GAKKOU ~自衛官 彼の地にて、斯く戦えり~   作:tako1125

19 / 21
やっと更新です。えらい間空きました、まあ社会人にもなりましたしこれからは1年に1回更新できればいい方じゃないですかね。

楽しんでもらえるといいなぁ(願望)


#18 ラジオ局

-----巡ヶ丘市 ラジオ局(?)行き 道中-----

 

「空が青いねぇ~、さすが"人"のいない廃都市(まち)」

 

伊丹が皮肉交じりにか呟く。

 

「こんな空、北海道にもありますよ。あ~あ、"例のトラック"待ってたのにとんでもないことになっちゃったなぁ・・・」

 

倉田が愚痴る、"例のトラック"とは伊丹も待ち望んでいた同人誌を満載した配達トラックのことだ。

 

「そろそろ着く頃か?」

 

伊丹は地図を確認している。

 

「ん~、あ、あれですかね」

 

倉田の指す方向を見てみると巨大なブロックにシャッターを付けただけのような建造物が鎮座していた。

「なんかコンクリの豆腐みてぇだな、マイ○ク○フトで15分かければこんなのできる気がする・・・」

 

伊丹はそんなことを言いながら車を降りる準備をしている。

 

-----巡ヶ丘市 ラジオ局(?)-----

 

コンクリートの建造物を前に全員で降車した。

 

「富田は車両の見張り、生存者の皆さんの防衛も任せる。倉田は俺と内部の探索だ、安全を確保した後に無線で外の富田たちを呼ぶからそのつもりで」

 

「「了解」」

 

「それから倉田、念のため初期感染者用試薬を3本もってけ、ホントに念のため、な」

 

「え、あ、はい」

建造物側面に付いていた梯子を使い屋上らしき場所に上る。

おそらく"奴ら"対策だろう。

 

「何だこりゃ、砂か?」

 

倉田の言う通り地面のそこら中に粒状の物質が散乱している。

 

「・・・コンクリ固めて間もないのかもしれない、雨が降ると表面のコンクリが若干浮いてこんなことになるんだ」

 

伊丹はどこで得たかよくわからない知識を倉田に伝授した。

 

「しかし変だな・・・なんで足跡がないんだ・・・?まだ4日ほどしかたってないのに、建てられてから1度も外へ出ていないのか?」

 

「見るところによるとこの建物はそこのハッチか正面のシャッターしか出入り口は見当たらないですしね」

 

「そもそもなんで一般の建物に屋上ハッチなんかついてるんだ、意味が分からん」

 

確かに一般の家宅に屋上用のハッチなんて必要ない。

伊丹はそこに引っかかりを覚えたのだった。

 

「ぐぐぐ・・・んにしても固ってぇなこれ!」

 

「さぁびてんじゃないっすかぁ!?」

 

現役自衛官2人が音を上げるほど・・・と言っても某かの装備が解放弁を回すときに干渉して回しづらいだけなのだが。

それでも日常的に利用してることを考えると固すぎるのだ。

 

「ぉぉもてぇぇ・・・」

 

伊丹がさらに音を上げる。

解放弁の固さもさることながらハッチ自体も厚みのためか結構重たい。

 

ハッチを開くとさらに梯子があり、降りた先にも銀行の金庫を彷彿とさせる解放弁の付いた扉があった。

 

「・・・開けるぞ?」

 

「了解」

 

伊丹が扉を開き、即座に2人とも89式を構える。

 

中にはCDの並べられたラック、放送器具と思われるコンポやアナログミキサーのコンソール、何に使うかわからないモニタにマイクスタンドが置かれている。

よく見るとミキサーは小型のもので普通の机の上に置かれており、ミキサーの周りは文房具などで雑然としている。

その中に何かが書かれた紙と鍵、倒れたマグカップがあった。

それら以外には特に目を見張るようなものはなく、辺りに誰かがいる様子もなかった。

 

「・・・」

 

伊丹は紙を持ち上げ内容を読んだ。

 

『扉を開けるな! 扉の先には私がいる。なるべく始末をつけるつもりだけど、うまくいくかはわからない。

 音がしたらそういうことだと思ってくれ。この手紙を見つけた人に、この家とこのキーを預ける。

 できれば、あなたと一緒にお茶を飲みたかった。できれば、あなたと一緒にここを出たかった。

 できれば』

 

「・・・?まだ手紙が温かい?」

 

伊丹は辺りを見渡し、右に扉があることを確認した。

耳を当てて音を聞いてみると、荒い息遣いが聞こえた。

 

「!!倉田!すぐに薬を準備しろ!!!」

 

「はっ、はい!」

 

倉田は自分のダンプポーチから初期感染者用試薬を取り出し、折れないよう注射器をスタンバイする。

 

「行くぞ・・・」

 

扉を開け中に入ると、床に倒れこみ、肩で息をしている生存者"らしき"人影を発見した。

 

「大丈夫か!?・・・外傷はないな、倉田!投薬用意!」

 

「了解、投薬用意!」

 

「ホントは黒川が居てくれりゃいいんだがな・・・まぁいい、俺らでも応急処置ぐらいできるだろう」

 

倉田の準備が完了し投薬を開始する。

 

「この人、妙に体温が低いですね・・・」

 

「こんな状態なんだ、当然だろう」

 

「・・・投薬完了!」

 

「よし、富田に連絡して搬送準備!」

 

そう言って、伊丹はPTTを押す。

 

「富田、要救助者だ、トラックの後ろを開けて待機せよ、あとどこかから板を持ってきて準備しておけ」

 

<<こちら富田、了解>>

 

伊丹は指示を出し、搬送準備にかかる。

 

「絶対助けてやるからな・・・」

 

伊丹は先ほど投薬を終えた生存者"らしき"人物に呟いた。

 




進んだ?いや進んでないな(泣)

ま、まぁ頑張ります

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。