魔法少女リリカルなのは -転生者共を捕まえろ-   作:八坂 連也

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歳の差が気になるお年頃


第42話 プレシア女史の依頼

 

 

 

 

 

 

初の砲撃から1ヶ月。

 

夏休みの間は……そりゃもう、色んな意味で大変でした。

 

寝てる最中に馬乗りになって合体(ユニゾン)しようとするはやて。

 

何とか気付いて未遂に終わらせてるが。

 

しまいには全員で俺の身体を固定してから襲って来る始末。

 

無論、全員眠らせて記憶を改竄しているからこれも何とか回避している。

 

このままだとエスカレートするから妥協案で。

 

 

 

『手だけ使うなら良い』

 

 

 

と言う条件を出したら。

 

「やったで♪」

 

「良い練習なの♪」

 

「アンタの意外と握りがいがあるから……良いわ」

 

全員納得して頂きました。

 

当面はこれで大丈夫だろうが、1年しないウチに多分また暴走するだろう。

 

その時はその時で考えるか。

 

ってな訳で、お風呂とか寝る前に手でカートリッジロードして貰う事が多くなった。

 

風俗並みの事をして貰ってる俺がいるのであった。

 

……同級生とかに知られたら刺されそうだな。

 

困った事に、段々とテクニックが上手くなっているから始末に負えない。

 

……変態淑女の名に恥じない彼女達だった。

 

 

 

 

 

 

 

ざわ……ざわ……。

 

少し、騒がしい。

 

いつもより少し、浮ついた空気が漂う。

 

何故か……だって?

 

そう、今日は授業参観日である。

 

子供達の授業風景を見て貰う、子供にとってはちょっと恥ずかしい日でもある。

 

授業が始まると、少しずつ保護者の人達が中に入ってくる。

 

いつもより着飾って、化粧をしている母親とか、背広を着て頭をきちんと整えている父親とか。

 

普段見る事のない自分の親を見て少し驚いているヤツもちらほら。

 

すると、妙に若い人が入ってきたな……。

 

って、忍さんじゃん。

 

そりゃあ、お姉さんだから若いのは当たり前だろう。

 

髪の色とかすずかにそっくりだからすぐに分かる。

 

次に入ってきたのは……アリサのお母さん。

 

金髪で顔の感じも似てる。

 

まあ、アリサよりちょっと背が低いのだが。

 

そう言えば、結構若く見えるよな。

 

ちらちらと様子を見ながら授業は進んでいく。

 

次に入ってきたのは……リンディさん。

 

少し、空気が変わる。

 

確かに、リンディさんの見た目は20代半ばくらいにしか見えないからな。

 

小声で『綺麗な人だな~』とか『誰のお母さんだ?』とか聞こえる。

 

まあ、アレでも1児の母なのだが、見えないんだよな。

 

そうこうしてたら、また次に。

 

プレシア女史だった。

 

さすがにあの悪の魔女風で来たらシャレにならんかったが、ごく普通のスーツを着ている。

 

……そう言えば、プレシア女史も結構な年齢のハズだよな。

 

多分、他の人より一回り上のハズだが。

 

年齢の事を聞こうとしたが、もの凄いプレッシャーを感じたので聞けなかった。

 

やはり女性に年齢の事を聞くのは禁句だよな。

 

しかし、フェイトとアリシアに似てないのは……何と言うべきか。

 

髪の色と瞳の色は父親に似たのであろうか。

 

ちなみに声は『すげー恐い』とか『なんかスパルタママっぽい』と言った声が。

 

まあ、かつてはムチ持ってフェイトにお仕置きしていたから違和感は無いんだが。

 

でも、今は優しいお母さんになってるから大丈夫だ。

 

……プレシア女史は周りの人を一通り見てから何かため息をついてるんだが。

 

どうしたんだろ?

 

そんな事を思いつつ授業を受けてたら……。

 

また空気が変わった。

 

誰かと思ったら、桃子さんと士郎さん。

 

……あの夫婦は時を止めたんじゃなかろうか。

 

出会った時から一切変わっていない。

 

老化と言うモノをどっかに放り投げてきたんじゃ無いかと思う。

 

2人とも20代前半の姿にしか見えない。

 

周りの方からも『若い……』とか『あれで子持ち?』とか。

 

同級生からも『すげー』とか『あんなお母さん欲しかったな~』とか。

 

確かに、あの姿を見たら驚くよな。

 

恐るべし、高町一族。

 

『ざわっ』

 

更に空気が変わった。

 

今度は誰だ?と思ってみたら。

 

我が母親でした。

 

……いつも見てるから何とも思わなかったが。

 

あの姿はどう見ても中学生だよな。

 

胸は大きいが、背が低い(142㎝)。

 

顔も……俺とほとんど一緒。

 

髪は腰まで伸ばしてるロングヘアで前髪に銀髪が混じってる。

 

そして、俺と同じで右目が蒼く左目は黒い。

 

誰がどうみても俺の母親と分かるだろう。

 

〈ほらほら、授業に集中しないと当てられちゃうよ?〉

 

〈大丈夫だ。そんなヘマはしないよ〉

 

母さんからの念話が届く。

 

周りからは『どう見ても……アレスの母親だよな……』とか『お母さんそっくり……』と声が。

 

担当の先生も一瞬動きが止まっていたが、咳払いしてから授業を再開する。

 

しかし、我が母親ながら。

 

ここの制服着ていても違和感なくとけ込めるよな。

 

俺も人の事言えないがな!

 

そうこうしてたら。

 

『……』

 

何か、空気が凍った様な雰囲気が。

 

どうしたのかと思って入り口を見たら。

 

俺の父さんだった。

 

まあ、あの外見は……ヤバいよな。

 

どうみてもヤ○ザの幹部以上組長の右腕級の雰囲気を身体から出している。

 

短めの髪でスポーツ刈りっぽく、困った事に左目と左頬には切り傷が残っている。

 

失明はしていないが、見た目は良くないからサングラスをしているがほとんど効果が無い。

 

むしろ悪化してる様な気が。

 

身長は195㎝で肩幅が広く、胸板も厚い。

 

ボディビルダーが服を着たような感じに見える。

 

あーあ、他の父親なんか視線を逸らしてるぞ。

 

『目を合わしたら殺られる』と思ってるに違い有るまい。

 

母さんの隣に行って頭をポンポン。

 

母さんは父さんの顔を見てから少し頷いて。

 

おもむろに抱きかかえてから母さんを肩に乗せる。

 

そして、後ろの方に回る。

 

おいおい、周りの人が避けてるぞ。

 

あの一角だけオーラが出てる様に見える。

 

なんつーか、美少女と野獣?

 

苦笑してるのは高町夫妻、プレシア女史、リンディさん、アリサの母さん、忍さん。

 

知り合いでなきゃ……逃げたくなるわな。

 

ありゃ……担当の先生も黒板を書く手が震えてるぞ。

 

まあ、俺にはどうにも出来ないんだがな!

 

『あれって……アレスの親父さんか?』とか『……アレは反則でしょ』とか『俺……父さんが普通で良かった』とか。

 

……。

 

確かに、我が父親ながらあの外見は……。

 

前に一緒に歩いていたら……警官に職質されたし。

 

誘拐犯に間違われたのかも。

 

そんな感じで授業は進むのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「ふう……やっぱり俺が入ると全員緊張するんだよな」

 

そんな愚痴をこぼすのは我が父親。

 

「仕方ないでしょ。その身長と体格の上に顔の切り傷とかどう見てもRPGの強面冒険者じゃない」

 

「まあな。この傷は勲章だしな」

 

どういった経緯でついたのか、興味はあるが。

 

まあ、聞くのを止めておくか。

 

ジョッキでビールを飲む姿なんかどう見てもRPGに出てくる冒険者にしか見えない。

 

「でも、アレスちゃん……小さいわね」

 

「小さい言うなし」

 

「駄目よ。その小さい所がアレスちゃんの可愛い所の1つなんだから♪」

 

もはや何も言うまい。

 

 

 

ピンポーン

 

 

 

ん?

 

誰か来たみたいだ。

 

「誰かしら?」

 

母さんはそう言って玄関の方に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

「こんばんわ」

 

「こんばんわ」

 

「こんばんわ~」

 

来たのはプレシア女史1人。

 

リビングに通してからテーブルに座る。

 

「今日はどうも」

 

「こちらこそ」

 

そう言って父さんとプレシア女史はお辞儀している。

 

「今日はどういった用件で?」

 

父さんがプレシア女史に尋ねる。

 

「あの……恥ずかしいのですが……」

 

「……ふむ。ならば私は席をはずしましょうか」

 

そう言って父さんは自室に戻る。

 

リビングに残ったのは俺、母さん、プレシア女史。

 

「どうぞ」

 

そう言ってプレシア女史の前にお茶を出す。

 

「ありがとうございます」

 

一口お茶を飲むプレシア女史。

 

「……アレスちゃん。若返りの薬ってあるかしら?」

 

「……なぬ?」

 

経緯を聞いてみた。

 

 

 

 

 

 

要は、今日の授業参観で若い母親が多かった。

 

それに比べて自分は少し歳を取ってる様に思えたと。

 

見た目は若く見えるのだがなぁ。

 

確かに、俺の母さんや桃子さん、リンディさんに比べたら……。

 

アレは比べない方が良いのだが。

 

「数年前に、私の治らないと思ってた病気を治した薬を持ってたから……ひょっとしたらと思って」

 

「なるほど。確かに、数年前にプレシアさんの病を治したからな」

 

「それで? ある……かしら?」

 

「うむ、あるか無いかと問われたらある」

 

「!」

 

驚いた顔で俺を見るプレシア女史。

 

「だが、問題があるんだ」

 

「……それは?」

 

俺は湯飲みを持って一口茶を飲み、こう言った。

 

「不味い」

 

「……なるほど」

 

苦虫を潰した様な顔になるプレシア女史。

 

以前の万能薬も言葉に表現出来ない位の不味さだったのを覚えているみたいだ。

 

「でも、少々不味くても……」

 

「いや、以前飲んで貰ったあの薬の3倍は不味いと思う」

 

「……3倍……」

 

顔が真っ青になるプレシア女史。

 

「しかも、1歳若返るのに2リッターは飲んで貰わないといけない」

 

「う……それは……」

 

頬が引きつってるプレシア女史。

 

もはや罰ゲームの領域である。

 

まあ、後味が1日近く残る青汁2リッターを一気飲みして貰うような感じである。

 

前世で作って、近右衛門に飲んで貰ったが。

 

 

『勘弁してくれんかのぅ……ワシこのままでええから……』

 

 

と涙ながらに訴える位である。

 

確かに、小指で少しつけて舐めてみたら『ぶほっ!』と噴き出す位不味いのだ。

 

理論上は若返るはずなのだが、不味くて誰も飲んでいないのだ。

 

「改良とか……出来ないかしら?」

 

「それなんだよな。俺は薬の専門じゃないからなぁ……」

 

「さすがに、私もその手の知り合いはいないわね……」

 

2人で腕を組んで悩んでると。

 

〈お兄様? あそこはどうでしょう?〉

 

エヴァからの念話。

 

〈うん?〉

 

〈永遠亭ですよ。あの方ならもっと良い薬を作れるのでは?〉

 

〈おお、そうだったな〉

 

思い出すのは前世の時。

 

ちょっと暇だったので、世界を渡ってから『幻想郷』と呼ばれる世界に行って、薬の作り方を習ったのだ。

 

基礎的なヤツしか教わってなかったから、都合が良い。

 

「プレシアさん、とりあえずこの件は何とかします。ちょっと伝手を思い出したので」

 

「ホント?」

 

「ええ。すぐには出来ませんが、出来たら持っていきますので」

 

「分かったわ♪やっぱり、アレスちゃんは頼りになるわ♪」

 

プレシア女史は俺の頬にキスしてから帰るのであった。

 

 

 

 

 

〈と言うわけだ。大丈夫か?〉

 

俺は部屋に帰ってからこの世界を管理するマッチョ神に連絡を取る。

 

〈うむ。その点については大丈夫だ。帰還する時間を1日後にすればこちらでは1日しか経過してない事になる〉

 

なるほど。それなら問題は無いな。

 

〈我が儘言って悪いな〉

 

〈構わんよ。君のおかげでだいぶ集まったからな〉

 

〈そう言えば、後何人残ってる?〉

 

〈そうだな……名簿は300人だったから…………確か後20人は下回っていたと思ったが〉

 

〈了解だ。それと、もう1つ〉

 

〈む?〉

 

〈なのは達と俺の子供が出来ないようにしておいてくれ。全員捕まえたなら良いが、今の状況で妊娠はまずい〉

 

〈ふむ、分かった。その様にしておこう。しかし、悪かったな……〉

 

〈ん? 何の事だ?〉

 

〈よもや、小柄な少年が好みの人が多い世界だったとは。私もコレは予想外だった〉

 

〈……まあ、俺も予想外だった。でも、それなりに楽しく過ごさせて貰ってるから大丈夫だ〉

 

〈……そうか。まあ、子供が欲しくなったらいつでも言ってくれ。解除するから〉

 

〈了解だ〉

 

こうして、なのは達と俺に子供が出来ないように対策を立てておくのであった。

 

 




何という避妊対策w


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