2度目の高校生活   作:くるぶしおかか

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どうもこんばんは。
ダークネスアニメ最終話を見て元気がみなぎってきた二見です。

更新が遅れましたが続きです!

感想、批評お待ちしております。


31話

「さて、本日の夕食は私二見貴一と」

「私、橘万里花の二人でお送りします。ってなんですかこれ!」

「こういうのはね雰囲気が大事なのだよ橘君。」

「いや意味わからないですし、…まあ仕方ないですね、ノッてあげますわ。」

「なんだかんだノリいいよね、橘って。そういうとこ嫌いじゃないぜ。」

「はいはいどうもです。コホン。…さて二見さん今日は何を作られるのでしょうか?」

「はい、出来上がりはこちらになります。」

「って違いますわ!順序めちゃくちゃじゃないですか!」

「冗談ですよー、ということで本日のメニューは白だし豆乳鍋になります。」

「おっ、これはまた女性に人気のヘルシーメニューですね!」

「これ好きなんですよ、私。」

「私も好きですわ!美容効果がありますもんね!」

「ええ!豆乳にはビタミンBが豊富ですからね。身体の代謝を高め皮膚や粘膜を正常に保つのに必要不可欠なビタミンですからね。これが不足すると肌荒れの原因になるんです。」

「詳しいのですね貴一さん。」

「二見先生と呼びなさいお嬢さん。」

「なんなんですのこの茶番は。」

「もうちょっと付き合ってね。あとビタミンEは抗酸化作用があり美肌には必須。血行をよくして美肌作り、肩こりに効果がありホルモンの分泌を盛んにして若返りを促進するそうです。」

「若返りって私まだ10代なんですけど。」

「というわけで調理の方に移っていきましょう。」

「無視ですの!?怒りますよ!?」

「材料はこちらです!」

「いやそう言ってもわからないでしょう!」

「鶏肉が結構使われるそうなのですが個人的に豚肉の方が好きなんでそっちにします。スープはまあ豆乳、水、酒、味噌、中華スープの元、すりごま、最後に豆板醤を混ぜて作ります。」

「口調は統一しましょう。」

「ちょっと黙っててお嬢さん。具材は豚肉、白菜、豆腐、ネギ、えのき、しめじ、しらたきですね。」

「鍋って簡単に作れますし野菜をたくさん取れていいですよね。」

「だよねー、特に白菜うめえ。」

「あれ、もう茶番は終わりですか?」

「うん、もう満足。腹減ったし早く食いたいぜ!」

「ですね!良い匂い。美肌効果で更に綺麗になりますね私!」

「もう充分綺麗だっつうの。」

「え!?ちょっと待って今何て言いました?」

「いや、なんでもない。」

「このこのー、何て言ったのかな?うりうりー。」

 

肘でお腹をつつくこの女。こいつめっ、うっかり口を滑らしたらすぐ調子に乗るのだから。事実ではあるけどイラっときますね。

 

「うるせえよ、ほら出来たから食べるぞ。」

「はーい!」

「「いただきます」」

「「うまっ!!」」

 

という訳で鍋をつつきながら映画を見ることに。ちなみにアクション映画である。どんな映画かというと身長190センチ、髪は茶、筋肉モリモリマッチョマンの変態が暴れまわる筋肉映画だ。肉体言語でなんでも解決!爽快アクションだ!

 

 

「もちろんですプロですから。」

「こわいかクソッタレ。当然ですわ!元グリーンベレーの私に勝てるとでも?」

「試してみるか?俺だって元コマンドーだ、フンっ!」

「「野郎オブクラッシャー!!」」

 

 

「いやあやっぱり名作だわ。」

「ストーリーがわかりやすくてアクション満載で痛快ですわね!」

「だな!よし、鍋の〆に麺を入れますか。」

「いいですわね!」

「溶き卵も入れて…。」

「うまかっ!!」

「何弁ですの?」

「さあ?」

「ぷぷっ、変な貴一さん。」

そして〆を平らげて、

「「ごちそうさまでした!」」

「あー食った食った。」

「美味しかったですわね、満腹ですわ!」

 

 

そして二人で分担して食器を洗いに台所へ向かう。洗剤で食器を洗うのは自分で、橘は洗った皿などを拭くように作業を分ける。こう一緒に食事を取るのはほんの数回だが随分とまあ自然になってきたなあとポツポツ思ったりしたのだった。

 

 

「今日のお風呂掃除は私がしますわ!」

「別にいいのに。」

「いえ今日はいろいろ手伝ってもらいましたから。私も少しは返したいと思いますし。」

「そっか。ならお願いするね。」

「ええ、まかせてください!」

ということで任せることに。働き者だねえと思いながら推理物の小説を読みながらホットのブラックコーヒーを口に含む。あ~落ち着くわぁ。カフェインが身に染みる。

 

 

風呂掃除を終えお湯を貯め、さて入ろうかということなのだが、

「貴一さんからお先にどうぞ。」

「ん?そっかあ、じゃあ一番風呂頂きぃ!」

「ふふっ、ごゆっくり。」

 

 

そう言って脱衣場に駆け込む二見さん。その後姿を見送りながらふと考える。

今日の恋愛映画を見た後に貴一さんに惹かれているのだと言った。

確かに私は10年前の楽様との出会いからずっと、いつか結婚を願って花嫁修業をしたり、好きの気持ちはずっと続いていました。

そして久しぶりの再会から楽様には彼女がいたり予想外なことがあって凹んだりしたこともありました。思い返せばその時は常にすぐ傍に貴一さんがいましたね。いつもそう。でも心地よい、いつに間にか私の心の中に入り込んできたのですね。

 

 

いえ、私の方から入りにいったのでしょう、悩んだり傷ついた私を見てもきっと受け入れてくれると思い込んで、そう甘えてしまったのでしょう。

おかしいですね、楽様にはこんな事出来なかったのに、良い自分を見てもらいたくて一生懸命になって、振り向いてもらいたかったんだよね。きっとあの人はそれを全部分かったうえで私に接してくれていたのだろう。

ああなんとまあ罪な女なのだろう私は。ありのままでいられる安心に身を委ねるなんて。不安にかられ安心を求める心の拠り所を求めていたのだから。

 

 

普通こうやって異性の家に泊まりにいかないでしょう。さっきから心の中は貴一さんのことばかり溢れてくる。楽様への想いがいつしか貴一さんに移り変わっていく、いや違う。これはきっと好きという感情なのだけれど何か違う、こう何か別の暖かい感情。

 

自分の弱い部分を見せれる信頼なのか。普段は私をからかって遊ぶにやにやした表情や時折わたわた慌てる可愛い表情、私を抱きしめてくれた時の優しい表情を愛おしく思ったり、いろんな感情が渦巻いてくる。

 

うまく言葉では言い表せないですわ。あれ、ちょっと待って。今愛しいと思った?もしかして恋を通り越して愛ですの!?いやいやないない!ないでしょう!うそ!さっきは貴方に惹かれていますなんて言って実はもう惚れてましたとか!なんだこれなんだこれ。

 

 

おかしいな。自覚すると以前お風呂に乱入したり頬にキスをしたりいろいろ大胆な事をしていたことを思い出す。その時の私は本当にどうかしてたと思う。まずいですわ、改めて今の状況がとても恥ずかしくなってきましたわ。

軽い女だと蔑まれるか。いえそれはないでしょう、すぐに答えが出てしまう、どんだけ全面的に信頼しているんですか私は!もうっ!自覚するだけでこんなに変わってしまうなんて。当の本人は今ふへーーぐへへーーって寛いでいるんですわ、なんですのこの気持ちは!なんか悔しいですわ。

 

 

「あーーあっがりましったあ!」

そう言って無邪気な笑顔を見せる貴一さん。あ、だめだ、顔を直視できない、ほんと私の馬鹿。

「どうした?顔背けて?」

そう言って両手で私の顔を横から包み込み顔を覗かれる。あーダメばい、顔が急激に熱くなってしまう。

「な、なんでもないですわっ!!」

照れ隠しのせいか、つい声を荒げてしまった。でもまあ、当の本人はツンデレ乙としか思っていないのだった。

 

「わ、私もお風呂行ってきますわっ!」

どうにかこの高ぶりを抑えるためにお風呂に使って精神統一をしようと思うのだった。

 

 

 

「あ、あがりましたわ。」

「疲れは取れたかい?」

「ええ、おかげさまで。」

「なら、良かった。」

と、指をくいくいとして正面に呼ぶ貴一さん。

「後ろ向いて。まだちょっと髪ぬれてるからタオルとドライヤーで乾かすから。」

 

そして優しくタオルで髪をふき、ドライヤーでゆっくりとあてていく。今まで普通に接していたのに今はかなりドキドキしている。心が持たないよぉ。

 

「どうした橘?そんな慌てて。」

「な、なんでもないですわ!」

「そう、なら良いけど。」

 

優しい手先で髪に触れる。改めて思ったのだけれど髪を触られるのって結構抵抗を感じたりするのだけれど、全然そう思ったことなんてなかったですわ。今更ですわね。

 

 

そして歯をみがき二人で一緒にベッドに入る。おい、何も言わずにすんなり入ってきたなこいつ。ベッドに二人隣で座り布団を上からかぶり一緒に包まり照明の電気を消してDVDを再生しにかかる。

 

「これでオッケーかな。では最後にホラー映画ですね。」

「ついに来ましたかホラー先輩」

「よしラスト一本行きましょう。」

ということで再生。

 

 

どういう映画かというとある家族がおりました。両親にこどもが一人の三人家族です。だがしかし父親がどういうわけか母親と子どもを殺しました。その殺された二人の怨念が、この家に訪れる人を次々と失踪させるというホラー映画です。特徴として真っ白な化粧をした男の子とすんげーこわいカヤコお母様がいろんな人に怨念を振りまき報われない話だった。

途中途中で恐いシーンも多く、その度隣にいる橘の叫び声が耳に響く。そしておもわず抱きしめてくるこの感触を満喫したりするのであった。まだ少し寒いせいか人肌の温かさが心地よいのであった。

関係ないが、正直貞子さんなら何とか戦えそうな気がするがカヤコさんには勝てる気が全くしないなと思うのであった。

 

 

「ま、まあまあ恐かったですわね。」

「へー、あんなにびっくりして抱きついてきたのに。」

「な!?」

「可愛いとこあんじゃん。」

「な!?にゃ!?」

「おいおいどうした橘。そんなに動揺して。」

「にゃんでもないですの!!」

「え、なに今噛んだの?プププー。」

「もお!やめてくださいまし!!」

 

そういって胸板をぽこぽこする橘。部屋が暗いのでその表情は良く見えないがたいそう顔を真っ赤にしていたようだ。

 

「もお貴一さん、あなたって人は本当に…。」

「どうしたんだよ橘、風呂はいってからいつもと様子が変だけど大丈夫か?」

「大丈夫ですわ!そ、そんな訳ないじゃないですか。」

「へー、言っておくけど俺鋭いからね。感受性高いから。」

「感受性て。」

「お前の考えてる事なんてお見通しさ。」

「な!?そ、そこまで言うなら言ってみてくださいな!」

「まあ、あれだろ。いつ胸を触られるかドキドキしてんだろ、違う?」

「違いますわ!」

「違うのかよー、女心ってわかんねーな。」

「ええ、そうでしょうとも!」

「暗くて顔あんまり見えないけどしたり顔が想像できるわ。」

「あら、よくわかりましたね。」

「ようやくいつものお前に戻ったか。」

「え!?」

「何気負ってるのか知らないけど俺はありのままのお前が見たいのさ。そして楽の前で良い女ぶって空回りするのを遠くから見て笑いたいんだよ。」

「前半だけで良かったですわ!後半は聞きたくなかった!」

「ま、ドンマイ。」

「んもうっ!!貴一さんっ!」

「くくくっ、あ、アハハハハ…お腹痛い。」

 

 

「全く、今更何を恥ずかしがってるのやら。」

「もうやめてくださいまし!」

「一緒にお風呂入った仲じゃないか、のうお嬢さんよ。」

「!?」

 

ボンっ!と効果音が着きそうなくらい顔がまるで沸騰しているような顔の橘。部屋が暗いのにわかるとはすごすぎる。

 

「全裸の男の所に入り込むなんてとんだ変態さんだね橘は。」

「ぐはっ!!その言い方は勘弁してほしいですわ。」

「そんなことしてたんだ、何を恥じることがある!まあまだ橘の全裸は見ていないわけだが。」

「見たいんですの?私のパーフェクトボディを!」

「まあ確かに見たいかも。中々そそる身体してんだよな。」

「どこのエロ親父ですか!」

「俺ほどピュアな奴はいないってのに。」

「いえ、かなり濁ってますね間違いなく。汚れてますね。」

「まあそんな事はどうでもいいのだけれど。」

「こいつめ。」

 

 

 

「なあ、橘。」

「なんですの?」

「ちょっとお願いがあるんだけどさ。」

「あなたがお願いだなんてどういう風の吹き回しですの。」

「そういう時もあるのさ、男の子だもんっ。」

「だもんはないですわ。」

「俺も思った。お願いってのは胸触るのはとりあえず諦めるから膝枕して欲しいんだけど。」

「それはまた意外ですね。」

「ちょっと膝枕というやつを満喫してみたいだけだ!」

「正直者ですね、もちろんいいですわ。さあ頭をこちらへ。」

そう言って足を伸ばしポンポンと太ももを軽く叩く。

「さあ、こちらへ。」

「なあ、顔から突っこんで良いかな?」

「この変態っ!!」

「ありがとうございます!!」

 

 

「冗談ですよー、どれどれ太ももの感触は。」

そして頭を橘の太ももにゆっくりと乗せる。

「なんて弾力。素晴らしい。生きてて良かった。俺今日のために今まで生きてたと思うんだ。おもわず寝てしまいそうだ。」

「ちょっと大げさすぎなくらい喜んでもらえてよかったですわ!別にそのまま寝てもいいですわよ。」

「マジ!?やばい、本当に眠たくなってきた。この感触があまりに気持ちよくて。」

「貴一さん…なんかそう言われると照れますね。」

「あーーー、おやすみぃ。ぐうぅ…。」

「って、寝てるし!」

 

 

相変わらずいつの間にか寝てしまう貴一さん。あなたはまるでのびたさんですか。

こう黙っていると本当に良い面構えというか、好きだと意識してから以前よりも男らしくかっこよく見えてしまい大変ですわ。

 

 

太ももの上で安らかに眠っている貴一さん、その唇に意識が向かっていまいイタズラしたくなるような衝動にかられる。

今なら出来るかもしれない。これは私なりの答えだ。心臓をどきどきさせながら貴一さんの唇に唇を軽く合わせる。そう触れているのかどうかわからないくらい曖昧で優しいキスだった。

 

 

 

「ああ私、何をしているのだろう。」

 

顔を真っ赤にさせ先ほどの行為を思い返す。寝ている人にキスをするなんて反則だあ!と貴一さんなら言いそうですわね。今の私に出来る事はこれくらいだ、ズルイ女ですわね本当に。あなたが誰かを好きなのかはわからない、でも独占したいと思う自分がいる。それがこの証だと言い聞かせる。

貴一さんが良いそうな台詞だと「もうこいつは唾付けといてやったぜ!ぐへへ。」でしょうか。

って、これはないですね、ふふっ。

 

今はひっそりとだけど受け取って欲しい、あなたは眠っていて何をされたのかわからないだろうけれど。

 

そうして太ももから優しく頭をのけて、ベッドの横でゆっくり寝ている貴一さんを眺める。うん私もそろそろ寝ましょうか。そうして横の人物の腕の中で夢の中へ飛び立つのであった。

 

 

 




あーーーー眠い。
ジャンプの原作果たしてどうなっているのか
楽しみだ。
いい加減この話を着地させてほしいものだ。


とまあ、橘さんの変化があった今回のお話でした。
感想、批評お待ちしております!


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