メリークリスマス♪
さて今年も戦場のメリークリスマスがやってきましたね。
皆さんどうお過ごしでしょうか。
さて続きです。
感想、批評お待ちしております。
白、見渡す限り果てしなくどこまでも広がる真っ白な空間が目の前を続いている。
さっきまで確か万理花と二人重なってまた眠りについたはずなのだが。
即ちこの空間は夢の中というのが正しいだろう。きっと眼が覚めたら忘れてしまう様な些細なことだろう。まあ夢なら自由に過ごしてみるか。夢の中ってうまく声が出なかったり走れなかったりするよね。
「夢ではないですよ?」
そう、突然後ろから女性の声が耳に入ってきた。後ろに気配もなく唐突に、そして聞きなれない声だったので振り返ってみると全く見覚えの無い女性が立っていた。
銀髪のストレートの髪で色素の薄い肌白い透き通った肌、傘をさしていて衣服は白いワンピースと、この空間の色と同じような色で擬態というか空間に溶け込んでいるみたいだ。
なにより気になるのはこの気配。何か違和感があるというかそこにいるのにそこにいないような…なんというか普通じゃない…幻想的だそれとも幽霊?
「あなたの思っているような存在ですよ私は。」
「へえ…とりあえずお名前を聞かせてはくれないかな?」
「そうですね…特に名前とかないのですが。ナナシというのはどうでしょう。」
「ナナシさんね、了解。で、ここに呼び出した理由は何かな?」
「なんというか冷静なんですねこんな意味不明な状況なのに。」
「まあそうだけどさ。何か用があって呼んだんでしょ?それだけわかったからあとはどうにでもなれって感じかな」
「いきなりぶっちゃけましたね。まあいいでしょう。まず気になることがあるでしょう。言ってみてくださいな。」
「質問に質問を返されるとはね。まあいっか。あなたは何者なんですか?」
「そうですね、あなたをこの世界に迷い込ませた犯人というところでしょうか。」
「な、なんだってー!!」
「うわ、わざとらしい反応だなあこれまた予想外。蛙のように馬鹿みたいに飛び跳ねるリアクションを期待していたというのに。」
「なんなら今からうさぎ跳びでぴょンぴょンしようか?ほら心ぴょんぴょん党のように。」
「あなたじゃあ全然心ぴょんぴょんしませんし。そもそもそれ蛙じゃないし。というかやけに自然な対応ですね。」
「俺もうっかり。…こほん。な!なんで今ここに呼び出したんだお前―!」
「うわー。っく、ハハハ、それはですね貴方もそろそろ真相が知りたかったんじゃないかって思いましてね。」
「いや別に?なんだかんだ楽しく過ごしてるからいつの間にかそういうこと気にしなくなってたよ。」
「楽しんでもらえてよかったですわ。でも気になりません?なぜ急にそこに行ったのか。」
「うん、気になりますね。」
「しいて言うなら…暇つぶしですね。」
「5文字で終わっちゃったよ。」
「ふふっ、何か特別な理由、自分が選ばれた存在だとか思っていたんですか?」
「それはないな。」
「つれないですねえ。私のような存在は他にもいるんですけどね、別の世界に送り込んだ人間がどうするのか暇つぶしに眺めていたんです。かつ誰を選ぶのか賭けをしていたのです。」
「へー、それまたご苦労なこって。で、あんたは賭けに負けたんだろどうせ。」
「な!?なぜわかったんですか!?」
「なんか賭けに弱そうな顔してるんだよなあココと違って。」
「ひどい!ココって言われてもわかりませんよ!まあ負けましたけど。」
「ぷぷっ、やっぱり!」
「こいつ…イラっときますわね。」
「ちなみにあんたはどうなるって賭けてたんだ?」
「小野寺春と付き合うって予想していたんですけどね。年下好きで可愛い子大好きの貴方でしたから。」
「へーまあおおむねあってるけども。春ちゃんすげー可愛いからねえ。」
「ですよねえ、私も一目置いていたくらいに…ってそうじゃない!あなたがなぜ一番攻略難関なマリーにいったのか。」
「さあ?」
「おかげでこっちはいろいろなくなっちゃいましたし責任取れやこのヤローって感じですよ!」
「そう言われても自分としては知ったこっちゃないよね。」
「ぐぐぐ…。」
「で、本来の呼んだ目的ってなに?わざわざこんなこと言いに呼んだんじゃないよね?」
「そ、そうですね。あなたの元の世界での身体こと気になってません?」
「いや別に。」
「おいーー!もっと興味持ちましょう?自分のことなんですから。」
「ぶっちゃけ今更なんだよなー、どうせ元の肉体はもう死んでるとかだろ?」
「ええ地震でぺっちゃんこです。」
「うわーさらっととんでもないこと言ったよ。」
「死んでしまった貴方の肉体を再構成して別世界に転移させる。あなたはとても幸運ですね、たまたまこうやって選ばれたのだから。」
「や、やったー。ってか今までのこと見てたの?」
「ええ、大勢でモニタリングしてました。」
「趣味悪いやつらだな全く。というか暇な奴らだなお前らって。」
「ええ私達みたいな存在は基本的に暇ですからね娯楽が必要なんですよ。ふふっ。中々興味深いものを見せてもらいました。」
「こいつら…。」
「それでですね、ここであなたの意見が聞きたいのです。まだ続けたいですか?仮初の身体としても。仮初の世界だとしても。」
「ちなみにNOって言ったらどうなるわけ?」
「消えますね、そのままの意味で消えます。元より失われた命ですからね、あっけなく。自然な形に戻るだけです。」
「うわー、マジかよ。天国とか地獄だとか?」
「ふふふ。そういうのはありませんよ。ただの無です。何もなくただ消えるだけです。」
「なにそれこわい。」
「それで答えは?」
「そんなの決まってる…YESだ。」
「そうですか…お幸せに二見さん。あなたの行く末を見届けますね。暇なので。」
「この暇人め。まあよろしく。じゃあな、ナナシ。」
「人ではないですけどね。ええ、それでは。」
うーん、もう朝か。なんか不思議な夢を見た気がする。でもなにか思い出せないんだよなあ、夢だし仕方ないよね。必殺技は欲しいか?って夢だったかな。それとも悔しいか…力が欲しいか?とかそんなんだったかな。おもい…だせないよ。
「よく眠れましたか貴一さん?」
隣で横になっている万理花がにこにことした表情でこちらを見つめている。
「ああ、疲れてたからぐっすり眠れたよ。」
「そうなんですの、一体昨日何があったんですかね。」
「さあな。何だろうね。」
「私、なぜか今朝から筋肉痛でして一体どうしたんでしょうね。」
「さあ?自分の身体に聞いてみるといい。」
「はいはい。うーん、やっぱり昨日のあれが女の喜びってやつですわね!」
「こどもが何を言ってるのやら。」
「あっれー、あれだけ私の身体を見たくせにこどもですって、全く貴一さんはダメな人ですわね。」
「うぜえ。というかお前身体弱いとか言ってたけど昨日全然そう感じなかったな。」
「どちらかというと貴一さんのがへばってましたわね、ぷぷっ。」
「うぜえ…。」
「さらにホルモンの関係でさらに綺麗になると言いますし。」
「へー、すごいねー綺麗だよー。」
「棒読みありがとうございます。あ、そうだ。誕生日おめでとうございます貴一さん。」
「どうも。そうか今日だもんな、昨日じゃなかったなハハハ。」
「まあ変わったところはありませんけどね。」
「いいや」
「ん?」
「大人になったよ、ある意味…ね。」
「意味深ですわね。そうだ!今日ケーキ買いに行きましょうか。」
「おっ!いいねえ。」
「そして食後のデザートに私をまた、たいらげるんですね。そう、薄い本みたいに!」
「ちょっと黙ろうか万理花。」
「そう言って口を無理矢理塞ぐんですね、そう、薄い本みたいに!」
「万理花~!!こら~!い、いてて。あ、俺も筋肉痛かも。」
「わお!だらしないですよ貴一さん。」
「お前もな。」
「ぷぷっ、違いないですわね。」
そして朝ごはんを食べて部屋の掃除やベッド周りも綺麗にしたり、ケーキを買いに行ってそのまま万理花の家に行って盛大に祝ってもらって感無量であります。
その流れのまま万理花の部屋で泊まるということに。なんじゃこりゃって感じではあるけれども今は一緒にいたいって気持ちが大きいんだよなあ。
「次は夏祭りですわね。」
「まあそうだな、成長した万理花の浴衣姿を眼に焼きつけないとな。」
「父親ですか。」
「いや彼氏だから。」
「知ってますよ。」
『ハハっ』
「とりあえず明日からは一旦家に来るなよな。」
「な、なんでですの!?」
「宿題をすべて終わらせる。ちなみにだが宿題は自分でやれよ万理花。」
「え、手伝ってくれないのですか?」
「うーん。仕方なく少しだけは、な!」
「期待してますわ!」
「頼りにする気満々なのね。」
「えっへんですわ!」
「こいつ…。」
それからの事は言うまでもないだろう…また連続で甘い夜を過ごす事になるなんて…今日はクリスマスじゃあないんだぜ。いつもなら爆発しろと毎年やっているがクリスマスに全国のラブホ爆発しろなんて内心思っているが、今年はなんとか我慢、見過ごしてやろうと思う。仕方なくだ、そう…仕方なくだからな!
こいつと初めて会った日を思い出すと感慨深いものだな。
先のことは誰にも分からないのだから。
数年後、卒業して就職して結婚したりして時間を過ごしていくのだろう。
いくら偽者の世界だからといって今を生きているのが、今こうして足を踏みしめている今ここが今の居場所なのだから、偽者だとか本物だとかそんなことは関係ない。
こいつとの物語もいつか終わりを迎えるだろう。だが、俺達の物語はまだ始まったばかりだ。ゴールインまで突っ走ってやろうじゃないか!
そう…俺達の戦いはこれからだ!今までご愛読ありがとうございました!
これから新しい物語を紡いでいこうじゃないか。二見先生の次回作に期待!
まるで寿命の少ない週間少年漫画の打ち切りみたいだな。
二人の辿る道はどうなるかわからない。というか万理花って世界一可愛いんじゃね?
羽川と勝負できる人類が存在するなんて!などど戯言を語ってみたが。
「ねえ…貴一さん。」
「ん?どうしたよ。」
「結婚式はまだですが先に婚姻だけ済ましませんか?」
「出来るんだっけ。まあその応えは…もちろんYESです。」
「その答えを待っていたですわ。」
「なんじゃそりゃ。だが悪くない。よし、うーん眠くなってきたな、じゃあおやすみー。」
「そうは問屋がおりませんわ。」
「ははっ…お手柔らかに頼むよ。」
「ええ♪」
この出会いに感謝を。神様ありがとう。
ここまできて文才のなさを改めて痛感しました。
これからはゆっくりと更新になるかもです。ネタが…。
サイドストーリーとか書いてみたいかも。
感想、批評お待ちしております。