魔法少女リリカルなのは -転生者共を捕まえろ-   作:八坂 連也

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これにて無印編は閉幕と相成ります





第14話 アリシア復活

 

 

 

 

 

 

無事にアルハザードに着いた。

 

もうちょい廃墟化してるかと思ったら意外と綺麗な状態であった。

 

ちなみに見た感じはいかにもと言った未来都市的な作りだ。

 

前世の前世において見た科学都市になった東京を思い出す。

 

【ここの管理室で認証登録しておけばジュエルシード無しでアルハザードに来る事が出来ます】

 

管理室らしい部屋に来た俺達は全員分のデータ全てを入力しておく。

 

もっともアリシアは後で登録することになるのだが。

 

「これならそんなに時間はかからないだろう」

 

「そうね。しかし、凄いわね。昔の技術なのに今の技術より優れてるなんて」

 

プレシア女史は周りの機械を眺めながら呟いた。

 

「ああ。これだけの技術を持っていながら滅んだのか」

 

「やはりどんなに優れた技術を持っていても自然には勝てないのかしらね」

 

「そうだなっと。ここはどうだ? ここなら居住区と……どうやら生体工学の研究施設の近くだ」

 

俺はコンピューターから地図を出して指で指し示した。

 

「どれどれ? 良いわね。ここにしましょうか」

 

俺達は地図の場所に向けて移動した。

 

 

 

 

 

着くと大きめな建築物に辿り着いた。

 

中に入るとちょいと埃まみれだったが掃除をすれば問題は無い。

 

と言う訳で俺は最大限に分裂して掃除等雑用にとりかかる。

 

「その能力はかなり便利ね……」

 

「ネコの手も借りたい時に重宝しますね……」

 

リニスさん、貴女はネコでしょうに。

 

全員が目を丸くして俺が複数になって片づけていく様を見ていた。

 

 

 

 

 

一段落ついた所でリビングに集まって休憩した。

 

「さ、どうやってリニスを復活させたのか……言って貰うわよ?」

 

目が据わってるプレシア女史を眺めつつ俺はリニス復活の経緯を話した。

 

 

 

 

 

「なるほどね……異世界の技術……ね……」

 

顎に手を当てて考え込むプレシア女史。

 

「プレシア、この技術が管理局に知れ渡ったら……」

 

「まずいわね。絶対に人造魔導師とかろくでもない使い方しかしないわね」

 

「それに俺だって何かしら制限をして来るだろう」

 

「そうね。アレスちゃんが持ってるデバイスだってロストロギアみたいな物だから奪って保管せよ! って言う馬鹿が出るに違いないわ」

 

【まあ、私はお兄様以外に使われる位なら自爆しますけどね】

 

サラリと恐いこと言うな、エヴァは。

 

「え? 自爆機能あるの?」

 

【ええ。どうやら当時のベルカの技師が付けたみたいで。『自爆はロマンだ』といった記述が私の中に残ってます】

 

「……やはり今も昔も科学者は自爆装置は好きみたいね」

 

苦笑しているプレシア女史。

 

「…………」

 

その会話を聞いて不安な表情を見せてバルディッシュを眺めるフェイト。

 

【私にはそんな機能はついてません】

 

「良かった……」

 

バルディッシュ卿の返答にホッと安心した呼吸をするフェイト。

 

「私は自爆装置はつけませんよ? フェイト?」

 

「いや、リニスを疑ったわけじゃ……」

 

リニスが頬を膨らませて、フェイトが大慌てで弁解している光景を俺は眺めていた。

 

そう言えば、複雑な機構を全て廃して『ボタンを押すだけで自爆出来るロボット』を作成していた科学者がいたな。

 

起動実験でボタン押して自爆してたが。

 

自爆マニアもあそこまで行くともはや理解しがたい。

 

 

 

 

 

 

 

次の日。

 

そんなこんなでアリシアを復活させる算段が整った。

 

生体工学所と思われる場所で俺達は準備を進める。

 

生体ポッドの中にアリシアの身体を入れてチェックをする。

 

全裸ではあるがアリシアからの許可は取ってある。

 

 

『将来のお婿さんだから隅々まで観察して良いよ~』

『私も全く構わないわ。好きなだけ観察して勉強しなさい』

 

 

プレシア女史もアリシアも頭が少しバグってる様だ。

 

フェイトは頬を膨らませて『う~』と唸ってるし、リニスとアルフは苦笑していた。

 

まあ、前世は女だったから『そんな観察とか必要は無いんだぜ!』とは当然言えない。

 

ちなみにプレシア女史がメイン、俺とリニスが補佐、フェイトとアルフとアリシアは見学だ。

 

キーボードをカタカタと叩いて機械の操作をする。

 

とりあえず、今はアリシアの身体の状態をチェックする。

 

このチェックでアリシアの身体にある損傷等を探し出して修復するのだ。

 

そうすればアリシアは復活出来るはず。

 

とりあえず、機械がチェックに入ったので俺達は休憩する。

 

 

 

 

 

機械の方から完了と思われるブザー音が聞こえた。

 

ディスプレイを見る俺とプレシア女史、リニス。

 

「これは……」

 

「なるほど、これが原因か……」

 

「さすが失われし技術。ここまでの精度を……」

 

身体の絵が出て頭の部分にチェックが入っていた。

 

どうやら頭の部分に何か問題があるから身体が蘇生出来なかったのだろう。

 

「それじゃ、治療してもらおうか」

 

3人お互い顔を見合わせてから機械のプログラムを開始した。

 

 

 

 

 

とりあえずセット出来たのでまたも俺達は終わるまで待つことになった。

 

さて、無事にアリシアを復活出来たなら俺はお払い箱だろう。

 

適当に頃合いを見て帰ることにしよう。

 

「そう言えば、私とアリシアはどんな立場になるの?」

 

不意にフェイトが訪ねて来た。

 

「そうねぇ……生まれた順で言えばアリシアが姉でフェイトが妹になるんだけど」

 

と言ってプレシア女史はポッドの中に入るアリシアとフェイトを見比べていた。

 

「見た目はフェイトが姉になるんだけど……」

 

「いや~! あたしがお姉さんなの~!!」

 

アリシアが駄々をこねる。

 

「そうは言ってもねぇ」

 

確かにそうなのだ。

 

アリシアとフェイトを並べると、アリシアが頭半分くらい低いのだ。

 

まあ、フェイトは数えで9歳、アリシアは5~6歳位で事故にあったためそこで成長が止まってるのだ。

 

要は同じ身体年齢を2人とも同じにすれば良いのだ。

 

となると、方法はとりあえず2つ。

 

薬を使用して強制的に身体を大きくするか、ダイオラマ魔法球を使用して自然に身体を大きくするか。

 

プレシア女史に聞いてみるか。

 

「なら、アリシアの身体を大きくすれば良いだろ」

 

「そうは言ってもねぇ」

 

「俺が提示出来るのは2つ。薬を使って強制的に成長させるか」

 

「薬はちょっと……」

 

「なら、これを使う」

 

俺は魔法のポシェットからダイオラマ魔法球を取り出した。

 

「何かしら? コレは?」

 

不思議そうな顔で魔法球を見るプレシア女史。

 

「魔法の箱庭だ。名前はダイオラマ魔法球。時間の流れが違うように細工してある。中の1日は外の1時間に当たる」

 

「へ?」

 

「つまり、外では1日だがこの中では24日過ぎる事になる。外の時間で60日入っていればえっと……1440日か?ちょいと多いが、4年分。兎に角、アリシアの身体を成長させることは出来る」

 

「それこそ魔法じゃない」

 

唖然としているプレシア女史。

 

リニス以外も目を丸くして魔法球を見ていた。

 

「プレシアさん、1日おき位に入っていけば良いから。もっとも、早く歳を取りたいならずっと中に入っていても……」

 

「入るわけないでしょうが!」

 

プレシア女史の背中に般若の面が浮かんでいた。

 

「私が入ります。元々寿命はあってないような物ですし」

 

リニスなら大丈夫だろう。多分……。

 

そうこうしてたらポッドのディスプレイから音が鳴り響いた。

 

どうやら完了したみたいだ。

 

プレシア女史がアリシアの身体を取り出してから近くのベッドに寝かせる。

 

「さて、これで大丈夫だと思うが?」

 

「ですが、心臓が動いていません……」

 

「とりあえず、俺の気を少し送ってみるか」

 

俺はアリシアの頭に手を当ててから気を少し送ってみた。

 

「……どう?」

 

「大丈夫です。心臓が動き出しました!」

 

「アリシア?」

 

「うん!」

 

アリシアが頷いてから身体の所に行って重なる。

 

少し光輝いてから光が収まる。

 

「……ん……」

 

ベッドの上に眠っていたアリシアの目が開いた。

 

「あ、アリシア!」

 

プレシア女史が抱きついた。

 

「お母さん……」

 

「アリシア……やっとこの手で……」

 

プレシア女史の目から流れる涙。

 

見るとリニス、フェイト、アルフも目に涙を浮かべていた。

 

さて、感動の対面だから俺はちょいと席を外すかな。

 

俺は外の空気を吸いに建物から外に出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしてこうなった……?」

 

俺は今、浴場に来て呆然としていた。

 

1人ではなく、プレシア女史、アリシア、フェイト、リニス、アルフの5人と一緒に。

 

どうしてこうなったのか、時を少しだけ戻す。

 

 

 

 

 

アリシアを蘇生した後、全員で食事を取って俺は帰ろうと思っていた。

 

そこへフェイトがサラッと言って来た。

 

「お風呂に入ろうか?」

 

何を躊躇せずにサラッと言うのかね?

 

「何?」

 

「お風呂。なのはと一緒に入ってるんでしょ?」

 

なのは、何を教えてるのかね。そんなのは軽々しく言ってはいけないと……教えてなかったな。

 

「あ、まあ、確かに……たま~に入ってるが……」

 

「なら入ろ? アリサやすずかとも入ったんでしょ?」

 

おぅ……いつぞやの旅行の時の事まで聞いてるのね。

 

「う……うん……」

 

「お兄ちゃんずるい~! あたしも一緒に入る~!!」

 

更に追い打ちをかけるかの様にアリシアも参戦してきた。

 

「え、あ、お、おぅ……」

 

「あらあら。なら私も一緒で良いわよね?」

 

そう言って背後に回るのはプレシア女史。

 

だから頬を撫でるのは……クセなのか?

 

「そうですね、皆で一緒に入りましょうか」

 

「良いね~、一家団欒だねぇ~。酒持って行こ」

 

リニスとアルフも一向に止める気は無いようだ。

 

あんた方、俺が男だって言うの忘れてるんじゃあるまいな!?

 

 

 

 

 

とまあ、今に至る訳だが。

 

腰にタオル巻いていたらそんなのはいらないよ~とか言ってアリシアにはぎ取られるし。

 

何かプレシア女史の視線がまったりと絡んでくると言うか。妖しい雰囲気を帯びてるし。

 

確かになのはや母さん、エヴァと一緒に入ってるから多少の免疫は出来てますが!

 

違う人となるとやはり緊張はするんだがね!

 

プレシア女史とリニスさんの胸はたゆんたゆんと揺れてるし!

 

アルフは程良い大きさでスラッとした体型だし!

 

フェイトとアリシアは子供体型だ。

 

……ロリが見たら鼻血を噴くだろうが。

 

熱い衝動を抑えつつも俺は身体を洗おうと思ったら。

 

「えへへ」

 

そう言って目の前に現れたのはアリシア。

 

前を隠せよ! 堂々と腰に手を当てて立ってるんじゃありません!

 

「どうした?」

 

「お兄ちゃん、洗って~」

 

そう言って俺の横にあった椅子に座った。

 

ちなみに今入ってる浴場は大人数対応の銭湯みたいな作りになっている。

 

「しょうがないなぁ~」

 

そう言って俺はアリシアの身体を洗う。

 

 

 

 

10分後。

 

「えへへへへへへへへへ♪ お兄ちゃん上手♪」

 

顔を赤くするアリシア。

 

うむ、俺が身体を洗うと皆こうなるんだよな。

 

「なのは達から聞いてはいたけど……」

 

驚いた表情で俺とアリシアの様子を見ているフェイト。

 

「私も洗って?」

 

そう言って俺の隣に座るフェイト。

 

アリシアはふらふらしながら湯船に向かっていった。

 

ちなみにその先にはプレシア女史が居たが。

 

「……ああ」

 

俺は同じようにフェイトの身体を洗うことにした。

 

 

 

10分後。

 

 

「……はぅ……凄い……」

 

目が虚ろになってるフェイトが居た。

 

顔がリンゴの様に真っ赤で酒に酔ったのか?と問いたくなるくらい赤い。

 

「……大丈夫か?」

 

「……だ、大丈夫……」

 

そう言って俺はフェイトの背中から湯をかける。

 

「なのはの言うとおりだった……。アレスに身体を洗って貰うと凄く気持ち良いって……」

 

「……そりゃ、ありがとう」

 

「時々で良いから一緒に入ろ?」

 

「ああ。分かった……」

 

断る事が出来なかった。

 

「娘2人を堕とすなんて……ね」

 

そう言って俺の背後に現れたのはプレシア女史。

 

スゲーイヤな予感。

 

フェイトはフラフラとした足取りで湯船に向かって行った。

 

「お礼にアレスちゃんの身体を洗ってあげるわ♪」

 

やはりこのパターンかよ!

 

「いえ、ひ、1人で洗え……」

 

「遠慮しないの。(男の子の身体を洗ってみたかったのよ)」

 

何か最後の方は聞こえなかったが。でも、妙な予感は感じる。

 

「ほらほら」

 

そう言ってプレシア女史は俺の背中を洗い出した。

 

ああ、気持ち良い。意外と上手に洗う。

 

「痛くないかしら?(プニプニしてて柔らかいわね)」

 

「あ、ああ……」

 

次に腕を取って同じように洗う。

 

これも同じように程良い力加減で気持ち良い。

 

「それじゃあ、前ね」

 

そう言ってグルンと対面になるように回転させた。

 

まて……今、エラい力を発揮しなかったか?

 

「……」

 

「どうしたのかしら?」

 

プレシア女史の目が少し血走ってる。しかも据わってる。

 

暴走しないだろうな。リニスさんが止めてくれるのを期待するしかない。

 

「何でもない」

 

「そう」

 

プレシア女史は俺の胸、腹と洗う。

 

少し妖しい雰囲気を醸し出しているが、大丈夫そうだ。

 

足を洗う。足の指から綺麗に、丁寧に洗ってくれる。

 

このまま何事もなく終わってくれるだろうと思ってたら。

 

 

 

「……」

「……」

 

 

プレシア女史は何事も無かった様に俺の股間に手を伸ばして洗う。

 

 

「……」

「……」

 

 

お互い何も言わない。

 

無言の空気が流れる。

 

湯船ではリニスさん、アルフ、フェイト、アリシアが談笑していてこちらには気付いていないようだ。

 

 

「……」

「……」

 

 

…………エラい丁寧なんだが。

 

他の箇所よりも明らかに丁寧に洗ってくれている。

 

 

 

「……(この歳で既に……皮が……!)」

「……」

 

 

 

何が言いたいか分かった。

 

俺の……そうだな、『男性専用アームドデバイス』と仮称しておこうか。

 

ぶっちゃけ言うと、俺の男性専用アームドデバイスは……先端部分は装甲が無くて剥き出しと言っておこうか。

 

「……(コレは……アリシアもフェイトも泣かされるわね。ついでに私も)」

 

「……いつまで洗ってる?」

 

「あ!」

 

プレシア女史は驚いて俺のアームドデバイスを強めに握る。

 

 

「おぅ!?」

 

「ごめんなさい!」

 

 

 

 

 

その後、ついでに頭も洗って貰う。

 

そして湯船に向かう。

 

見ると全員少し赤くなっていた。

 

だが、アルフは酒で出来上がっているだけだが。

 

プレシア女史はリニスさんに向かって何やら耳打ちしている。

 

リニスさんは驚いた顔で俺の方を見て……僅かに視線を下に向けた。

 

何を報告してるんだ!

 

今度はリニスさんがプレシア女史に耳打ちして……。

 

フェイトとアリシアの方を見てから大きく頷いていた。

 

もうイヤな予感しか感じないよ、勘弁してくれ。

 

 

「えへへ」

「……うん」

 

 

両脇にはアリシアとフェイトがしっかり腕を取って抱きしめていた。

 

そんな感じで俺達の風呂は過ぎていった。

 

 

 

 

 

「それじゃ、俺は帰るぞ?」

 

「ええ。アレスちゃんには返しても返しきれない恩が出来たわ」

 

「気にするな」

 

「気にするよ。あんたのお陰でフェイトも……全員笑い合える事が出来たんだから」

 

アルフが少し涙を浮かべていた。

 

「ありがとう、アレス……」

 

「アレスお兄ちゃん、ありがとね」

 

「アレス君には感謝しきれません……」

 

フェイト、アリシア、リニスさんもそれぞれお礼を言ってきた。

 

「じゃあな。ま、1週間に1度位は来ようと思うが……」

 

俺はエヴァを見た。

 

「そろそろ、『アレ』が目覚める。『アレ』が目覚めたらちょっと来にくくなるかもしれない」

 

「ああ、『アレ』……ね」

 

『アレ』とは闇の書。いや、夜天の魔導書と言うべきだな。

 

はやての誕生日は6月4日、あと少しだ。

 

「アレって?」

 

フェイトが不思議そうに聞いてきた。

 

「ああ、プレシアさんから聞いた方が良いだろう。多分、フェイトも協力をお願いするだろうが」

 

「うん、分かった。母さんに聞いてみる」

 

「ぶ~、あたしは~?」

 

「アリシアはまだかな。でも、いつかはアリシアにも何かしらお願いするから今は我慢してくれ」

 

「うん、お兄ちゃんがそう言うなら……待ってる」

 

「さて、と。そろそろお暇するぞ」

 

「うん、また会おうね」

 

「バイバイ、お兄ちゃん」

 

「アレス君、また会いましょう」

 

「へへ、ありがとう、アレス」

 

「アレスちゃん、また会いましょう」

 

そう言って俺は次元の穴に飛び込んで元の世界に向かって飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

テスタロッサ一家とアルハザードで別れてから3日。

 

俺はなのは、ユーノ、ユナを連れてアースラに来ていた。

 

用件はジュエルシードを渡す為。

 

アルハザードに登録しておいた俺にはもう必要ない代物だ。

 

なのは達を連れて行く時は一緒に転送すれば問題ない。

 

例によって畳敷きの部屋に通された。

 

 

 

 

 

「いや~、まさか俺の幼馴染みが集めてたなんて」

 

しれっと俺は言った。当然、嘘だがね!

 

「偶然って恐いわねぇ……」

 

「いや、ホントホント」

 

俺とリンディさんは笑い合っていた。

 

「ホントはアレスちゃんも協力してたんでしょ?」

 

笑顔でリンディさんは俺に向かって言い放った。

 

「さあ?」

 

「……まあ、良いわ。無事に全部揃った事だし。これ以上の詮索は無用ね。(アレスちゃんに嫌われたくないし)」

 

そう言ってお茶を啜るリンディさん。

 

「しかし、少し無謀ではあったな」

 

「すみません……」

 

「何よ! ユーノは頑張ったんだからね!」

 

クロノはユナに責められていた。

 

「そうそう、スクライア一族からあなた達2人の捜索願いが出てたけど……」

 

「そうですね。一旦帰ります」

 

「そうだね……。あたしも何も言わずに飛び出して来ちゃったし」

 

ユーノとユナは帰宅するみたいだ。

 

「にゃはは、コレで一件落着かな?」

 

「だな」

 

俺となのはは見つめ合ってから少し微笑んだ。

 

「そうそう、貴方達にお願いがあるんだけど……」

 

リンディさんがキラキラした目で俺達を見てきた。

 

「……まさかとは思いますが?」

 

「そのまさかよ。管理局に入らない? 2人とも相当のランクだし」

 

魔力総量ランクを計ったのだが、なのはは『S』で俺は『A』だった。

 

僅か9歳でこれならリンディさんでなくとも入局を勧めて来るわな。

 

「えっと……」

 

「嘱託魔導師で良ければ」

 

「え……」

 

ビックリ顔のリンディさん。簡単に話が進むとは思わなかったのだろう。

 

「まだ小学生ですからね。もし本格的に入局するなら高校を卒業してからにしますよ」

 

「え、ええ。それで構わないわ」

 

「なのはは?」

 

「私もアレス君と同じ。嘱託魔導師でお願いします」

 

なのはも俺と同じになったか。

 

「それじゃあ、書類とかお願いね」

 

「あ、俺はリンディさんの下でお願いしますね。それか、リンディさんの目に叶った人物で」

 

「ええ! 分かってるわ!(アレスちゃんみたいな子、そう易々と渡さないんだから。特にレティみたいなのには!)」

 

最後の方は聞こえなかったが、大方ろくでも無い事だろうからスルーすることにした。

 

こうして、俺となのはは管理局と関わる事となる。

 

ちなみに、学業優先だからそんなに出動出来ないかもしれないとの旨は伝えておく。

 

 

 

 

 

一通りの書類を書いてエイミィさんに渡す。

 

ちなみにミッド語は英語と類似してるから俺は大丈夫だった。

 

前世で大抵の言語は覚えてるから。

 

隣ではなのはが頭から煙を出していた。

 

要勉強であるな、うん。

 

 

 

 

 

そして、ユーノとユナとお別れの時。

 

「お世話になりました♪」

 

「ああ、かなりな」

 

ユーノとユナは主に俺の家の風呂で。

 

結構入りに来たんだよね。

 

「ありがとう、アレス」

 

「頑張れよ、色々と」

 

「うん」

 

俺とユーノは握手を交わす。

 

ユーノが大人の階段に差し掛かったらユナに食べられるであろう、性的に。

 

「なのはもありがとう」

 

「にゃはは……そんなに役に立ってないような気がするけど?」

 

苦笑いのなのは。

 

「そんな事は無いと思うけどな……」

 

「アレス君の方が凄かったよ」

 

「俺を引き合いに出すな」

 

「確かに……アレスは……ねぇ」

 

ユナも俺の顔をジロジロと見ていた。

 

「俺はいいんだよ」

 

俺は転送ポートの方に向かって歩く。

 

「エヴァもありがとう」

 

【お気になさらずに。私は大したことしてませんから】

 

「それじゃ、お別れだね」

 

俺達は頷いた。

 

「またな」

 

「バイバイ、2人とも」

 

「ありがとう、アレス、なのは」

 

「また会いましょうね、アレス、なのは」

 

こうして俺達は別れて元の生活に戻っていった。

 

 

 

 

 

はやての誕生日まで、あと僅か。

 

さあ、夜天の魔導書が目醒める。

 

リインフォース、あんたは消滅させないからな。

 

 

 




 
とりあえず、これにて無印編は終了です


アレス君、爆発しなさいw



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