水音の乙女   作:RightWorld

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2021/01/04
誤字修正しました。報告感謝です。>mstk5039943さん






第118話「作戦説明」

 

空母サンガモンの格納庫。

ウィッチ達が見守る中、358空の整備員の指示を受けながらサンガモンの整備兵たちが蒼莱を組み立てているところに、シャワーを浴びてきたらしい千早艦長がやって来た。

 

「イオナ、秋山君。これから作戦の詳細を詰める。来てもらっていいかな」

「わかった」

「は、はい!」

「私達もいこう、ブッシュ少尉」

「え~? 私ストライカーユニットの方見てたいのに~」

「お前、飛行隊長だろう?」

「ふぁーい」

 

飛行隊長といってもまだ若干12歳のジェシカ。興味のある方に張り付いていたいのだが、正規空母サラトガからジェシカの指導も兼ねて来ているウィラはなかなかに厳しい。

 

「私も行きます」

 

427空の対潜指揮官、葉山も立ち上がった。

イオナ、秋山に続いてウィラとジェシカ、そして葉山も、司令部との会議へと格納庫を後にした。優奈は隣にいる卜部を仰ぎ見る。

 

「うちの隊長は行かないの?」

 

427空隊長の卜部は涼しい顔をして言った。

 

「葉山少尉が行ったから十分だろ」

「対潜戦闘じゃないのに、葉山さん行かせていいの?」

「素直に『私は馬鹿だからだよ』って言いなよ」

 

勝田がにひひと笑う。

 

「お前に言われたかねーよ!」

 

ぽかぽかと低次元な戦いが始まったのを見て、「これは行かなくて正解だねぇ」「邪魔になるだけだもんね」と天音と優菜は頷き合った。

そうこうしている間に蒼莱が組み上がった。整備兵が手拭いで汗をぬぐってふうとひと息ついた。

 

「さあ出来ました。……って、仕上がったけど、秋山上飛曹は打ち合わせ行っちゃったし、エンジンの試運転ができないですね」

 

周りで見てうずうずしていたウィッチ達のスイッチが入った。

 

「試運転なら私が」

 

珍しく真っ先に前へ出てきた千里だが、後ろからレアが

 

「いや、ここは同じ2000魔力超えエンジンを扱っているオレがやるべきだろう」

 

するとそれを押さえて優奈と西條まで

 

「1000魔力超えるエンジンってどんなんなの?!」

「ボクも将来水上機を引退したら局地戦か艦上脚履かないとだから、今のうちに慣れておこうかと思うんだ」

 

履いてみたい連中で混戦になった。

 

「「「「私があたしがボクがオレが」」」」

 

とやっている隙をついてさっと勝田がユニットケージに飛び乗った。

 

「一番乗りぃ~」

「「「「あー!!」」」」

 

勝田がストライカーユニットに足を入れると、ひゅううぅぅんとエンジンが回りだし、魔法陣がぱあっと広がる。整備の人が叫んだ。

 

「き、気を付けてください! 蒼莱は魔法力を大量に必要とするので、強制魔力注入機が入ってます! 低高度時はスーパーチャージャーの回転を制御しないと吸い取られ過ぎて危険です!」

「な、なにそれ?」

 

ごおおおおおおっと急にエンジンが唸りだし、強制魔力注入機が魔法力を急激に吸い取り始めた。

 

「おおおおお!!!???」

 

景気よく回転が上がってきたら今度は、ひゅいいいいーんと甲高い音が加わると共に、さらに急激に回転が上がっていった。

 

「まずい! ターボチャージャーも作動し出した!」

「お゛お゛お゛お゛お゛あ゛?!?!?!?!」

 

二十歳をとうに過ぎ、まだ飛べること自体が奇跡のような勝田。あがり寸前でただでさえ弱弱しい魔法力を、掃除機が袋の空気を吸い込むが如く吸い取られ、勝田がみるみる萎んでいく。

 

「カットカット!!」

 

ブレーカーが落とされ、安全装置が働いて強制魔力注入機や点火プラグ、燃料供給ポンプなどへの電源がすべて停止し、最後に強制排出装置が働いて、勝田はポンとストライカーユニットから吐き出された。枯葉のようにひらひらと床に落ちた勝田。

 

「……はら……へった……」

 

しぼんで動けなくなった勝田を見下ろして、卜部がため息をついた。

 

「自業自得だな」

「んじゃ、あたしが!」

 

と次に飛び乗ったのは優奈。

だが、ゴオオオオオオっと今まで体験したこともない大馬力に途中で怖くなって

 

「ぎゃああ! 止めて止めて!!」

 

と、これまたエンジンカットされて、強制排出装置で放り出された。

 

「こ、怖かった~」

「優奈はおとなしいエンジンで十分飛べるんだからいいんだよ。わたしの方が大きいエンジンに慣れてるんだから」

 

と、今度は珍しく天音が戦闘脚なんぞに足をつっこむ。

が……

 

「……」

「早く回しなよ」

「回んないよ?!」

「すみません。魔導検波装置が魔法波を感知しないんですけど……もしかして魔法力相当弱いんですか?」

「そうだ、天音は魔導共鳴子を波長のやたら長い用の特別な奴にしないと動かせられないんじゃん! 降りなさい!」

「はあ~い」

「やれやれ、君らみんなしてなんなんだ」

 

本命と思われるレアが今度は足を通した。

ひゅいいいぃぃんと順調に回りだしたエンジン。魔法力をいつも以上に吸い取られるのに少し驚いたが、すぐに慣れ、

 

「こりゃいいや、いけるぜ!」

 

と調子に乗ってきてガオンガオンとスロットルを煽った。だがとたんにブボボボボと被りだし、プスンとエンジンが止まってしまった。

 

「あ、あれ?」

「ああ、そんな低高度にいるとき急に大きくスロットル煽ってはだめです。これは……プラグが被りましたね」

「なんつーデリケートな機体なんだ。面倒な」

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

結局秋山が帰ってくるまでまともなエンジン調整はできなかった。

打ち合わせから戻ってきた秋山が

 

「壊してないですよね? 壊したら代わってもらいますからなね?」

 

と言ったのを冗談だと思ったウィッチはひとりもいなかった。短時間でみんな秋山をよく理解したようである。整備兵も気を利かせて

 

「もうすぐ準備できますから」

 

とやや頬をひきつらせながら被ったプラグと排気ポートを磨く。

 

蒼莱の周りでみんながいろいろやっている間に、シィーニーが別の木箱の中身を開けてみて「うひょー」とヘンな声を出したので、皆が振り向いた。

 

「どうしたの? シィーニーちゃん」

「大砲が入ってますよ。もしかしてこれ持って飛ぶんですか?」

 

砲身の長さ、口径の太さは本当に大砲のようだ。まるで陸戦ウィッチが持つ対戦車砲のようだった。

 

「5式30mm機関砲です。蒼莱の武装です」

 

整備兵が言う。

 

「これ持つのか!」

「まるで空の戦車ですね」

「これは本当に大型ネウロイ専用だな。マイティ・ラットも人のこと言えんが」

 

レアとジョデルはびっくり。ウィラも興味津々だ。

 

「ふえぇ、秋山さん、こんなの本当に撃ってたんですか?」

 

天音が習字で使う筆より太い弾丸を取り上げて問う。

 

「10発も連続で撃つとくらくらしてきますよ。でもムシャクシャしてる時は炸裂弾なんかぶっ放してるとスカッとしますねぇ。そろそろ撃ちたいなぁ」

 

思い出してうっとりしてる。

そんな顔を見上げて天音は、「あぁ、そうやってストレス発散してるのね、このヒト」と周りに振り回されてうっぷんが溜まってきてそうな秋山の事を思った。

 

 

 

 

------------------------------

 

 

 

 

蒼莱のエンジンや機体、武装の調整も終わり、空母サンガモンの司令部会議室に全ウィッチ、ならびに艦隊の将校や飛行隊の指揮官などが集められ、作戦の詳細説明が行われた。スプレイグ司令、千早艦長、ウィラが登壇に立った。

 

「実際にネウロイの眼前に立つのはウィッチの諸氏だ。気になることがあったら遠慮なく意見を言ってください。ホワイト中尉、始めてくれ」

 

司令に促されウィラは頷くと、黒板に描かれた絵を使って話し始めた。

 

「我々の標的は高度4万フィート付近、暗雲の上、南側にいると思われる飛行型の気象制御ネウロイだ」

 

Dark Cloudと書かれた暗雲を模した円柱の上に点々と置かれた、ネウロイを示す丸くて赤いマグネットをウィラが叩いた。

 

「直接の攻撃は、高高度迎撃戦闘脚『蒼莱』の秋山典子曹長が行う。最低1機、できれば2機撃墜してほしい。作戦の成否は曹長の双肩にかかっている」

 

秋山は椅子の上で硬直して、口をへの字にしてつばを飲み込んだ。膝の上で握りしめる拳が汗でじっとりと濡れている。

 

「4万フィートに上がるだけならできるF4U(コルセア)の私とレア・ナドー少尉も暗雲の上に出るまで同行する。私とナドー少尉の任務は3つ。気象制御ネウロイの捜索支援、秋山曹長に多数のネウロイが集中しないよう牽制すること、そして秋山曹長の帰還支援だ」

 

「雲の上まで出られればレーダーも使えるはずだからな。捜索は任せろ」

 

レアは秋山にぐっと親指を突き出してウインクした。

 

「気象制御ネウロイを撃墜すれば、ハリケーンで荒れ始めている天候を奴らは制御できなくなり、暗雲も崩壊するとふんでいる。しかしすぐに晴れるかどうかはわからない。『蒼莱』は航続距離が短いそうなので、空中戦が長引けばそれだけ飛んでいられる時間も少なくなる。空母上空が晴れるまで待てないかもしれない。そこで基本的には空母に戻らない想定で考えることにした」

「空母に戻らない? いったいどこに降りるんですか?」

 

優奈がきょとんとした顔を向ける。

 

「暗雲の外に味方を配置して、そのそばに降り、秋山曹長を回収する」

 

シィーニーが「わたしの案が採用されたんだぁ」とご機嫌になった。

 

「暴風圏側、つまり暗雲の南の壁の下に伊401が配置につく。秋山曹長はまずここに降りるのを優先してくれ」

 

先ほどの暗雲を模した円柱の下、手前のSouthと書かれたところに船形のマグネットが置かれた。千早艦長がほほ笑んだ。

 

「シャンパンでも用意して待っているよ」

 

天音が手を挙げた。

 

「船を泊地(ここ)から出すのは危険じゃないですか? 伊401は潜水艦ですけど、秋山さんが下りてくるまで水上で待つんでしょう? 潜水型ネウロイが襲ってくるかも……」

 

天音の心配に千早艦長は微笑んだ顔を変えることなく答える。

 

「船を出すとしたら、水中も含めて3次元で逃げ道がある伊401をおいて他には考えられないだろう。それに護衛も付けてもらう」

「対潜ウィッチの私とジョデル・デラニー少尉が警戒につきます。アヴェンジャーなら長時間飛行できますし、蒼莱の作戦が終わるまで付き添えます」

 

ジェシカが自分の胸を指しながら言った。

 

「ジェシカちゃんが付いてるなら安心だね」

「やだ先生、おだてないでください」

 

赤らめた顔を背け、手の平を振って恥ずかしがるジェシカ。ウィラが話をつづけた。

 

「秋山曹長も戦闘の具合や残存燃料量によっては、南へ降りるのは遠すぎるというケースがあるかもしれない。そこで……」

 

ウィラは暗雲を模した円柱の下の北、東、西に飛行機の形のマグネットを置いていった。

 

「他の方位にも待機してもらう。これ以上船は出せられないので、ここには海上に長くとどまれる扶桑の水上機部隊にお願いする」

 

ウィラの合図に葉山少尉が頷くと、立ち上がって前へ出た。

 

「水上機隊は海上に降りての待機で構わない。2機一組の編成とする。まず北側だが……」

 

葉山が黒板に書き添えた。

 

「ここには卜部ともえ少尉の零式水偵と、筑波優奈一飛曹の零式水偵脚が就く」

 

卜部、勝田、優奈がお互い見合って頷く。

 

「東側は、西條中尉の瑞雲水爆脚と、下妻千里上飛曹の二式水戦脚」

 

西條が拳をを向けると千里が首を縦にして答えた。

 

「西側は伊401から水上攻撃機晴嵐2機」

「これは私から伝えてある」

 

千早艦長が言い添えた。ここだけはウィッチではない。

 

「秋山君は水上脚じゃないから海上に降りれない。不時着水ということになるけど、蒼莱はどうするんだい?」

 

西條が聞くと、千早艦長が答えた。

 

「秋山曹長の回収を最優先とする。蒼莱はよほどゆとりがない限り置いてきていい」

「こりゃ思い切ったね」

「私の蒼莱が……」

 

秋山は腕で目元をこすってシクシクと泣いた。

 

「以上が暗雲の外で秋山曹長の帰還を待つ者達だ」

「あれ? わたしは?」

 

天音が左右をきょろきょろするのを葉山が引き取った。

 

「一崎天音一飛曹は霧間伊緒菜少尉とペアだ。暗雲の中の海上で水中探信による哨戒をしてもらう」

「あ、イオナさんと? わ、ご一緒するのは初めてですね。よろしくお願いします」

「うん」

「いつものように泊地に近づく潜水型ネウロイの接近を監視するんですね?」

 

それにはウィラが答えた。

 

「それもあるが、もうひとつ。もし万が一、秋山曹長や私ら飛行型ネウロイ攻撃組がやられたら、暗雲の中の海上に落ちる可能性が高い。それを捉えてもらいたい。一崎軍曹は海上に墜落した飛行機も感知できると聞いた。もちろん探知範囲内に落ちればの話しだが、暗雲の中で直径20kmもの海上、海中捜索ができるのは一崎軍曹しかいない。他の者には頼めない仕事だ」

「え!」

 

天音はびっくりした。

 

また、わたしにしかできないこと? 墜落したときの備えですって? つまりその時見る姿はネウロイに撃たれて……

 

「1万メートルから海まで落ちたらバラバラになって死んでますよぉ」

 

秋山が涙目で言う。天音が「それ考えないようにしてたのに!」と顔を引き攣らせた。

 

「真っ逆さまに落ちてくるとは限らない。機体を少しやられての不時着水だって十分あり得る。悪い方ばかりそう考えるな」

 

ウィラは秋山に笑って言った。天音はぶるぶると首を振って嫌な考えを振り払った。するとイオナが肩に腕を回して身体を寄せた。

 

「変な任務ですまない。でも万が一起きたらの話だし、万が一の備えとして『水音の乙女』が控えてくれていると思えばこそ、上に行く彼女らは安心して戦うことができる」

 

近くでイオナの深緑の瞳に見つめられた天音は、少ししてすぐ頷いた。

 

「わ、わかってます。わたしの水中探信がお役に立てるんです。やります」

 

リバウの魔王、西沢義子を指導した横川和美に鍛えられた天音だ。戦乙女としての覚悟は持ってる。見返してきた天音の瞳に宿る強い意思を感じ取ったイオナは頭を撫でた。

 

「強いね、君は」

 

ジェシカも飛びついてきた。

 

「アマネ先生、かっこいい!」

「あ、あのう……」

 

片手をゆっくり挙げて振ったのはシィーニー。他の全員のポジションが明らかになり、ペアとなる相手がなくなったので不安になったのだ。このまま暇になっててもいいが、何もしないで帰ったとなるとバーン大尉から何言われるかわからない。宗主国様は対外的に宣伝できる戦果、手柄を欲しがっているのだ。

 

「わたし忘れられてなければいいですが……」

 

千早艦長が笑顔を向けた。

 

「シィーニー・タム・ワン軍曹は船団の直衞だ。作戦開始時は航空隊が隊列を整えるまで周囲の警戒。その後は空母サンガモンでスクランブル待機。船団防空の最後の砦だ」

 

シィーニーは口を尖らせて今一つ不満な顔をした。

 

複葉脚だから外されてるのかな。でも雲の上には出られないし、雲の外で秋山曹長を待っていられるほど長時間飛ぶことも、水上に降りることもできない。アマネさんのように暗闇でも見える目もない。やっばりグラディエーターも自分もこの場では能力不足なんだ。振ってもらえるような仕事がないんだ。

 

俯いて唇を噛み締める。

だが千早艦長は温かい目でシィーニーに語りかける。

 

「シィーニー軍曹、君の役割はとても重要なんだ。何機か気象制御ネウロイがやられて暗雲の維持ができなくなったら、残るネウロイは攻撃に転じてくる可能性が高い。その時船団のそばにいるウィッチは君しかいないんだ。普通の戦闘機なんかほとんど役に立たない。他の戦闘脚のウィッチが戻るまで……最悪誰も戻ってこれなかったら……。

最後の砦って意味、分かったかい?」

 

シィーニーは口をOの字に開け、頬を紅潮させた。

 

「り、了解です!」

 

ウィラがキリッとした声を挙げて注意を集めた。

 

「では出撃は伊401とアヴェンジャー隊が明日午前9時、他は午前10時。日は十分に昇っている。秋山曹長は襲撃に太陽を使えるはずだ。レア。私達は久々に太陽を、それも成層圏で見ることになる。サングラスを忘れるなよ」

「おお! そうですね。目が潰れかねないや」

 

最後にスプレイグ少将が前壇に立った。

 

「では諸君、健闘を祈る。そして必ずや帰ってきてほしい」

 

司令の敬礼に一同がザっと答礼し、会議は終わった。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

「さあ427空は飯食って風呂入って寝るぞ!」

 

会議室を出たところで卜部が手を挙げて集合を掛ける。

 

「明日10時出撃って、あと何時間後? 何時間寝られるの?」

「ずっと真っ暗だから時間の感覚が分かんないね」

 

優奈と天音がてとてとと歩いて来て卜部の傍に寄る。

 

「5、6時間は寝られそうだよ。しっかり寝て英気を養おう~」

 

ようやく復活してきた勝田がひょろひょろと右手を突き出す。

 

「勝田さんの魔法力は戻るかな」

 

千里が平坦な声で言うが、一応心配しているらしい。

 

「戻らなくてもボクはこの作戦でストライカーユニットで飛ぶわけじゃないから。体力さえ戻れば大丈夫だよ」

「……もうストライカーで飛ばなくてもいいの?」

 

勝田はがばっと千里の頭をヘッドロックした。

 

「飛ぶよ~? ちゃんと元に戻れば。千里もまだボクに教わりたいだろ?」

「美しく飛ぶ方法が知りたい」

「派手に旋回するのやめりゃあいいんだよ」

「それはむり」

 

じゃれてる横で天音が大きく手招きした。

 

「シィーニーちゃん、ご飯食べに行こうー。秋山さんも行きましょう」

「わはっ、ありがとうございます」

「うう、食欲湧かない……」

「明日一番頑張る人が何言ってんですか」

「霧間少尉も行きませんか?」

「ありがとう葉山少尉。貴女はウィッチじゃないのに大変だね」

「察してくれます?」

 

扶桑組と植民地兵一人は連れ立ってサンガモンの食堂に向かった。今日もCPOメスから招待が来ていた。

 

 

 


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