばさは、このオレが一番よく――――――
「◎△$♪×¥●&%#?「◎△в°×¥●&%#?「◎△$♪×◆×Υ●&%#??!???!!?!?!?!?」
「りゅ、竜華おい、大丈夫かっ!!」
「ひ、ひぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
みずうううううううううううううう、水うううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「怜!!!いますぐ、いますぐ水持ってくるんや!!」
「う、ウチに水道ないの知っとるやろ!」
「げっ、そうやった!って、竜華がおらん!?」
「ど、どこに…あ、もしかして」
その後…怜と外に出てみると、竜華は――――――家のそばの小川に顔を直で突っ込んどった。
*
はい、川に直接顔を突っ込っちゅう、産まれて初めての経験をさせていただいた、清水谷竜華です。
ひたすらに口の中を川に浸し、呼吸が苦しくなったら顔を上げ、息をたっぷり吸いこんで、またツッコむ。
これを10分間ひたすら繰り返す。それでもまだ、口の中、外ともにヒリヒリと痛くてまともに喋られへん。
「………………」
「竜華、だ、大丈夫か?」
「ひろいめに、おうたれ……」
「悪かったな、りゅーか。水がなくて処置が遅れたばっかりに」
「……ほういうことやないやろ!!とひ!」
「そ、そうやぞ、怜。最後のあれは、ルール違反やないか?」
「え、なんか問題あった?」
「も、問題やろ!だって、順番に食べるってルールやったんやし」
「……そうやな、それは申し訳なかったわ。でも実質ウチの勝ちやんな?」
「へ?」 ・・・・・・・・・・・・・・・・
「だって、竜華が食べたのは当たり。やったら、ウチが選んで食べるはずやった饅頭はセーフやったっちゅうことやん」
「うっ…」
「……」
ウチらは、怜の主張に何も言い返せず、口をつぐむ。
「さーて、これがウチが食べるやつやな」
あ、ダメや。その饅頭は―――――
「セーフのはずやし問題はないな。いただきま―――――――」
「ふ、ふとっぷ!」
「ん?」
「どしたん、竜華。なんで止めるん?」
「っ……」
「……なぁ竜華、降参や。悔しいけど、完敗や」
「ほうやね…」
「……ふふ。正直あとちょっとでやられるとこやったけどな」
「でも、二人とも詰が甘かったな」
「じゃあ、名探偵怜先生の推理を聞かせてーな。どうやって当たりを回避するに至ったんや?」
「たひかにうひもひになる…いはははは」
ウチも気になる、といった所で皮膚が擦れて痛くなった。
『る』の音を出すのには、意外と口をしっかりと使わんと出せないと分かった。
「…竜華、しばらく喋らんほうがいいで。その辛さはオレもよく知っとる」
「わはった」
「推理って言われても…セーラが仕掛け人やろ。全部分かっとるんやん、説明必要?」
「説明してくれ――――頼む」
「……?」
セーラは、半分頭を下げるような形で、怜の解説を強く求めて譲らへんかった。
そこまで、強い希望を出すセーラは、正直珍しい。
基本おおざっぱで細かいことは気にせんけど、大事なことだけはちゃんと分かっとるのが―――江口セーラっちゅう人間や。
「うーん、そこまで言うならするけど」
「おう」
「まず、最後の残り二つの饅頭やけど…あれは両方当たり、やろ?」
「そうや、よう分かったな。六個中当たりは一つ言うたけど…ホンマは二つや。最後に残った二つが当たり」
「やっぱり。最後の一個食べんで正解やったわ」
あの反応からして、そうやろうなとは思っとったけど。
しっかし、やからってウチに食べさせるなんて…
「それであの回避方法を咄嗟に取れるあたり…怜はやっぱ賢いなって思うわ」
「どうも」
「でも、なんで二つとも当たりって分かったんや?」
「……竜華が不自然過ぎた」
「う、うひ?」
「始めにあれ?って思ったのは…一回目に竜華が選んだとき。
なんの迷いもなく饅頭に手を伸ばしたのを見て…おかしいなと思った」
「自信がありすぎたんや。セーラやったらまだ分かるけどな」
「セーラはこのゲームの提案者やし、饅頭持参者やし、どれが当たり入りか把握しとってもおかしくないと思う」
「二度と食べたくないって言っときながらゲーム提案するんやしな。
自分が絶対勝つ自信がなかったら参加したくないやろ」
「まぁ、バレバレやったな、そこは」
「本来怯えとるはずの竜華が自信満々で
余裕しゃくしゃくのはずのセーラが…慎重に饅頭選んでた。これはもう怪しいと思うわな」
セーラは、うんうんと頷きながら怜の推理に聞き入る。
「それはこっちも分かっとったで。グルってバレとるのも承知の上やった」
「というか最初のヒソヒソ話で絶対怜なら感づくしな」
「……」
「せやけど…順番はジャンケンで決めた、当たりだって二つあったんやで?」
「もし今回の順番がオレ→怜→竜華やったからよかったものの」
「もしオレ→竜華→怜やったら…最後の二つになったとき、竜華が当たり引くことになるやん?」
「それはオレらにとって不都合や。だって怜に当たり引かせたいわけやしな。
さて、これはどう説明するんや?」
「じゃあ、今回セーラたちがどういう計画を立ててたか」
「その過程で説明することにするわ」
怜も、始めののらりくらりとした口調から段々と饒舌になってきて――――
どうやら、探偵スイッチが入ったみたいや。
怜の特徴の一つに、スロースターターっちゅうのもある。
「まず前提から。目的はウチに当たりを引かせること」
「次。セーラはどれが当たりの饅頭かを知っとった。そして…竜華とセーラはグルやった」
「で、これらの前提を踏まえた上で、絶対に満たさなアカン条件があった」
「…それはなんや?」
「それは、セーラが、竜華より先に饅頭を食べる人になることや」
「!」
「セーラが竜華より先に選択することで…どれが当たりかを竜華に教えることができる。示し方はなんでもいい」
「そこは事前のヒソヒソ話でなんとでもなるやろ」
「……」
「そのために、ジャンケンで細工した」
「セーラが必ず竜華に勝つように手を決めておけば…三人の勝敗はあいこになるか、セーラが竜華より先に食べる順番になる」
「実際手はこうやったやろ。必ずセーラが竜華に勝つように仕組まれとる」
一回目
怜:チョキ 竜華:グー セーラ:パー
二回目
怜:パー 竜華:パー セーラ:チョキ
怜は、一回目・二回目のそれぞれが出した手を書いて、ウチらに見せた。
自分が出した手ならともかく、全員の手までよう覚えとるな…
「…でも、それでオレが一番最初になったとして…残りはどうにもならんやろ?」
「次のジャンケンで怜が勝つか、竜華が勝つか…そんなん分からへん」
「そうなると、さっき言った順番の件で不都合が起こるやん。今回は『たまたま』怜が竜華にジャンケンで勝ったから良かったものの」
「いいんや別に」
怜は、淡々と説明を続ける。
迷いなく、100%確信を得た探偵が、真相に向かって躊躇なく突き進む。
「順番はどっちでも。」
「……」
「大事なんはセーラが竜華より先に引いて、その時に竜華に当たりを教えてあげることや」
「最悪なんは竜華がセーラより最初に引くことや。こうなったらどうにもならん、しょっぱなから当たり引いたらアウツやし」
「それで……最後は、その不都合の解消法やけど…これもとある違和感から気がついた」
「違和感?」
「……タイミングがおかしかった」
「タイミング?」
「そうや。饅頭を出すタイミング。遅すぎや。なんでジャンケンのあとに出した?」
「!」
「まるでジャンケンが終わってから…いや」
「食べる順番を決めてから、箱を取り出したかったみたいな―――」
「あー、もう、もうええわ」
セーラは、これ以上はええ、といったように、両手を上げて首を横に振る。
「降参、降参や。お前ホンマにすごいな、怜」
「指摘通り、もうひと箱、饅頭のセットがオレのカバンの中にある。これは当たりが一個のバージョンな」
「もし食べる順番が、セーラ→竜華→怜に決まったら当たりが一個のバージョンを取り出して、
最後の一個を怜に引かせることで当たりを直撃」
「セーラ→怜→竜華に決まったら当たりが二個のバージョンを取り出して、今回みたいに進める」
「誰かがあたりを引いた時点でゲームは終わりやし、残りのあたりを竜華が食べることはない」
「って、言いたいんやろ?まあ、今回は怜が上手く竜華に食べさせたけどな」
「その通りや」
「ばへばへやっはんやね…」
「いや、バレてるんはわかってたで。でも、ここまで読まれてるとは思わんかったし」
「まさか竜華が食べることになるとは思わんかった。
しかも怜の言ってることには筋が通ってるから、文句も言えへん」
確かに。怜のやったことはルール違反と言えばルール違反やけど
先に怜に仕掛けたのはこっちやし、そもそも当たりの数を偽っとった時点で、ルール違反も何もあったもんやない。
そこはこっちも認めざるを得んな。ただ、その代償がウチには大きすぎるけど…いたた。
「でも…セーラ、ようこんなん考えたな。わざわざ二箱用意してきたってことは…」
「ハナっからこのゲームする予定やったちゅうわけや?」
「……」
「なんでこんなことしたん?」
「……」
セーラは頭をかきながら、気まりの悪い顔をして怜から目線を反らした。
遊びや言うても、ウチらがやったことは友人にだまし討ちを仕掛けたも同じ。
乗っけられたウチも同罪や。ただ、セーラとウチの動機は―――もしかしたら、違ったんやろうか。
「…言わないかんか?」
「んー…いや」
「セーラが言いたくないなら、言わなくてもええで」
「……」
「饅頭ごちそうさま、美味しかったで。竜華も、お水汲んできたのあるから飲みーや」
怜は、椅子に腰かけると、何事もなかったように手帳を眺め始めた。
それはこの間の事件の整理なんか、はたまた別の作業なんか分からんかった。
その一挙手一投足からは、さっきのゲームのことを全く気にしてないように見える。
「怜が―――」
すると、それでは自分が納得できへん、いうようにセーラは言葉を絞り出した。
怜は、手帳に目を落としたまま、それでも身体が一瞬揺らいだように見えた。
「―――どういう風に仕事するんか見たかった、ただ、それだけや」
「………」
「風越の事件解いたのが怜って竜華から聞いて…ホンマにびっくりしたわ。びっくりしたのは、怜が事件を解いたことやない」
「むしろ怜なら、やりかねんと思った。オレが驚いたのは――――ホンマのホンマに探偵やってるんやって方や」
「怜が探偵始めるって聞いたとき、冗談やと思った。一体、何言うてるんや、って」
今だから言えるけど、ウチも、そう思った。
最初探偵始めるって聞いたとき、ひっくり返りそうになるほどびっくりして、しばらく言葉が出なかったのを覚えとる。
それでも、あの時の怜も見とったら―――――
「探偵なんて仕事で、ホンマに食っていけるんか、オレは甚だ疑問やった。ただでさえ…いや、これは今は関係ないな」
「とにかく怜は、怜で、ちゃんとやっていけるんか。それが知りたかった。やから、怜の仕事を見られるような…試せるような問題を考えて」
「怜に推理してもらおうと思った」
本番の事件には程遠いけどな、とセーラは付け加える。
ちょっぴり自虐ぎみに零したのをみて、ウチはなんとも言えない気持ちになる。
そうや、荷物運びの作業しとるときやって、今回の件やって、セーラは、いつだって―――――
「……」
「怜が賢いのは昔から知っとったけど…頭がいいのと、仕事できるんとはまたちゃうやろ?」
「それで、今回こういうゲームを仕掛けてみたんや。竜華には突然で悪かったけどな」
「事前に竜華に言わんかったのは…怜に対するヒントのつもりやったけど…もしかしたら余計なお世話やったんかもな」
「い、以上や…」
「………」
「……わ、笑えや」
「こんな卑怯なだまし討ちするオレやぞ」
セーラは、よっぽど自分のことを恥じたのか、背を向けて肩を落とした。
「………」
怜は、立ち上がる。
立ち上がって、体力ないくせに、小走りでセーラの隣まで行って、後ろからギュッと抱き着いた。
「な、なぁっ!??」
「おおきに、セーラ」
「はぁっ?!」
「要するに、心配してくれとったんやな」
「い、いやオレは別に…」
「それで、あんな手の込んだ仕掛けまで作って…いろいろ考えてくれたんやな」
「ウチは幸せもんや」
「……アホ」
「ウチは…大丈夫や。なんとか、やっていけてる。竜華も助けてくれるし、セーラもおる」
「それにまだ始まったばかりや。それを投げ出したくない。頑張るって決めたから」
「…カッコイイな、お前。さすが怜。これはお世辞でも悪ノリでもなく、ホンマにそう思うで」
「ウチもそう思う」
「って自分で言うんかい!!」
最後に、きっちりとボケを忘れない怜、きっちりとツッコみ入れるセーラ。
微笑ましくなったウチは、二人をサンドイッチでまとめて抱きしめた。
「竜華…」
「へーら、まんひゅうはからかったけど…たのひかったで」
「竜華、無理して喋らんでええ」
「はひ」
「ところで、セーラさん。探偵としてのウチをご所望みたいやし、指摘しとくな」
「え?」
「ジャンケン…今回は上手くいったけど、ウチがセーラに勝ってしまったら勝ったらどうするつもりやったん?」
「えっ?」
「あ」
いや、確かに、怜が先になってもうたら、怜が絶対あたりを引く目はなくなるわけやし。
セーラ、これ……あ、それは想定外やって顔しとる。
「……え、ええ方法を教えるで。万が一、順番が怜→セーラ→竜華になったときは、
当たり饅頭3つのセットを用意しとけばええんや」
「そうすれば、一週目で三人とも回避したとしても、二週目トップのウチが当たり直撃する」
「これで完璧や。これが【詰め】ってやつやな」
事務所がかつてない沈黙に包まれる。
何かを察したような顔をした怜は、慌ててもう一発フォローを当てこんだ。
「あ、あるいはな。順番を決めるのも、ロシアンルーレットでやるんや。それなら絶対セーラが最初になるやろ」
「………」
「………」
「な、なんか……ごめんな」
ドンマイ、セーラ。大丈夫や、ウチも気が付いてなかったから。
まだまだ三巡先は続きます。
ここから、前作にはなかった展開です。
目新しさ、折り紙付き。
【江口セーラ】 職業:運送業(トラック)
怜の幼なじみ2 力持ち。竜華と怜とは腐れ縁。考えることは苦手。