京アニ新作いいぞ、もっとだモリサマーもどき!
では、続きです。
感想、批評お待ちしております。
「じゃあどこからというか何から話そうか。」
急遽私、二見貴一の家で今夜は思い出話に華を咲かせましょうなんて言う風。いつもおっとりしているこの子は突然思いつきで行動するようになったんだよなあ。恋人になってからこうだ、もしや自分の性格が移ってしまったのだろうか。
「と言っても何から話せばいいのやら。」
「あれですよ、あの温泉旅行のやつですよ。」
「あーあれかあ。あったなあそういえば。」
「そういえばじゃないですよぉ。」
「くくっ、そうだな悪い悪い。こほん…確かあの日は…」
買い物帰りの商店街、何やら福引をしているらしく途中の買い物で福引き券をもらっていたのでものは試しにやってみることに。
「おっちゃん、福引1回これで。」
「まいどー。坊主頑張れよ。」
福引はあのなんか取っ手をぐるぐると回すやつだ。あのテレビで見るやつさ。うまくイメージできないだって?そこは察してくれ。察しろ。
まあどうせ白い玉が落ちてきて残念賞のティッシュですみたいなオチだろうと気ままに回しているとカランと音をたてて落ちてきたのはなんと金玉、金の玉だったのだ。つまりゴールデンボールだ。
ひょっとして豪華な景品用意してくれてるんですか!?と期待の眼差しで顔を店主の方に向ける。少しシャフ度を意識したドヤ顔で。
「金…だ…と!?…おめでとう坊主!一等だ!」
小さな鐘をカランコロンと音を鳴らして周囲の視線を集めるんじゃあない。嬉しいけどなんか恥ずかしいから。もうやめてー!
「金賞はこの豪華で人気の温泉旅館の1泊2日の旅行ペア券だぜ坊主!」
「や、やったー!」
「もっと喜んでいいんだぞ坊主。」
「あ、あはは…。」
そう言って肩をバンバンと叩いてくるおっさんからペア券を受け取るのであった。
「温泉は大好きだけどペア券か…どうしよう。しかもペア用…使い余すなぁ。」
そう、そこなのだ。ペア券で同じ部屋で宿泊することになるのだ。大きな露天風呂もあってしかもなにやら宿泊する部屋の外にも露天風呂がついている豪華ぶりなのだ。といっても異姓を誘うのは中々緊張するし誰を誘えば良いのか迷うところだな。
かと言って野郎と一緒に行くのはなんとも味気ないしなあ。野郎二人の温泉旅行とか草生えるわ。やっぱりおなごがいいんだよなあ…、誘うにしても万理花ならいける…か。うーん、どうだろう。鶫は多分馬鹿もんって言って殴ってきそうだし。後輩…後輩組は男と二人きりで泊まりはさすがに敷居が高いのだろうか。親にだめとか言われるのだろうか。
「どうしたんですそんなに難しい顔をして。」
正面から声をかけられたので視線を上にあげると見覚えのある三つ編みの女の子が。
「君に決めた。」
「はい?」
つい、言い切ってしまった勇敢な自分をどうか許してほしい。
「なるほど。福引きがたまたま当たって、それが泊まりがけの温泉旅行でペア券でだれを誘おうか迷っていたということですね。」
「そういうこと。つい言ったけど厳しいかなやっぱり。」
「なんでそう思うんですか?」
「だってちょっとした旅行で同じ屋根の下で二人きりだぜ?」
「確かに。」
「だから風ちゃんも抵抗あるんじゃないかなって思ってさ。」
「いいですよ?」
「へ?」
「そのペア、私がなってあげますよ?」
「いいの?」
「はい。」
「じゃあよろしくね。風ちゃん。」
「はーい、お姉さんに任せなさーい。」
「なんだそりゃ。まあ良いけどさ。よろしく頼むね。」
こうしてペアは風ちゃんに決まって温泉旅行に向かうのであった。
さあさあやってきました温泉街。旅館前にて、
「わー!立派な旅館ですね貴一先輩!」
「すばらですっ!いきますよ風さん。」
「ええフリーザ様。」
「誰がフリーザだ。ドドリアさん。」
「ドドリアさんはやめて。」
旅館の扉を開けて中に入り美人な女将さんに部屋を案内してもらう。
「こちらがお部屋になります。ごゆっくりおくつろぎくださいませ。」
「ありがとうございます。」
今日泊まる部屋は広く古風でお洒落な空間が広がっている。部屋の外にも露天風呂があり、大浴場とおおきな露天風呂。こちらは混浴ではないのだけれども。もしかするとこの部屋の露天風呂を使うときは必然的に混浴になるのではないかと邪な妄想をしていてたが首を何度か横に振り、やはりそうなるわけないかと現実に戻るのであった。
荷物を下ろしてほっと一息ついてゆったりとしていると、
「とりあえず周辺を探索してみませんか?」
「いいね、ここ温泉街だからいろいろ楽しめそうやし。」
「よ-し、探検だあ!」
「こどもかっ!」
「さて行きますか。はやく先輩、おいていきますよ?」
「待ってよーー。」
それから周辺を探索しながら楽達にお土産を買ってあげようとする清らかで美しい心の二見さんですよーと、言っていたら何言ってんだこいつって顔をされたよ。解せぬ。
「中々楽しかったな。」
「ですね。温泉まんじゅう美味しかったですし。」
「あれ美味かったよなあ。個人的に足湯とドクターフィッシュが良かったかな。」
「ですね。まあ汚れているところ私にはないですし。」
「はいはいお肌スベスベですもんね。」
「うわーその台詞おっさんみたい。」
「あんまりうるさいと口塞ぐよ?」
「キャー、こわーい。」
「もうツッコまないからね。」
「はーい。」
『いただきます!』
旅館に戻り夕食をいただくことに。豪華なコース料理で大変美味しくいただきました。あー酒飲みたいよお。未成年の身体が憎いよちくしょうめっ。
『ごちそうさまでした!』
「く~~~満腹満腹~♪」
「う~~~ガンダム~♪」
「ガンダム知ってたんだ風ちゃん。」
「ジークジオン!」
「にわかっぽいな、俺もだけど。SEEDは見てたけどな。」
「私はGガンですね。」
「マジか!」
「うそです。」
「うそかよっ、Gガンはさすがに見たことないわな。古いし。」
「まあそれはおいといてお風呂入りにいきましょうよ先輩。」
そう言ってキラキラした瞳でわくわくしている風。
「だな。いきますか。着替えはもったか?」
「ええ、浴衣ですもんね。なんかいいですねこういうの。」
部屋に置いてある浴衣をそれぞれ抱えて風呂場に向かいそれぞれ男女風呂に別れるのであった。
「じゃあ先輩また。」
「うん、また。ゆっくりくつろいできなよ。」
「先輩もね。」
「おうよ。」
と、お互いのれんをくぐって露天風呂を満喫するのであった。
えー私サウナが好きでしてね忍耐勝負なんて感じで男友達とサウナにこもったり電気風呂でイタタタタと飛び跳ねたり、水風呂に浸かったりまったりと湯船に浸かったりと結構温泉に入るときは時間をかけるのだ。今日は男1人だから大人らしく湯船にはいることにするよ。そう、紳士的にね。
露天風呂をゆったりと満喫した後瓶のコーヒー牛乳を購入して喉に通す。ゴクゴクと一気に飲み終える。風呂上りのコーヒー牛乳ってすごい美味いんだよなあ。なんでだろう。
木のベンチにもたれながらコーヒー牛乳を飲んでいると向こうから浴衣姿の風ちゃんの姿が映った。お風呂上りですこし火照った顔と身体、浴衣からちらりと見える鎖骨が妙に色っぽく見えてくる。なんだろうなんだかドキドキしてきたぞ。ただの後輩が妙に年上のお姉さんのような色香を漂わせるなんて。
「露天風呂どうでした?」
「最高でした。いいとこだねここ。」
「わー上からだ。」
「さ、ここからー。」
「意味わかんないですよ、ほら見てくださいこの浴衣、似合ってます?」
「うん、めっちゃ似合ってる。」
「うふふ、そうでしょうそうでしょう。貴一さんも似合ってますよ?」
「そっかまあ当然だよね。」
「うわーー。」
「貴一さん見てくださいあれ。」
「ん?あれ?」
指差す先にはなんと卓球台が。お互いシェイクの卓球板を使うみたいだ。そして風ちゃんがボールを持ちサーブの体勢に入る。
「温泉旅館に卓球、もうこれは」
「やるしかないでしょう。」
「ですね、先輩は卓球したことあるんですか?」
「もちろんです。プロですから。」
「お手柔らかにお願いしますね。いきますよー。」
「さあ、こい!」
「では、…この球消えるよ。」
ふっ…と、サーブを打つ風ちゃん。なんだと!?球が消えているだと!?見えなくても感じればきっと打てるはずだ。
「ふっ、つばめ返し。」
「まだまだ。羆落とし!」
「んじゃ星花火!」
「どりゃー波動球!」
「ビッグバン!」
「甘い!俺の波動球は…百八式まであるんだぜ。」
「ですが使わせません。破滅への輪舞曲。」
「な…ん…だと!?」
「私の勝ちです、先輩。」
「あぁ、また勝てなかったよ。ちくしょう。」
と、思いのほか熱くなった卓球模様となったのだった。
グール先輩先が気になりますねえ…。
感想、批評お待ちしております。では、おやすみなさい。