魔法少女リリカルなのは -転生者共を捕まえろ-   作:八坂 連也

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物語も佳境?






第10話 そう言えば、管理局が来ないなぁ

 

 

 

 

 

 

次の日。

 

学校は滞りなく終わってジュエルシード探し。

 

恭也さんと忍さん、ノエルさんと鮫島さんとアリサとすずか。ファリンと美由希さん。

 

ユーノとユナ。俺となのは。

 

と言った組に分かれて捜索。

 

まあ、そう簡単に見つからないみたいだ。

 

と思ってたら海鳴臨海公園の方から魔力反応が。

 

 

「なのは!」

「うん!」

 

 

俺達は頷き合ってから公園の方に向かって走り出した。

 

 

 

 

 

 

到着するとユーノとユナが結界を展開して木に取り憑いたジュエルシードが暴走していた。

 

お前はドラ○エに出てきた人面樹かとツッコミたいね。

 

「ヴオォォォォ!!」

 

人面樹もどきは咆吼して地面から抜け出て来た。

 

周辺に根っこが出てから暴れ始める。

 

「なるほど、ああなるわけですか」

 

「あれ?」

 

見ると恭也さん、忍さん、ノエルさん、鮫島さん、ファリン嬢に美由希さん、アリサ、すずかも居た。

 

 

「うっわー」

「わぁ、人面樹…それともウ○ラーかな?」

 

 

ウ○ラーなら青い身体で葉っぱが赤いでしょうが。

 

うむ、ヤツなら世界樹の葉を持ってるからアリシアを生き返らせそうなのだが。

 

ってかすずか。貴女はドラ○エやったことあるのか。そもそもこの世界にドラ○エあるのか。

 

 

「ふむ……木○拳を思い出しますな」

「そうですね。映画があった次の日に学校で男子が真似してましたね」

 

 

鮫島さんとノエルさんが人面樹もどきを眺めながらそう言った。

 

いやいやいや。アレの何処が木○拳かと。ジャッ○ーさん吹っ飛ばされますよ。

 

 

「そう言えば、怪○くんにもあんなヤツが出てたな」

「そうね~懐かしいわね、○物くん」

 

 

懐かしいな~って! 何で知ってるんだよ! 年代がおかしいように思えるんだが!

 

ツッコミ所満載ですよ、恭也さんに忍さん!

 

 

「よく、指輪物語にあんな感じのヤツ出てきてなかったけ?」

「ロード・オブ・ザ・リ○グですか? そう言えば、トレ○トって言う名前で出てましたね」

 

 

と会話してるのは美由希さんとファリン嬢。

 

ああ、確かに出てたよね。もっとも、こっちのヤツは凶暴化してるからトレ○トさんに失礼かと思いますが。

 

「……エヴァ。とりあえず、大丈夫なように結界を」

 

【ハイ、魔法の監獄(ゲフェングニス・デア・マギー)

 

そう言って俺は全員の周りに結界を張っておく。

 

「それじゃ、俺はなのはの所に行きますね」

 

 

 

 

 

人面樹もどきの所に行くとなのはとフェイトも現れていた。

 

2人の共同作業で人面樹もどきは秒殺されてジュエルシードが空に浮いていた。

 

「アレス君? フェイトちゃんにジュエルシードをあげるってどういう事かな? かな?」

 

なのはの目がおかしい。据わってる。

 

アニメ的表現を言えばハイライトが無い。所謂ヤンデレ目になってる。

 

あと、その台詞はなのはじゃなくてティアナだと思う。

 

なのはなら『にぱー☆』であろう。

 

「あ、すまん。言ってなかったな。だから、そのシューティングモードになったレイハさんを下ろせ! あと身体の微妙な揺れをどうにかしろ!」

 

手がガタガタ震えてるなのは。アルコールが切れた人に見えるぞ。

 

【アレス、早く説明して下さい。このままではマスターの魔力で私が壊れそうです!】

 

おおぅ。大容量と言われてるレイハさんを破壊に導くとは。なのは、恐ろしい娘!

 

「うう……」

 

同じくガタガタと震えてるフェイト。

 

いつぞやの砲撃連射を思い出してるのだろうか。

 

「そんなのはどうでも良いの! だから、早く説明を! 早く(ハリー)早く(ハリー)早く(ハリー)!!」

 

いつからアー○ードになったんだよ!

 

「まて、落ち着け! 今から説明してやるからな!」

 

 

 

 

※説明中

 

 

 

 

説明してるとユーノとユナもやってきた。

 

「ええ! そうだったの!?」

 

エヴァからジュエルシードはアルハザードに行く為のキーと聞いてびっくりのユーノ。

 

「とまあ、一度使用してアッチに認証登録しておけばあとはフツーにアルハザードに行けるらしい」

 

「へー」

 

……なのははよく分かって無いと思う。俺には分かる。

 

「お願い……」

 

フェイトはなのはの手を握っていた。

 

「アタシからもお願いするよ」

 

いつの間にか来ていたアルフも人間形態に戻って同じくなのはの手を握っていた。

 

「う……ユーノ君は……」

 

なのはは冷や汗をかきながらユーノを見る。

 

「僕ははんた……」

 

「ユーノってね、昔……部族にいた女の人の下着を……」

 

「わ――――――――――――っ! 良いよ! どんどん使って良いよ!」

 

ユナの説得によってユーノは折れた。

 

ま、こっそりユナに向けて〈ユーノを説得したら3日間お風呂使って良いぞ〉と念話しておいたのだが。

 

ちなみにユーノとユナがウチのお風呂を使うと妙に長い上、使った後に入ったら妙な空気が漂っていたからだ。

 

別に変な匂いがした訳でも無いのだが、俺の六感と言うか何かが訴えてきたから使用を禁止していたのだ。

 

なのはとフェイト、アルフの視線が妙に冷たかった。ただし、ユーノに向けてだが。

 

「うん、分かったの。これからはフェイトちゃんの協力するね」

 

「ありがとう……」

 

フェイトの目から涙が溢れていた。

 

 

 

 

 

そんなこんなで人面樹もどきから取ったジュエルシードはフェイトが持つことになった。

 

なのはが持っていたジュエルシードもフェイトに渡してある。

 

……そう言えば、この戦いの後にクロノが乱入して来たような。

 

周りの気配を探ってみても誰も転送してきた様な気配は無い。

 

おかしいな~? 確か、この戦いの時に来たと思ったんだけど。

 

まあ、良いか。居ても居なくても今回は問題ないし。

 

 

「また明日~」

「うん」

 

 

そう言ってフェイトとアルフは転移した。

 

そして、俺達も解散して自宅へと帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

「おおぅ……そう言えば」

 

「どうかなさいましたか? お兄様?」

 

風呂に入り、ご飯も平らげてからエヴァと2人で部屋の中でくつろいでいた時の事。

 

「いや、確か……今日辺りにクロノが乱入して来るはずだっただろ?」

 

「そう言えば……そうでしたわね」

 

顎に指を当てて考え込むエヴァ。

 

「考えてみたら。管理局がここに来た原因はなのはとフェイトが戦って、ジュエルシードを暴走させて次元震を起こしたから来たんだよな」

 

「……あ」

 

「そう。なのはとフェイトが戦ってたけど、ジュエルシードは次元震を起こしていない」

 

「そうですわね。今日も起こしていない」

 

「だから、アースラはまだここの所在地が分かっていない」

 

「そりゃ~来るわけありませんわね、お兄様?」

 

俺とエヴァは冷や汗を垂らしつつ笑い合っていた。

 

 

 

「どないしよ……」

「どうしましょう……」

 

 

 

ふと思う。実際、管理局来ても……なんか役に立ったか?

 

無印では時の庭園に突入してプレシアさんにボッコにされて退却だろ?

 

A'sでは……最後にアルカンシェルと言う波動砲もどき撃って闇の書の防衛プログラムを消滅させた位だろ?

 

StSでは……無限の欲望に良いようにボッコボコにされてたよな。

 

でも、無限書庫はそれなりに役立ちそうだよな……。

 

ユーノが散々こきつかわれそうだが。

 

でも、今回は同じ能力持ちのユナもいるから……。

 

一応、かかわり持っても良いけど、本格的に入局するなら高校生が終わってからにしようかな。

 

中卒は……こっちの世界に帰ってきた時に色々とキツそうだし。

 

嘱託魔導師でまったり頑張るかな。

 

なのは、フェイト、はやての3人は……どうするかな。

 

……。

 

ま、その時考えるかな。

 

「う~ん。ま、そのうち来るんじゃね?」

 

「そうですわね。お兄様の事だから……」

 

「ああ。関わりは持つが、入局はしない。嘱託魔導師でのんびり過ごす」

 

「ですわよね~」

 

「あんな子供の頃からこき使う組織、信用なるかって。どさくさに紛れて最高評議会ぶっ潰しておこうかな……」

 

「あまり大きな行動をすると他の転生者達の的になりかねませんわよ?」

 

「……そうだった。俺の役目は転生者達をとっ捕まえる事だったんだ」

 

「忘れてたとか……」

 

「よくある話だ」

 

「……ま、作者もよく忘れますし」

 

「だから、メタな発言は止めろと……」

 

こうして夜は更けていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―アースラ艦内―

 

 

「はっくしょん!」

 

「あら? 風邪かしら、クロノ?」

 

機械チックなブリッジにいるのは黒い髪をした黒い服装に身を固めた少年『クロノ・ハラオウン』。

 

そして、そのクロノに話しかけたのは水色っぽい髪をして額にマークがある女性、『リンディ・ハラオウン』。

 

「いえ、別に……誰かが僕の噂をしてるのかと」

 

「あら、例えば……ここにいないエイミィとか?」

 

「……何でそこでエイミィの名前が出るんですか? かあさ……じゃなくて艦長?」

 

クスクス笑ってるリンディ。手には湯飲みが握られていた。

 

「さあ? どうしてでしょうねぇ?」

 

そこへ、ドアが開いて栗色っぽい髪をしたショートヘアの女性が入ってきた。

 

「艦長、次の捜索場所ですけど……」

 

「あら、ご苦労様、エイミィ。ところで、さっきクロノの噂とかしてなかった?」

 

「か、艦長!」

 

「え? してませんよ。どうしたの~クロノく~ん? 風邪ならお姉さんが看病してあげようか~?」

 

そう言ってクロノの頭を撫でるエイミィ。

 

「風邪じゃない! それと上官の頭を撫でるな!」

 

「良いじゃないの。リンディ艦長も頭を撫でるのいかがですか?」

 

「そうねぇ……。最近、クロノも少し背が伸びてきたからねぇ……。どっかに可愛い男の子いないかしら」

 

そう言って遠い目をしてお茶をすするリンディ。

 

「……かあさ、艦長」

 

「リンディ艦長……いい加減に幼い男の子を毒牙にかけるのはどうかと」

 

「人聞きの悪い事を言わないで頂戴。可愛い男の子と一緒に寝たりとかお風呂に入ったりする位だから!」

 

 

「……」

「……」

 

 

クロノとエイミィの眉間に皺が寄っていた。

 

 

『ダメだこりゃ』

 

 

2人の頭にこんな台詞が浮かんでいた。

 

「……まあ、リンディ艦長のアレは今に始まった訳じゃないし……」

 

「……はぁ……世の中こんなハズじゃなかったのに……」

 

「ところで。エイミィ? 何か報告か用事があったのでは?」

 

「ああ、そうでした。次の捜索場所ですが……」

 

そう言ってエイミィは空間ディスプレイを切り替えた。

 

「あら、綺麗な星ね」

 

「第97管理外世界でこの惑星の名は『地球』と言います」

 

「ふむふむ。で、魔法は?」

 

「無いですね。文化レベルはBで次元移動手段も無し」

 

「なるほど……。ここは確率は低そうだから違う世界に……」

 

クロノがそう言おうとした時。

 

「……何を言ってるの、クロノ。私の勘が騒いでる。ここに私が望む男の子が……」

 

「エイミィ? 違う世界にしよう」

 

「ダメです。ここからだと違う世界に行くにはロスが多すぎます。とりあえず、調べてからにしましょう」

 

「……そうか。分かった」

 

そう言うとクロノはブリッジから歩いて出ていく。

 

「……何かしら……この星には何かがあるわ」

 

リンディは画面の星をジッと見つめていた。

 

「(艦長の勘は意外と当たるからねぇ~。ま、可愛い男の子がいるのは間違いないでしょうけど)」

 

「何か言ったかしら?」

 

「いいえ。それじゃあ、クロノ君の調査を待ちましょうか」

 

そう言ってエイミィとリンディはそれぞれの席に着いて仕事を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……?」

 

妙な寒気を感じた。

 

何だろう?

 

この肉食獣に狙われてる草食獣的な予感は。

 

う~む? もしや、リンディさんもウチの母さんや桃子さん、プレシア女史みたいにショタ属性が付与されてるとか……?

 

「それはさすがに無いか」

 

この時ばかりは俺の先行きの甘さを後悔するしかなかった。

 

 

 




 


アレス君逃げてー!




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