2度目の高校生活   作:くるぶしおかか

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どうもお久しぶりです。


久しぶりすぎて忘れらてそうですがanother3ということで一応1,2を読み返して
もらえたらと思います。

感想、批評バシバシお待ちしておりますので!

原作終ってしまいそうですね…。




another3

 

 

「いい運動したな。」

「ですね、これは…また風呂入らないと。」

「うーーん、確か…部屋の外に露天風呂あったよね。」

「それです、そこに入れば問題ないです。」

 

 

 

先ほどまで風ちゃんと無我夢中に卓球を嗜んだ後に部屋に戻り現在は温かいお茶をちびちび飲みながらほっこりと会話をしているところだ。

 

 

予想外に温泉卓球に熱中して折角お風呂に入ったのに少し汗をかいてしまって汗でべたついてはいないものの微妙に違和感を感じるのだ。やはりもう一度湯船に浸かるべきかもしれないな。

 

 

ちなみに今泊まっている温泉旅館の部屋の窓を開くと外に丸い円形の露天風呂がついているのだ。もちろんお湯も循環しており温かい状態でセッティングしてあるのだ。

最初にこの部屋に入った時にそれは確認済みで入る機会があるか定かではないがせっかくなので入ってみたいとは実は思っていたのだ。

 

 

だがしかしここでひとつ問題がある。

 

 

今、この部屋にいるのは私二見貴一と彩風涼だけだ。相手はひとつ下の可愛い後輩で本日の温泉旅行に同行してくれた心優しい後輩なのだ。ちなみに今の姿はお互い浴衣なのだ。お風呂上りで火照った素肌とチラリと写る鎖骨が妙に色っぽいのだくそっ自然と視線が吸い寄せられてしまいそうだ…!華の女子高生にしてはこれは大人っぽすぎるのではないかと思う。年齢ごまかしてないよね?ププッ。

 

 

スタイルに関しても素晴らしいものを持っており浴衣越しでもじわじわと主張する双丘と若干慎重が小柄なもののほっそりとした体型で、現状でも素晴らしく今後の成長にも期待大と太鼓判である自分の中では、そう自分の中ではな。

 

これではまるでスケベなおっさんじゃないかと自問自答してこれからどうしようか風ちゃんに提案するのであった。

 

 

「俺はそんな汗とかかいてないからさ、風ちゃん入ってきなよ。」

 

そう、紳士らしく後輩に先にゆっくり入ってきなよと促す良い先輩ぶりだなと、どや顔をしていると風ちゃんは頬をぷくーっとハコフグのように膨らませて指でこちらの頬をつついてくるのだ。

 

 

「まったく貴一先輩は。違うでしょー?お、ほっぺたぷにぷにだー!」

「潤ってますからね私、肌年齢には自信あり。」

「いや、ゆうて10代なんですから普通ですって。…いや、そうじゃなくて!」

「いったいどうしたというのかね風さんや。」

「ここは一緒に露天風呂入ろうぜぐへへへでしょ、貴一先輩なら。」

「おい、俺のイメージひどくないですかね。」

 

 

 

全く…人のことどう思ってるのやら。こんなぐへへへなんて台詞滅多に使わないっての。まあそりゃあ…男として一緒に入ってみたいって思う気持ちはあるけれど心の中だけだからね。

 

あと、どっちかというと覗きとかの方が好きだし。あれおかしいぞ事案ですかね。

恋人でもない子とましては年下のお嬢さん相手にねえ…裸とかそういうの曝け出すのはまだまだ早いと思うわけですよお嬢さん。

と、いろいろ考えていると風ちゃんがやれやれだぜと肩をすくめながら、

 

 

「わかりました。では貴一先輩、お先にどうぞ。」

「いや、俺は別にいんだけどさ。」

「貴一先輩、ちょっと匂いが…。」

「わかりました、行ってきます。」

 

 

え?匂う?ちょちょちょないないない!でもそう言われたら先に入るしかないじゃない。一緒の部屋で寝るのだから相手に不快感を与えてしまっては頼りになる先輩?として譲れないからだ。

 

 

部屋の隅に移動してするすると浴衣を脱いでいる最中に視線を感じたので『ちょ、こっちガン見するなこら。』『すみませーん。』とやり取りがあった後に、窓を開き小さなタオルを持っててくてくと小走りをして外にある露天風呂もとい湯船に浸かる。

 

 

「はふ~~~、気持ちいいなあ~。」

 

上を見上げると夜空一杯に綺麗な星空が広がっているのだ。なんという開放感…まるでこの景色を独り占めにしているようなそんな感覚に陥るのだ。お湯の温度もちょっと熱いくらいで丁度いい感じで満足かな。

 

あれがデネブアルタイルベガなんて大三角と歌詞をつぶやきながらタオルを頭の上に載せてまったりとしていると後ろから、

 

 

 

「お湯加減はどうですか?」

 

と、風ちゃんの声がかけられたので

 

「うむ、よきかな。」

「誰ですかそれ。よっこらせっと。」

 

あれれーおかしいなー後ろからぽちゃんと音が聞こえてきたぞー。とぼけてみたがこれは苦しいな案の定後ろから湯船に入ってきたのは皆さんご存知の風ちゃんだ。

 

 

「あら、先客がいましたか。」

「ここに確信犯がいるぞ。」

「さて…なんのことやら。後ろ振り向かないでくださいね。」

「はーーい。」

 

 

とりあえず後ろにてお湯につかっている風ちゃんの視線が気になるものの今はまったりと満喫することに努めようと思う。

 

 

「良い湯ですね。」

「だな。」

「こんな広々とした空間で二人きりなんてなんかすごいですね。」

「上手くいえないけどなんかそれわかるわ。」

「ですよね。今日は誘ってくれてありがとうございました。」

「こちらこそ風ちゃんとだから尚更楽しい時間だったよ。」

「私とだからですか…?」

「もちろん!」

 

 

たまたま当たった温泉旅行、仲の良い子とこうして一緒に出掛ける事が出来たんだ。相手が異姓というイレギュラー要素を含んでいたものの個人的には異姓のほうが良いし?ラッキースケベなんてあったらもっと良いし?これで後ろ振りむいたら『きゃっ!先輩

のえっち!』なんて言われながらビンタされるに違いない。

 

これはこれでアリな気がするが理性というのな壁がそうさせなかったみたいだ。

 

料理に露天風呂に素晴らしい時間だった、中々こうして行く機会なんてなかったから新鮮な気持ちで今日は終えれそうだなとうなづきながらもう少ししたらお風呂から出ようと思うのだった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

風ちゃんとだから楽しい時間だったよ。

 

この台詞を先輩の口から聞いた時に心のずっと胸の奥がどくんと響いたのだ。

あったかくて嬉しくて落ち着きの無いこの胸の高ぶりはなんなのだろうか。

先輩に温泉旅行に誘われた時は最初はびっくりしたけどこうして行くことになって本当に良かったと思う。

 

私にとっては異姓として恋愛感情を抱いている相手で向こうはどう思っているかわからないけれどこうして旅行に誘ってもらえるのだから。

 

 

先輩の私に対してどう思っているのか…すごく気になるけれどそれと同じくらいに真実を知るのも怖いのだ。

別に恋愛感情とかないしあくまで友達としてなんて言われたら胸が張り裂けそうだ。

 

 

でも…ここでいっきに踏み出してもいいんじゃないかって。

 

もう、こんな機会はないかもしれない。

 

お風呂で暖まったせいでどこか活動的になったのかもしれない。

 

 

まったりと湯船にあぐらをかいて座っていて首から上だけ外に出ている先輩の背中を見ながら、よしっ!と気合を入れるのだった。

 

 

そうと決まればまずは行動。今の装備はちいさなバスタオルのみ。もちろん全裸である。お風呂なのだから当たり前ですよと誰に言ってるんだろ私と気分を入れ替えて行動に移るのだった。

 

 

そう、そおっとまったりしていて先輩の後ろからがばっと抱きつくのだ。我ながらこれは大胆っ!身体があったまっているからかもはややけになっているようだ。

 

 

「ヴぇええええ!?」

 

 

なんだその奇声は。どこから声が出ているのか、腹から声出せ腹からって違うか。

でもぎゅっっと抱きしめているのを振り切ろうとしているのか抵抗してじたばたと慌てる先輩を見てどこか愉悦の表情を浮かべてしまう私はSなのかもしれない。

 

 

「ちょ。あたってるんですけど。」

「ん?なにがですか?」

 

 

んん?いったい何があたってるんですかねえ。しばらくすると諦めたのかじっとおとなしくなり両腕を先輩の首の横に回していて後ろからもたれている体勢のままでいると妙に落ち着いてきたのだった。

 

 

「なんか落ち着きますね先輩。」

「いや、こっちはそうは言ってられないんだけど。」

「ふふっ。ねえ貴一先輩?」

「ん?どした風ちゃん?」

 

 

 

 

「私、やっぱり先輩のこと好きです。」

 

 

 

 

 

言ってしまった、ついに言ってしまいましたよ私。

言葉を発してから数秒の沈黙…この沈黙がつらい。先輩の表情が伺えないこともその理由のひとつだけれども返答が気になってはやく答えてくれと内心すごくテンパリながら先輩が口を開くのを待つのだった。

 

 

 

「ハハハハハっ!」

 

 

なぜか大声で笑い出す先輩。やっぱりどこか頭の螺子が飛んでいるみたいだ。

のぼせちゃったのかな?って違うわ!そうじゃないでしょうに!

 

 

 

「ちょ、なんで笑うんですか!こっちがどんな思いで…!」

「ごめんごめん。…たださあ…自分の鈍さに驚いたっていうか。」

「そこはどうでもいいです。答えを聞かせてください。そのままの体勢で。」

 

 

これでもしフラれてしまった時に泣き顔を正面から見られたくない…だから背中越から答えてほしいと訴えたのだ。

 

 

「わかった。風ちゃん。」

「…はい。」

 

 

 

「俺も風ちゃんのこと好きだ。」

「え??」

 

 

ぇ?今なんて?

 

 

「すみませんもう一度言ってくれませんか?」

「だから俺も好きだって。」

「え?なんだって?」

「もうっ!こいつは!」

 

そう言って貴一先輩はがばっと身体を反転させて両手で私のほっぺたを両側から内側に寄せて変顔にさせつつ大きな声で、

 

「風ちゃんが好きだ!アーユーオーケー?」

「は、はふぃ。」

「よし!」

 

そう言ってにぱっと良い笑顔を見せてくる。あ、外の露天風呂で周りに明かりがあるものの薄暗いためそこまではっきりと表情は伺えないんですけどね。

暗順応とだけ言っておこう、だってまさかあの先輩が顔をトマトのように真っ赤にさせている訳などないのだから。

 

そっか…先輩も私のこと好きだったんだ。

 

あぁ、嬉しいな。ほっとしたよ。

 

怖くてびくびくと震えていたからね私、らしくないよ本当に。

 

でも、良かった。今日の日を忘れないよ、貴一さん。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「今日から私が先輩の彼女なんですね。」

「こんな俺だけどよろしく頼むな。」

「こちらこそこんな私ですけどよろしくお願いしますね。」

 

「かかっ。」「ふふっ。」

 

 

ひとしきりお互い笑った後に『あっ!』っと言いたげな表情を浮かべる風ちゃん。一体どうしたというのだろうか。

 

 

「せせせせせ先輩!」

「はい!なんでしょう!」

「後ろ向いてください!」

 

 

はて、なんですかね。とりあえず上から下へと視線を移動してみると視界には全裸のお嬢さんが。そういえばそうでしたねこれはうっかり。

手のひらにこぶしをポンっと乗せてなるほどとつぶやくと、

 

 

「はやく後ろ向いてくださいってば!」

 

と、慌てふためく後輩を見ていると自然と笑みを浮かべてしまうのだった。

そして『このっ…!』と小さくつぶやいた彼女にビンタをくらってふっとび湯船に全身をざばんと入ってしまうのは誤算だった。

 

 

でも外が暗くたって私の視線からは逃れられないんだぜ?

 

 

眼に移った光景は頭の中に深く刻まれたのだった。

 

まあ、いずれはす全てを曝け出してもらうときがくるのだろう、にししし。

 

いや…本当にくるのかな?ちょっとだけ未来のビジョンに綻びが…ええい!負けてたまるか!

 

 

その後は二人とも湯船から出て着替えなおして一緒の布団で手をつなぎながら記念すべき日を終えるのだった。

 

 

 

終始なごやかでいつの間にか夢の世界に羽ばたいたのだった。

 

 

 

 

 




中々時間が取れない日が続いたり。

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