2度目の高校生活   作:くるぶしおかか

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いやー今日は暑いですな。
いいランニング日和です。
お腹の肉が気になり始めジムに通っております。

肉体改造計画2015ですね。

それでは続きです。
感想、批評お待ちしております。


35話

普段のいつも通りの学校。もう大分慣れたものだな、習慣というものは。

初めの頃は校舎が広すぎたので迷ったり、どこにこんなお金がかかっているのか設備の充実さに驚嘆したものだ。ピカピカで快適すぎるんだよなあ。

 

万里花と二人並んで教室に入り、それぞれの席に座る。まあこいつとは隣同士なのだが。

 

「ありゃりゃ?今日は二人一緒に登校かい?」

「ああ、集か。まあ成り行きでな。」

「成り行きですわね。」

「ん?」

「どうした集?」

「いや、なんか雰囲気変わったなって。」

「いやわかんねーよ、お前ニュータイプなのか?」

「さあ?」

「あ、楽さんが来ましたわ。ちょっと行ってきますね。」

「はいよー、いってらぁ。」

「なんか万里花ちゃん変わったような。」

「なんだそれ、女になったとでも?」

「元々女じゃん。」

「そういう意味じゃないっすよー集さん。」

「なにその顔イラっとするな。」

 

ホームルームが始まるまで集と無駄に無断しかない雑談に興じるのであった。

 

そしてそのまま普段のいつも通りの学校を過ごすのであった。昼休みに入り、今日は弁当を作ってなかったので学食に食べに行く事に。

 

ちなみに横を歩くのは集と楽だ。楽さんなんか久しぶりな気がしたぜ。万里花はどうしたかだって?なんか女子陣でご飯食べていきますわ、だとさ。

二人は弁当なので先に席を取ってもらうことに。今日のメニューはどうしようかな、お?カツドゥーンにしよう、美味いんだよねこの溶き卵が良いんだよなあ。あとネギかな。昼はがっつり食べたいからね!

 

「わりい待たせたな。」

「いいよいいよ。」

「それじゃあ食べようぜ!」

「「「いただきます。」」」

 

くーー、ご飯が進むぜ。学食もたまにはいいものだな。学食のおばちゃん良い仕事するじゃなあないか。

 

「最近、楽どうよ?小野寺とは。」

「ぶっ!!いきなりなんだよおい。」

「おいおい水を噴出すなよ。俺じゃなかったら当たってたぞ?」

「当たってなかったんだな。」

「反射神経には自信あるからな。」

「出たな無駄な高スペック。」

「無駄いうなし。」

「それで、小野寺とはどうよ?」

「いやまあ普通だよ、いつもどおり。」

「ふーん、桐崎さんとは?」

「まあ。いつも通りかな。」

「なんだつまんねーの、ないのラッキースケベとかさ?」

「ねえよ!」

「転んで胸を触ったり揉んだり、股間に顔をダイブしてフゴフゴしたり、着替えの途中を遭遇したりとかないわけ?」

「あとは風でスカートの中が見えるとか?」

「さすが集、わかってるね。」

「当然っすよ貴一の旦那ぁ。」

「「で、どうなの?」」

「ねえよ!」

「「ちぇっ」」

「そういう貴一はどうなんだよ。」

「俺かーー、ラッキースケベはないけどまあいろいろあったかな。」

「く~~うやらましいなちくしょう。」

「爆発しろよ。」

「おいおい、お前ら嫉妬すんなよな。」

「「うぜえ。」」

「なんか今日橘が放課後に時間取れますかって言われたんだけど、貴一は何か心当たりあるか?」

「うーん、ないなあ。いやそれ俺に聞くのかい?」

「だって貴一よ、橘と普段結構一緒にいるじゃん?」

「確かにそうだよな。」

「気にした事なかったわ。まあ席が隣だからみたいな?」

「だから一体何なのかなーって。」

「まあいつもの楽様~~~ってやつだろ。」

「他人事だな。」

「そりゃそうよ。あいつはあいつ、俺は俺。みたいな?」

「まあ、そうなんだけどよ。」

「全く周りの奴は恋愛脳だから困るぜ。学生の本分は勉強だぜ?」

「いやそうだけど貴一には言われたくないような。」

「おいおい俺の成績知ってるだろ?どやあ。」

「いや、どやあって口にすんなよ。」

「結果は出してるからな余計腹立つな貴一は。彼女とか作らないの?」

「作らないじゃなくて作れないの。そこを履き違えるなよ楽よ、じゃないと死ぬぜ?」

「おいおい物騒だな。」

「楽の家ほどじゃねえよ。」

「確かにな。」

「言い返せねえな。」

「今更なこと聞いていいか楽。」

「ん?いいけどどうした?」

「お前らさ偽の恋人演じてるけどさ俺の眼から見るとひどいものだったぞ。」

「まあそれには同意するわ。」

「え!?そんなにか!?」

「「ああ。」」

「あれで通用するなんてヤクザとギャングちょろすぎて草生えるわ。」

「草は生えねえよ。」

「でもさ偽の恋人だからってデートとかしてんだろ?」

「まあ定期的にそうしてるかな、怪しまれないようにってだけどな。」

「ふーん、でもまんざらでもないって感じ?」

「ほうほうどうなんですかね楽さんよ~。」

「ぐいぐい来るなお前ら。いや、そんなんじゃねえよ。俺、小野寺のことが好きだし。いや、でもあいつも、可愛げがなくて、がさつで暴力ゴリラ女だけどいいところもあるというか。嫌いではないけどよ。」

「じゃあ好きってことか?」

「ちげぇよ!」

「だって嫌いじゃないんだろ?じゃあ好きってことじゃん。」

「いや、そういうことではなくてだな。」

「はっきりしねーなー。どう思うよめがね?」

「めがねだけども!まあお年頃というやつだろ。」

「めんどくせーな、それ。」

「くそっ、お前ら好き勝手言いやがって。」

「まあ悩めや若人よ。」

「同じ年だよね!?」

 

それからは好きな女子アナの話をしたり透明人間になったらまず何をするかなど、くだらない話のやり取りをしていた。こういうの嫌いじゃないぜ。

「透明人間になったらどうするか…か。」

「まあ答えは決まってるだろう。だがその前に確認することがあるな。そうだろ集?」

「ああ。透明になるのは自分の身体だけの場合、衣服を着ていると服が宙に浮いている事になる。ここまではいいか?」

「「ああ。」」

「それだと怪しまれるわけだ。つまり透明人間として行くには全裸で向かわないといけないわけだ。これはむっちゃ恥ずかしい、全裸で街中を歩くだぞ、冬とか死ぬぞ。それでな…」。

「「ごくりんこ…。」」

「誰からにも見られない、それがわかっていても恥ずかしいだろう。そして覗きをするだろう。だが気付くのだ。誰からも認識されないことの辛さを。一時の欲望で暴走した挙句、後に来る賢者タイムが訪れるのは必然なのだ!!」

「お、おう…。」

「だから改めて説きたい、透明人間になったらまず何をするか!」

「「「………」」」

「「「覗きだな。」」」

「だよなーー。」

「とりあえず生中!って感じだよな。」

「フィクションだしまじめに考えるだけ無駄だしな。とりあえず覗きだよな。」

「ばれないかドキドキ感はないけどな。」

「リスクあったらやらねえよなあ。」

「割りに合わないよね。でもさちょっと見方を変えてみよう。」

「「ん?」」

「てか恋人が出来たら裸なんて見放題な訳だぞ。」

「「え!?」」

「おいおい当たり前の事言ってるだけだぞ。」

「高校生ならやっぱりそうなのかな。」

「時間はかかるだろうけどいつかはそうなるわけだよ。」

「マジか…。」

「小野寺の裸見てみたいと思わないのか?」

「見たい!!…あっ、今のなし!!」

「「ぷぷっ。」」

「正直者は嫌いじゃないぜ。」

「だよなー普通そうだよなー。」

「良かったよ、楽もちゃんと男の子じゃないか。」

「お前ら何目線なんだよ。」

「桐崎さんの裸も見たい?」

「見た、…んぐっ!なんでもない。」

「ほほう…。」

「にやにや…。」

「お前らその顔やめろーー!」

「誠士郎ちゃんはどうよ楽―。」

「見てぇ!あーくそっ、俺の馬鹿!」

「確かにみたいよな誠士郎は。」

「あれはすごいだろうな。」

「「あぁ。」」

「こんなの聞かれたらどうなるかわかったもんじゃねーな。」

「間違いなく死ぬな。」

 

 

そして授業を終え放課後になり、家に帰ろうかと席を立つ。隣の万里花を見ると、

「じゃあ、またねですわ。貴一さん。」

「ああ、じゃあな。また明日。」

万里花と挨拶をして、校門をくぐり帰りにスーパーの特売に駆り出すのであった。今日は卵は安いんだよなー。

 

 

 

授業終わりに、貴一さんと別れを告げこれから楽さんと会う。これからすることは私なりの決断だ。楽さんに声をかけ屋上に向かって足を運ぶ事に。

放課後の校舎、家に帰る生徒が校門をよく通っていて騒がしいが、屋上は妙な静けさが漂っている。

「今日は突然すいません、楽さん。」

「いや、良いけどさ急にどうしたんだ?」

「はい、あのですね楽さんに話しておかなければならないことがありまして。」

「橘が俺に?一体なんだろうな。」

「実は私、好きな人が出来ましたの。」

「え!?えーー!?」

「自分勝手な女だと思っても仕方ないと思います。ずっと楽さんのことを想っていましたから。私の人生を変えてくれた恩人であることは変わらないですし、楽さんも私にとって大事な人です!ですが、愛する人ができたのです!その気持ちに偽りはありません。楽さんには申し訳ないですが、これが私なりのけじめだと楽さんにはまず伝えておかなければと思いまして!」

「そうか、そうなんだな。もしかしてその相手って貴一か?」

「違いますわっ!」

 

 

違いませんけどねっ。

 

 

「マジか!一体誰なんだろう気になるなぁ…。」

 

そう言って頭を抱えて考え込んでいる楽さん。楽さんは鈍感ですからね、きっとわからないでしょうね。

 

「楽さんは桐崎さんとは偽の恋人を演じられてるんですよね?」

「え!?橘に話したっけそれ。」

「貴一さんが言っていましたわ。でも言われる前に気付いておりました。」

「やっぱり変ってわかるのかな?」

「ええ、女の子なら特に。」

「それに、本当は小野寺さんのことが好きなんですよね?」

「え!?えーーー!?」

「やっぱりですわね。」

「貴一から聞いたのか?」

「いえ、これも女の勘ですわ。」

「参ったなこりゃ。」

「まあ小野寺さんもかなり恋愛に関しては鈍そうですからね大変だと思いますよ?」

「んぐっ、まあがんばるよ。」

「ええ。楽さんのこと想い続けてよかったですわ。今までありがとうございました。」

「何言ってんだよ、これからもずっと友達だろ?」

「ふふっ。ええ、そうですわね。これからもよろしくお願いしますね。お互い好きな人とうまくいけるように頑張りましょうね。」

「そおだな!なんか頑張れそうな気がしてきたよ。でも気になるなあ橘が好きになった奴。」

「ふふっ、詮索は野暮ですわよ?」

「わ、わかったよ。くそーーーーやっぱ気になるーーーー!!」

「ぷぷっ、変な楽さん。それに実は桐崎さんのこともなんだかんだ気になっているのでしょう?」

「え!?な、なんでもお見通しかよ。」

「なんでもは知りませんわ、知ってることだけ知っているの。」

「クハハッ、なんだよそれ。」

「貴一さんがよく言う台詞ですわ!」

「聞いたことないな!ククっ。」

「二人の事真剣に考えた方がいいと思いますよ。きっと、それが楽さんにとって大事なことだと思います。」

「そっか、そうだよな。そうすることにしてみるわ!ありがとな橘!」

「いえ。今日はありがとうございました。」

「いや俺も。今までこうしてちゃんと橘と向き合えてなかったって思ったよ。好意に甘んじていたところがあったと思う。」

「ふふっ、楽さんは鈍いところはありますが本当に優しくてかっこいいですよ。きっとそれはお二人も思っていると思いますよ。だから楽さんは自分のしたいようにするべきだとおもいますわ。」

 

 

 

「ふふっ」「ハハハ!」

 

楽さんのことを好きになったから気づいた事がたくさんある。その想いがきっかけで、こうして貴一さんに会えたし気持ちに気付いたのだから。

運命だとかそんな言葉はあまり使いたくありませんがきっとこれは運命の導き、巡り合わせだなんて思ったり。

いつからこんなにロマンチストになってしまったのだろうか。

良い影響も悪い影響も与える貴一さん。

可愛い後輩にいらない知識を植え付けたりして、せっかく穢れのない綺麗な可愛い子たちなのだから悪い意味で染まってほしくないものですわ。

そういう部分を含めて好きになってしまった、愛してしまったのだから惚れたら負けという言葉が妙に心にズンと響くのであった。

 

 

 

これで気持ちの整理が出来ましたわ。お互いの恋が実ればいいのですけどね。

結果はどうなるかはわからない、でもいつか隣を歩くのは私でありたい、

欲を持ったっていいじゃない、だって人間だもの。

 

このことを小野寺さんや桐崎さんに話すべきだろう。もちろん鶫さんや宮本さんにも。

びっくりするだろうなあ、宮本さんならなんかそういう感じがしたのよねとか言いそうですわね。

ふふっ、少し大人になったような気がしますわ。

あの人なら、何言ってんの?馬鹿なの?とか変な顔して言うのでしょうね。

理不尽とは思いますが一回どつきたくなりましたわ。

 

良い女性であれと常々考えておりましたが、ついつい素で接してしまうんですよね。最近はドキドキしてこっちが振り回されてばっかりですが。

今度は桐崎さん達と女子会でもしたいですわね。いえ、しましょう。

 

そう考えながら楽さんと別れを告げ。屋上の扉を開き家に帰るのであった。

 

 

「橘に好きな人がかぁ…一体どんな奴なんだろうな。くそーーー気になるな!落ち着け、俺は小野寺が好きなんだぞ。なに迷ってやがる。あーーーーなんだろうこの感情は!」

 

そうやって悶える少年が1人屋上にいたそうな。

 




とりあえずここまで。 
これから春休みに入り学年が変わればいいのですが
時間は中々進まないんですよね。
書くのは楽しいですけどね。



感想、批評お待ちしております。

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