2度目の高校生活   作:くるぶしおかか

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続きを書いただと…!?
久々更新、温かい目で読んでいただけたらと思います。

感想、批評お待ちしております!




58話

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「諸君、私が来た。」

「いや誰ですか。誰も呼んでないっとよ。」

「ありゃりゃ、それは失敬。」

「相変わらず突拍子の無いこと言うんですからこの人は。」

 

 

開口一番。最近はやりのヒーローの物の台詞を言ったものの彼女には伝わらなかったみたいだ。過去にうさぎが主人公の動物園の物語を書いてた作者の新作の漫画を最近になって初めて読んだからか影響される辺りちょろいにわか野郎こと二見貴一である。

 

 

気付けば学年もはやいもので最終学年である高校3年生となり、本当に時間が流れるのが早いななんて思うのだった。

 

 

万理花さんと付き合ってから1年くらいになるのかな?相変わらずの日々を過ごしております。高校3年になったからといって人はそう変わるわけでもなく、ある人も身長や胸部装甲も相変わらずでベルリンの壁と言ったらボコられるに違いない。

 

 

そう…眼鏡をかけた小さな少女にね。名前を言ってはいけないあの人だ、でないとあのメガネの少年のように悲惨な状態になるのだから。

 

大神家のような体制で愉快なオブジェと化しているのだから。口は災いの元、余計なことは言わないように、彼を見てまたひとつ成長する自分なのでした。

 

 

そう眼鏡が本体で成分的にはメガネ95%、水分3、ゴミ2の親友の舞子集である。

「おい、もしかしてゴミの中に俺いるの?てかもはやゴミなのか?」

と、ボコられても尚ツッコミを忘れないその姿勢は見直していきたいものだ。

 

悲しいことにこれ現実なのよねとココアシュガーレットを口に含みながら足早く彼の元から退散するのである。

彼の悲しい叫び声が後ろから突き刺さったがしかしこれをスルー、平常通りだ。

 

 

まあ、変わったことといえばあえていえば万理花との関係だろうか。もはや完全に尻に敷かれまくっているのだ私は。

 

療養と学業に勤しむ彼女の傍でともに時間を過ごしたりする時間が増えてきて、お互い助け合ったり…万理花の勉強面に関しては一方的に世話を焼いてはいるけどね。

だがしかし体調が良い時はその天真爛漫な笑顔でこちらを引っ張っていく万理花さん。

 

コロコロと変わる表情やオーバーなリアクション、こちらの感情を汲み散ったり言葉にせずとも伝わっているエスパー的な超感覚を持っていたりとすごい奴なのだ。

 

もはや「この味は嘘をついている味だぜぇ」なんて悪役染みた台詞を使っても様になっていそうなくらいなのだ。世紀末ヒャッハーである。

 

 

ああ、ちなみにみんな高校を卒業したらどうするのか最近になって話したのだがみんなバラバラでお互いの道に卒業したら進んでいくので、少しだけ寂しくなるかもななんて思う。

 

 

 

桐崎さんと誠士郎はアメリカ?に留学するか母親の仕事を手伝うとか言ってたり、楽は進学で将来は公務員として市民の役に立てるように頑張りたいとやくざのせがれとは思えない、親父さんてきにはいろいろと含むこともあるだろうし有名だからね集英組。

 

影ながら叶うことを応援していきたい所存だ、助けになれるなら親友として出来ることをしていきたいね。

 

集に関してはなにやら進学でなんでもやりたいことがあるらしい、まだ秘密だとなんかもったいぶっていたので別に興味ないからと冷たくあしらうと慌てていたのを愉悦に感じたりしてからかっていたものだ。

 

るりちゃんも進学で将来は翻訳家だったかな、そんな話をしてた気がする。

それに小野寺さんは和菓子屋を継ぐんだとか、あとはお嫁さんになりたいと言う姿が実にかわいらしく天使がそこにいたのだ。

 

万理花にバレたら絞められるが、確かにマジカルパティシエ小咲ちゃんがいたのだ。

天使というよりかは魔法使いか、んなことはどうでもいいのだ。可愛ければいいのだ。

 

 

万理花については療養に努めていくのと、でも進学して同じ大学で学生生活を過ごすのもいいかもしれませんわねなんて言っていただ、学力的に厳しいとは言えないんだよなぁ…元々地頭良いし、単に努力のベクトルが極端なだけなのだ。

猪突猛進?上手く言葉では言い表せないあたり自分のポキャブラ不足である。

 

ああ、そうそう。私はね、進学だよもちろん。

大学卒業後はコネを使って就職…になると思う。多分卒業後に正式に式を挙げるだろう、相手は誰かとかは聞かないでくれ、わかりきっていることだからね。

 

とは言っても高校3年になって日はまだ浅い、けれど今年の夏は受験戦争の夏なのだ。夏休みは時かけ少女や花札こいこいウォーズを見る定例行事は欠かせない。

 

 

 

「さっきから何を考え込んでるんですの?」

「いや、二人のこれからのこと考えてたんだ。」

「ちょ、ま、え!?二人のって!?ええ!?」

「あ、何言ってんだろ俺。違う違う、いや違わなくもないけどさ。」

 

 

「いきなり変なこと言わないでくださいよ、…もう。」

「悪い悪い、ただ進学のためにも勉強がんばらないとなって。」

「ですわね、私も勉強がんばるぞい!」

「ぞいって。まずは身体を治さないとね。」

「もう治りますけどね実際。今年の夏休みには完治しますし。」

「そりゃ良かった、でもさ別に同じ大学に進学することないんじゃない?」

「…だって離れると寂しいし。」

「ん?何か言ったか?」

「なんでもないっとよ!」

「実は音を拾ってたんだけどね。」

「この地獄耳めっ!」

「ハッハッハ!」

 

 

 

その後、顔を赤くして肩を両手でぽんぽんと叩く小さな少女をあやして教室に戻り楽達と雑談に時間を割くのであった。

 

いつものような日常、後輩組にもまた後輩が出来たり春ちゃんや風ちゃんも以前と比べてみると、たったの1年しか経っていないもののどこか成長して大人に近づいているような…なんだか複雑な感情を抱いたり『もしかしてこれが娘が大きくなったときに感じる父親の気持ちなのだろうか。父離れをしてかまってくれなくなるあれなのか!』と言った具合である。

 

 

髪をばっさりとショートヘアにした春ちゃん。すごく似合っていた。その時のどこかふっきれた表情はとても儚げで美しくおもわず脳内でシャッター音でその瞬間を射止めたいと思うくらいのそんな光景を視界に収めたものだ。

 

 

あ、そうそうクラスのメンバーに関してもいつもの仲のいい集団みんな揃って同じクラスだったとさ。空気を読んで舞子あたりがはぶれると予想していたので正直な所びっくりしたのだ。

 

 

 

 

そう今の所、特に大きなイベントは起こっていないと先ほどまで思っていたのだが、どうやら事情が変わったみたいだ。

 

その後、少し時が流れたときに突然、それがおきた。

 

 

 

なぜか桐崎さんが学校に来なくなったのだ。

 

 

 

そう、不登校もしくはきっと…彼女自身何か思うことがったのだろうか。

そうだ、京都に行こうみたいなノリでアメリカとかに行ったのだろうか。

 

原作に関する記憶はもはやあてにならない。なんせ原作とはそもそもの土台が、展開が違うからだ。というか自分がこの世界に紛れ込んだ際の原作の状況しか知らないのだら仕方ない。

 

 

 

でも、ひとつだけ確かなことがある。原因として考えられるのはある1人の人物。そう主人公である一条楽に原因があると証拠なしに確定してるといえる。

 

これはもはや決め付けではない、彼を中心にこの世界が周っているんだと強く言い切ることができるのだ。

 

 

彼自信に解決してもらいたい、いや彼が解決すべきだ。

これから何か大きな決断があるのかもしれない、その時は親友としての自分に出来ることはあるのだろうか。むしろ手助けはすべきではないのだろうか。

 

ニセコイという世界、そこに住む一条楽としてのストーリーに大きな山場が着たのではないかと実はわくわくどきどきしていたりと、内心心臓の鼓動が脈打って汗をかいているところなのである。

 

 

なので、まずはかる~く彼と話してみて状況を少しでも把握していきたいと思う。

今は屋上でたそがれている楽の後ろから先ほど自販機で購入した缶コーヒーを2つ持ち、彼のほっぺたにそっと缶をあてる。

 

わかってると思うがホットではなく冷えたやつだから。『あちっ!』なんて痛いことはしないよ、やけどしたら大変だかんねっ。

 

 

「うをっ。つべたっ!」

「よお、楽。元気か?コーヒーどっちがいい?」

 

二つ購入したコーヒーを彼の目の前に並べて尋ねる。

 

「ん、とりあえず微糖のこっちかな。まあ、元気だよ。いろいろ思うこともあるけどな。」

「微糖きちゃいますか、いいってことよ、ほれ130円。」

「ちゃっかり金取るのかよ。」

「いや、冗談だって。まあ分かるぜ楽よ、…気にしてるのって桐崎さんのことだろ?」

「お前、よくわかったな。」

「楽は顔にすぐ出るから筒抜けなんだよなマジで。てかポンコツ。」

「ひどい…。」

 

 

 

 

 

「実はこないだ星を見るのに学校で望遠鏡覗いてたんだけどさ、皆で。」

「あれおかしいな、みんなって言ったのにそこに私がいませんなんだけど。」

「あっ……。」

「あっ、はやめんか。別に気にしてないし?」

 

 

 

「それからなんだよな学校に来てないのがさ。」

「心配か?」

「そりゃあ心配さ。でも何で何も言わずに急にどこ行きやがったんだって言いたくなるな。」

「ま、当然だよな。で、どうするんだ?まあその顔見ればもう答えは出てるみたいだけど。」

「千棘を探しにアメリカ行ってくるよ。」

「なぜにアメリカ?…ああ、そういうことか。ま、お土産よろしくな!」

「ハハッ、貴一はやっぱりいつもどおりで相変わらずというか。」

「ん?シリアスっぽい顔しようか。自信ないけど。」

「大丈夫、そこまでしてもらなくてもな。いつもどおりで安心したよ。じゃあ俺、行ってくるわ。」

「あぁ、行ってこい。」

 

 

 

そしてなんやかんやあって小野寺と一緒にアメリカに桐崎を探しにいく二人なのだが…あれ、二人?旅は道連れ世は情けってやつなのか随分と思い切ったことをするものだ。

 

 

これが若さか…と、1人になってたそがれていると後ろから万理花に肩を叩かれて現実に戻ったとさ。

 

 

彼なりに答えを見つけてほしいものだ。桐崎さんもなんだかんだ鈍感だったり言葉に出来なかったり不器用なところあるからね。

 

 

きっと何か大切なことに気付いたのだろう。

 

例えば自分の好きな友達が同じ人を好きなことを。

 

これは推測だが、的を得ているのかもしれない。

 

そして彼女のことだ、争うくらいなら身を引こうとかそういうことか。

 

真実はわからないけれど、楽よ、期待してるからな。

 

 

 

 

「あ、貴一!こんなとこにいたのか。」

「ん?どうしたマイフレンド。」

「何言ってんだか、そうそう帰りにカラオケでもいかないか男連中で。」

「いいね、いこう!」

「楽はどこにもいないしまあいいだろう。」

「だな、探すのも面倒だ。」

「おいおい。」

 

 

 

吉報を待ってるよ、楽。ファイトだぜ。

 

 

 

 

 

 




ん~月曜のジャンプが気になります。

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