世界一可愛い錬金術師がダンジョンにいるのは間違っているだろうか 作:スキン集め隊
6時間で三千文字って遅い…ですよね?
ククク…ああ、楽しみだぜ。その純朴で女慣れしてなさそうな顔をどれくらい真っ赤に変えてくれるのかなぁ!
いいリアクションを期待してるぜ?少年君。
さあ、俺様の膝枕を味わいな!!
よし、膝を頭の下に差し込んで…準備完了。後は起こすだけだな。ぺちぺちと少年君の頬を叩く。
んー、起きないな。男にしては柔らかい頬肉をぐにぐにと伸ばしたりこねたりしてみると、眉が僅かに動き口からも声が漏れたので手を頬から離して甲斐甲斐しく世話をしている女の子っぽく優しい手付きで額を撫でた。
くくっ、後頭部の異常な柔らかさに気が付いてるんだろうな。寝ぼけて何回も手で俺の太もも触ってやがる。
「起きたかな?しょーねんくんっ☆」
さぁ、さぁ、面白い反応を!!
「………………………アイズさん?」
…………いや、誰?
「だっ、」
「だ?」
「だああああああああああああっ!!?」
ちょっ、馬鹿、そんな思いっきり起き上がったら───!!
「「い"っ!?」」
額がぶつかるだろうが!!
それでも少年はその勢いのまま走っていったが……あれ?なんでこんなぽつんと孤独っぽい雰囲気になってるんだ?俺の期待した反応は?
膝枕した相手に逃げられるってのもある意味面白い反応だとは思うがなんか違うだろ、これは。
…ああ、忘れねえぞ。この額の痛みは。折角美少女モードでお出迎えしてやろうと思ったんだが、仕方あるまい。決して楽しみを奪われて八つ当たりたいとかそういうわけではない、決して。
こんな美少女に膝枕してもらったというのに頭突きした挙句、逃げたんだからな!こっちもそれ相応の態度を取らせてもらうとするか。
「ウロボロス!!あのガキを捕まえろぉ!!」
ウロボロスはそのチートスペックを十全に発揮し、突風を起こしながら突貫していく。先程の少年もその兎に似た容姿に違わず十分速いと言えるだけの速さだが、ウロボロスの速さとは程遠い。
「ほあーっ!?さっきのドラゴンがなんでえーッ!?」と聞こえてきたので多分捕まったのだろう。その数秒後、少年はウロボロスに猫の子のように服の首裏を口に咥えられて運ばれてきた。
その姿を見れば決して猫の子のようには見えないけど。咥えられてるから足はぷらんぷらん浮いてるし、少年ビクビクして口から泡ふくかどうかの瀬戸際だもんな。
ウロボロスがどう見ても獲物の兎を捕まえて巣に持ち帰って捕食する気満々の食物連鎖の王様にしかみえない。
それより、少年君がぷるぷる怯えちゃてか・わ・い・い・ー・☆
うむ、ちょっと方向性は違う気がしんでもないがある程度の不満は発散できて満足だ。
「しょーねんくん?人の顔見て頭突きをかました挙句逃げ出した訳を話して貰おうかな」
「…………あれ?アイズさんじゃない?」
だから誰だよ、それ。
とりあえず言葉のキャッチボールしてくれないと俺は困るんだけど。…はぁ、仕方ない。こっちが折れてやるか。一応先に迷惑かけたのこっちだし。元のカリオストロなら迷惑かけても"運が悪かった"で無関係で興味のない相手ならぱっくんちょなんだろうけど…流石にそこまでまだ割り切れない。
「で?そのアイズって奴は誰なんだよ?」
「…あ、あの、さっきと雰囲気が違いませんか?」
「答えるなら答えるでさっさと答えろ。ウロボロスの餌になりたくなけりゃあなぁ?」
「え?…ええええッ!?わ、わかりました答えますッ!」
ったく。余計な事を詮索してきやがって。あとなんだその"女の人怖い"的な顔は。こーんな美少女に詰め寄られて普通は泣いて喜ぶところだろうが。
「えっと、アイズ・ヴァレンシュタインさんはロキファミリアのレベル5の金髪金眼の冒険者で」
「へー」
「それで、そのアイズさんにミノタウロスに襲われた所を助けてもらって、その、えーっと、ぼ、ぼぼぼ僕の憧れの人といいますか」
「そっかー」
…ワカンネ。ロキファミリアとかレベルとかなんだよ。なに(ウロボロスが)食えるのかよ?
レベルとかはなんとなくは分かるがいかんせん知識も価値観も違うせいでよく分からないな。
少年の目がキラキラしていたから凄い奴ってのは分かるが…。
あと少年よ、お前は憧れの前に好きな人ってのが入るんだろぉ?はっきり言えよな。そういう情報が一番面白いんだから。
「へえ、それで少年君はそのアイズってのに惚れてると」
「なっなななななな何をををををを!?」
おいおい、今更誤魔化そうたってそうはいかねぇぞ?いや、その様子じゃできっこなさそうだがな。
「何いってんだ?そういう情報が今一番必要だろうが」
「え?ひ、必要って…?」
「察しが悪いな、俺様は馬鹿は嫌いだぜ?寝ぼけてたとはいえ、俺様とそのアイズってのを間違えたんだろ?」
「そ、そうみたいデスネ…」
ただお前の服を掴んで鼻と鼻がくっつくぐらいに近付いただけだろ?あっれー?なんでそんなに顔赤くなってるのかなー?カリオストロわかんなーい。
「要するにぃ、お兄ちゃんは私みたいな美少女が大好きってことなんだよね☆」
「ちょ、ち、近いですって…!?」
「何恥ずかしがってんだ。好きなんだろぉ?こうゆう女の子がさ!なぁ、正直に言えよ。本当は嬉しいんだろぉ?」
「あわ、あわわわわ……」
少しずつ両手で少年君の体にできるだけ手を回して抱きついてみる。少年君の体は意外と細身だし、抱き着きやすくて結構体温も伝わる。くくっ、こういう反応を待ってたんだよ。
「もーっ、カリオストロが聞いてるのに答えてくれないの?お兄ちゃん☆」
「そういう女の子が大好きです、とっっっても嬉しいですだからお願いします離れてくださいぃぃぃ────ッ!!」
ちぇー、そこまで言われたら仕方ないな。まあウロボロスが保存しといたしこれからもこのネタで楽しめるだろ。そう考えると今はこれぐらいにしといた方がより後で盛り上がるしいいよな。
少年君はゼェハァ言って胸の辺りを手で掴んで息整えてるけどどーしたんだろーねー?もう、仕方のないお兄ちゃん☆美少女なカリオストロに興奮しちゃったんだねっ☆
あ、そう言えばここの事とかファミリアがうんたらとか聞いとかないといけねえな。これ逃したら次いつ人と逢えるかわかんねぇし。
*****
女の人って怖い……。僕はまた一つ新しいことを学んだ。
確かに凄く目の前の女の子は可愛い。だけどいとも簡単に自分が彼女に遊ばれている事が分かってしまう。
遊ばれていると認識していてもその子の髪からは女の子特有のいい匂いがするし、抱きつかれるとその体の柔らかさも……。
うぅ、確かに彼女の言う通り喜んでいる男の部分に自分もいるし…。
それにその容姿も合わさってアイズさんにどこか似ているから緊張してこの状況についていけない。性格はアイズさんと全然違うんだけどね。
それにしてもやっぱり…
か、かかかかかか顔が近いっ!!
僕はアイズさん一筋アイズさん一筋アイズさん一筋アイズさん一筋アイズさん一筋アイズさん一筋アイズさ(ry
『ベルよ…』
こ、この声はお祖父ちゃん!?
『お前は忘れてしまったのか?ハーレムは男の浪漫、だろう?』
そ、そうだった!ハーレムは男の浪漫!!それは忘れてはいけないんだ!
あれ?なんか視線が……
《………………》
こ、この視線はあの時のドラゴンから!?よく見れば彼女の近くにいるし…テイムモンスター?
『"男の浪漫"、"ハーレム"これを聞いても尚お前の中で複数の女の子を囲うのに忌避感があると言うのならこの言葉を送ろう』
《………グルル》
お祖父ちゃん気付いてよ!?そのドラゴンはあの子をそれに巻き込むことに怒ってるんだってば!!
『────"姉妹丼"は最高だ、と。』
《グルルルル》
いや、無駄にかっこよく溜めて言わなくても…
『これは極東の言葉だ、分からないならタケミカヅチに聞きにいけ。もしくはヘルメsぐわぁーっ!?』
《グルァッ!!》
ああっ!?遂に噛み付かれて…お祖父ちゃんは消えてしまった。だけど確かに"姉妹丼"の言葉は僕の頭に焼き付いたと思う。いつかタケミカヅチやヘルメsって人に聞いてみよう。
「ああそうだ。聞いておかないといけないことがあった」
色々と暴走していた僕の頭は彼女の声で現実世界に戻ってきた。
「さっき言ってたファミリアってのは何で、ここはなんなんだ?」
どうやら彼女は綺麗で可愛いけどちょっと変わった人のようです。
あとなんだか彼女といると自分が不憫になるような嫌な予感がします。
カリオストロって主人公の事を〇〇さんとは言うけどお兄ちゃんとかは言わなかった気がする…。
なぜ妹属性だけつけなかった。あ、精神年齢が(ry