2度目の高校生活   作:くるぶしおかか

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どうもこんばんは。
仕事納めまでもうちょいがんばるぞー!

では続きです。
感想、批評お待ちしております。




53話

 

「知らない天井だ。」

 

次の日の朝、眼を覚まして身体を起こすと見慣れない和室の空間が広がっていた。

どうやらかなり広い部屋のようで、どこかのお屋敷のようだ。あれ?昨日万里花の部屋で一緒に寝ていたような気がするのだけれども。

 

もしかして拉致されたのだろうか?でも、なんで?あの鉄壁の万里花のお父さんがいる所でだ。もしかして本田さんとか、それならまだ納得は出来そうだけれども。だって忍者だから。でも何で?

 

うーん、ちょっと昨日のことを思い返そうと思う。お、お…思い…出した!

 

 

そうだ、あれから万里花のお父さんと万里花の3人で夕食を食べていた。しかもメイドさんが料理を運んでくるという金持ちっぷりを発揮していた。料理も豪華で満腹、満足でありんす。これが金持ちライフかと満喫しておりました。あとコーヒーがすごく美味しかった。淹れ方、あと豆の差なのかなあ、美味でした。

 

 

そして無駄に大きいお風呂で汗を流しゆっくりした後に確か万里花の部屋でくつろいでいたんだっけな。

髪を乾かして万里花が風呂に入っている間に大きいベッドにダイブしてゴロゴロしたりして万里花の匂いを満喫していたり、万里花の小さな頃の写真などアルバムを捲っていたりして暇つぶしをしていたのだった。

 

「貴一さん何をしていますの?」

 

後ろから万里花の声が聞こえてきた。ちなみに今の私の体勢はと言うとベッドの中で枕に顔をうつ伏せで蹲っていたところだ。

 

「んっ。よお万里花。お湯加減は丁度良かったかい?」

「ええ。ってじゃないですよ!何してるんですの!」

「え?何ってベッドにダイブっしょ。」

「いや、枕に思いっきり顔埋めてましたよね。」

「いやーついね。これが若さか。」

「ちょっと何言ってるかわかんないですわ。」

「ちぇーっ。」

 

そして、なぜか顔を赤くしてもじもじとしているこの人。

 

「あの。貴一さん。さっきの続きなんですけど。」

「まあまあ。とりあえず寝る準備できてからね。歯磨き行こうぜ!」

「もうっ。わかりましたわ。」

 

そして二人脱衣場に行き歯磨きを。

ちなみにこの部屋もかなり広いし綺麗。水周りとか結構気になるところがこう綺麗だと晴れやかな気分になるんだよね、自分だけかな。

 

歯磨きを終えて万里花の部屋に戻り、さて寝ますかという事で大きなベッドに入る。一緒の部屋で寝ることについては親父さんもまあええかという感じでした。まあ、一応親父さんがいるからあまりうるさくしてはダメだろう。

 

「んじゃおやすみー。」

「ちょちょちょ!そうじゃないでしょう!」

「ん?どうしたよ。明日は学校だぞ?」

「いえ明日も休みですから!」

「知ってる。」

「腹立つなこいつ。」

「アハハハ。冗談さあ。」

 

そう言って頭を優しく撫でるとすぐ機嫌も戻るからちょろいんだよなあ。

 

「それで機嫌が直ると思わないでくださいまし。」

 

どうやらそうは甘くないようだ。

 

「どうしたら機嫌直してくれるのかなー。」

「その身体で対価を払ってくださいまし。」

「うわー万里花ってばいやらしい。」

「そこ!機嫌直す気ないんですの!?」

「ふふふ。仕方ないな、大人のマッサージでもしますか。」

「なんなんですかそれ!?」

「ちなみに有料です。」

「お金請求とはまた斬新ですわね、いつの間にか上から言ってるし。」

「それは置いといて。料金はコーヒー一杯私のためにいれるのだ。」

「意外と良心的ですわね。いいでしょう、じゃあお願いしますわ。」

「承りました。いきます…。」

 

そして大人のマッサージを。と言った所で何が大人やねんって特に変化のないマッサージをするのであった。

特にお尻、お尻を重点的にマッサージを致しました。個人的なことですが私、女性のお尻が大好きでしてあの理事長とも魅力について語り合えるのではと自信を持っております。あと胸が大きいのも好みである。

 

お尻もなんだかんだ性感帯の部位でありますし、万里花さんもここは弱い部位だったらしく良い声を、喘ぎ…を聞かせてもらいました。ああ、薄い本が渋るなあ…なんて。

横でうつ伏せにぐったりとしている万里花を見てみると、

 

「んっ、はあはあ。………ばたんきゅーー。」

 

と、変な奇声を小さく発しながらも悶えているみたいだ。いったいどうしたというのだろうか、僕わからないなー、おかしいなー、こわいなー。

 

「どうしたよ万里花。」

「この鬼畜野郎。」

「えー。まあ良い声聞かせてもらいやした。」

「もう!!この変態!!」

「でも、良かったろ私めのマッサージ。」

「く、悔しいですが…良かったですわ。」

「悔しい、でも、感…。」

「言わせませんから!」

 

そう言って手で口を押さえてくる万里花。

 

「んっ、むぐむぐふぁにするんやぁ。」

「え?なんだって?」

「ぷはっ!何かその台詞いらっとくるななんか。」

「そうは思わないですけどね。」

「ふーん、あ、そうだ今度お互いで歯磨きしない?我慢比べ的な意味で。」

「ん?なんで自分で出来ることを人にさせるんです?それに我慢というのは。」

「そうそこなんだよ。例えば美容院で髪を切るときに髪を触られるのにもいつもの美容師さんとかじゃないとちょっと緊張したりするじゃん?」

「まあそれはなんとなくわかりますが。」

「髪を触られる行為ってのは心理的ストレスってのがかかるわけ。手はいいいけど髪とか親しくない人に触られるとうわっってなるだろ?それをふまえて歯磨きなんて自分で出来ることな訳だ。それを誰かにしてもらうこれは、普段考えられない状況だし、心理的ストレスにつながるわけだ。」

「私、貴一さんなら歯磨きとかしてもらっても全くストレスは感じないと思うので我慢とか無縁だと思うのですが。」

「そう全面的に信頼してくれているとは照れますなぁ。」

「ふふっ。まあそれもちょっと面白そうなんで今度してみますか。」

「だな。じゃあ寝るからな。お疲れさん、おやすみ。」

「ちょ!まだ早いですって!」

「ん?まだあんの?」

「恋人たちの夜はまだまだこれからですよ。」

「ん?といってもすることないしなぁ。」

「キスとかあるでしょう!」

「あーキスね、うん。」

「それ以上となるとちょっとあれですが…。」

「あれだよねー、うん、あれ。」

「何か適当なこと言ってないですよね。」

「そんなわけないよー。」

「まあいいですけど。そういうことは結婚してからですわ。」

「えーー。ぶーー。」

「えーーってなんですか!」

「さすがにそれはねぇ…男の子だもんっ。」

「だもんって。」

「そういう万里花はムラムラしてたくせに~。」

「は!?淑女の私がですか!?そそそんなこと!」

「淑女とか初めて聞いたわ。このムッツリ皇女。」

「いや皇女とか意味不明ですし。だれがむっつりだ!」

「いいツッコミするじゃん。じゃ!おやすみー。」

「んもうっ!」

 

そして眼をつぶって夢の世界に旅立とうとしていたのだが、突然唇に暖かい感触、胸板には胸の感触とダブルコンビとはお主中々やりおるのう…と、お代官みたいに反応してみるのであった。

 

「ぷはっ。ん…やっぱりハレンチお嬢じゃないですかあ。」

「そうさせる貴方が悪いんです。」

「あれま。」

「今日は寝かせませんよ。」

「きゃーー。」

「普通この台詞は男女逆なのでは。」

「しーらない。」

「なに今の可愛い。もう一回言ってみて。」

「なんか恥ずかしいのでパス。」

「つれないなー。」

 

それからおしくらまんじゅう的な感じで密着したりしながらいちゃついていた記憶があったのだが、その先はいまいち覚えていないんだよなあ。

 

 

 

そして冒頭に戻る。

 

とりあえずこの屋敷っぽいところを散策してみようかな。

襖を開けて外の景色を眺めていると隣から声をかけられた。

 

「二見様、起きられましたか。ぐっすり眠れたでしょうか。」

 

そう、現れたのは忍者りばんばん本田さん。

 

「ええ、おかげさまで。本田さん、いろいろ説明してもらえると有難いのですが。」

「千花様がお待ちです。こちらにどうぞ。」

「説明はないのね…。千花様って誰よ、なんか聞いたことのあるような…。」

 

うーんと頭を悩ませてみたが答えを出すことが出来なかった。万里花の母親の名前だったっけかな、うーん、まあなるようになるか。そう考えて本田さんに案内され千花さんという方に会うこととなった。

 

 

「千花様、お待たせしました。」

「ども、失礼しまーす。」

 

大きな扉を開けて部屋の中を見ると、万里花の面影が残っている女性、母親か。

こちらは黒髪で少し視線が鋭いな…万里花お母さん似で良かったよ。将来万里花とのこどもが産まれる時はどうか万里花似であってくれと願いたい。あと女の子が良いな。

 

 

「きたわね、貴方が万里花の…。」

「二見貴一と言います。万里花さんとはお付き合いさせてもらっています。」

「そう。私は万里花の母親よ。貴方とは一度話してみたかったのよ。」

「にしてもさすがに急すぎやしませんかね。」

「私もそう思っていたけど、気にしないことにしたわ。」

「そ、そうですか。それで話というのは。」

「万里花のことよ。」

「と言いますと?」

「貴方は万里花の事を愛しているの?」

「ええ、もちろん。」

「結婚したいくらい?」

「出来たら結婚したいです。」

「やけに素直なのね。一応橘家は古くからの名家なの。それは気付いてると思うけれど。あたなは万里花と釣り合う、横に並ぶ資格があるとでも?」

「それはわからないです。でも自分はそんなこと関係なくあいつの隣にいたいと思うし、もし周りが認めてくれないのなら、認めさせたい。」

「中々熱いのね。あと万里花が病気で身体が弱いことは知ってるでしょう?」

「ええ。詳しいことは知りませんが。」

「そう…一応病気は治るけれど二年間、でも治せるのはアメリカにある特別病院1つだけ。それに二年もかかるのよ。だから傍にはいられなくなるでしょう。」

「そんな事関係ありません。」

「?」

「なら僕もアメリカに行きますよ。本当に2年あれば治る保障があるのか心配ですが、出来るなら療養中も一緒にいたいです。」

「あなたにもあなたの人生があるのよ?なぜそこまで出来るの?二年という時間は若い内はかなり貴重な時間なのよ?」

「惚れた人と一緒にいたいだけですよ。ただ、それだけです。それにうちの両親も自由な人なんで、留学ってことで勉強してこいやって認めてくれるだろうし。」

「なんというか強情なのね君は。」

「そうですね、ハハッ。それにあいつが身体が病弱だから別れるとかあり得ない。全部含めてのあいつが好きだから。」

「ハハハハハハハ!あなたは馬鹿ね、本当に。でも嫌いじゃないわ。」

「本当ですかお母さん!」

「だれがお母さんですか!」

 

 

 

「んっ、こほん。まあその万里花の病気の治療が出来る病院は橘家が経営してるのだけれども。」

「え、じゃあなんでさっさと治せなかったんですか?」

「いやね、万里花は自分磨きをしたいからってギリギリまで花嫁修業をしていたいってね。進行を遅らせようとしたりしてるのよ。」

「あいつ…自分磨き!?もうっ、自分の身体をもっと大事にしろよ、あの馬鹿っ、さあお母さん、万理花をアメリカに連れていきましょう。」

「強引なのね…。」

「それで、ひとつ質問なのですが。」

「なにかしら。」

「万理花の病気を治せるのはその病院だけなんですか本当に?」

「ええ。」

「そうですか…あとひとついいですか?」

「え、どうぞ。」

「橘家が経営してるなら日本に病院を移すとか出来ないのでしょうか。」

「出来なくもないわね。でもただでは出来ないわね。」

「もー意地悪しないでくださいよーお母さん。」

「もうつっこまないからね。じゃあ今から言うことを守るなら考えてあげてもいいわ。」

「はい、なんでしょうか。」

「どんなことになったとしても万理花と一緒にずっといてあげれる?」

「はい!これからの人生、あいつとともに過ごしていきたいから。ずっと同じ景色を見ていきたい。あいつのことを愛しているから。だから最後まで傍にいたいです。」

「そう…。そういうことみたいよ万理花。」

「え?」

 

 

そして千花さんの後ろの扉が開かれて出て来たのは万理花だった。

すごい顔を赤くしてどこか涙ぐんでいるような…まさか裏でずっとやり取りを聞いていたのだろうか。そうだとしたらなんかすごい恥ずかしいのだけれど。

 

 

「万理花?」

「二見さんは…私とこれからの人生過ごしていきたいということなんですよね。」

「うん。」

「私もこれからの人生を貴方と一緒に歩みたい。少しでも長く一緒にいたいからすぐ療養に行こうと思います。」

「俺も行くよ、アメリカ。」

「ええ、でも悪いですよ。貴重な高校生活ですよ?」

「二年もお前に会えないとか逆に自分が死んじゃうよ、ははっ。」

「貴一さん…。」

「万理花、病院のことなんだけど。」

「!?」

「なんとか日本で療養できるように計らう事にしたわ。」

『え!?』

「ただの気まぐれよ。だからあなたはさっさと治しなさい、わかったわね?この子のためにも、そして貴方のためにも。」

「お母様!ありがとうございます!」

「お母さん!」

「まだ貴方の事を完全に認めたわけではありませんから。」

 

そう言ってクールに立ち去る万理花のお母さん。

 

「なあ万理花、あれって…。」

「ツンデレですわね。」

 

 





とりあえずここまで。

きっと良いお母さんなんですよ、多分。

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