2度目の高校生活   作:くるぶしおかか

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「文句の付けようがないラブコメ」
タイトルに眼を惹かれつい購入してしまった。
とりあえず投稿してから読もうとわくわく。


では続きです。
感想、批評お待ちしております。




54話

 

万理花のお母さんが立ち去った後、ほっと一息ついて

 

 

「とりあえずこれからどうしようか。」

「そうですわね、折角ですから観光とかどうでしょうか。」

「観光かあ…いいね。ちなみにここどこな訳?」

「福岡にある別荘ですわ!」

「福岡かぁ…博多ラーメン食べたいな。」

「ふふ。美味しいラーメン屋さん知ってますよ。」

「いいねえ…。福岡って他に何があるっけ?」

「マリンワールド、博多駅、太宰府天満宮、福岡タワーやそれに皿倉山から見る夜景はすごいですわよ。あとなにより美味しいものがたくさんありますし、屋台とかも賑やかで楽しいですよ。」

「なるほど。あーそうだ、太宰府天満宮行ってみたいと思ってたんだ。」

「いいですね、行きましょうか。」

「やったぁ。でも明日学校か。」

「ですわね。まあちょっとだけ観光しますか。」

 

という訳で福岡をそれから本田さんの車での送迎でいろいろと周るのであった。大宰府天満宮は確か学問の神様で有名だったっけな。菅原道真だったかな。立派な建物で周りの景観も壮大で見入ったり、観光客も休日ということで多かったです。

 

さすがに全国的に有名ということで賑わいを見せていました。お守りは…学問、厄除けね。将来のこともどうしようか考えなくてはな。大学に進学するとしても将来就きたい仕事は何をするのか。やはり手堅く公務員だろうか。土日休み有難いしなあなんて、福利厚生がしっかりとしているほうが良いし安定職だと長い眼で見ると素晴らしいんだよなあ…。

 

昼は屋台の並ぶ所でオススメのラーメン屋があるらしく、いろいろ散策しながらラーメンをがっつりと頂きました。あそこのラーメン美味かったなあ、やっぱりラーメンは豚骨ベースが好きなのです。若いうちはこってり系で年をとると醤油や塩などのあっさりめが好きになっていくんだよなあ…。飲み会のあとの締めにラーメン食べてたりしていたが、あれきっと太るやつだからね、今後大人になってからは気をつけようと思うのであった。

いろいろ見て回りそろそろ帰りますかという事で帰りの車内にて、

 

「あー楽しかった!」

「あまり時間は取れませんでしたが良かったですわ、楽しんでもらえて。」

「今度はゆっくり観光したいかな。スペースワールド行ってみたいし。」

「でた。ジェットコースター好きですもんね。」

「まあねい。あのぐるっと回るやつ乗りたいんだよなあ…。」

 

そして雑談をしているとピロピロと着信が急に入る。一体誰だろうと思って画面を見ると父親の名前が、

 

「いいですよ出てもらって。」

「うむ。じゃあちょっと失礼。はい、もしもしー。」

「久しぶりだな貴一、元気してるか?」

 

そう、電話の相手は我が父親である。

 

「急にどうしたよ。」

「そろそろ彼女でも出来たかと思ってな。」

「どこから知ったんだよ全く。」

「ということは出来たのかよかったな。いいか?別にやることやってかまわないが避妊だけはしっかりするんだぞ。」

「余計なお世話だよくそ親父!」

「なら良い。母さんにも報告しておくよ。」

「へーい。」

「まあ元気そうでなによりだ、またな。」

「ほーい。元気でな父さん。」

 

そう言って電話を切るのであった。

 

「お父様でしたの?」

「そうそうクソ親父さ。」

「確か海外をいろいろ周られてるんでしたっけ。」

「そうそう、詳しい事は知らないけれども。まあお金稼いでくれてるから良いけども。」

「ふふっ、なんですかそれ。」

「というか行きはどうやって来たの?」

「橘家の飛行機ですわ。」

「マジかよ。全然起きなかった俺すごいな。」

「ぐっすり寝られてましたから貴一さん。よっぽど疲れていたのでしょう。」

「うーん、いまいち昨日の夜から記憶が残ってないんだよなあ。」

「昨晩の貴一さんは激しかったですわ…。」

「え!なにそれ!俺何したの!?気になるんだけど!ちょ!頬染めないでさあ!」

「さあ?」

「おいー!まあ…いっか。あのさちょっと眠たくなってきたから寝てもいい?」

「こどもですね。」

「成長期やからな。」

「もう終わったでしょう、多分。」

「まだ高2だからね、諦めるにはまだ早い。万理花は…もう無理か。」

「おいこら~。私だって!まだまだ!もっと大人の女になりますよ!」

「身長はもう厳しいでしょうねえ…。」

「ぐぬぬ。」

「まあ可愛いから今のままが一番だけど。」

「ん?今貴一さんなんとおっしゃいましたか?ワンモアプリーズ!」

「なんでもなーい、なんでもなーい、ふふふふふ~♪」

「スルーですか!それに変な歌ですわね、意味不明です。」

「じゃあちょっと仮眠とるわ。」

「わたしの太ももかしましょうか?」

「それは大変魅力的な提案なのだけれど、ずっと乗せてたら重いよ?」

「そうでしょうか…。」

「まあそれでもいいならお願いしようかなぁなんて。」

「ふふっ、もっと素直になっていいのに。いいですよ。」

「そうはいかないのさ。じゃあ失礼しますね。」

「ええ、どうぞ。」

 

ということで靴を脱いで、横になり膝枕を満喫するとしますか。少し揺れる大きな車の社内で二人だけの空間。この車なんていう車種だろう。とにかく広いのだ。こうして二人だけの空間がつくれるのだから。

 

「この感触…すばらですっ!」

「ふふっ、ちょっと髪がちくっとしますわね。」

「せやったか。いやはや膝枕すばらですわ!」

「黒子ですの?」

「花田ですの。」

 

「はいはい。んじゃおやすみぃ万理花。」

「はーい、ごゆっくり。」

 

そして太ももの魅力を堪能しながら眠りにつくのであった。

 

 

「寝ましたか。」

 

膝の上に頭を乗せてスヤスヤと眠る貴一さん。まさか昨日から急にこうなるなんて予想外でしたけど、結果的に良かったですわ。お母様も認めてくれたみたいですし。あんな風にお母様の前で堂々と想いを語っていた貴一さんには改めて…。

 

私は幸せ者ですわね。この人となら本当に結婚して幸せな家庭を築いていきたいですわ。そしていつかこどもを…なんて。こどもとなるとつまりあんなことやこんなことを…恥ずかしいですわね。

でも興味は少々ありますの。ひとつ気になったのだけれど初めてって痛いのだろうか。ちょっとこわい所もありますがきっと大丈夫だろう。

なんとかうまく事を終えれるといいのだけれども。まあ貴一さんならよくご存知でしょうし多分、きっといろいろ知識は持っているはず。あの人は変態さんですからね。

 

窓から流れる遠くの景色を眺めながらこれからのことを考える。もうすぐ7月に入り高校2年の夏の到来を迎えるのだ。七夕に夏祭りに海、去年出来なかったことが今年はたくさん二人で満喫できたらいいな。それに桐崎さん達や春ちゃん、風ちゃんとのたくさんイベントが今から楽しみですわね。

 

去年購入した恋結びのお守りはもう必要ないですわね。叶っていますから…ね。

そして貴一さんの頭を撫でながら私もいつの間にか寝ていたのだった。起きたらもう家に着いていましたからね。早っ!

 

途中から橘家の自家用の飛行機に乗り換えているのだが運ばれても気付かない二人であった。これが忍者の実力なのか、さすがに福岡から自宅に帰るのは車だけでは大変ですから当然である。

 

外はもう夕方の時間になっている。

 

「ん~~~~よく寝たぁ!」

「あら、起きましたか。もう着きましたわよ。」

「マジか、はやいなおい。」

「ぐっすり眠られていましたね。そんなに寝心地良かったですか?」

「ああ最高だったぜ。」

「なにキメ顔で言ってるんですか。まあどういたしましてと言っておきますわ。」

「へいへい。じゃあそろそろ帰るわ。今日は楽しかったわ。じゃあまた学校でな。」

「私もです。ではまた。あ、ちょっとこっち来てください。」

 

指をくいくいと曲げて近づくようにジェスチャーする万理花。

 

「ん?どした?まだ何かあるの?」

 

そして眼をつぶる万理花。

 

「さよならのキスを要求します。」

「ハハっ。喜んでお受けします。」

 

そして軽く唇同士を合わせる。数秒重なりそっと離して

 

『じゃあまた。』

と、お互い帰路につくのであった。

 

 

 

「次はもっとゆっくり九州満喫したいな。」

 

と、独り言を小さく溢しながら帰っていると着信があり、画面に映るのは母親の名前。次はあなたですかお母さんということで電話をとる。

 

「ほーい。」

「貴一聞いたわよー。彼女出来たんですってね。」

「まあねえ嬉しいことに。」

「避妊だけはしっかりしなさいよ。」

「あんたもか!」

「アハハッ!パパも同じこと言ってたの?」

「そうだよ。わかってるちゅうに。」

「まあそこだけはしっかりとしなさいよね。」

「肝に銘じておきます。話はそれだけ?」

「まあねー。元気そうだし大丈夫そうね。」

「うん、元気にしてる。母さんも体調には気をつけてな。仕事がんば!」

「母さんまだまだ若いからね、がんばっちゃうぞー!じゃあおやすみー。」

「おう、おやすみー?」

 

と、軽く話しながら電話を終えるのだった。今どこで何をしているんだろうね…まあ元気ならいっかと切り替えるのであった。

 

 

 

そして時間は流れて七夕の時期に、つまり7月7日だ。七夕ってあれだっけ彦星とかそんなやつだったっけな。一年に一度しか会えないっていうのは自分には到底許容できることではないなあ…なんて思ったり。

 

我が凡矢理高校では七夕となると大きな笹を用意してみんなが沢山短冊に願い事を書いて飾るのだ。

その笹なのだがあの神主さんが用意しているものらしく短冊に書いた願いが超高確率で叶うと評判らしいのが知る人ぞ知る噂になっているそうだ。

まあ願いごとって言うのは口にしたら叶わないんだと、ある詐欺師が言っていたような気がする。言わずに書くだけなら関係ないのかな、なんてね。

今は教室で配られた短冊に何を書こうか考えているところだ。集と楽が近くにいて、

 

「願い事ねえ~まさか高校生にもなって短冊を書くことがあるとは。」

「まあまあ適当にちゃっちゃっとすまそうぜ。貴一は何て書いたよ?」

「まあ無難に世界平和?」

「どこが無難なのか。」

「冗談だよ、宝くじ当たってください1億でいいのでって書いた。」

「まさかの宝くじ!?欲張りなやっちゃ。」

「今年ちょっとだけ買おうかなと。夢を金で買う…まあ当たるわけないけども。」

「1000万分の1くらいの確率だったかな確か。」

「まあそんな感じ。楽は小野寺と付き合えますようにとか?」

「ばっ!?そそそんなことじゃねーよ、ちょっと小惑星でも発見しようかなと。」

「一体何を目指してるのやら。集はどうせしょうもない事書いてそうだな。」

「ひどいな貴一の旦那は。これだからリア充は。」

「まあ否定はしないけども。」

「貴一さん短冊のお願いは書けましたか?」

「いったそばから彼女さん来たぞ貴一。」

「俺も小野寺と…。」

 

ぶつぶつとつぶやく楽とにやにやとしながらちゃかしてくる集。

 

「まあね。宝くじ当たれって書いた。」

「宮本さんも同じようなこと書いておられましたわ。」

「マジか。ちなみに万理花は?」

「願い事がありすぎて沢山飾ってきましたわ!」

「欲張りなやつだな。」

「金銭欲の塊の貴一さんには言われたくないですわ。」

「お二人さんいちゃついてるとこ悪いけども。」

「あら舞子さんいたんですの?」

「ん?楽しかいないと思うけど。」

「俺の扱いがひどいっすよお二人さん。」

「集、ドンマイ。」

「俺の癒しは楽だけだよ。」

「ちょっと何言ってるかわかんないです。」

「ひどいなー楽。」

 

そして万理花と共に男子連中で短冊を飾りに向かうのであった。笹の近くには桐崎さんたちやそれに後輩組の子たちも集結していた。

 

「あっ、貴一先輩!」

「あ、貴一先輩。」

「出たわね我がライバル!」

「おっ春に涼、あとポーラ。いつから俺はライバルになったのやら。」

「この前の勝負の借りは必ず返すから。」

「わーこわい。」

「貴一先輩は何て書いたんですか?」

「宝くじ当たれと。」

「うわー。」

「先輩らしいですね。」

「こういうノリでいいのさ。みんなは何て書いたの?」

「和菓子作りがもっと上手くなりまうようにって書きました!」

「私は良い写真がたくさん撮れますように!です。」

「ふっ、私は丁度新しい銃がほしくてね。この間最新モデルが…。」

 

と、どや顔で語るポーラのポケットからちらっと落ちる短冊。おっぱいを大きくしてほしいとやや字体が崩れたホワイトファングと書かれた短冊が視界に映った。

そっとポーラの肩に手を置いて、

 

「まだ諦めるにははやいさ。」

 

と、キメ顔で僕はそう言った。

 

「うるさい!見るな~!あっち行け~!」

「まあまあ落ちついて、ね?」

「き~~~~!」

「っていうかまたマフラーしてんのか、キャラ付け乙。」

「うるさいわね!」

「こわーい、にげろーー。」

「待ちなさい!」

 

と、後ろからすごい顔して追いかけてくる白い悪魔から逃げるのであった。胸が小さくたっていいじゃない。貧乳だっていいじゃない、それはそれで立派な個性なのだから。

 

「ポーラさん荒れてますね。」

「気持ちはわからなくもないですけど。」

「もう貴一さんったら。」

「あ、万理花さん。」

「春ちゃんに風ちゃん。もう短冊は飾られましたの?」

「いえ、これからです。」

「万理花さんは願い事なんて書いたんですか?」

「それはですね…。」

 

と、女子陣は楽しくおしゃべりに興じるのであった。

 

 

 

「待ちなさいよ二見貴一!」

「いや、なんかこわいし。」

「一回だけでいいから蹴りいれさせなさい!」

「なんでだよ。」

「あなたはいけないものを見た、つまりギルティよ。有罪。」

「いや、ただの自爆じゃんか。ぷぷっ。」

「もうっ!はい、そこになおりなさい。」

「しゃあないなあ。」

 

きをつけの姿勢で目の前の悪魔と対峙する。

 

「よし、そのまま動いたらダメだから。」

 

そう言ってダッシュしならがジャンピングキックをしてくるポーラ。仮面ライダーかよ、っていうか当たったら痛そうだな。やっぱり嫌だとつい身体が反応して背中を仰け反って回避するのであった。

 

「貧乳回避!」

「こいつ!?腹立つわね!」

「まあまあ落ち着けポーラ。アイス買ってあげるから。」

「アイス…仕方ないわね。」

「こいつちょろいな。」

「ん?何か言った?」

「いや、なんでもないよ。」

「ふ~ん。」

 

機嫌取りにアイスを仕方なくおごってあげるのであった。中身はこどもなんだよなあこいつ、意外と扱いやすいのかもしれないな。

 

宝くじもし3億円とか当たったらどう使うのだろうか。

大金を手にした人は不幸になるとテレビで見たことがあるが実際に考えてみると人間関係のトラブルは金銭関係で崩壊すると聞いたことがある。もし宝くじなんて当たってしまったら静かに誰にも話さず親くらいにこっそりと話すくらいでいいだろう。

まあそんなこと考えたところで当たるわけないのだから気にするまでもないのだが。

 

もうすぐ夏祭りに夏休み。それにしても万理花の病気の治療は入院なのかあくまで療養の形をとるのか追々確認しておかなければ。無理して体調が悪くなって入院ってことになったら大変だからなあ…。

本田さんがいるから問題はないとは思うけれど自分が傍にいるときはちゃんと見ていこうと心に誓うのであった。

 

期末テストとか最近終わったばかりで万理花にみっちり勉強を教えて問題なくクリアしまして。今回私、学年順位が今回初めて1位になって柄にもなくスキップしたのは内緒だ。

 

進学先どうしようかあ…。

 

 

 

 





とりあえずここまで。
なんか休憩回になってしまったな。

明日も仕事か。がんばるぞ~!

感想、批評お待ちしております。

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