2度目の高校生活   作:くるぶしおかか

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ちょっとした息抜き回になりました。

今日は良い天気で掃除日和です。

感想、批評お待ちしております。

では、続きです。



51話

 

 

朝、べランダからカーテン越しに照りつける太陽の光で目が覚めた。く~~っと全身をゆっくりと解し間接を伸ばしながら横に転がり目を開いてみると、二つの双丘が視界に映った。

 

「ん…むにゃむにゃ…。」

 

上を見てみると、小さな声ですやすや寝ている茶髪の少女がいた。そういえば昨日そのまま泊まったんだっけなこいつ。

 

昨日は本当に慌しい1日だったなあなんて考えながら今日も学校じゃないか、だるいなあ休みたいなあなんて思ったり。もっとゆっくり寝ていたいよラスカル。

 

まあちょっとだけこいつの寝顔でも見て癒されますか。そのまま胸元と寝顔をしばらく眺めていると、

 

「むにゃむにゃ…んっ、んーーっ!」

 

そんな変な声を出して目をパチくりとして起床するお嬢様。

 

「あら、貴一さん。おはようございます。」

「おはよう万里花。よく眠れたかな?」

「ええ、おかげさまで。ちょっと顔洗ってきますわ。」

「おう、いってらあ。さてと朝ご飯作りますかね。」

 

今日はトーストと目玉焼きとウインナーという感じで二人でささっと作り、食べ終え、歯磨きして制服に着替えて二人一緒に登校するのであった。もちろん朝のコーヒーも欠かせないよね。カフェイン注入これ大事。一日の始まりに必須なのだ。

先に玄関の扉を開けて、

 

「さあ行きますよ貴一さんっ。」

「はいよー。ってか手つないだまま?」

「恋人ですから当然ですわ!」

「いや他の人の視線が気になるのだが。」

「気にしない気にしない。野菜に見られてると思うんです。」

「野菜ねえ…いまいちピンとこないんだよなあ。」

「じゃあ果物と思うのは?」

「それならいけるかも。あいつはパイナップルでって。いや、やっぱり恥ずかしいのだが。」

「別に誰も見てないですよ、気のせいですわ。」

「まあそういうことにしてあげよう。」

 

同じ学校の制服の人達も増えてきて、ずっと手をつないだまま校門をくぐるのであった。結構周りから見られていたなあ…あと怨念がこもっていたような特に男子たちの。

玄関で靴を履き替えて教室に入る。教室に入ると集たちがいたので昨日のことなど話しておこうと思う。一応親友なので。

 

「よう、集。」

「おお、貴一の旦那。」

「昨日のことなんだけどさ。」

「ああ、二人が一年前から恋人ってやつ?あれは演技だろ?」

「まあそうなんだけどさ、それからね…。」

「ふむふむ…。な、なんと!?マジかよ貴一!おめでとう!良かったじゃねえかくそ野郎!」

 

そう言って背中をバシバシと叩いてくるメガネ。いや、くそメガネ。

 

「いってーな。おい」

「まあまあ。おいー、楽―。」

「ん?集か。どうしたよ。」

「貴一のことなんやけどさーあれマジだったみたい。」

「マジか!!びっくりだわ本当に。」

「まあ昨日のは演技で付き合ったのはそれからなんだけどな。」

「マジか!なあ、どっちから告白したんだ?」

「まあ、俺からだよ。」

「すげえな貴一は。俺もがんばらないとな…。」

「まあ若いんだ悩め。そして自分で答えを出すんだな。」

「さすが貴一の旦那、昨日告白しただけはあるなあ。」

「おいおいあんまりおだてんなよ坊やたち。」

「「うぜえ。」」

「で、昨日はお楽しみだったのか?」

「にやにやすんなよエロメガネ。別に何もねえよ。」

「え?橘って昨日貴一の家に泊まってたのか?」

「まあなりゆきで…な!。」

「大人だ…。」

「ふむふむ。なあなあキスとかしたのか?」

「発想がかわいらしいのう。まあ…ね。」

「やべえなんかいらっとした。」

「貴一さんマジぱねえっす!」

「大人の」

「階段のーぼる」

「君はまだ」

『シンデレラさ』

「って、なにこれ。」

「さあ。」

 

 

男同士でそのあと適当に教室で雑談をしていると、後ろから

 

「ねえ二見君!」

「ん?ああ、小野寺と女子陣か。」

「なにが女子陣だ貴一。橘から聞いたぞ。まあおめでとう。」

「二見君、おめでとう!」

「万里花を大切にしなさいよねっ!あと、おめでとっ。」

「お、おう。大切にします。」

「ねえ聞いた万里花。大切にしますだってさ!」

「もう桐崎さん!からかわないでくださいな!」

「うわー照れちゃって。あんたにも可愛いとこあるじゃない。」

「うるさいですわよ。まさか桐崎さんなんかにからかわられるなんて。」

「なんかってなによ!」

「なんだかんだ仲良いよなあいつら。」

「貴一、そういえばお前から告白したんだろ?」

「ああ、そうだよ誠士郎。あー、お前好きな人いるんだっけ?」

「なななな!何言ってるのやら貴様は!それでだな!告白するのはこわくなかったのか?」

「そりゃあこわいさ、うん。まあ誠士郎もがんばっ。」

「別に何もがんばることなどないのだがな!ハハハっ!」

「ふふっ、そうか。」

「小野寺もありがとな。俺、小野寺のこと応援してるから。こさきファイオー。」

「わ!わたしは何もないよー二見君っ。」

「それはどうだろうね。」

「もうっ…。」

 

 

などと会話しながら朝のHRになるのであった。

そして授業もあっという間に終わり、楽達と放課後帰りながら話している。万里花は放課後になると家の用事がありますのでということで本田さんに迎えに来てもらって先に帰宅していた。

 

 

「そういえば楽達のニセコイの関係も一年以上になるのか。」

「本当にあっという間というか。まあ進展はしてないけどさ。」

「にししし。愛しの小野寺さんには告白できてないみたいだし。」

「うるせえよ、中々出来ないんだよなあ。」

「思ったんだけどさなんだかんだ桐崎さんのことも気になってんじゃない?」

「それあるー!」

「なんだよ二人とも…俺の本命は小野寺一択だよ、…うん。」

「怪しいなあ。」

「なあ。」

「まあ俺なりにいくわ。」

「まあがんばっ。集はいないの?」

「それがいないんだなー。」

「るりちゃんとか良い感じじゃん?」

「にししし。そうかねー。向こうはどう思ってるのやら。」

「黙れメガネって言いそうだな。」

「確かにな。」

 

 

 

そして野郎達と別れを告げ帰路につくのであった。途中で目の前の帰り道に自転車乗っているポーラが視界に映った。

なぜか補助輪がついている自転車で。なんというか乗れないんだなこいつ、ヒットマンなのに、関係ないか。

 

 

「よお、ヴォルグ・ザンギエフ。」

「そっちの白い牙じゃないわ!」

「ロシア出身じゃなかったっけ?」

「アメリカよ!」

「ふーん。で、その自転車どしたの?」

「へっへーん、かっこいいでしょう。」

「補助輪あるけど、何お前乗れないの?ぷぷぷっ~。」

「は!?自転車に乗れなくて何が悪いっていうの!?私走ったほうがはやいし!」

「へえ…やるじゃんか。まあ乗れないままはかっこ悪いな。」

「な!?」

「お前運動神経よさそうなのになあ…案外ポンコツなのか?」

「失礼ねっ!」

「こないだのテストどうだったの?」

「全部一桁ですけど何か?」

「うわー。」

「そもそも勉強なんて必要ないし。大人になっても役にたてないでしょ?むしろ効率的に生きてるといってくれる?」

「わかってないなこれだからお子ちゃまは。たかがテストが出来ないようじゃ大人になってから苦労するんだぜ。」

「なにをー!私はヒットマンとして優秀なのよ?」

「でも馬鹿じゃそのうち任務に支障出るかもだぜ?」

「むむむ。あ、そうだ!二見貴一!」

 

そう言ってピシッとこちらに指を差す銀髪の幼女。幼女ではないか。

 

「先輩とつけなさい。お子ちゃん。」

「こいつっ。前から気になってたんだけどあんたと私、どっちがヒットマンとして優秀なのか!」

「いや、俺一般人なんですが。」

「いい機会よ、勝負しなさい!」

「勝負内容は?」

「お互いペイント弾を打ち合って先に当てたほうが勝ちよ!」

「へえ、おもしろそうじゃん。で、俺が勝ったら何かあるの?」

「何させる気よこの変態っ!」

「いや、なんでだよ。」

「いいわっ!私の負けはありえないからなんでも言うこと聞いてやるわ!そのかわりあんたが負けたら?」

「カレーやハンバーグやオムライス、なんでも好きなだけ食っていいぞ。」

「ジュルリ。…よし乗ったわ!」

 

 

それでなぜか公園で戦うことに。アクション映画が大好きな私、

特にガン・カタには当時憧れたものだ。ちなみに双剣双銃のアリアなんて呼ばれたいなんて思ったことは一度もない。

二丁拳銃ってなんかかっこいいよね。理屈じゃない、命中精度が下がるとか細かいことは知らないけどスタイリッシュでかっこいいのだ。無駄な無駄のような無駄だろって言いたくなる無駄のない動きだなんていうのが特に好きなのだ。

 

 

「はい、銃はこれをつかいなさい。」

「ほーい。普通に格闘技も使っていいんだよね。」

「もちろん。先に当てたほうが勝ち。それ以外に制限はないわ。」

「よし、いくぜお嬢ちゃん。」

「ふふっ、いくわよ!」

 

公園の敷地内で走り回る二人。どこぞの戦隊物の演劇みたいになってきているが気にしない。遠くで小さな子どもたちが見ているが知らないフリをしておくよ。

 

「やはり、やりますわねっ。」

「お前もなっ!」

 

拳と銃、交互に混じり合いながらばく転などでかわしたりしてなんだか楽しくなってきた。相手の動きがスローに見えて自分の身体も理想どおりに動いていく。

これがいわゆるゾーンというやつなのだろう。某スポーツ漫画のようになってきて楽しいなあ。

 

「それにしても…」

「なに?」

「お前なんでいつもマフラーしてるわけ?松美宥?」

「いや、誰よそれ!」

「キャラ作ってるんだなあ…。」

「なによその顔!腹立つわね!」

「なあ知ってるか?」

「は?」

「この公園なんだけどな、幽霊が出るらしいんだよ。」

「なななな!何言って!そんなので私がびびるとでも!?」

「隙ありっつ!」

 

反応が鈍くなった所を身体を低くして蹴りをいれて足を引っ掛けて、地面に倒れるところを続きざまにペイント弾を打ち込む。

このペイントって水性なのか油性なのかどっちか気になるが大丈夫だろう。もちろん身体に命中してこの勝負は私の勝ちとなったのだ。

 

「俺の勝ちっと。」

「ぐ、卑怯な…。」

「油断はダメだぜヒットマン。それを言い訳にしていいのか?」

「ぐぬぬ…。」

「この敗北はお前をきっと大きくする…かもしれない。」

「あんた今どこ見て言った!?」

「ん?何が?」

「どこのことを言ったー!?」

「まあまあ落ち着けって。きっと成長するんじゃないかな、どこかとは言わない、知らんけど。」

「くっ。」

「72…。」

「こらっ!」

「まあまあ。ほいっ。立てるか?」

 

そう言って手を差し出してポーラを起こしあげる。

 

「全く卑怯な奴。」

「大人はね汚いんだよ。」

「いい教訓になったわ。それにいい運動ができてよかったし。」

「それはあるな。こう…身体を思いっきり動かすのって楽しいんだよなあ。」

「平和ボケしたあんたらしいわね。」

「まあそうだろうよ。あ、そうだ負けた罰だけどさ。」

「な、なな!なにをさせる気よこの変態っ!」

「…ごくりんこ。」

「おいっ。」

「じゃあ帰りにファミレス行こうぜ!」

「そんなんでいいの?」

「いいよ!好きなの頼んでいいぜ!」

「やったー!あんたも良いところあるじゃない!」

「なんだこいつ…。」

「じゃあいくぞ白牙。」

「ええ、黄色い閃光。」

「なにそれやめて。ひどい二つ名。」

「このセンスがわからないとは…。」

「正直白牙と黒虎はないと思う。」

「ひどいっ!二つ名ってかっこいいじゃない!」

「まあいいんじゃないかな、お前がそう思うのならお前の中ではな。」

「なんか腹立つわね。いいから行くわよ!」

「へいへい。」

 

そして二人でサイゼとい名のファミレスに入るのであった。

 

「よし好きなの頼みな!」

「随分と気前が良いのね。」

「まあ気まぐれみたいなもんだよ。」

「ふーん。」

 

そしてたくさん注文して料理を食べるポーラ。

 

「すげー食べるなぁ。小さいのに。」

「小さいは余計よ。」

「まだ身長も諦めるにははやいって。高校生…もう無理か。」

「おいっ。諦めるのはやいわね。」

「んでさ、こっちの生活は慣れた?」

「うーん、微妙な所ね。平和ボケした日常にはまだ慣れないわ。」

「そっか。まあそういうのも良いだろ?こうやって好きなものを食べるのとか。平和じゃなきゃ出来ないわけだし。」

「そうね、平和万歳ね。」

「なんだこいつ。」

「なによ?」

「まだマフラー着けてんの?」

「うっさいわね!!」

「なあまさかとは思うけど風呂の時もつけてんの?」

「そんな訳ないじゃない!」

「ですよねー。」

「それ以外はつけてるわ。」

「いやいや。」

 

 

 

そして二人で食べ終えて、

 

「ごちそうさまでした。」

「ごっつあん。」

「今日はまあ楽しかったわ。」

「なら良かったよ。まあ勉強もちょっと頑張ってみなよ。自転車も。」

「自転車はもういいでしょ!」

「やだね。」

「こいつ…。」

「じゃあな白牙。」

「ええ、さらばダークフレイムマスター。」

「おいこら。」

 

 

 

ポーラと別れを告げ自宅に向かう。ファミレスなんて久しぶりに行ったなあなんて。

そのうち万里花の親父さんの所に挨拶しにいかないとなあ。

 

娘さんをもらいます!ってばか!それは違うだろ。まあ将来的にそうなったら嬉しいだなんて思うけれども。

とりあえずお付き合いしていますって言うくらいでいだろう。あの強面の親父さん、見た目はあれだが娘大好き溺愛お父様だからなあ。

うちの万里花ば傷物にしたな!とかなったら死ぬな。

まあ、なるようになるか…そうつぶやきながらココアシガレットを口に含むのであった。

 





とりあえずここまで。

感想、批評お待ちしております!

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