GAKKOU ~自衛官 彼の地にて、斯く戦えり~   作:tako1125

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眠い・・・。

楽しんでもらえるといいなぁ(願望)


#15 しゅっぱつ

-----巡ヶ丘学院高等学校 3F生徒会室-----

 

「みんな、準備は良いか?」

 

伊丹が呼びかける。

 

「「「「「「はい!!」」」」」」

 

学園生活部とほか2人の返事が聞こえる。

 

「よし、じゃあ出発だ!でもその前にちょっと物理準備室によっていくから俺たちから離れないようにな」

 

「「「「「「はぁい」」」」」」

 

こうして決死の補給用大移動作戦が始まったのだった。

 

-----巡ヶ丘学院高等学校 2F物理準備室-----

 

「・・・1人もいなかったな」

 

「ですね」

 

伊丹、倉田の両名が言っているのはもちろん"奴ら"のことだ。

3階からこの物理準備室に至るまで1体たりとも遭遇していなかった。

 

「この分だとだいぶ捌けてるのか?それともまたグラウンドに散っただけか?」

 

「どっちでも変わんないッスよ、結局いたら倒すんですから」

 

この二人、民間人の前でさらっととんでもないことを言う。

 

「えーっとエタノールエタノール・・・これか」

 

棚にエタノールのラベルが貼られたビンを見つけた、どうやら薬品棚の鍵はしまっていなかったようだ。

 

「無防備だなぁ、ここの薬品管理者どこのどいつだ」

 

倉田が愚痴る。

 

「まぁいいじゃないか、難なくエタノールが手に入ったんだし」

 

「それもそッスね」

 

倉田は、富田の持っている医薬品箱の中にエタノールを入るだけ詰め込み、後方警戒に戻った。

 

「うし、じゃあいよいよ我らが自衛隊の車両にご案内しよう!」

 

伊丹がアップテンポ気味にテンションを変えて先導した。

 

「わーい!」

 

なぜか丈槍がはしゃいでいた。

 

-----巡ヶ丘学院高等学校 1F昇降口-----

 

「んー?おかしいな、ほんとに1体も遭遇しなかった・・・」

 

伊丹が疑問にうなりをあげている。

見れば1階廊下はおろか、グラウンドにも"奴ら"は見当たらなかった。

 

「・・・まぁ、消毒しやすいからいいか、富田、先行して"荷物"を処理して来い」

 

伊丹が富田に指示を出す。

 

「・・・ちゃんと供養してやれよ」

 

富田に対し伊丹が小声で付け足した。

 

「・・・っ了解!」

 

富田は返事するや否や、トラックへ駈け出して行った。

トラックは校舎の左側へ周りしばらく戻ってこなかった。

 

「よし、じゃあ倉田、ウエスにエタノールは染み込ませたな?」

 

「はい、準備オッケーです!」

 

伊丹はエタノールを適当に薄めた溶液の入ったバケツを大きく振りかぶり、思い切り高機動車に向かって吹っかけた。

 

「倉田、俺は外の乾拭きやるから、お前は電装品周りやってくれ」

 

「了解」

 

伊丹達は、いつも通りのチームワークで除染作業を進めていく。

 

「す、すごい」

 

「これがプロの連携力なのねぇ」

 

「かっこいいなぁ『じえいかん』さんたち」

 

「そうねぇ」

 

学園生活部の面々からは感嘆の声が上がっていた。

そのうちトラックも戻ってきて、同じく除染作業をした。

 

「よし、じゃあみなさん乗ってください!3偵、全員乗車!」

 

生存者は高機動車とトラックの助手席へ、弾薬などの装備品はトラックの荷台へ移し、一路巡ヶ丘駐屯地を目指し

 

「全車、前へ!」

 

今、出発したのだった。

 




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