GAKKOU ~自衛官 彼の地にて、斯く戦えり~ 作:tako1125
楽しんでもらえるといいなぁ(願望)
-----巡ヶ丘学院高等学校 3F生徒会室-----
どれぐらいたっただろうか。
伊丹達は一度生徒会室、もとい学園生活部の部室に戻りつかの間の休息をとっていた。
まず部室に帰ってきたときに、外では雨が降っていることに気付いた。
「あ~降ってきちゃったなぁ・・・こりゃ小1時間止まないやつだぞ」
伊丹が漏らす。
伊丹が言うとおり雲が広範囲に広がっているようで、しばらく止みそうにない。
しかも最悪なことに、雨が強くなるにつれて"奴ら"が校舎の中に入ってきているようだった。
「あ、運動部のみんな雨宿りしてる」
と、丈槍が言う。
「ああ、みんな濡れるの嫌だもんな」
伊丹が"奴ら"があたかも"生徒"であるように受けこたえる。
そのうち丈槍がほかの物に気を取られ伊丹から遠ざかった時に富田が声をひそめて言う。
「隊長、いいんですか?」
「何が?」
「あの娘、丈槍さん、どう見たってあれはヤバいやつですよ。このまま現実逃避させていたらいずれ矛盾が生じます」
富田は冷静に丈槍を分析していた。
「・・・まぁそうだよな、だがな、俺らはカウンセラーじゃない。仮にここに黒川でも居りゃ話は別だが・・・」
「そう・・・ですね・・・すみません出過ぎたことを言いました」
「・・・いや、まあちょっとだけ気にしといてあげてね」
「はい」
それからしばらくして、雨が上がったようだったのでグラウンドを見下ろしてみた。
「・・・"奴ら"の姿は見えないが・・・さっき校舎に入って行ってたよな・・・」
「・・・入ってましたね・・・確か」
伊丹の懸念した通り、1階から2階の廊下にかけて"奴ら"で埋め尽くされていた。
「・・・佐倉先生、提案があります」
伊丹は佐倉に真剣な顔で話しかけた。
「これから俺たち自衛官組で車両まであなたたちを護衛しながら移動します。なので、一度学園生活部全員でここを出る準備をしてください」
伊丹はやや早口で簡潔に提案を済ませた。
「えっ・・・えっ!?」
佐倉は少々混乱しているようだ。
「車両にたどり着いたらまず車両の消毒をします。なので、一度物理実験室を経由して、アルコールを入手した後で車両に向かいます。消毒の間は少し時間がかかりますがその辺は我々でうまくやるので指示に従ってください」
富田が補足する。
しばらく沈黙が続いたのち、佐倉が意を決したのか
「わかりました、でも少し時間を下さい。ほんの30分でいいんです」
「・・・わかりました、まだ日没までにも時間があります。その間に用を済ませてください」
「めぐねえ、何してんの?」
丈槍が佐倉の手元を覗き込む。
「あ、ゆきちゃん、部活のみんなを集めてくれる?」
「ん、なんか用?」
「ここにいますよ、佐倉先生」
気づくと既にほかの2人もそこにいた。
「先生ね、3日ほどの職場見学に行こうと思うの。この部活で」
佐倉は学園生活部員に向けてそう言った。
「しょくば・・・けんがく・・・?」
丈槍はきょとんとした顔をして復唱していた。
「そう、職場見学よ。自衛隊の人たちに「せっかく来たんだから、ついでにお仕事してるところを見ないか」って誘われたの」
佐倉はそう説明する。
もちろん嘘である。
「ふ~ん、それって面白いところなの?」
丈槍が質問する。
「ん~、面白いかどうかは人によるわねぇ・・・でも、自衛官って立派なお仕事よ?私たち日本のみんなの安全を守る、大切なお仕事なんですもの」
「ん~悪くないかもな」
どことなく心が躍っているかのように恵比須沢は言う。
「もしかしたらいい武器があるかも」
後ろのほうで恵比須沢が若狭に周りに聞こえない声で呟いた。
「そうね、いいかもしれないわ。でも、そうなると外出用の書類を提出しなきゃねぇ」
「そう思って今作りました!」
佐倉はドヤァと効果音が付きそうな満面のドヤ顔を浮かべている。
「・・・さすが先生」
「ふっふ~ん、あっ、捺印忘れちゃった!」
佐倉があわてて自分の印鑑を探している。
「・・・やっぱりめぐねえはめぐねえだね」
「先生です!あ、書類は私が整えておくからみんなは出発の準備をしておいてね」
「「「はぁい」」」
こうして一行は巡ヶ丘駐屯地へ向かう準備をするのであった。
ん~なかなかどうして進まない
※原因:想像力不足
書き溜めてもなーんか溜まった気がしない(現在3話分ストック)