魔法少女リリカルなのは -転生者共を捕まえろ-   作:八坂 連也

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遅筆にも程があるだろう!

放置はしませんよ?

かなり遅くなる時がありますがw


第44話 コレは予定外だったんだが

 

 

 

 

 

「なるほどね……」

 

「どれくらいの時間がかかります?」

 

「そうねぇ……」

 

顎に指を当てて考えてる永琳さん。

 

少し小首を傾げてる様は可愛く見える。

 

最も、俺より背が高いから常に見上げているのだが。

 

周りの人達には紫、輝夜が説明を行っている。

 

鈴仙やてゐも同じように説明をしている。

 

「今の薬を作る腕前にもよるわね。以前作ったって言う若返りの薬のサンプルはある?」

 

「ああ、ここに」

 

俺はポシェットから小瓶を取り出す。

 

見た目は普通の緑色なのだが、味がもの凄く不味い恐ろしい薬である。

 

「ふぅん?」

 

小瓶を手に取り、しげしげと眺めてる永琳さん。

 

「凄いですね、若返りの薬を作るなんて……」

 

横から現れたのはウサギ耳で淡い紫色の髪をして何処ぞのブレザー制服を着た……鈴仙だった。

 

彼女も永琳さんの元で薬を作る修業をしている。

 

そう言えば、俺の姉弟子でもあるな。

 

「どうだろうな。効力は誰も飲んでないから『多分ある』としか言えないんだが」

 

「それでも、私よりは上だと思いますよ?」

 

「そうか? 俺は鈴仙の方が上だと思ってるんだが?」

 

お互いに顔を見合っている。

 

ちなみに、鈴仙の能力である波長(狂気)を操る程度の能力は俺には効かないのだ。

 

精神を操る類は一切効かないのが俺の売りでもある。

 

睡眠薬とか魔法による眠りとかそう言うのは効くが。

 

視線で操る系は一切効かないのだ。

 

「あ、私の能力は大丈夫ですか? 今は普通の人間だったのでは?」

 

「ああ、大丈夫だ。効果は発揮していないぞ」

 

「……良かった」

 

安堵のため息をついてる鈴仙。

 

「どれどれ?」

 

小瓶の蓋を開けて匂いを嗅ぐ永琳さん。

 

「匂いは……まあ、そこまで酷くはないわね。ちょっと薬臭いけど」

 

そう言って小指に薬を付けて舌で舐め取る。

 

「ぶほっ!」

 

女性ではあまりやって欲しくない吹き出し方をする永琳さん。

 

「不味いでしょう?」

 

「ゴホッゴホッ! ……こ、コレは……今まで生きてきた中で5本の指に入るくらいの不味さね」

 

そこまで言うって事は相当不味いって事か。

 

「なるほど……」

 

思わず苦笑してしまう俺。

 

「けど、若返りの効果は出てるわ。これなら……2週間位あれば習得は出来るわ」

 

「出てたのか。それは良かった」

 

「けど、どうすればこれだけ不味いのが出来るのかしら。レシピを教えて貰いたいわね」

 

「レシピは教えますが。こんなの役に立つんですか?」

 

「ええ。てゐと姫様のお仕置きに……」

 

黒い笑みを浮かべる永琳さん。

 

見なかった事にする。

 

「……そんなに不味いんですか? お師匠様?」

 

「貴女も舐めてみたら分かるわ」

 

そう言って鈴仙に小瓶を渡す永琳さん。

 

「……ゴクリ」

 

生唾を飲み込む鈴仙。

 

小指に薬を付けて舐める。

 

「ぶほっ!」

 

同じように女の子らしくない吹き出し方をする鈴仙。

 

「ね?コレは色んな意味でヤバいでしょ?」

 

「ゴホッ……ゴホッ……コレは……私は初めてです。ここまでの味に出会ったのは」

 

まあ、俺もこの味に匹敵するモノは滅多にないなと思ってるが。

 

「さて……と。それなら……今日から手取り足取り腰取り教えてあげようかしら♪」

 

最後の腰取りはいらないと思うんだが。

 

「待ちなさい」

 

いきなり呼び止められる。

 

見ると、紫が立っている。

 

背後にオーラらしいモノが立ち上ってるように見えるんだが。

 

「……どうしたのかしら?」

 

「…………薬の修業は寺子屋と同じ時間割にしなさい」

 

「……どうして?」

 

「……夜は私の所に泊まって貰うからよ」

 

……現実逃避をしていたが。

 

ここの紫にも少年偏愛(ショタコン)属性が付与されてたのね。

 

前世の時は金髪少女の姿だったから大丈夫だったのか。

 

「何を戯けた事を。夜こそお風呂から添い寝までたっぷりと堪能させて貰うのよ?」

 

 

永琳さんェ……。

 

 

貴女も少年偏愛(ショタコン)属性が付与されてたんかい。

 

俺は鈴仙を見る。

 

「……」

 

無言で視線を逸らす。

 

「……貴女ばかり甘い柿を食べさせる訳にはいかないわ。こういう可愛い男の子は滅多にいないから私が保護するわよ」

 

別に保護しなくても大丈夫なのだが。

 

紫と永琳さんの視線がぶつかる。

 

間に火花が飛び散ってるように見える。

 

 

 

「おいおい、勝手に決めて貰っては困るよ?」

「そうよ、紫?」

「……可愛い男の子は護る対象です」

 

 

 

声が聞こえるのでそっちを見ると。

 

赤い服に赤いスカートをはいて足下は草鞋。

 

藍色の髪に頭に紅葉の髪飾りを付けた女性。

 

……八坂神奈子か。

 

水色の着物に頭に三角巾。

 

その三角巾には『@』に似たマークが。

 

背後に火の玉が浮いてる。

 

髪の色は淡い桃色。

 

ちょっと童顔の女性。

 

……西行寺幽々子。

 

白いワンピースっぽい服に黒の上着。

 

マントを羽織って髪は先が茶色っぽい色になってる。

 

……聖白蓮……。

 

ってか、もの凄く嫌な予感を感じるんだが。

 

「……えっと?」

 

俺は3人の顔を見る。

 

「自己紹介がまだだったね。あたしは守矢神社に奉られてる1柱、八坂神奈子って言うんだ」

 

赤い服を着た女性が喋る。

 

「私は白玉楼と言う屋敷の主を務めてます。西行寺幽々子と申します」

 

水色の着物を着た女性が喋る。

 

「私は命蓮寺と言う寺の主、聖白蓮です。よろしくお願いします」

 

白いワンピースっぽい服にマントを羽織った女性が喋る。

 

「……藤之宮アレス。前世の記憶を持つ者だ」

 

「なるほど、それなら『アレスちゃん』と呼んで良いかな?」

 

神奈子が頬を赤らめて俺の顔を見ている。

 

「まあ、拒否されても勝手に呼んじゃいますけどね♪」

 

満面の笑みで俺を見ている幽々子。

 

「……出来れば、そう呼ばせて貰えたらありがたいかな」

 

同じように頬を赤らめてる白蓮。

 

この3人も少年偏愛(ショタコン)持ちですか。

 

と言うか、よりによって五大老……いや、この呼び名は止めておこうか。

 

「……構わないよ」

 

もはや拒否する気も全く起こらない。

 

 

「よっしゃ」

「うふふ」

「ありがたいです」

 

 

「さあさあ、邪魔者はさっさとお消えなさい。幽々子、例え親友でもこの子だけは譲らないわよ?」

 

うわー、修羅場じゃん。

 

俺はエヴァを見る。

 

「お兄様? 貞操はきちんと守って下さいね?」

 

「……ああ」

 

またしても『四面楚歌』と言う単語が頭をよぎった瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

宴会もお開きになり。

 

と言うより、先に永遠亭のメンツと一緒に帰る事となった。

 

あの後……八雲家、白玉楼、守矢神社、命蓮寺に泊まる事を約束して何とかその場を収める。

 

これで泊まらなかったら色々とシャレにならないだろう。

 

「それでは改めて、藤之宮アレス。前世名は『アリス・マクダウェル』だ」

 

「私はエヴァンジェリン。前世名は『エヴァンジェリン・A.K・マクダウェル』でした」

 

永遠亭の人は前世の時に自己紹介をしてもらっているからここは省略する。

 

迷いの竹林をのんびりと歩く。

 

「そう言えば、知らない人達が増えていたな」

 

「そうだね、アレスがこっちを去ってから色々と事件が起きたから」

 

輝夜とは呼び捨てで呼び合う仲である。

 

「帰ってから教えてあげますね」

 

「うどんげ? それは私がやる役目よ?」

 

「ひっ! りょ、了解ですお師匠様!」

 

俺の方からは見えないが、永琳さんの顔を見て涙目になってる鈴仙がいる。

 

どんな顔してるんだ…。

 

「てゐ? お兄様に悪戯しちゃ駄目ですよ?」

 

「や、やらないよ……!」

 

額から滝の様に冷や汗を流しているてゐ。

 

前に来た時、エヴァを怒らせてお仕置きを受けているのだ。

 

以来、エヴァには頭が上がらない。

 

どんな事をやったんだか。

 

俺は直接見てはいないから詳しくは知らないんだが。

 

「……」

 

輝夜が近くに寄ってくる。

 

ちなみに、彼女の方が10㎝くらい背が高い。

 

「……永琳に気を付けなさいよ」

 

「……いきなりどうした」

 

「最近はなりを潜めてたんだけどね。月にいたときから可愛い男の子を見てはハァハァと欲情していたから」

 

「……」

 

生来からのフェチだったのか。

 

「前に来た時は貴方は女の子だったから大丈夫だったけど。今は……見事にストライクゾーンに入ってるから」

 

見ていれば分かる。

 

前の時と対応が変わってるから。

 

「……一応、気を付けてはおく」

 

「全く、これが無かったら文句なしなんだけどね」

 

苦笑している輝夜。

 

「だな」

 

俺は同意するしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

永遠亭に到着。

 

純和風の作りは相も変わらずといった所か。

 

「別々の部屋が良い? 一緒の部屋が良い?」

 

「一緒の部屋でお願いします」

 

輝夜の問いにエヴァが間髪入れず返答する。

 

「私の部屋はこっちよ。いつでも来ても良いわよ。特に夜は大歓迎ね」

 

永琳さん、何を仰ってますか……。

 

「それじゃ、部屋に行った後は……お風呂に入ります」

 

「お風呂はこっちよ」

 

廊下の奥を指差す輝夜。

 

「とりあえず、部屋に案内しますね」

 

俺とエヴァは鈴仙に連れられて廊下を進む。

 

 

 

 

 

 

 

「……世の中、ままならない事もあるものだ」

 

俺は小声で呟く。

 

「~♪」

 

目の前では永琳さんがもの凄く楽しそうに俺の身体を洗っている。

 

そう、俺は今……永遠亭の風呂に入っているのだ。

 

風呂の作りは現代の風呂と遜色ない作りになっている。

 

最も、シャワーは無いが。

 

湯船は薪を燃やして沸かすタイプ。

 

少し開けられた窓から煙が入ってくるのはご愛嬌。

 

「ん~♪凄い肌がぷにぷにしていて……触れば触るほど虜になるわね」

 

先程から二の腕とか腹とか揉むようにして洗っている。

 

対面座りだから目の前では永琳さんの大きな胸が揺れている。

 

こちらの永琳さんはそう言う設定の様だ。

 

「……それに、コレは実に危険ね」

 

そう言って俺の男性専用アームドデバイスの砲身部分を手に取る。

 

「……」

 

「貴方の歳なら大体は皮を被ってるモンなんだけどね……」

 

そう言って実に丁寧に洗う永琳さん。

 

「……俺、14歳になったんですけど」

 

「それなら皮が被ってなくても不思議じゃないわ」

 

変なところで納得する永琳さん。

 

「で? もう迎えたの?」

 

「……何ヲ?」

 

「射○よ、○精。貴方位の年齢ならもう迎えてるんじゃないの?」

 

ニヤニヤしながらも俺の男性専用アームドデバイスを洗う永琳さん。

 

硬度を上げる気満々だろ……。

 

「……こないだ迎えたばかりだ」

 

「ほぅ」

 

そう言って永琳さんは洗う手を強める。

 

「何故そこで強めるんですか?」

 

「検査よ。貴方の将来がかかってるからね」

 

もの凄い大きなお世話だと思うんだが!

 

それと、これ以上は大人の事情にひっかかるんだが!

 

「……心配しなくても大丈夫ですよ」

 

「そう?」

 

「ハイ」

 

「……なら、きちんと硬度が保てるか私の身体で試してみる?」

 

妙に頬を赤らめさせてる永琳さん。

 

すっげー嫌な予感。

 

「言ってる意味が分からんのですが……」

 

「単刀直入に言うわ。ヤりましょう♪」

 

直球ど真ん中に来ましたよ!

 

「いや、それはさすがに……」

 

「良いでしょ?私も初めてだし、アレスちゃんも初めてだからおあいこ♪」

 

何で俺が童貞だと知ってるんだ!

 

「……私が許すと思う?」

 

ここにいないはずの声が響く。

 

俺と永琳さんの真横の空間に亀裂が入る。

 

そこから現れたのは……紫だった。

 

顔だけを覗かせて俺と永琳さんを見ている。

 

「っ……鬱陶しいのが来たわね……」

 

小さく舌打ちをする永琳さん。

 

「私の勘が囁いてたからね。貴女の事だからお風呂から寝床に直行しかねないから」

 

そう言って俺の方を見る紫。

 

「うふふふふ……これはこれは……」

 

紫の視線は俺の股間に釘付けだった。

 

「里の男の子達を長年観察していたけど……ここまでのイチモツを持ってる子はいなかったわ……」

 

もの凄く不穏当な台詞が聞こえてきたが、ツッコミを入れるのを止めておいた。

 

「さあ! 一緒にお風呂入りましょ!」

 

スキマから飛び上がって来る紫。

 

っておい!

 

スキマ部分に残された紫色の服が見えた。

 

こ、この妖怪は『ルパンダイブ』を習得しとったんかい!

 

ってか、女性がやって良いんかい!

 

無論、紫は全裸である。

 

永琳さんと同じ巨乳である。

 

「どっせい!!」

 

俺に抱きつこうとした瞬間に光弾に吹っ飛ばされる紫。

 

永琳さんが弾をぶつけた様だ。

 

「いったいわね! 何するのよ!」

 

「貴女こそ何してるのよ! ここは私の家なのよ!」

 

「そんなのは関係ないわ! 可愛い男の子がいたら襲えと言う名言があるの知らないの!?」

 

「あるのは知ってるわよ! それをこれから実践しようとしてたら貴女が邪魔するからじゃない!」

 

どっちにしてもロクでもない事は分かる。

 

2人は立ち上がってわめき散らしている。

 

……2人とも、毛が生えてないのね。

 

そんな事を思いつつ俺は身体に付いてる泡を流す。

 

それから湯船に漬かり、一息。

 

「って! いつの間にお風呂に入ってるのよ!」

 

「そうよ!」

 

俺が湯船に漬かっていると慌てて2人は湯船に入ってくる。

 

ちなみに永遠亭の湯船は5人くらい入れる大きさである。

 

「さあ、こっちにいらっしゃい」

 

「駄目よ。そっちに行ったら搾り取られるわよ」

 

俺の両手を取るのは永琳さんと紫。

 

「……時間制で良いだろ?」

 

「仕方ないわね」

 

「そうね。今回はそれで良いわ」

 

その後、永琳さんと紫の両人に抱きつかれながら湯船に入るのであった。

 

言うか。

 

こっちに来てもあっちと状況が変わらないのはどういう事だ……。

 

その時、頭に声が響いた。

 

 

 

『知らなかったのか…? 少年偏愛(ショタコン)からは逃げられない…!!!』

 

 

 

 

えー? どこの大魔王様ですかー?

 

ってか、この声……。

 

いや……追求は止めておこうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん~あったか~い」

 

「この暖かさは病み付きになるわね……」

 

寝床に入ると隣に永琳さんと紫が何事も無かったかのように入ってくる。

 

2人は俺の身体を抱きしめている。

 

俺を湯たんぽか何かと間違えてないか?

 

本来はエヴァと寝る予定だったのを永琳さんと紫が頼み込んで交代して貰ったと言う経緯がある。

 

「俺は湯たんぽじゃねぇぞ…」

 

「何を言ってるの? アレスちゃんは湯たんぽ以上の性能を誇っているのよ?」

 

「そうそう。湯たんぽは暖かいだけだけど、アレスちゃんは柔らかいし、いい匂いがするし」

 

「そうね。抱き心地がもう最高よね! ねぇ? このままここに永住しない?」

 

紫が恐ろしい提案をしてくるんだが。

 

「いや、帰るところあるし」

 

「……残念ねぇ……もし飽きたらこっちに来なさいよ? 何があろうと受け入れてあげるから♪」

 

駄目だ、もう骨の髄まで少年偏愛(ショタコン)化しとる。

 

「……まあ、飽きたらな」

 

お茶を濁す様に返答するしかなかった。

 

こうして夜は更けていくのであった。

 

 

 




八雲紫、西行寺幽々子、八意永琳、八坂神奈子、聖白蓮。

この方々はカリスマがあるはずなのですが、アレスの事になると投げ捨ててしまいますw


よりにもよってこの方々に少年偏愛(ショタコン)が付与されておりますw



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