2度目の高校生活   作:くるぶしおかか

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どうもお疲れ様です。
やっとこさのいい天気!いいバイク日和ですな!

朝からルパンを見て良い話でした、涙が…。
アニメは好きだがパチンコのルパン、てめーはダメだ

天下の大泥棒だよ、諭吉取られちゃったよ。

では続きです!
感想、批評お待ちしております。



43話

ある日の早朝、わさわさと誰かに身体を揺らされている。全く朝からなんだっていうんだ。

 

「先輩、朝ですよ?起きてください。」

 

ん?誰だろうこの声は、

 

「ん?今日は日曜日だぜ母ちゃん。全くおっちょこちょいなんだから母さんは。」

「今日は月曜日です!日曜は昨日ですよ。」

「ん?そうなの?ふーん、おやすみ。」

「もう貴一さんっ。起きない悪い子には…」

 

二度寝をしてすやすやとしていると突然お腹に衝撃が振動してきた。

 

「ぶうぇっ!」

「さあ、起きてください!貴一先輩。」

「わーったよ母ちゃんって…あ、あれ、風ちゃん何してんの?」

「ん?なにがですか?」

「いや、なんで部屋に入って来てるのさ。鍵閉まってなかったの?」

「え?前にスペアキー渡したじゃないですか。」

「そうだったっけか。忘れてたよ。」

「しっかりしてくださいね。」

「でもさ急に朝押しかけるのはどうだろう。」

「ひどいっ、私と貴一先輩の仲じゃあありませんか。」

「まあいいけどねー。てか朝早いなおい。まだ7時ちょいじゃん。」

「今日は早く起きたので一緒に学校行こうと思って。」

「そっか。いいね!ちょっと待ってね飲み物だすよ。」

「はい、どうもです。」

 

とりあえず朝食を軽く作ることに。予約で炊いていたご飯と目玉焼きとウインナー、味噌汁の簡単で早く作れるメニューだ。風ちゃんに紅茶を渡して、朝食をさっさとたいらげて制服に着替えてホットコーヒーを作る。ああ美味し。朝のコーヒーは必須ですよね。ちなみに風ちゃんは部屋のソファーに座り朝のニュース番組をテレビで見ながらくつろいでいる。あ、小倉さんだ。

コーヒーを飲み終えて歯磨きをして学生鞄を手に取り、

 

「おまたせ風ちゃん!行こうか!」

「はい!行きましょう!」

 

二人で一緒に玄関の扉を開き外に出る。

 

「今日もいい天気ですね。」

「まあそのうち梅雨の時期になるだろうけどね。」

「じめじめするの嫌ですよね。」

「だよね…欝だ。」

「先のことは気にしても仕方ないですよ。」

「だよねー。今この瞬間を生きるのだ!」

「何言ってるんですか?」

「な、なんでもないですよー。」

「貴一先輩っ!」

「どした?」

「ふふっ、呼んでみただけです。」

「なんだそれー。」

「貴一先輩って初めの印象からだいぶ変わりました。」

「そう?いつもこんな感じだけどな。どんな感じに?」

「変人ですよね、それとも変態?」

「それ本気で言ってるのか?」

「本気だったらこうして一緒に登校なんてしませんよ。」

「「へへへへ!」」

「って、なんだこれ!」

「ふふっ、なんでしょうね。」

「ねえ、貴一先輩。」

 

隣を歩く風ちゃんが腕に寄りかかってきて一言。

 

「お、どどどしたの風ちゃん。」

「動揺しすぎですよ先輩。はいっ。」

 

そう言って手の平をこちらに向けてくる。これはあれですかい手を繋げってことですかい!?学校の登校中に。他の人の目がある状況でだと!?うーんどうしたものかと心の中で葛藤していると、

 

「ダメですか?」

 

んなぁにこれ可愛すぎるんですけど!風ちゃんってこんなに可愛かったっけ?可愛いのは元々知ってたけどさ。なんていうか超可愛い!

 

「嫌とかじゃなくてさちょっと恥ずかしくてさ。」

「ほうほう照れてるんですかこのこのー。」

「こら、つつくんじゃあない。年上は敬いたまえ。」

「なら50だしなっ。」

「50ってなんだよ風ちゃん。」

「ドルだよドル!」

「キャラ変わってるし!」

 

ええいままよ、これ以上風ちゃんのペースにまわされてたまるかと思い手をぎゅっと握り歩いていく。びくっとした風ちゃんが可愛かったよ、良い反応です。

 

「みんなに見られるのは恥ずかしいから途中までだからな。」

「私は別にかまわないんだけどなー。」

「ん?何か言った風ちゃん?」

「ふふっ、なんでもないですよ。」

 

こうして雑談を交わしながら学校に到着するのであった。途中で手は離したよ?周りの目がありますし、この脆いハートがもちませんので。

 

「じゃあまたね風ちゃん!」

「ええ。ではまた!」

 

風ちゃんと別れを告げて教室に向かう。自分の席に座り窓の外から校門とグラウンドの方を眺めてみる。特にこの行為に関して意味はないのだが。

 

「おはようございます、貴一さん。」

 

後ろから声が聞こえてきた。隣の席の茶髪の女子のようだ。

 

「ん。おはよう万里花。」

「何しているのですの?」

「うーん、ただ外眺めてただけさ。」

「どうせ女子のスカートばかり見ていたのでしょう。」

「なんでやねん。お前の中の俺ってどう写ってるのやら。」

「ふふ秘密ですわ。そういえばなんですけど。」

「なんだい万里っぺ。」

「その呼び方はなんかやめてくださいまし。貴一さんって誕生日っていつなんですか?」

「7月21日だけど。」

「今初めて知りましたわ。今年は祝ってあげますね。」

「そりゃありがとねぃ。万里花はいつなの?」

「3月3日ですわ!」

「過ぎてるやんっ!てことは万里花のが俺より遅いわけか。」

「そうですね!まぁ私のが大人っぽいですが。」

「同級生が何言ってるのやら。敬う相手を選ぶ権利はこちらにあるのだよ。」

「そこはノッて敬うところでしょうに。」

「あえてね、あえて。今更でも遅いけど祝えないかな?」

「ふふ、今更ですがいいですわよ?」

「じゃあ今度の休日時間作れる?」

「ええ、大丈夫ですよ!」

「じゃあこの日に付き合ってよ。」

「もちろんいいですわっ!」

 

と、話していたところで朝礼のチャイムの音楽が鳴り響く。いつも通りの日常。前の方の席の楽がペンダントを見ながらにやにやしていて軽く引いたのはここだけの話だ。

「もう絶対なくさないからな!?お前にはもう約束とか以上に変な愛着が湧いてっからな…!」とかなんとか言ってるよ。また落としたのかな、もうねこの際部屋に飾っときなよと。あと妙に大きいからねずっと着けてて首に違和感ないのかな。

 

「うわっ、キモッ…!」

 

って桐崎さんに言われてるよざまあ。そういえば桐崎さんの誕生日も近くなってきているな。あれから1年か、はやいものだな。

どうやらあの二人、いや桐崎さんのほうがプンスカしてんなあ、おそらく自分の誕生日を楽がちゃんと覚えていてくれているのか気になるのだろう。それからの時間はドギマギ葛藤してジタバタしている桐崎さんをおかずじゃない、その様子を見守りながら学校生活を過ごすのであった。

 

そして放課後になり調べることがあり図書室に少し寄ってから家に帰ることに。

校門に到着する頃に視線を前に向けてみると地面に身を伏しているヤクザの坊ちゃんが視界にうつった。ヤムチャしたのかな?

 

「楽―――!?ちょ、ちょっと大丈夫なの!?」

「一条君!?」

「楽さん!?」

 

このような阿鼻叫喚な惨状である。一体何が起こったのだろうか、野球ボールが近くに転がっていることから運悪く頭に当たったのか誰かをかばったのだろう。実際頭に直接ぶつけたら軽く死ねる気がするよ。まあ軟式ボールだからまだなんとか生きているだろう。とりあえず近くまで寄って現状を把握しにいこうかな。

 

というかここまでボールが飛んでくるとか、実はこの学校にはとんでもないスラッガーでもいるのだろうか。

 

 

「なあ集さんやこれは一体…。」

「不幸な事件でしたね…。」

「犯人は迷宮入りですかな。」

「事故みたいなものだしな。でも痛そうだよなあ。」

「端から見るとボールが顔面に当たるってシュールだよな。」

「おいおい。てか楽大丈夫かな。」

「ヤクザの息子なら丈夫だろ多分。」

「なんだその意味のない根拠は。」

「あ、楽のやつ起き上がったぞ!」

「しぶといやつめ。」

「おいおい…。」

 

 

「ん?う、うーーん、ここは誰私はどこ…。」

「…もう、何馬鹿なこと言ってるの?もう、こっちは心配…い、いや心配なんてしてないけどね?別にかばってくれとは頼んでないし!」

「まあなんて言い草ですの桐崎さんたら。」

「大丈夫?一条君?立てる?」

「え…ああ。…あれ?」

 

 

「あの…あなた達はどなたですか?」

『は……?』

「ちょ、何言ってんのよあんたは、もう変な冗談やめて…」

「ここはどこで、僕は誰なんでしょう…。」

「わかるよ。自分自身が何者で何のために生まれてきたのか考えたくなるよね。」

「貴一さんっ、話の腰を折らないでください!」

「いやあ楽の珍しく迫真がかった演技につられてさ。」

「だよなー、楽らしくないんだよね。」

「あの、本当にわからないんです…。」

「あ?あんまなめてっとコークスクリューかますよ?」

「ちょ!貴一抑えて抑えて!」

「あ?記憶喪失とかマジであんのかよ、ポロンって感じで落ちたのかよ!ファミコンかよ!」

「その例えはどうなのか。」

「とりあえず病院で一回見てもらおうよ。」

「だな。行ってらあ。」

 

 

とういうことで病院に向かった楽と桐崎さん。

 

 

「ねえ、これってまさかあの有名な…。」

「いやいやまさか…。」

「そんなことあるわけ…。」

「まるでアニメじゃないか。…アニメじゃない!?」

「それはやめよう貴一。」

「ああ。楽の頭は古いテレビみたいなもんだろ。もう一回叩けば直るんじゃね?」

「発想がひどいよ!」

「だって叩いたら直るじゃん?」

「テレビはね!」

「とりあえず結果待ちかな。」

 

 

しばらくすると二人が病院から戻ってきた。

 

「…とまあそんなことを言われたんだけど。」

 

「記憶喪失って…そんなの本当にあるんだね。」

「私ドラマの中だけだと思ってたけど。」

「そうだねえ。」

「一条楽。それが僕の名前なんですか?」

「うん。本当に何も思い出せないの?」

「ねえ聞いた奥さん。楽が僕だってよー。」

「あらあらおかしいですわねおほほほ。」

「野郎二人何ふざけてるのかしら。」

「「るりちゃん!」」

「そそそそんな楽さん!私のことまで忘れてしまわれたのですか!私です万里花です思い出してくださいまし!」

「あばばばば、す…すみません…!」

「おれのことも覚えてない?こん中じゃ一番付き合い長いんだけど…、舞子集って言うんだけど。わかる?」

「…すみません…全く。」

「ぷぎゃーー!忘れられてるよ!一番付き合い長いのに!ほら、かわれ。じゃあ俺の事は覚えてる?」

「いえ…全く。」

「ズコーー!」

 

とりあえず楽に近づき耳元でダメ出しをする。

 

「おいおいそこはウソでも覚えてます的なこと言うところだぞ。」

「でも、うそじゃないですか。」

「軽い冗談だよ冗談。」

 

 

「あの…僕はみなさんとはどういったご関係で…。」

「友達だよ一条君!皆二年で同じ学校の一緒のクラスなの!」

「しかし忘れちまったもんはしょーがねえな。こうなったらいちからまた教えてあげるしかないか。」

「いいかい楽。お前はいつも俺の事を「舞子様」と呼び俺の命令とあらば5秒で焼きそばパンを買ってくるそういう奴だったんだぜ?」

「そうだぞ楽。お前は俺の事を「貴一様」と呼び命令のたび40秒で支度してメロンパンを買ってくる奴だったんだぜ?」

「ただのパシリじゃないですか!」

「「「「この状況で話を盛るな!!!」」」」

 

 

「しかし我々はともかく幼馴染の舞子集や恋人のお嬢まで忘れてしまうとは…。」

「え…恋人…僕には恋人がいるんですか?」

「うっ…」

「そうだぞ一条楽!貴様はこの桐崎千棘お嬢と昨年から交際していてそれはまあ仲睦ましい間柄だったのだ!」

「ちょ、つぐみ!」

「え…そんな、なんだかとても嬉しいです。こんなにきれいで可愛い方が僕の恋人だったなんて…。」

「ブッハッッ、ちょ、お腹痛い!限界や!」

「貴一さん空気を読んでくださいまし。」

「いや、だってさあ、ねえ?」

「ねえ?って言われても分かりませんわ!」

「勘の悪いがきは嫌いだよ…。」

「なんなのですの!」

 

 

それから純粋な楽さんはストレートに桐崎さんのことを褒めちぎり桐崎さんは顔を真っ赤にしてた。なんというかすごい顔をしていた、言ったら殴られそうなので黙っておこう。

 

「貴一さん!私も空気読んで行ってきますわ!」

「ああ、行ってこい!」

 

そう言って楽のとこに駆け寄る万里花。

 

「あの、私のことやっぱり思い出せませんか?」

「えっと、橘さんだっけ?すみません本当に何も…僕とは一体どういった間柄で…。」

「婚約者でございます!」

「違うだろっ!あれ、そうだったけかな。初期設定忘れてたわ。」

「なんですの初期設定って。」

「いやこっちの話。」

「変な貴一さん。まあ本当は…。」

「変な万里花だな。いや最初からか。」

「ひどいですわ!」

 

 

「二股じゃないですか僕…。」

「まあ若いうちはいろいろあるさ、知らんけど。」

「えーーー、僕って女性を弄ぶようなひどい男だったのでしょうか?」

「あ、いや…。」

「まあクズ野郎ではあったよね。」

「「言った!!さすがるりちゃん!!」」

「「俺たちに出来ないことを平然とやってのけるッ!そこに痺れる!あこがれ」

「言わせませんわ!!」

「「グハッ!!」」

「もうほとんど言い掛けてたじゃんか万里花よ。」

「あーあ、グダグダだよ万里花ちゃん。」

 

 

「大丈夫だよ。一条君はそんなひどい人ではないから。」

「ありがとうございます。」

「あの…まさか僕あなたにまで手を出したりとかしてないですよね?」

「へっ!?手を…!?そそそそそんな、そんなことある訳…」

「僕あなたに何したんですか!?僕って一体…なんだか怖くなってきました。そういえば僕の家ってどこなんでしょう?」

 

 

それから、楽の家がヤクザだと知ったらどう思うのか、卒倒してしまうのではとのことで。また記憶喪失が知れて大騒動になることを考慮して桐崎さんの家で一旦泊まることに。

 

あと、鶫が男性だと勘違いされていたみたいで爆笑してしまい銃弾がこちらに飛んできたりしたが気にしないことにするよ。

 

 

みんなと別れを告げ、今は帰り道。

 

「全くとんでもないことになったな。」

「そうですわね。」

「で、いつまで着いて来るの?」

「いつまでもですわ!」

「ドキッ!」

「なぜそれを口にした!」

「どうした万里花。」

「いえ、なんでもないですわ。」

「で、いつまでよ?」

「貴一さんの家までですわ。」

「またかよ。帰りにスーパー寄るから。」

「はーい、今日の夕食は?」

「ハンバー」

「グー!」ドスッ。

「おいおい、お腹にいいものもらっちまったよ。」

「乙女の照れ隠しですわ。」

「なにそれこわい。泊まっていくの?」

「ええ。」

「まあ乾燥機も近くにあるし洗濯物は問題ないか。」

「ですわね。なんか慣れてしまいましたわね。」

「習慣っておそろしいな。」

 

 

スーパーに入りかごを持ってそこに食材をほいほい入れる万里花。

おま、奥さんかよっ!とは口には出さない。

もしや冷蔵庫の中身まで把握しているのだろうか、まさかね。

 

それにしても楽の奴大丈夫かな。元に戻るか心配ではあるがなんとかなるだろうと難しく考えるのをやめた、いや違う。

 

そして考えるのをやめた!

 

 




とりあえずここまで。

よし!新巻買いに行ってきますか。

感想、批評お待ちしております。

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