なんとなんとUA14万突破!
すごいですね、さすがニセコイです。
人気投票始まるみたいですが投票は心の中だけにしときますね。
それでは続きです。
もう50話近いのか…びっくりです。
感想、批評お待ちしております。
御影さんが屋上から去ったあと、静まった空間で小さな声でこうつぶやく。
「キスするまで帰らないねえ…。なあ万里花、あの子本気だと思う?」
「…はい、そういう人ですから。」
「なるほどなあ。まあこれからクラスの奴らや知り合いにもうまいことごまかさねーとな。」
「なんかすみません貴一さん。なんだか思った以上の面倒になってしまって…。」
そう言って申し訳のなさそうな顔を見せる。そんな顔は見たくないのだ。だから、
「いいってことよ。万里花がこうして頼みごとなんて珍しいもんだし。御影さんが大事な友達だっていうのはなんとなく伝わってきたし。」
「別にそんな大層なものではないですわ。単に私は友人が少ないので。」
「お前友達少ないのかよ、…というかそういえばあれ、俺もか。あれ…なんだろう泣きたくなってきたぞ。」
「何自爆してるんだか馬鹿なんですか。まあ数少ない友人ですから大切にしてあげよーかと。」
「ツンデレってやつか。」
「うるさいですわよ。」
「へいへい。まあ約束は任せときな。大船に乗ったつもりでいてくれや。」
「泥舟でないことを祈りますわ。」
「こいつめ。」
そう言って軽くおでこを小突いてみる。
「わたっ。まあよろしくお願いしますわ。」
そう話しながら二人一緒に教室に戻っていくのだが、もうすぐ自分の教室に着くときに御影さんの声が耳に入ったのだが、
「なあなあ!ちょっと聞いてもよかと?万里花と二見君て普段はどがん風にイチャイチャしおっと?」
と、クラスメイトに話しかけているようだ。
「あっちゃー先越されたか。」
「ですね。どうしましょう。」
「え?どんな風にって…橘さんと二見君が…?」
「ある意味お似合いでいちゃついてる様に見える時もあるけども。」
「そうそう!あん二人もう付き合って一年も経つとに全然進展しとら」
「言わせねーよ!」
そして二人で御影をよいしょよいしょと抱えて教室から脱出するのであった。それから人気の少ない場所に移動して少し一息ついて、
「どがんしたとね二人とも。」
「まずは落ち着こうか。ちょっと時間をもらえないだろうか。」
「実はですね私たち複雑な事情で付き合ってることを内緒にしてますの。」
「そうだすー。」
「ありゃそうやったとね。そいは悪い事したばい。気をつけるばい。」
「おい貴一!」
三人で廊下で話していると、後ろから声が聞こえてきて振り返ると鶫が現れた。
「どうした誠士郎?」
「お嬢を見なかったか?」
「いやー見てないよ。」
「そうか、そこにいるのは御影殿か。私は鶫誠士郎と申します。」
「ご丁寧にどうも。…ちょっとばんざいしてくれんね、ばんざい。」
「…ん?は?ばんざい?こうか?」
そう言ってばんざいをする鶫だったのだが、なんとあろうことかこの中身おっさんの魔の手が鶫の胸を両手でわしっと包み込む。
手のひらに包まれた二つの大きなたわわな果実はやはりでかいなとまじまじと見つめている私。
しかもポニョって効果音がつくあたりかなり柔らかいのだろう、ちょっと触ってみたいよな。未知の発見に違いない。まあ命が危ないから出来ないけれども。
「なっ…」
とても驚いている御影さん。さすがの鶫クオリティで悶絶中なのだろうか。
「いきなり何を貴様――!!」
顔を真っ赤に染め上げツッコミを入れる鶫。いいリアクションだなあなんて人事のように眺めてみる。
するとどこから取り出したのか、すっと10と書かれた棒を掲げる。何点満点の10点なのだろうかとわくわくしていると、
「なんの数字だそれは!!不快だやめろ!」
「…形、大きさ、揉み心地、すべてにおいて満点ばい。あなたにはこの道を突き進んで欲しいとよ。」
「なんだこの道って!どいつもこいつも人の胸を~!!」
「誠士郎、そう気に病むな。むしろ誇るべきだろう。」
「貴一…。」
「だからちょっとだけ触っていいだろうか?」
「良いわけあるかぁ!!」
そう言って私の胸板にコークスクリューを炸裂させ吹き飛ばされるのであった。この世界がラブコメの世界でよかったよ、大したダメージにはならなかったよ。
それから春ちゃんに遭遇したのだが、エヴァ初号機が覚醒したときの様な変な動きをしてタックルしそうになっていた変態が1人いたのだった。
「本当に良い友人を持ったな万里花。」
「はて、一体誰のことやら…。」
「…あ!キャーさっきのハーフさん!私とお話せんね~!!」
「ギャぁ!!またあんた!?」
「次は桐崎さんか。あの自由奔放ぶり、万里花とどっか似てるんだよなあ。」
「私あんな感じに映ってるんですの?」
「なんとなくだけどね。」
「ふ~ん。」
「なあなあハーフさん、この二人付き合って一年も経つのにぜんぜん進展しとらんとさね。どっかよかデート場所はなかかね~?」
「え?そうだったの万里花?」
「貴一、そうだったのか!?橘の…」
楽に桐崎さん、貴方たちの反応はまるで正反対だななんだこれ。楽に関しては何かぶつぶつ言ってたり頭を抱えているようだしどうしたのだろうか。
そして秘密と言ったのに言いふらした犯人が振り返ってぺこちゃん顔で失敬と言いたそうな顔の御影さん。ああ、ちょっといらっとしてしまったのは仕方がないだろう。
「こいつめ…。」
「あらら…。」
「え?今の聞いた?」
「橘さんと二見君付き合ってるって。」
「いや怪しいなと前から思ってたけども。」
「でも二人すごいお似合いだよね。」
「やっぱり付き合ってたのかよ。」
「なんかむかついてきた一発蹴りいれてきていいかな。」
「でも二見の奴が素直にやられるとは思えないしな、というか返り討ちされる。」
「確かにな。」
「そういえば橘さん。一条にもいつの間にか抱きつきにいってなかったしな。」
「そういえばそうだったなあ。」
クラスの連中がひそひそと会話しているのをこの地獄耳でなんとか所々拾っていく。まあこうなっては仕方ないなあ、いけるところまでいってやるよと意気込み隣を見るのだが、横の万里花の顔が真っ赤に染っていて俯いているけど気にしないことにするよ。
「ふふふ、皆には黙っていたけれど実は付き合ってたんだ。もう一年くらいになるのかな。」
「そ、そそそ!そうなんですわ。」
「そ、そうだったんだ。おめでとう万里花。」
「え、えっと…はい。どうもですわ。」
そう言って演技だよね?って思わず問いたくなるような顔をポッっと染めて、まるで女を魅せる女性の表情の万里花。くそぅ…こっちまで恥ずかしくなってきたじゃないか演技なのに!演技なのに!大事なことなので二回言いました。
『キャーー!!』
『貴一、殺す!』
女子からは歓声が、男子からは殺気の篭った視線と拳が飛んできたのだが、鶫との訓練を乗り越えてきた私にはその拳は届かないのだよと思考に浸りながら拳をさばくのであった。
「まったく散々だったぜ。」
「…よう分からんかったけどそがん言うたらいけん事やったと?」
「御影、そいはもうよかばい。」
「FFF団とかいろいろ面倒な連中がいるんだよ、知る必要はないからね。しかし、今日一日は学校に居場所なさそうだなあ…。」
「そいなら!逆に都合よかね!」
そう言って手になにかのチケットのような紙をぶらさげている。
それはどうやら遊園地のチケットだったようで、なんだか急に決まってしまったが遊園地なんて随分と久しぶりだったので内心楽しみの気持ちで一杯だ。
甘ブリとか行ってみたいなあーもっふるとかティラミーとか腹パンしてみたいし、サーラマに会ってみたいなあ。あの子いつも炎上させてるんだよなあさすが火属性。
「遊園地とか久しぶりやわ。」
「…私もですわ。」
「なんだかんだ良い友達を持ったな。ちょっと変態だけど。」
「貴一さんと同じ変態さんですからね。」
「こいつめ、言うじゃあないか。まあ折角やし楽しもうか!」
「ですね!」
「というか後ろの変な変装してるのって。」
「言うまでも無いですわ。」
後ろで真っ黒なローブに身を包み変なひげをつけ変なめがねをつけた変態がいるのだがスルーすることに決めた。
「よしいこうぜ万里花。」
そう言って万里花の手を取り誘導していく。そうすると顔をさらに真っ赤にさせ、あわあわとしているのを見るとまるで自分に気があるのかと勘違いしてしまうじゃないか。まあなんとなく気付いてはいるのだけれど確信は持てないからな。自惚れで外れてたら恥ずかしすぎて死ねるわ。
まず最初に入るアトラクションは、コーヒーカップかマグカップみたいなやつでいろいろと回ってめまいを起こさせるアトラクションだった。
「なにそんなに照れてんだよ。こっちまで緊張するじゃんか。今日は恋人なんだから。」
「そそそ!そうなんですけどね、予想外というか…。」
「受身にまわると、てんで弱いんだよな万里花って。」
「なにをーー!!」
「そうそうそれがいつものお前じゃん。あんまり深く考えずに自然にいこうぜ。」
「ええ、そ、そうですわね。じゃあリードはおまかせしますね。」
それからもいろいろなアトラクションを周りました。やはりジェットコースター系は最高だぜ、あの浮遊感がたまらないのだ。ゆっくりとてっぺんまで上がるときの緊張感、落下するときの景色が変わり地上を見る瞬間と落下時のベルトがふわっとする浮遊感が最高なのだ。上手くいえないけれど絶叫マシンが大好きだということが伝わっただろうか。
今は休憩を入れて自分と万里花と御影さんのジュースを買いに出ている、ちなみに万里花には先に席を取ってもらっている。
その頃、万里花といえば、席で休んでいた所を御影に話しかけられていた。
「万里花!…安心したばい。色々心配しとったばってん上手くいってるみたいで。まーたいじめられてるとなかかて。」
「うちにそんな心配がいるっち思う?」
「あはは、いっちょんいらん。それにしても恋はよかね、万里花見てたら羨ましくなってきたとよ。」
「御影は恋ばせんね?」
「私ん相手はジョニーデップやけ。」
「なんじゃそりゃ。」
「でも、万里花もちょっと変わったと?昔ならもっと力ずくでなんでも手に入れよったとに。婚約者も一条の倅と聞いてたけど情報と違うけびっくりしたとて。」
「やっぱりばれてましたか。まあうちにもいろいろあるとよ。」
「ふーん。あん事は話したの?」
「…。」
「やっぱりまだ話とらんと。あんたはそいでよかの?」
「…。」
「まああんたがよかなら口に出さんばってん。でも万里花、後悔だけはしたらいけんよ?」
「わかっとるばい。そがん事は…。」
ふたりで会話していると離れたところから貴一さんの声が聞こえてきた。
「おーい!お待たせ二人とも。」
「ようやく来ましたか。」
「まっとったばい。伊達男。」
「なんでだよっ。」
「まあ万里花がそがんつもりなら別に急いでキスせんでもよかよ?今日ん所はこんデート楽しむんがよかばい!」
「前後の話聞いてないからよくわからないのだが。まあ…いっか。何話してたの?」
「いえ、特に重要な話じゃないですよ。まあ今は楽しむことに専念しましょう!」
休憩の後、それから3人でいろいろとはしゃぎ倒すのであった。
「あ!うちあれん乗りたい!乗りにいくばい!」
そう言って指差す方向に映るのは立派な観覧車だった。
「へー観覧車か。いいねえ。」
「ですわね、行きましょう!」
3人で順番待ちをしていざ次で乗り込もうというところで御影さんに後ろから手で押され先に二人で入ってしまった。
「あ!何しやがるみがげっち!」
「イエーイ。」
「扇ちゃんかよっ!」
「やられましたね。」
「あんのやろー。…ん?」
下にうつる御影さんがめっちゃ投げキッスをしている。こう…ちゅばああっとしている。
そして上がり始める観覧車。二人を乗せて空の旅へさあ行こう。
「あいつ諦めてなかったみたいだな。」
「…。」
「ん?どうした万里花?さっきから静かだけど。もしかして高所恐怖症なのか?」
「…。」
「おいっ。」
「…綺麗ですね夕日。」
「こいつめ。ああ…綺麗だな。というか、もうこんな時間になってたのか。」
「はい、楽しい時間とはあっという間ですね。貴一さん、今日はわがままに付き合ってくれてありがとうございました。とっても嬉しかったですわ。」
「おれもなんだかんだ楽しかったしありがとうな!」
なんだか雰囲気が少し違うな、どこか柔らかいというか身体のことじゃないぞ?おとなしいというより可愛らしいというかしおらしい、そのような感じだ。
「それでこのあとはどうします?キスしちゃいますか?」
「あ!?何言ってんだよばーろーてやんでいてやんでいっ。」
「さっきから御影の様子ですとやはりキスさせたいようでしたし…。」
「したことにすればいいんじゃない?下からは分からないんだし。」
「えーー、私なら大歓迎ですよ。」
「いつの間にビッチになったのやら。」
「ひどいですわー。貴一さんはキスしたくないですの?」
「そりゃあしたいけど。」
そう無意識に返事をしていた自分。すると、少しタメを作って顔を真っ赤にして次の言葉を告げる万里花。
「…したいんだ…。じゃあキスしてください貴一さん。私と。」
「…本気なのか?俺たち本当に付き合ってるわけじゃないのに。」
「今日一日恋人になってくださいと言いましたよね。」
「言ったなあ。」
「なら恋人同士でキスするのに何か問題が?」
「だめだね。」
「私が相手では嫌ですか?」
「そういうことじゃなくてだな…なあ万里花。お前には話しておきたいことがあるんだ。」
「どうしたんですか、そんなに改まって。」
「いや、なんていうか今ここで言うべきだとおもってさ。」
「な、なんだっていうんですか!?」
「そういえばお前との付き合いももうだいぶ長いな。」
「?どうしたんですの?」
「まわりくどいことはやっぱりやめとくわ。」
よしまずは深呼吸。気持ちを落ち着かせ正面に座っている万里花の瞳をじっと見つめてこの言葉を贈るのだ。そう、たった一言。でも自分にとっては大事な一言。
言った後がどうなるかわからない、怖くもある。でも言うんだ。勇気を出すんだほんのちっぽけなその勇気を。
「万里花、お前のことが好きだ。」
ふぅ…とりあえず長くなったのでここまで、なんてね笑
明日も仕事がんばるぞ~!
感想、批評お待ちしております!!