2度目の高校生活   作:くるぶしおかか

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楽「小咲!千棘!お前たちが俺の翼だ!」
小、千「デカルチャー!!」

私「これはないな…。」


あー外冷えるなあ、では続きです。
感想、批評お待ちしております。




45話

 

そして現在。小野寺さんの部屋にて女子陣はみんな集合しており、楽さんたち男子組は一階にいるようです。どうやら小野寺の母親様と談笑中だそうです。

さて、では…はじめますか。

 

「司会は私、橘万里花がお送りします。では第一回楽さんの記憶を戻そうの会の作戦会議を開催します!」

『おー!!』

「…でも記憶がないのも案外アリなんじゃ…。」

「ちょっと!今の誰!?開幕からあれ?」

「こらー!誰よ今言ったの!?」

「わ、私ではないですわよ?」

「そ、そうだぞ!記憶がなくていいわけがない!」

「そ、そうだよ、みんながんばろうよ!」

「とは言え他にもいろいろ試したけど何も効果がないんだよね。」

「正直、手詰まりですわね。」

 

 

会議はやはり難航中のようです。良いアイデアが浮かびません。私の頭は固いのでしょうか、もっと一休さんの様にとんちを利かせたいですわね。それから少し時間が経つと男子組が戻ってきました。

 

 

「やっほー。」

「やあやあ会議は進んでるかい?」

「二見君に舞子君。楽は?」

「下にいるよ、小野寺のお母さんが見てくれてる。」

「記憶喪失ってことでヨン様みたいねとか言ってたけど、懐かしすぎるわ。」

「だな。韓ドラといえば、私の名前はキムサムスンってやつおもしろかったわー。」

「あれ良かったよなー、あとチャングムとかな。ってか関係ないな!」

「だな!親が韓ドラにハマっててつい自分も見ちゃうんだよなあ。興味ないのに。」

「俺もそんな感じだった。」

「お二人とも関係のない話はそこまでですわ!あーー!もう何も思いつきませんわ!何かヒントになるものはないのですのー!!」

 

 

そう言ってごちゃごちゃ部屋の中を探し回る万里花。小野寺の部屋なんだけど容赦なしという。男の部屋じゃないからエロ本はないとは思うけれど…、まさかね。いや、そんなはずは…。小野寺、信じてるからな。だから僕も漁ろうと思うのだった。

 

 

「これは…」

「どうしたの万里花。何、その絵本?」

「え?ぐりとぐら?」

「違います!」

「どうしたの万里花、ボーっとして。」

「え?いえ、なんでも…。」

「あれ?ねえ、ちょっとその絵本見せてくれる?」

「タイトルはかすれてて読めないわね。」

「なんでだよ。」

「わー懐かしい!コレ小さい頃からずっと持ってる本なんだよ、もう何年も手に取ったことなかったけど…。」

 

 

そして絵本をパラパラとめくる桐崎さん。そして急にページを開く手が止まる。

 

 

「ザクシャインラブ…?」

「ってなんやねん!」

「貴一さんちょっと黙ってて。」

「えーーー。」

「これって…。」

 

部屋の扉が開き、野生の一条楽が現れたって、馬鹿!。

 

 

「あのーすいません。小野寺さんのお母様が飲み物は麦茶でいいかって…あれ?どうかしたんですか皆さん?その絵本…」

「これがどうかしたの?」

「なんだかこの本を見てると何かを思い出しそうで…。」

「え!?」

「本当!?一条君!!」

「なんでさっ!!」

「貴一さんうるさい!!」

「ひどいっ!!」

 

 

 

「…つまりこの絵本とペンダント、そして私たちの持ってる鍵を見ると何かを思い出しそうになるってこと?」

「…はい。自分でも誰だかわからないんですが何か…小さな女の子の姿が頭をよぎるんです。」

「なんなんこいつらみんながみんな鍵持ってるしさ、こわっ!ずっと持ち歩いてるとか。なにこれ、わっかんねー。」

「貴一の旦那、まあ抑えて抑えて。」

「…それってもしかして10年前にあんたが約束したっていう女の子なんじゃ…。」

「約束?何の話ですか?」

「鍵三本…つまり三股なのかっ!」

「お黙りなさいっ!」

「ぐへっ。」

「実は…」

 

 

 

「…驚きました。お嬢と一条楽の間にそんな不思議な因縁があったとは…。」

「まさか一条君が小咲の思い出の子かもしれないねんてね。」

「改めて思う、なんなんだこの設定は。」

「貴一さん一体どうしたというんですの?」

「いや、小さい頃の楽は一体何人の女に鍵を渡しているのかと思ってな。」

『え!?』

「そして本命の子だけ錠を開けれると…。ませてんなあ近頃の若い奴は。」

『ええええ!?』

「僕って一体…。」

「まあまあ、昔の事だし置いといて。舞子君と二見君は知ってたの?」

「まあね、楽から聞いてたよ。」

「聞いてたけどさ。こいつ毎日ペンダントを持ち歩くくせに、大切してるって言っても何回も落とすし、無駄にでかいのだから落としたらすぐ気付けよって。なんなのこいつって思ったこともあったり。もういっそ落とすの分かってるなら部屋に飾っとけよって何度も思ったり…」

「ちょっと二見君!一条君にグサグサと何かが刺さってるから!」

「はははは…。」

「ふう…なんかすっきりしたわ。サンキュー楽。」

「おい!」

「私もこの絵本どこか見覚えがあるのよ。私のこのリボンって小さい頃読んでた絵本がきっかけだってママが教えてくれたんだけど、なんかその子のと似てない?」

「…確かにそっくりだわね。」

「なんなのこいつら。」

「貴一さん、網の外だからってすねないでくださいまし。」

「蚊帳の外だよ、この歴史的ばかもんがっ!」

「ナイスツッコミですわ!」

「そういう万里花は何か知らないの?」

「さあ、私は何も。部屋をもっとひっかき回せば他にも何か出てくるでしょうか。」

「もうダメだってば!」

「Hな本があるから?」

「二見君と一緒にしないで!」

「解せぬ。」

 

 

「とにかく、これを読めば何かわかるかもしれないわ。もしかしたら記憶を戻すヒントだって…。」

「ねえよ。」

「あんたはだぁっとれいっ!」

「ぐへっ。」

 

 

万里花のすばらな拳をお腹にもらいうずまくる私。どうやらみんなは絵本を読むようだ。

「じゃあ読むわね。」

 

桐崎さんがどうやら絵本を読むみたいだ、まあ軽く聞いてやろうか。

 

 

二つの王国があった。二つの国の王子と姫はとっても仲良し、大きくなったら結婚しようなって約束していたのだった。

「プリクラにずっといっしょとか書くカップルって間違いなく破局するよね。」

「しーーーっ!!」

ですがある日二つの国で戦争が起きて二人は離れ離れになってしまうのです。

「節子、それドロップやない、おはじきや。」

「ちゃーーー!ちゃーーーー!」

「それちがうやつや!静かに貴一の旦那。」

お別れの日にお姫様は言いました「ザクシャインラブ」いつか二人が再会したらこの鍵でそのなかのものを取り出して幸せに暮らしましょう。

「ねーみんな無視とかひどくないかな。」

あなたはその錠を、私は鍵を肌身離さずずっと大切に持っていましょう。二人は鍵のついたペンダントの中に宝物をしまって再会を誓って別れたのでした。

「そして土に還る訳ね。」

離れ離れになった二人は会いたくてしかたありません。王子様はたまらず走りだしました。野を越え山を越えて

「これなんてメロス。」

王子様はお姫様のところに向かいます。するとどうでしょう。王子様の前に大きな扉が現れました。

「なんか話、長くね?」

扉は立派な錠前が付いています。王子様は困ってしまいました。するとそこへ鍵を持った女の子が現れました。

「何でだよっ!」

おやおやお困りのようですね、私が助けてしんぜましょう。女の子はそう言うとそっと鍵を差し込んで王子様は再び走り出します。お姫さまの所へはもう一息です、しかし

 

「ふぁ~~~、終わった?」…

 

「あれ!?続きがない!!」

「なにこのオチ、なえるんだけど。聞き損じゃん。」

「まあまあ。」

「なにぶん古いものだからね。」

「いや、まてよこの跡は…これ完全に破ってあるよね間違いない。」

「そ、そうなのかなあ。」

「破ってたのなら作者に謝るべきだね。」

「う~二見君がなぜか厳しいんだけど普段と違って。」

「完結しない物語を読ませられてうやむやになるのは読者として許せないだけ。」

「そういうのはこだわるのね…。」

「本の虫だからね。」

「でも、確かに…なんだかもどかしいわね。」

「私も気になります、二人は無事に再会できたのでしょうか。」

「どうだったかな、ハッピーエンドだったような逆だったような…。」

「どっちだよっ!」

「確か、悲しい結末だったと思います。」

『!!』

「楽!?」

「一条君…何か思い出したの…!?」

「はい、少しだけ、とても断片的なんですが…。」

 

そういって、楽が断片的に話すかとおもわれたのだが、

 

「僕がその頭の中に浮かぶ女の子と初めて会ったのはとても小さな頃である夜のどこかの丘の上での事なんです。1人で絵本を読みながら泣いている女の子がいて「暗くて読めねえだろ。」「貴一さん?」「はーい。」尋ねると絵本の結末が悲しくて泣いてるんだそうです。なので僕はラスト数ページを書き換えてハッピーエンドにしてあげたんです。「断片的って意味、辞書で引きなよ。」「静かにっ!」それがその子との最初の出会い…。、思い出せたのはコレだけなんですが何か聞き覚えはありましたか?」

 

『………。』

「ないわね。」

「私も。」

「ないですわね。」

「ありゃりゃ。」

 

その後、各自、鍵もちは何か手がかりがないか改めて自宅で探すそうだ。今は隣にるりちゃんと小野寺がいて軽く談笑中だ。

 

「まさかこんなことになってたなんてね。まさに絵本の通りね、はてさて誰が運命の相手なのやら。まるで御伽噺だわ。」

「ほんまそれ。なんだこれって感じだよなあ。」

「それにしてもそんな重要なヒントが自分の机にあったのに気付かないなんて、あんたバカじゃないの?」

「バカだよね?」

「二人ともそれを言わないで!」

「でも本当になんで忘れちゃってたんだろう。」

「みんな忘れてるんだよな、もしかしたら集団催眠でもされてるとか?」

「記憶を人為的に消されていたのかしら、例えば、モノクマとかに。」

「あーー、それあるー!!」

「ないよ!」

「「だよなあー。」」

 

などとくだらないことを話していた。

 

 

 

 

そして桐崎千棘の誕生日パーティの日になるのであった。

 

『え!?記憶が戻ったの!?』

「やっぱりな。てかあっけないな随分と。」

「おう。悪いな、なんか迷惑かけちまったみたいで、正直あんまり覚えてねえんだけど。」

「ううん、良かった~心配したよ~。」

「まあ覚えてなくて結果オーライやな。」

「なんだよ貴一、気になるじゃないか。」

「えっとな、その時のお前は…」

『わーー!!』

「わかったよ、内緒にしますよ。」

「本当に良かったぞ、これならお嬢の誕生パーティーに参加出来るな。貴様が記憶喪失のままではパーティーどころでは無かったからな。」

「パーティーの心配かよ。」

「そりゃそうだろうよ。ククク。」

「おーい、お姉ちゃーん。」

「春ちゃん!ポーラ!あと風ちゃんだっけ…お前らもパーティーに参加するのか?」

「はい!一応招待して貰いましたし。一条先輩、記憶喪失になってたんですよね。お姉ちゃんのことも忘れちゃえば良かったのに。」

「こらっ!」

「滅多な事いうんじゃねーよ!」

「ほうほう楽とも打ち解けてきたようだね春ちゃんも。」

「貴一先輩、気になるんですか?」

「いんやあ全然。」

「フフッ。」

「風ちゃんそのワンピース似合ってるね!ぐうかわやな!」

「ぐうかわ?なんですそれ?」

「ぐうの音も出ない可愛さという意味だよ。」

「もうっ、貴一先輩ったら。ありがとうございます。なら良かったです!」

「そかそか、まあ今日は楽しみましょうか、桐崎さん家マジでかいからね腰抜かすよ。マジで。」

「マジってなぜ二回も…本当ですか?まさかーって、で、でかーー!!」

「ププっ、言わんこっちゃないな。良い反応だね。」

「これは想定以上でした。」

 

 

そしてピンポンを押して、玄関から私たちを出迎え皆の前に姿を現す今日の主役である桐崎千棘なのだが、

 

「お待たせ皆!」

 

そう言って現れたお嬢様は普段とは全然違う上品で優雅で一段と気合が入ったドレス姿で大変美しい。なんとかにも衣装とはよく言ったものだ。性格はともかくパッと見の容姿のステータスは実際かなりの高水準なんだよなあ。改めてとんでもない美人なんだよなあ…タイプじゃないけれども。

 

 

「桐崎先輩、すごくキレ~~!!」

「かわいいドレスだね千棘ちゃん。」

「…ありがとう。」

「なんかやけに気合入ってんな。」

「ふぁーー!別人かと思ったわ、これまた失敬。」

「「ズコー。」」

「風ちゃん、貴一先輩何してるんですか?」

「なんとなく空気を整えてあげようかなと。」

「これは成功ですね先輩!」

「私も混ぜてくださいよー!」

「さあおいで春ちゃん、せーの!」

「「「ズコー!」」」

「あなたたち馬鹿みたいですわよ。」

 

 

そして始まった誕生日パーティー、相変わらずギャングのみなさんは騒がしく、にぎやけで楽しいパーティーだった。風ちゃんや春ちゃん、万里花もお洒落でいつにもまして可愛かったし目の保養だよね。桐崎さんはどうやら楽と中々顔を合わせれない様子…あっはーん、これは匂いますねえ…さてはなにかあったなナニかありましたねこれは。楽が記憶がないときの泊まりの事やそれ以外になんかあったなあこれは。俺の勘がそう言っている…確証はないのだけれども。

 

 

お?テラ子安じゃないやクロードさん来ましたね。有能なんだろうけど桐崎さんのこととなるとどこか残念なネタキャラになるんだよなあ。お嬢専用の自家用ジェットをプレゼントって!個人でそんなに金持ってるのかよ、ギャングすげーなおい!だからどこで使うの!って言われているし案の定だよ、これじゃあ残念な人みたいに、いや残念な人だよ。

 

 

「さあ次は坊主の番だぜ?」

 

そうして楽が用意しているプレゼントは花束……だと!?

なんかかっこいい選択だな。花束なんてそう買う機会は訪れないよなあ。自分も今まで生きてきて果たして花束なんてプレゼントしたことがあっただろうか…。そういえば花言葉っていろいろあるんだよなあ、よく知らんけど。

花束をプレゼントするってことはそこらへんも考えているのかなあ楽の奴。いや、さすがにないか。

 

「おう、なんだなんだ、坊主。やりゃあできるじゃねーか。」

「今年は随分まともなもん贈ってきたな~!」

 

ギャングの皆様にも好評のようだ、さすがだな楽!

 

「…これって。」

「いや、俺らしくないとは思ったけどよ、自分でもよくわからないけれど絶対それを渡さなきゃって気がしちまってさ。」

「そっか。ありがとう楽!嬉しい…!」

「おう…!」

 

いい感じじゃないですか!お二人さん!このままベッドインですかい?なんてことを考えている人物が1人、一体誰なのだろう。

 

 

スイートピー、花言葉は「優しい思い出」

なんだかほっこりするなあ…。

 

 

 

「ご無礼。ロン。純チャン三色平和ドラ3、倍満だ。」

「かあーーー!また二見の坊ちゃんの1人勝ちですかいっ!」

「あんた…背中が煤けてるぜ?」

「しぶいっす!今日の坊ちゃんはしぶいっすね!」

パーティー中、ギャングの皆様と麻雀を楽しく打つ私なのであった。

 

 





とりあえずここまでです!

今年もあと一ヶ月と少しですね!

UA12万突破してました!いつの間にか笑

ここまでたくさんの人に読んでもらえるとは感謝です!

感想、批評お待ちしております。

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