GAKKOU ~自衛官 彼の地にて、斯く戦えり~   作:tako1125

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これからどんどんオリジナル要素が入ってくるかもです。

楽しんでもらえるといいなぁ(願望)


#5 いどう

-----巡ヶ丘市 某高台-----

 

「おい、あんた」

 

伊丹が警官に向かい尋ねる。

 

「は、はぃ・・・」

 

警官だというのになんだこの頼りない生き物は、と悪態づきたくなる伊丹だったが

 

「ハァ、まだ人が残ってる可能性があるところはわかるか?」

 

伊丹としては、こんな状況下なので同人誌のことなど頭の端にもなかった。

そして生存者が居るなら一人でも多くの生存者を目の届くところに集めておきたかった。

ましてや、高台なんて雨が降ればもろで雨ざらしになるような場所に避難者を長期滞在させておくわけにもいかないので、できれば生存者のいるまだスペースに余裕がありそうな建物を探したかった。

 

「ぁ、ああ、なら巡ヶ丘高校なら・・・ひょっとすると人がいるかもしれない・・・です」

 

伊丹はダメだこいつと思いながらも出発の準備をしていた。

 

「倉田ぁ、出発の用意をしろ。89式の予備弾倉3本と高機動車だ、巡ヶ丘高校に行くぞ」

 

「へ、はっはい!」

 

伊丹は高機動車の無線機に手を伸ばし

 

「サンスター、生存者の確認状況はどうだ?送れ」

 

同じ3偵の戦闘きょ・・・もとい栗林を呼び出す。

 

<<こちらサンスター、特に新たな生存者の発見はなし、送れ>>

 

「そうか、わかったできれば高台の警備に来てくれないか?これから俺と倉田は巡ヶ丘高校に向かう、送れ」

 

と伝達する

 

<<サンスター了解、ま、せーぜー死なないように、隊長>>

 

と皮肉が返ってくる。

 

「へーへー、ご心配どーも、通信終わり」

 

さてと、準備も終わったし。

 

「倉田ぁ、出発するぞー」

 

「了解!」

 

こうして、巡ヶ丘高校を目指すのだった。

 

-----巡ヶ丘学院高等学校 屋上~3F階段前-----

 

「よし、あいつらはいないな」

 

恵飛須沢さんがシャベルを担いで安全確認をしに行く。

 

「今なら通れるよ」

 

そして私たちは3階へ降りた。

目的地は生徒会室だ。

各種日用品もある生徒会室に拠点を置くことでとりあえず必要最低限の生活を送ることにした。

 

「少なくとも今日のところは・・・ね」ボソッ

 

「めぐねえ、誰としゃべってるの?」

 

丈槍さんが不思議そうな顔で私を見ている。

 

「あ、何でもないわ、独り言よ」

 

声に出てしまっていたのか。

とにかく生徒会室に陣取ってしまえはこっちのものだ。

今のところ私の目に見える限りでは"生徒だったもの"の姿は3階廊下にはない。

もしかすると部屋の中なのかもしれないがそれは確認しながら進むしかないだろう。

 

「よしっ、突っ切るぞ!」

 

恵飛須沢さんの掛け声でみんな一斉に生徒会室に向かって走った。

3-Aから3-Cの教室にはいくらかの影があったがそこから先には影が見当たらなかった。

生徒会室にも影は見当たらなかったのでそのまま全員で飛び込んだ。

 

「はあっ、はあっ、はあっ、なんとか・・・たどり着けた、わね」

 

一番肩で息をして呼吸を荒げているのは若狭さんと私であった。

ほかの二人はなんであんなに元気なのかしら・・・。

 

「とにかく、今は何か食べましょう?先生おなかすいちゃったわ」

 

事実、昨日の晩からトマトと水以外何も口に入れていない。

どうにか栄養を取らなければ3日もたたないうちに倒れてしまうだろう。

 

「そうですね。あっ、カンパンと・・・これはレトルト食品、こっちには缶詰が3っつにパスタ一袋・・・電熱器まであるんで

 

すね。生徒会室って意外と生活スペースになってるのねぇ」

 

若狭さんが言う通り、生徒会室には4人が暮らすには十分な居住空間があった。

今のところ電気も水道も使えるし、ある程度の食器も用意されている。

使い道があったのかどうかはわからないが冷蔵庫まで設置されていた。

 

「冷蔵庫の中にもいろいろあるわ、とにかく、適当なものを作って朝ごはんにしましょう」

 

私は若狭さんと協力して朝食を作る準備を始めた。

その間、恵飛須沢さんはずっとシャベルを雑巾で磨いていた。

丈槍さんはうずくまったままあまり言葉を発しなかった。

 




次回当たりから設定とかめちゃくちゃになってきます、主にKが生きてたりとか。
あっ

これ以上は次回に

ではでは~

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