GAKKOU ~自衛官 彼の地にて、斯く戦えり~   作:tako1125

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サブタイトル詐欺・・・かな?
巧いサブタイが思いつきませんでしたorz

楽しんでもらえるといいなぁ(願望)


#9 であい

-----巡ヶ丘学院高等学校 1F昇降口-----

 

正面から建物全体を見ていて大まかな予想はついていたのだが、この学校はかなり広い。

さらに言えば、広いだけに恐らく"生徒だった奴ら"も多い、こりゃ簡単には3階に行けないぞ。

 

そんなことを考えながら、伊丹はV8で辺りを確認する。

伊丹が予想した通り、"奴ら"は廊下のところどころにうろついている。

幅約4mほどの廊下での近接戦は、普通ならさまざまな場所に体を打ち付けるので危険なのだが、なんせ"奴ら"は動きが遅い。

ましてや長物である89に着け剣までしているのだ、3体以上同時ならともかく捌いて3階まで行くのはそこまで苦ではないと思われた。

 

「んー、ちっと走るか、倉田、富田、俺が先行する。2人を守りながら後に続け」

 

「「了解」」

 

「2人とも、ゆっくりでいいから俺の仲間と一緒についてきてくれ、なるべく2人を挟むように進んでいくからそのつもりで」

 

そう2人に言う。

ちゃんとうなずいてくれたので、タイミングを見て突撃する。

 

「突撃にぃ~~~・・・前へ!」

 

伊丹の号令に合わせ小走りで廊下を抜けていく。

途中襲い掛かる"奴ら"に向け刺突したり9mmけん銃で発砲するなどして伊丹が払いのけた。

中央階段で2階に上り全周確認する。

 

「・・・よし、いないな」

 

伊丹が3階に上がろうとして階段を振り返ると

 

「ん?なんだこりゃ」

 

見れば学校によく置いてある机が3段ほど重ねられ、バリケードが構築されていた。

それも3階へ続く階段いっぱいに。

 

「・・・こんなものがあるってことは・・・」

 

倉田がポツリとつぶやく。

 

「生・・・存者・・・?」

 

富田が、何かの希望に縋るかのような顔でつぶやいた。

 

「・・・希望は持ってもいいんじゃないか?」

 

伊丹が返す。

 

とりあえず伊丹が真っ先にバリケードをよじ登り向こう側に行く。

続いて生存者の2人と富田、最後に倉田がバリケードの内側へ入った。

 

一度に大勢入ったせいだろう。

物音が大きくなりすぎたのか、確かに地面を踏みしめ走ってくる複数の足音が聞こえていた。

 

「ヤバい・・・かな?」

 

伊丹の顔は引きつっていた。

 

-----巡ヶ丘学院高等学校 3F生徒会室-----

 

「救助だって!?」

 

恵飛須沢さんが勢いよく立ち上がる。

その勢いでパイプ椅子が倒れてしまった。

 

「おっとっと」

 

「先生それほんとですか?」

 

若狭さんが疑いのある目で質問する。

無理もない、もうかれこれ2日はここに籠城していて、今まで救助活動をしているなんて話は入ってこなかったのだから。

 

「ええ、確かに見たの。校庭に大きな乗用車とトラックが来てた。迷彩服の人たちだったから、きっと自衛隊の人たちが来てくれたんだわ」

 

そう見たまま説明している時だった。

 

パパパパパパン

 

何かの破裂したような音が聞こえた。

きっと銃声だろう。

 

「っ!?」

 

恵飛須沢さんがシャベルを手に取り飛び出して行こうとする。

 

「ダメよ!恵飛須沢さん!」

 

「だって!もし救助ならここまで呼ばないと!!」

 

彼女が言うことはもっともだった、でも

 

「きっと、救助に来たのなら、バリケードを見てその先にいるってわかってくれるわよ。信じて待ちましょう?」

 

今、助かる見込みのあるこのときに、この子たちを危険な目に遭わせるわけにはいかない。

 

「大丈夫、もしさっきの人たちが自衛隊なら救助のプロよ。見逃すはずがないわ」

 

そう言って恵飛須沢さんを諫める。

 

「・・・うん」

 

どうやらわかってくれたようだ。

そういえばさっきから丈槍さんが静かだけど・・・。

 

「ゆきちゃん?どうし・・・あら?」

 

丈槍さんの姿が見当たらない。

 

見ると生徒会室のドアが開けっぱなしだった。

 

「おいゆき!」

 

きっと銃声に驚いて駆けだして行ってしまったんだわ。

 

「ゆきちゃん待って!!」

 

私は急いで廊下に出る。

ところが丈槍さんは中央階段の前に居た。

 

「ゆきちゃん?」

 

私は落ち着いて丈槍さんに近づいてみる。

丈槍さんの目線は2階へ続く階段の踊り場を向いており、その視線を追ってみた。

すると、迷彩服を着て銃を持っている人が3人、そのほか2人に犬1匹。

 

「あっ・・・」

 

「・・・」

 

こちらは言葉を失い、相手は目を見開いて黙っている。

しばらくの沈黙が続き

 

「あ、あの、生存者・・・ですか?」

 

と、間の抜けた質問が飛んでくる。

 




今回若干短いっすね(2・3話無駄に長い話があっただけでこの作品では1000文字ちょいが標準)

ようやっと学校に着きましたよ。
まさか9話もかかるなんて思いませんでしたよ。←書いてんのこれ

数字の上でしか確認できてませんがこんな作品を3000人以上の方に読んでいただけてホントに驚いています、ありがとうございます。
友人からは「暇つぶしじゃね?」と言われたのですが、たとえ暇つぶしでもちょっと覗いていただけるだけで当方の励みになります。

そんなわけで、どこまで続くか、また続けられるかわかりませんが今後とも「GAKKOU ~自衛官 彼の地にて、斯く戦えり~」をよろしくお願いいたします!

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