最近多忙で中々時間が取れなかったです。
安易に巨乳の子でなんて言うんじゃなかった…。
では、続きです!
感想、批評お待ちしております。
「万里花、お前のことが好きだ。」
そう、夕暮れ時の観覧車の中で貴一さんから突然こう言われたのだ。あまりに予想外だったので身体がおもわず固まってしまった。
まさか貴一さんが私のことを好きだと、そう思ってくれていたなんて…なぜだろう心の芯から暖まっていくみたいだ。
でも、勘違いでは困るので念のために聞いておきますわ。
「それは人として好きとかじゃないですわよね?」
「は?」
そう言って少しイラッとして何言ってんだこいつ頭大丈夫なのか、はっかばすぞ!って言いたそうな顔をされました、解せぬ。
「男女の恋愛っていう意味ですわよね?」
「うむ。で?」
なんでしょうこの言葉では上手く言い表せないプレッシャーは。よし、覚悟を決めましたわ!私のありのままの想いを打ち明けますわ。
「はい。私も貴一さんが好きです。私の恋人になってくださいますか?」
「もちろん喜んで。」
そう言って優しく微笑む貴一さん。なんでしょう、この笑顔をすごく愛おしく感じてしまうのだった。今すぐにでも触れてしまいたいそんな葛藤にさいなまれるのだった。
なんて頭の中でごちゃごちゃと考えていると目の前の貴一さんが、
「ふぁ~~~~、ふぅ。」
と、突然奇声をあげて背もたれにぐったりと身体をもたれている。急にどうしたというのだろうか。
「どうしたんですの貴一さん?」
「いや、なんていうかほっとしたっていうか。すげえ緊張したよ柄にもなく。断られたらどうしようなんて考えてたりな。」
「ふふっ、貴一さんも可愛いとこありますね。」
「うるせえよ。あぁ…良かった、ほんとうに。」
「ふふっ。これからは恋人同士ですね。よろしくお願いしますね。」
「ああ、こちらこそよろしくな万里花。」
「ニセコイの関係は終わりですね。」
「まあ1日だけのニセコイだったしな。」
「ホンコイですかね?」
「語呂悪いなおい。」
「マジ恋ならどうですか?」
「語呂良いけどなんかダメな気がする。」
それからどうでもいいことなど雑談したあとに、こう思い切った提案をしてみようと思う、ムードにあてられちゃったかなぁなんて。
「ふふっ。ねえ貴一さん…。」
「なんだ万里花?」
「キスしませんか?」
「ふぁ!?」
そう言って座席からぴょんっと飛び上がる貴一さん。すごい跳躍力だうさぎさんだ!なんてね。それにしてもいちいち反応が可愛いなあ。
「せっかく恋人同士になって、この状況ですよ!ロマンティックで幻想的なボーイミーツガールですよ!」
「知らんし。本当、手が早いなー万里花は。」
「そそそ!そんなことないですわ!」
「冗談だよ。俺もそうしたいと思ってたから。」
「貴一さん…じゃあいきますわよ?」
「どうぞ。」
すっと眼をつぶる貴一さん。あえて女の方からキスさせようとする魂胆だとは中々やりますわね。やけに落ち着いているみたいだし、こっちはすごく心臓がバクバクと鼓動をたてているというのだから、何か負けた気がしますわね。
そっと両手で貴一さんの両頬を包み込む。そうするとピクっと反応する貴一さんがたまらなく愛おしいなあなんて。ゆっくりと顔を近づけていきお互いの唇をそっと重ねる。
観覧車の中の二人だけの静かな空間。ただ触れるだけの優しいキスだった。優しくも深いそんなキスだった。
初キッスの味はレモン味だなんて聞くけれど無味無臭でほんの少し暖かい、心がスンと少しずつ温まるというか安らぐというか幸せだなぁなんて感じる複雑で入り乱れた感情だった。
「…んっ。」
「ぷぷっ。」
「急に笑ってどうしたんですか?頭でも打ちましたか?」
「ハハハ、なんでもないさ。顔真っ赤にさせて可愛ええなこいつって思ってただけ。」
「もう貴一さんっ!」
そう言って照れ隠しで胸板をポコポコと叩いたのは仕方が無いだろう。
「もうすぐ下に着くな。」
「そうですわね。御影にはしてやられましたわ。」
「ははっ、まったくだぜ!」
そして観覧車も無事地面に降り立ち、
「二人とも随分とお楽しみでしたね。」
「おいおい御影さんよ。」
「御影、ナイスでしたわ。」
「どしたね万里花は。まあそれならよか。」
そして遊園地から出て今は駅に到着して御影さんを見送りに来ています。
「…そいじゃあ私はそろそろ帰るけん。」
「気ぃつけてな御影。」
「じゃあな御影!」
「本当はもう少しゆっくりしてけばよかんに…。」
「そいはいかんよ、学校あるけんね明日。それに二人とも芝居かと思ってたけど違うみたいやし。」
「あんさん中々いい眼をしているね。」
「ぶっ!ばれてましたとは。」
「そりゃあそうとよ。お姉さんの目はごまかせんばい。」
「御影…ありがとね。」
「色々心配したばってん。万里花に会ったら大丈夫って分かったばい。あんたは強か女やったもんね。あーんいじめたのに這い上がって来たもんね。要らん心配だったよ。」
「ぬいは御影がぬるかっただけばい。もっと徹底的にやらんと私は倒せんとよ。」
「二人ともそんな関係だったのか。それで仲良くなるなんて女ってほんとわかんねーな。」
「今では親友ですわ」
そして御影と万里花、両手を合わせてハイタッチしている。
「そうだ二見さん。」
「どした御影さん?」
「万里花のことよろしく頼みますね。」
「お兄さんに任せておきなさい。」
「ふふっ。そいじゃあおっぱ~い!あ、間違えたばいば~い!」
「おっぱ~い!」
そう言うと頭にぺしんとツッコミが。
「それは違いますよ貴一さん。」
「あいたたぁ。それにしても御影さん嵐のような人だったなあ。」
「そうでしょうそうでしょう。まあ、感謝してあげますわ今日だけは。」
「なんじゃそりゃ。んじゃあそろそろ帰りますかね。家まで送るよ。」
そう言って万里花の手を引き家に送ろうとしたのだが、
「今日は…。」
「ん?なんだって?」
「今日は家に帰りたくないです。」
そう言って赤く染めた頬と上目遣いのダブルパンチで打ち抜いてくる女の子の破壊力はとてつもないんだって改めて痛感するのだった。
「ほわちゃ!?な、ななな、なんじゃそりゃ。」
「もう終電を逃しましたし。」
「いや夕方だよね。というかもう近所のホームやし。」
「つれないこと言わないでくださいよ。」
「ごめんごめん。じゃあ行こうか万里花。」
「ええ、無限の彼方へさあ行こう!」
「ばーか。」
「なにをー!!」
こうやって前みたいに馬鹿みたいに騒ぐのは付き合う前と付き合ってからも変わらないなあ。なんというか普段と変わらないような。
でも、付き合ってるんだよなあ。隣にいる茶髪の女の子、前と違うのはこうして手をつないで家に一緒に帰るってことくらいだな。
「今日の夕食は何にしよっか。」
「カレーとかどうですか?」
「いいね。中辛でいきますか。」
「ですわね。」
そして二人で買い物をして我がマンションに帰宅するのであった。
「帰ってきたぞー!!」
「近所迷惑ですよ貴一さん。」
「あーすまん、つい。」
「変な人ですね相変わらず。」
「うるせえよ。てか今日泊まってくの?」
「言わなくてもわかるでしょ?」
「まあ、そうだな。前と同じ感じなのに妙に緊張するなあ。」
「確かに。意識しちゃうと緊張しますわね。」
「そして考えるのをやめた…。」
「誰に言ってるのやら。さっさと料理作りますよ貴一さん。」
「はーい!」
「夫婦初めての共同作業ですね!」
「気が早すぎるよシューマリカさん。」
「それはいささかセンスが皆無ですね。」
「うるせえよ。じゃあ作りますかね。」
二人でカレーを作り一緒に食べて後片付けをする。風呂掃除をしてソファーにもたれかけホットのブラックコーヒーを味わう。この瞬間がたまらなく好きなのだ。落ち着くなあ。やはりコーヒーはブラックに限るな。
「ねえ、貴一さんっ!」
後ろから肩にちょいちょいと指を当てて話しかけてくる万里花。
「どしたん万里花?」
「一緒に入りましょ♪」
「おいおい付き合ってからやけにぐいぐいくるなあ。」
「ダメなんですの?」
「いやもちろん喜んでだけども。別に焦ることなんてないさ。これからは同じ景色、同じ道をともに歩むのだから。」
「クサい台詞吐き増すね今日の貴一さんは。ぷぷっ!似合いませんよ?」
「知ってるし。まったくこいつってやつは。」
「それでどうするんですか?」
「行こうか万里花。」
ソファーから立ち上がり万里花の手をとり。
「ちょ!貴一さんっ。手を引っ張らないでくださいまし。」
「なんだ?今更びびったのかいお嬢さん。」
「この挑戦的な眼…中々やりますね。いいでしょう行きますわ!」
そして二人で脱衣場に行き、衣服をスルスルと脱ぐのであった。
「そうまじまじと見ないでください。」
制服を脱ごうとしているのをまじまじと見ていたら万里花にジト目でこちらを見られた。
「いや、つい…。」
「全くスケベなんですから。」
「おまいう。」
「は?」
「なんでもないよー。」
制服を脱いだ万里花の下着は上下紫となんとまあお子様が大人っぽいやつチョイスするなあなんて…だがしかしエロくて悪くないなと思ったのは内緒だ。
「じゃあ行こうか。」
「ええ。」
しゃばだばどぅいどぅいどぅい~♪
そんな効果音が流れたような気がする。只今現在二人で風呂場に入っている。ここからは音声のみでお楽しみください、なんてね。こんな所見せられないよ、なんだかんだキングクリムゾンって、ばかっ。何を言っているのだろう私は。ちょっとどうかしていたようだ、きっと風呂場に漂う熱気のせいだ。そうに決まってる。
「では始めようか…。」
「…ごくりんこ。」
「相変わらず綺麗な髪だよなあー。」
「あははっ、くすぐったいですって!」
「くんくん。良い香り~。」
「この変態っ!」
「ぐうぇっ。あ、揺れ…。」
「キャーー!!」
「ちょ、万里花静かに。ね、落ち着こう。」
「は、はい…。」
「じゃあお次は身体を…ぐへへへ。」
「やっぱり変態ですわね!」
「それは私にとっては褒め言葉ですから。」
「こいつめ。…んっ、おっほん。じゃあ次は私のターンですね。」
「ずっと俺のターン!」
「おだまりなさいっ!」
「アハハっ。じゃあ、お手柔らかに頼むわ。」
「それはどうでしょう。じゃあいきますよー。うほ、いい体。」
「それはあかんて万里花。」
「えーなんでですかあ。相変わらず固くてごつごつしてますね。」
「そうぺたぺたすんなって。早く髪を!プリーズ!」
「はいはい。ビダルサスーンいきまあす!」
「へいへい。あ~気持ち良いなあ。」
「もちろんです、プロですから。」
「よっ、テクニシャン!」
「まあ茶番は置いといて続けますねー。」
「ちぇーー。」
髪を洗い終えて身体をボディソープで泡だらけにされているのだが、背中に柔らかい感触が。これはまさか!?
「貴一さん、お背中どうですか?」
「さすがにそれは刺激が強すぎるぜ旦那ぁ。」
「ん?どうかしたんですか?ほれほれ~。」
「やけに開放的になってんなあ。まあ全裸だからか。」
後ろからこうやって首に手を回されて抱きつかれると中々…。
なんとまあ柔らかいのだろうか。うまく例えができないな、自分の語意力じゃこの柔らかさは表現できないみたいだ。
「ふふっ。じゃあそろそろ流しますねー。」
「ほーーい!」
お互いの身体を洗い終えて狭い浴槽に二人まったりとつかっていく。
「ふぁー生き返るわあ。」
「ですね。こういうのってなんかいいですね。」
「まあなあ。裸の付き合いってやつか。」
「うーん、異姓同士でもそうなんでしょうか。」
「まあ、彼女やし普通じゃないかな、知らんけど。」
「なんじゃそりゃ。それー貴一さんー。」
「わっ!びっくりした!いきなり抱きつくなよー。」
「いいじゃないですかぁ。い、いいではないかぁー!」
「なぜ言い直したのか。てか、この態勢はまずいっすよ。」
「ふふふ、照れてるんですかコノヤロー。」
「うるせえよ。んじゃそろそろ出ますか、あらよっと。」
と、浴槽から立ち上がったのだが、水しぶきが万里花の顔にかかったりした。
「もう!急に立ち上がらないでくださいよー、顔にかかったじゃないですかあ。」
「しーらないっ。」
「このはげっ。」
「はげてねえよ!」
そして風呂から出て二人風呂上りの牛乳を飲み適当に過ごしながら歯磨きして同じベッド入るのであった。
「んじゃ電気消すぞー。」
「はーい。もう寝るんですか?」
「明日も学校だしな夜更かしはよくないし。」
「夜はまだまだこれからですよ。」
「夜更かしは美容の天敵なの。」
「女子かっ!」
「まあお風呂上りに極潤の化粧水使ってるくらいだけどな。」
「ヒアルロン酸ですわねって。女子かっ!」
「そういうのいいからはよ寝るでー。」
「貴一さんから話したのにー。」
「まあねい。あ、そうだ。寝る前に一回だけキスしていい?」
「欲張りな人ですわね。うーん、どうしよっかなぁ。」
「じゃあいいや、おやすみぃ。」
「粘れよっ!そこはもっと粘るとこでしょう。」
「なんかもういいやって。」
「女心というものをもっと勉強した方がいいですわね貴一さんは。」
「えーー。」
「めんどくさそうな顔しないの。」
「いや暗くて見えないだろうに。馬鹿なの?」
「見えるんです。」
「うそつけ、さっきまで渾身の変顔してたけど気づいてなかったくせに。」
「なにそれ!なんとなく見てみたいですわね。」
「やだね。っていかんいかん、話が止まらなくなる。」
「内容は取るにたりないですけどね。」
「まあ、そうだな。ん?どうした口をつきだして?」
「焦らさないでください。はやく。」
「ほーい。」
そして真っ暗な室内で唇を合わせる二人。暗くて狙いを外さないようにしっかりと仕事をやり遂げてやったぜ、仕事人だなまさしく。
「ふふっ。」
「どうしたよ急に笑って。」
「なんでもないですわ。」
「変なやつ。んじゃおやすみ。」
「おやすみなさいですわ。って、あれ寝ちゃうんだ。私てっきり…。」
横で万里花がぶつぶつと何か言ってたような気もするが今日はもう疲れたよパトラッシュ。ということであっという間に寝てしまうのだった。
「貴一さん、寝るの早すぎますわ。…いろいろ期待していた私が恥ずかしい。」
「…ハレンチですわぁ…。」
「な!?…まぎらわしい。変な寝言言ってるし。実は起きてます?」
と、身体を軽く触ってみたのだがどうやら本当に寝ているみたいだ。
それから寝るまで少し悶々としてしまったのは私だけの秘密だ。これを貴一さんに知られたらと思うとすごく恥ずかしいな、なんて。
隣で幸せそうに眠る貴一さんに、寝る前に言っておこう。ちょっと正面きってじゃあ恥ずかしかったので。
「大好きですよ、貴一さん。」
そう言って、隣の腕に寄りかかって夢の世界に羽ばたくのであった。
とりあえずここまで。
感想、批評お待ちしております。
コーヒー飲もっと。
それではまた!