新たな気持ちで仕事の息抜きに続けていきたいと思います。
新作はトラブルを書きたい…なんて。
感想、批評お待ちしております。
学校の授業が終わり、夕暮れ時の放課後の学校の屋上で、目の前に映る人物に問いかける。
「貴方は何色になりたいですか?」
突拍子も無くこう問いかける、それに特別な理由は無い。ただなんとなく聞いてみたかった。
相手は数秒間手の甲に顎を乗せながら考えた後、ゆっくりとこう答えました。
「そうだね…橙色かなあ。太陽のようで暖かかくて大きくていつか自分にとって大切な誰かを傍で支えられるような人になりたいなって思うんだ。明るくて誰かを元気に幸せにできたら最高だななんて。まあ幸せなんて形は人それぞれだけどね。答えとしてはこんな感じかな。ちなみに風ちゃんは何色になりたいのかな?」
自分が何色になりたいのかその時は答えることができなかった。
私の趣味はカメラだ。昔から写真を撮ることが好きで、それを見た両親が小さい頃に好きに撮りなさいということでデジカメを買ってもらった時なんて一日中写真を撮りに外を走り周ったものだ。お外走ってくる~という奴だ。
今は一眼レフを買いたいという欲望に駆られている。
最初は風景やなにげない日常を被写体に選んでいたのですが、いつの間にか幼馴染の天使のように可愛い春をたくさん撮っていたのだから驚きだ。別に女の子が好きな訳ではないんですよ?あ、春のことは大好きですけどね!変な意味はないですからね友達、親友として好きって意味ですからね。
春の写真を撮るにつれて被写体の雰囲気が違って映るように見えた。原因はおそらく恋だろう。なんと不良にからまれた所を助けてもらったその人と仲良くなったらしく、楽しそうにその人のことを話すのに当時は結構嫉妬したものだ。あれは完全に恋する乙女のやつだなと確信を得ていたから尚更拍車にかけていました。
それも今となっては随分と懐かしいものでそれから私は春と同じ人に恋をしたのだから。
まさかまさかの展開である。最初は気に入らないなあって思ってたのに段々と興味を持って興味をそそられる被写体になっていったのだから。
春と同じ。いろんな顔、表情が出てきて面白い、もっとだもっといろんな顔を、私を満足させておくれよと関心が尽きなくて研究者のようにシャッターチャンス♪なんてタイミングを見計らってたなあ。
そして現在
「涼は何色になりたい?」
隣に立つ人物からかつての自分の台詞を。同じように聞かれる。あのときのように。
私なりに出した答えはこうだ。
「緑色…ですね。」
「へえ、いいじゃん。」
「傍にいる大切な人に安らいでももらえるような静かで癒し系のお姉さんになりたいなあなんて。あとは森のように深みのある人になりたいな、みたいな。」
「渋いね~さすが涼ちゃんや。」
「えっへん。」
「きっと涼ならなれるよ、そんな女性に。」
「ありがとう貴一さん。」
「どういたしまして。」
「それにしても…。」
「どうした涼?」
「まさかこうやって貴一さんと恋人の関係になっているなんて。」
「まあ世の中何が起こるかわからないものだな。」
「ですよね。まさか貴一さんがモテていたと知ったときは耳を疑いましたしね。
「えーー。ひどいよー、うわーん。」
「間違った世の中だと嘆きましたよ。ぷぷっ。」
「せめて最後までやりきろうよ風。無駄に壮大やしさ。」
「まあやるだけやってみますね。でも貴一さんから告白されるなんて思わなかったですよ。私のことはそういう目で見ていないと思ってましたし。」
「え、そうなの?まあ好きになったもんは仕方ないじゃん。」
「そういうまっすぐな所、尊敬できますし好きですよ。」
「やったー!」
「でも。」
「ん?」
「ちょっとえっちぃのは苦手です。」
「なんだそりゃ。まあ男の子だから仕方ないよ。」
「これだからなあ貴一さんは…そういう所も含めて好きなんですけどね。」
「ありがとう涼。」
そう言って段々と二人の距離が狭くなっていきそして…お互いの唇をそっと重ねる。
「…んっ。」
「……。」
『ハハッ』
「あ、そうだ貴一さん。」
「どうした?」
「今日は貴一さんの家で今までのこと思い出話しません?オールで。」
「なんだそりゃ。まあそういうのもいっか。」
そう、あの時からこいつのことがただの可愛い後輩ではなく、愛しの後輩に変わったんだよなあ。つまみを食べながら語らせていただこうと思うのであった。
「酒買って帰るか。」
「だめですよ先輩。というか未成年。」
「あれま。」
明日もがんばるぞ~!おやすみなさい!
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