2度目の高校生活   作:くるぶしおかか

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こんばんは。
今週のニセコイを呼んでラピュタを思い返し
ついラピュタを久しぶりに観ることに。
やっぱりおもしろいよなー、3分も待ってあげるムスカ氏マジ紳士!

関係ないですけど、
ちなみに好きな女性ジブリキャラはキキです。

すみません。
では、続きです。
感想、批評お待ちしております。



37話

盗んだバイクで走りだす、

 

自由になれた気がした15の夜。

 

つい唐突に口ずさんでしまった16歳の私。

 

ようやく3学期も終わり、春休みに突入し室内にて外泊用の荷物をリュックサックに整理して詰め込み玄関の扉を開く。

 

これから県外に行き合宿免許に向かうのだ。急遽思いつきで取ろうと思った中型免許。かつても免許を取っていてバイクで時々ツーリングをしていた懐かしい記憶があったのでおもわず取りたくなったのだ。

 

 

改札を潜り電車に乗り目的地に向かう。3時間程かかるらしいのでちょっと仮眠をとりながらガタンゴトンと揺れながら到着まで過ごすのだった。

 

合宿場所は海が近く、泊まる所は温泉旅館で広い浴場があるらしいのだ。実は温泉目当てでこの合宿に応募したのである。ちなみに1人部屋で最短5日で終わりの予定だ。

まあ学科のスケジュールもみっちり詰みこまれており睡魔に襲われること間違いなしだ。

あんまおもろくないんだよなあ学科の授業って。なんか今更感あるし、一応起きていないといけないのがしんどいところだな。でも実技は大好きだ。やはり理論よりも実践だ!単純に乗り回したいのだ!

 

ということで合宿場所に到着し同じ合宿免許を受ける人数を見回してみると男女合わせて10人前後と少ないみたいだな。見た限り大学生が多いな。高校生ははたしてどれくらいいるのだろうか。その中はほとんどが車の免許を取りに来た人で中型バイクは自分ともう1人の男の子だけだった。

 

「君もバイクの免許取りに来たの?」

 

そう声をかけてきた人はなんというか中性的というか女性と見間違うような顔立ちで線が細くあどけなさを感じる短髪でイケメンの黒髪の少年だった。あとなんか全体的に服装が黒!黒が好きなのだろうか。俺も黒好きだよ。

 

「そうそう、中免だよ。あ、俺二見貴一。よろしく。」

「よろしくな。俺は桐ヶ谷和也だ。二見君は年いくつ?」

「16でまだ高1です。桐ヶ谷さんは?」

「俺も高1!タメだったんだね。あと和也でいいよ。」

「じゃあ和也で。そっちも貴一でいいから。」

「あいよー、貴一よろしくなあ。免許さっさ取れるようにがんばろうな!」

「まあ楽勝かな。」

「へー自信あるんだな。」

「まあなんとかなるかなと。」

「曖昧かよ。せっかくだし今日の実技終わったら遊ぼうぜ。」

「いいねぇ、和也も県外組だよな?」

「まあな。せやからここらへんよくわからないし散策しようぜ。」

「それ乗った!楽しそうだし。いやー良かったよ。知ってる人なんていないからね。それに1人じゃつまんないしな。」

「俺も免許だけ取れればいいと思ってたけど折角来たから楽しまないと損だしな。」

 

そして初日の学科と実技をこなし、まあ前にしたことを繰りかえすだけだし実技もなんなくこなすのであった。でもやっぱり実際乗ってみると懐かしいというか気持ち良いというか風を切るのが心地よいな。

ようやく今日の教習も終わり、和也と共に周辺を散策することに。海沿いにあるので磯の良い香りが鼻孔にくすぐるなあ。プランクトンの死骸の匂いだっけな、知らんけども。

 

「へー、ここにコンビニがあるわけね。」

「ここらへん結構田舎だよな。」

「確かにな。でもまあこういうの嫌いじゃないぜ。」

「ハハ、なんだそれ。貴一も泊まるところ1人部屋?」

「まあな。あとで和也の部屋教えてよ、つまみ持っていくから。」

「良いねえそれ。俺、ゲーム持って来てるから勝負しようぜ!」

「ほう、ゲームですか。受けてたちましょうその勝負。」

 

それから周囲のお店や商店街などを見て周り途中にあったバッティングセンターで軽く汗を流したりした。すっかり和也とも打ち解けて楽しい合宿が始まりそうで内心とてもワクワクしているのであった。

 

散策したあと合宿場所に戻り夕食を食べに行く事に。食券が配布されていて料理のメニューは決まっていてごはんなどおかわり自由みたいな感じだ。もちろん和也と同じテーブルで夕食を食べている。

 

「「いただきます。」」

 

うん、料理に関してもバランスがよく美味しいな。やるではないか温泉旅館よ。

夕食を食べ終え一度お互い部屋に戻り荷物など整理することに。

あとでお風呂にいこう、温泉楽しみだなあ、サウナ好きなんだよなあなんて考えたりしていると部屋の戸からノック音が聞こえてきた。扉を開けると和也がやってきて一緒に温泉に行く事に。

 

「温泉楽しみやわあ。」

「あー、俺も同感。」

「俺1人暮らししてるんやけど最近シャワーで済ましてたからおもいっきり足伸ばせるの久々なんだよね。」

「それわかるわあ。温泉なんて普段利用しないもんな。」

 

暖簾をくぐりお互いスッポンポンポコポンポコリンになりお風呂に入る事に。和也の姿はなんていうかひょろかった、もやしみたいな。あとローキックしたら骨折れんじゃね?ってくらいの体格だった。

俺のショルダータックル一発で沈めれそうだななんて考えていた。もちろん身体と髪を洗ってから浴槽に入っていく。室内と室外にもお風呂がありかなり広かった。ここで五日過ごす訳か。んふふ、悪かねえぜ。そしてゆっくりと二人、湯船に身体をつけていく。

 

「くぅ~~~あふ~~~!」

「かぁ~~~っつ!」

「「あったまる~」」

「疲れが一気に抜けていくな。生き返るわ。」

「おじいさんかよ。でもまあ気持ちは分かるけども。」

「なんていうか和也ってひょろいよな。ご飯食べてるか?」

「食べてるよ、まあ帰宅部やし運動あまりしてないんだよね。貴一は?」

「俺も帰宅部。なんか部活とかやる気起きないんだよね。スポーツは得意やけど。」

「へ~、前はスポーツとかなんかやってたん?」

「水泳と野球かな。これくらいかな。和也は?」

「俺は剣道かな。小学生までだけど。」

「へー、でもやめたのか。何で?」

「まあしいていうならネトゲに嵌ったからかな。」

「ぷぷっ。なんだよそれ。でもネトゲも確かにおもろいわな。」

「だろ?貴一は帰宅部ってことやけどなんか他にしてないの?」

「そうやなー、ギターを時々練習してるくらいかな。あとはバイトとか。」

「なるほどなー、彼女とかはいないの?」

「おらんなー、和也は?」

「いるけど。」

「ふぁ!?マジか。」

「マジだぜ。」

「タメ?」

「年上。」

「か~~~年上かぁ。あー、なんか和也は尻に敷かれてそうやわ。それに年上に好かれそうな感じするな。」

「そうかなあ、貴一はしっかりしてそうやから年下に頼られそうな感じするな。」

「ほう…、なかなか見る眼ありますな旦那ぁ。」

「なんか上からだねえ。」

「リア充の和也には負けるけども。あとで彼女の写真とか見せてよ。」

「いいよー。貴一も仲良い女の子の写真とか見せろよー。」

「しゃあなしなー。」

「本当に可愛い子らだからね、期待していいで。」

「ハードル上げて来るなあ、貴一は。」

 

なんて雑談をしながら室内、室外、サウナなどゆっくりと周るのであった。

 

「いい湯だったなあ。」

「だな、リラックスできたわマジで。」

 

風呂上りはやっぱりコーヒー牛乳だよね。自販機で売ってあるあの瓶のタイプのやつ。あれめっちゃ美味いんだよ、お風呂上りの一杯は最高だぜ。

 

「「やっぱりお風呂上りは」」

「「ムサシノ牛乳!!」」

「まあ俺はコーヒー牛乳だけどな。」

「まあそういう俺もだけど。」

 

ゴクゴクと喉を鳴らしながら一気にコーヒー牛乳を流し込む。うむ、うまい、うますぎだ。この満足感。お風呂上りってなんでこんなに美味しく感じるのだろうか。

 

「「うめえ~~~」」

 

コーヒー牛乳を飲み終え、ドライヤーで髪を乾かせる。髪が濡れたまま寝るなんて言語道断。なんせ髪を傷めてしまうからね。かつて若い頃は気にしなかったが大人になると髪の毛に関して思いやりが出てくるので日々のケアも欠かさなくなってくるのだ。あれなぜだろう、なぜか悲しい気持ちになったが考えるのはよしておこうと思う、自分のために。

 

旅館内のコインランドリーで和也の着替えと一緒にコインランドリーで洗濯、乾燥と済ませていく。まだ量が少なかったので一緒でいいやという感じで割り勘にするのであった。

この待ち時間に先ほどの話の続きをしようかと思う。

 

「それでは和也の彼女とやらの写真を見せてもらおうか。」

「なんだその口調は。はいよーこの女の子の中の茶髪の髪が長い子が彼女ね。」

 

そう見せてもらった写真には真ん中が和也でその周りにそばかすがちょっとある活発そうな可愛い女の子と小動物のようなおもわず抱きしめたくなるよな愛くるしい女の子と綺麗な長い茶髪の美人な女の人の3人が周りを囲んでおり、写真の隅の方にダンディなおっさんとちょっとむさ苦しそうなおっさんが映っていた。

 

「これ、なんてハーレム。」

「突然何言ってんだよ、貴一。」

「で、どいつが正妻だっけ?」

「正妻って、何言ってんだよ。この子が彼女さ。」

「そりゃわかるけどさ、ひとついいかな?」

「ん?どうした?」

「一発だけ殴っていいかな?大丈夫!痛くしないから!」

「やだよ!てかなんでだよ!」

「ハーレム野郎は撲滅しないといけないような気がしたようなしなかったような。」

「理不尽だ…。貴一も写真見せろよな。」

「て言っても彼女とかじゃないからな?これだけど。」

 

こないだ家に3人が泊まったときに写真を撮っていたので、その時の写真を見せた。

「へー、みんなめっちゃ可愛いじゃんか!」

「お前には絶対やらんからな。」

「大丈夫だよ!てか失礼だなおい。」

「俺たちの仲だろ?遠慮はいらないさ。」

「今日が初対面なんだけどな、あれおかしいのは自分?」

「まあそういうことだ。いやー和也のリア充っぷりがやばいわ、こりゃ敵だわ。」

「はやくも友情崩壊かよ。この写真の部屋ってもしかして貴一の部屋?」

「まあねい。」

「女の子3人泊めるとか半端ないじゃん貴一もさ。」

「やっぱりそうなんかなあ。」

「お前もリア充だよ、かなり。」

「和也に言われてもなんも響かねーな。」

「おいおい。」

「この子らってどうやって知り合ったの?同じ学校とか?」

「まあね、きっかけはネトゲだけど。」

「ネトゲ半端ないなおい!」

「貴一の写真の子達はどんなつながりなの?」

「クラスメイトとナンパに絡まれていて助けた子とその友達かな。」

「へ~、貴一がナンパした子達じゃないんだね。」

「俺のことどういう風に見てんだよ和也さんよー。」

「あはは、どうなんだろーね。」

「まあいいけどさ。ちなみに彼女の名前はどんなんなん?」

「気になりますかあ、お眼が高いですなあ。えっとね、明日奈さ。」

「!?なるほどなるほど。うらやましい限りですわ。」

「貴一もすぐ彼女出来そうやけどな。」

「出来たらいいけどな。それで、この子とはどこまでいったの?」

「え!?」

「男子高校生の会話って結局こうなると思うんだよね。で、どこまでよ。アワビの踊り食いかな?」

「アワビ!?いや、わかんねーよそれ。まあキスはしたよ。」

「キスは??栗拾いは?」

「だからわかんねーよ。」

「これだからお子ちゃまは。」

「なんか腹立つな。そういう貴一は経験あるのかよ?」

「ないけど?」

「ないのかよっ!!」

 

そういうくだらないやり取りをしながら格闘ゲームやサッカーのゲームを一緒にやったりして腹いせにボコッてあげました。僕ね、つい熱くなると手加減出来なくなるんだよね。

 

結構な時間和也の部屋で騒いだ後自分の部屋に戻り歯磨きをしてベッドに寝転がると今日は移動の疲れなどがあったせいかいつもより早く夢の世界に飛び立っていくのだった。

 

 

「かもしれない運転でいけ。」

そう発するのは自分の担当教官のおっさんだ。

「いいか、何事もかもしれないと身構えておくと万が一のときも対応できるのさ。」

「もしかしたら50キロ以下まで速度を落とすと爆発する爆弾をどこかのテロリストが仕掛けてかもしれない。」

「二見君。いや、テロリストどこだよ!あと、そのかもしれないは全然かもしれないじゃないよね。」

「もしかしたら、あのS字クランクの下に実は血がつながっていない父親と娘の家族のモグラがいるかもしれない。」

「桐ヶ谷君も違うよね。そんな物語はいらないよね。君たちあれだよね本当仲良いね、実は知り合いとか?」

「いえ、昨日が初対面です。」

「そうかい。まあ心がけが大切なの。もしかしたら急な飛び出しとかあるかもしれない、そういった意識を持つことで事故も減らせると思うんだよ。」

「「へ~~」」

「へ~~じゃないよ!とりあえず実技やるからね、ハリー!」

 

そしてようやく始まった実技。余裕のよっちゃん過ぎて時間を持て余すわ。さてどうしましょうかねえ。

 

「二見君は要領いいね、もう教える事ないね。」

「マジですか、免許皆伝ですか!」

「うん、それはちょっと違うかな。お!桐ヶ谷くんも筋がいいね。」

「「もちろんです、プロですから。」」

「なんなのこの子たち。」

 

実技も教習内を走りまわりカーブやクランク、坂道、踏み切り、コーンの間のすり抜けなど一通りお互いこなして終えるのだった。

楽しい時間もいつの間にか流れて、眠たい学科の授業もなんとか起きて滞りなく終わり、仮免、卒研ともに楽勝で終わらせた二人だった。

最後は自分の住む県の免許センターでの学科試験取れば免許交付だな。

 

 

「いやー短かったけど楽しい5日間だったわ。」

「そうだな、楽しかったよ本当。」

「今更だけど、連絡先交換しようぜ。」

「マジで今更だよな、てか交換してなかったのか。忘れてたよ。」

「お互い住む県違うけど寄るときあれば友達紹介するよ。」

「マジ!?じゃあ和也の妹紹介してよ。」

「まさかの妹かよ。まあ話してみて許可が下りればって感じかな。」

 

そう、和也には可愛い妹が1人いたのだ。しかも巨乳という。そこに惹かれた訳じゃないからな、違うよ?つい二度も言ってしまった。

 

「彼女ら連れてそっちに遊びに行く事があったらいろいろ案内してよ。」

「もちろんいいぜ。いい所たくさんあるから案内するわ!」

「「ハハハハ!」」

「次はお互いバイクに乗ってツーリングとかもありだな。」

「それいいね!楽しそうだ!」

「「んじゃ…」」

「元気でな!また会おう!」

「おう!またな!!」

 

こうしてお互いの本拠地に戻るのであった。旅はきまぐれ、いやあ友達できてよかったよ本当に。この5日間はあっという間で、馬鹿やってはしゃいだり男同士のくだらないやり取りやエロネタなど語り合った想い出は記憶におそらく残っていくだろう。

彼女持ちはうらやましいなと、しみじみと感じながら改札を潜り電車に乗り込むのだった。

戻って次の日に免許センターで試験をクリアし免許を入手するのであった。

 

 

「やっぱ免許証の写真の写り変だよな。」

次、免許の更新をする時は顔も変わっているのだろうか、成長期はまだ続くのかどうか期待に胸を膨らませながら眠りにつくのだった。

 




とりあえずバイク回、休憩会でした。
次こそはいろいろキャラを動かしていきたいと思うのであった。

おやすみなさい。

感想、批評お待ちしております。

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