感謝、感激であります!
更新頑張りますので、続き読んでもらえたらと思います。
アルコールの頭痛がなんだ!ということで続きです!
感想、批評お待ちしております。
3月の朝。冬も終わりを迎え春の訪れを今か今かと感じさせる3月の朝。重たい瞼をゆっくりと開く。そして目を凝らしてみると自分の格好が妙だった。どういうことかというと上に着ていたシャツは片方の肩が脱げていて下のズボンが脱げている。なんとも寝相の悪いことだ、もし誰かと一緒に寝ていたら大変じゃないか、だが寝相だけはどうしようもないよね。そして、はだけた衣服を直しながら仰向けで手足をピンと伸ばし身体をゆっくりと解していく。もうすぐ春が近いとはいえ朝方はまだ少し冷えるなあ。
今日は土曜日、学校は休みだ。学年末テストも終え、3月の末頃から春休みに突入だ。今学期はあと1週間と数日かな。土曜日とかかつて高校生のときは進学校というくくりだったからなのか午前中にセミナー、午後から部活動という具合だった。こちらの世界では土日が休みという完全にゆとり世代的な何かを感じる。休みとは嬉しいものだ。まあ終わりのない休みというのは拷問なのだろう。終わりのない夏休み…恐いな。何事にもメリハリというものが大切なのだ。出来る限り休みの日は有意義に過ごしたい。
まあ部活をしていないから時間を持て余すのではないか、そう思うだろう。だがしかし娯楽に溢れたこの世の中、楽しいものが多いため退屈はしないのだ。今日の朝食は一から作るのがちょっと面倒だと思っていたため、予め昨日コンビニで購入していたメロンパンとヨーグルトを食べる。もちろん食後のコーヒーも欠かせないよね。
さて今日はどう過ごそうか。コーヒーを飲みながら考える。漫画の新巻を買いに行くか、新しいゲームを買いに行こうかどうしようかな。そう娯楽に意識を向けている最中にピンポンと誰かの来訪を告げる音が鳴る。朝から誰だよ全く。電波ヤクザか宗教の勧誘なら無視するかと考えながらモニターフォンでチェックする。そして画面に映ったのは若い女性の姿だった。あれおかしいな特にデリバリーなんて頼んでいないのだが。しかも朝からってそんな訳あるかいっ!と、ツッコミをしたくなるな。
よし改めてモニターを確認してみよう。服装は薄緑色のワンピースだな、容姿は流れるようなパサつきのない綺麗な長い茶髪で身長はそんなに高くないな、普通だな。どこかで見たことあるような…って橘じゃねーか!あいつ何の用だよ、予めアポ取るのが常識ってもんでしょうが、社会人なら当たり前よ?あ、高校生だっけかと自己完結して、いつまでも待たせる訳にはいかないので、玄関の戸を開くことに。
玄関の戸を開くと客人から声がかかる。
「来ちゃった。」
そう、可愛く微笑む女の子。彼女かよと言葉が出そうだった。
「彼女かよっ!」
あ、しまった。声に出てしまったようだ。
「残念、あなたには彼女はいません!」
「知ってるわ。なんか腹立つな。」
「それでは、入りますね。」
そう言って入ろうとしたのだがしかし……
「あ、すみません。間に合ってるんで。」
と、いそいそと扉を閉める私。すると慌てた声で
「なんで閉めるんですか!そこは快く招き入れる所でしょ!」
「うーむ。しゃあないなー。とりあえずあがれよ。」
「今日は前のときよりは片付いてはいないんですね、まあ散らかってはないですけど。」
「そりゃあ急だったしな。人招くときはちゃんと掃除するけどよ。てか、何の用?」
「まったく…、前にいつでも来ていいって言ってたじゃないですか!」
「え?言ったっけ?覚えてないけど。」
「この男!…こほん。実はですね今日は本当に用事がありまして。」
「何よ?」
「このあいだの学年末テストでですね。」
「で?」
「点数が悪かったので、最悪春休みに補修受けることになるんですの、追試の結果次第で。数学と国語なのですが。」
「へーー。」
「へーーって!他人事ですか!」
「いや、他人事だよね?」
「まあ、そうなんですけど。」
「んで、またテストの勉強手伝ってくれってか?」
「さすがです。その通りですわ!」
「いや、そうとしか思えないだろ。でもまあやる気が湧かないのだが。」
「え!?」
「だって休日だよ?今日はゲームとか買いに行こうかと思ってたし」
「私とゲームどっちが大事なんですか!?」
「え?ゲームだけど?」
「くーー!ひどい人ですわ!じゃあどうしたら勉強を手伝ってくれるんですか?」
「そうだな。まあ俺に何かしらのメリットがないと動けないな。前はまあ特別大サービスだったからね。何かしらの対価がないと協力できないかな。」
「むーーー。どうしましょう。そうですね、ではご飯を作って差し上げますわ。」
「………。」
「肩叩きしてあげますわ。」
「………。」
「膝枕……。」
「んっ!………。」
「胸を……触らしてあげてもいいですわ。」
「よーし、橘、今日はみっちり勉強するぞ!追試なんか軽く終わらしてやろうぜ!よし、やるぞ、ハリー!!ハリー!!」
「何なのですのこの急な手のひら返しは!?」
「あ?なにとぼけてんだお前。さっさとやるぞ。はよ。はよ教科書。」
「わ、わかってますわ!」
「なんかデジャブだな。まあいいか。」
ということで午前中フルでスパルタ式で叩き込み、追試なんかくそくらえ状態まで成長した橘は少し大人に…なってはいないようだ。
その橘は今机の上に頭を伏しておりどうやらクタクタな様だ。
「お疲れさん。これホットココア。」
「ありがとうございますわ。」
「まあ、これでなんとかなるだろ。てか勉強ちゃんとしろよ。」
「ぐぬぬ。花嫁修業ばかりしていましたから。」
「いや、いらないだろ別に。」
「なにをー!?」
「よし、もう用件終わったし帰っていいよ。あ、胸触ってからね。」
「薄情な人ですわ!そんなこという人には触らせませんわ。」
「ほう…。約束を破るということですか。へー、そっかあ。」
「ちょ、急にそんな冷たい顔しないでくださいまし!」
「あーあ、せっかく時間割いて教えたのになー。」
「わ、わかってますよ!冗談ですよ貴一さん。私が約束を破る女性に見えますか?」
「いや、そんな訳ないよ、信じてる。」
「そんなまっすぐな瞳で見つめないでください、どんだけ触りたいんですか!?」
「いや、本当……つい出来心で。」
「なんでそこで照れるんですか!?こっちまで恥ずかしくなるじゃないいですか!」
「まあ、胸は保留でいいよ。」
「保留ですか…まあ、わかりました、そうしましょう。」
そして昼は二人で軽くオムライスを作り二人で食事。
「もぐもぐ。んで、午後からどうすんの?」
「どうしましょう。特に決まった予定はもうないのですが。」
「じゃあ、帰れば?」
「女性の扱いがなってませんわね。もうここに居座ってやりますわ。」
そう言ってどや顔をして視線をこちらに向けてくるお嬢様一名。可愛いけどさ。
「まあ明日も休みだし今日はぐうたら過ごすつもりではあったのだけども。」
「なるほど。ゲームは買わなくてもいいですの?」
「うむ。ゲーム買うついでに何かないかな、あ、そうだ。久々にゆっくり映画とか見るのもアリだな。レンタルショップなら漫画、ゲームも買えるし、映画もレンタル出来てウィンウィンだな。よし、そうしよう!」
「映画ですか、いいですわね。」
「んじゃ、早速お店に行こうか。帰りに食材とお菓子も買おうか。」
「こういうのもいいですわね!ワクワクしてきましたわ!」
ということで二人で歩いて向かう事に。ちなみに自分の格好はパーカー着用でかなり部屋着感丸出しである。ちょっとコンビニ行くかってノリのラフな服装である。
レンタルショップまでは歩いてすぐの距離にあるので到着もはやい。店内をくぐる。
「俺先に漫画とゲーム買ってくるから、その間、橘は物色を頼むわ。」
「了解しましたわ!」
そして目的の物をさっさと購入し合流することに、あいつどこかなーと思いながら探す事に。どれどれ恋愛物のところには…って、いるし!
「相変わらず恋愛脳だなおい。」
「そ、そんなことありませんし、別にこういうのに憧れてなんか…。」
「憧れは理解から最も遠い感情だよ。」
「ぷぷっ、なんですかそれ、くくっ。」
「笑ったなー!このやろー!くらえー!」
こちょばしだよ、参ったかこの野郎。しまった、つい周りに人がいるのを忘れていた。お互い急に恥ずかしくなり赤面するのであった。
それからいろいろ物色した結果、恋愛物とホラー物、アクション物と合計3作品借りるのであった。
「さすがに3つ見たら今日は時間遅くなりそうだな。」
「え?私今日帰りませんよ?」
「は?何言ってんの?着替えは?」
「ちゃんと勉強道具と一緒に持ってきてますわ。」
「確かにちょっと荷物あるなとは思ってたけどさ。本田さんの許可は?」
「取ってありますわ!」
「本田さん、仕事しようよ。」
「いえ、ちゃんと仕事してますよ?」
「ヴぇ!?」
あれ、今、後ろから声がしたような…?振り向いたがもういない。本田さんやっぱり忍者なんだろうか。
「急にどうしたんですの貴一さん?」
「いや、な、なんでもないんだ、はははははは、…はぁ。」
「んで、歯ブラシとかそういうのは?」
「前に置いて帰りましたわ。」
「そういえば、あったな。てか洗面台を私物化すんな。」
帰り道のスーパーで食材などを購入するために寄ります。
レジかごを自分が持ち、食材を吟味しながらかごに運んでいる橘。なにこれ、まるで同棲しているカップルの夕方のお買い物ってやつじゃんか、彼女かよ!え?何もう付き合ってんのこれ?え、違うの?知ってた。
「こう買い物するのも楽しいですわね。」
「だな。なんかもうお前、この状況、同棲している彼女みたいに見えてんぞ。」
「あらなんと気が早いのでしょう。」
「このアマっ。」
「でも悪くないですわね、こういうの。」
「ふーん。やっぱり女心ってやつはわかんねーわ。」
「まあ、そうでしょうね。ふふっ。」
そう優しく微笑むこの表情の意味は自分にはわからなかった。
そして我が家のホームに帰還、ここまで長い道のりだった、体感時間では。
さて映画を鑑賞する前に準備準備と。まずはDVDプレイヤーの起動を確認、お菓子の用意も完了、つまみの柿ピー、いかのやつ、子持ちししゃもを用意。ソファの位置をテレビ近くのベストポジションにずらして、前にテーブルを置きそこにお菓子、つまみ類を大皿に盛り付ける。照明を少し暗くしてちょこんと明るいくらいにする。二人並んでソファーに座る。
「んじゃ、最初にかったるい恋愛映画でも見るか。」
「かったるいとか言わないんですの!はい再生再生っと。」
そして始まった映画。物語の舞台は1940年代、身分の差で恋愛・結婚に厳しい制約があった時代。良家のお嬢様がある日、材木工場で働く労働者階級の男と出会い恋に落ちてしまう。残念ながら、時代背景が2人の恋を許してはくれない。そして引き裂かれてしまった2人。どうしても諦められない男はなんと365日毎日手紙を書いて送ったのだ。そして365日毎日女の母親は遠ざけるため手紙を隠してしまう。返事がなくとも諦めない。だがとうとう引き裂かれてしまった2人。しかし数年後あることがきっかけで二人は偶然再会する。最終的に両親の反対を押し切り、本物の愛を辛抱強く貫き通した2人のまっすぐでピュアな愛のお話。とまあこんな感じの話だった。
「「………。」」
「すげえわ。恋とか愛だとはよくわからないけどさ、そこに覚悟があって初めて本物になる訳か。覚悟とは意思であり、後悔しないことである。後悔しないことなんてないかもしれないけど納得できるように決断していけってことかな。」
「情熱と冷静の間で迷う心とかすごいリアルにかかれてましたわね。純粋に誰の傍にずっといたいのか、それを貫いていくのが永遠の愛というものなのでしょうか。」
「正解なんて誰にもわからないんじゃないかな?きっとそれは自分自身だけの答えであって、人によってきっと見える景色が違うと思うし。いろんな答えがあるんじゃないかな。」
「貴一さん…なんか大人ですわね。」
「いやいや、まだまだニーニョですよ。」
「ニーニョってなんですの、ぷぷっ。」
「でも話的に女性が安定か情熱のどっちかで迷ったわけか。」
「それで情熱を取ったと。」
「楽と桐崎さんと橘の関係みたいな?」
「ちょっと違いますけど状況は似てますよね、どちらを選ぶかって事ですもんね。」
「んで橘は楽のこと覚悟できてるのか?ちゃんとあいつから答えを聞けるのか?いや、どっちかといういと楽の方がちゃんと答えを出せるのだろうかと思うけど。」
「正直恐いですわ。ですが、後悔はしたくないですわ。でも…」
「でも…?」
「あなたに対しても惹かれている自分がいるんです。私はズルイ女なのでしょうか?」
「え??俺に??」
「はい。」
「うぇ!?ま、まあ、ズルいとかそんな事はないんじゃないかなあ。」
「自分勝手な女だと思わないんですか?」
「いや、別に。橘のような綺麗な人にそんな事言われたら嬉しいに決まってんじゃん。まあ、楽の事ちゃんと決着つけないと俺からは何も言えないね。悪いけど。」
「そう返されるとは思わなかったですわ。軽蔑されるかと思いましたわ。嬉しいんですか……、やっぱり貴一さんはどこかズルいですわ。」
「いやいや紳士ですよ私は。」
「紳士の意味を一度辞書で引くべきです。こんなに人の心を惑わしたり揺らしたりするなんて。」
「そんなつもりはないんだけどなー。」
「でもまあ、ありがとうございます。おかげで私吹っ切れましたわ!どこか恐がっていた自分がいたのですね。必ず私なりに決断して、覚悟を見せますわ!その時は聞いてくださいね。」
「ああ。まあがんばって?応援してる。」
「じゃあこのままの流れで胸触っていいかな?」
「今までの流れが台無しですわ!」
「っていうか映画に影響され過ぎじゃね?」
「きっと私がピュアだからですね!」
「ピュアの意味、辞書で引いたほうがいいよ?」
「キーー!失礼な!」
「とりあえず夕食作ろうか。」
「そうですわね、手伝いますわ。」
「ああ、ありがとう。」
「この関係もいつか変わるのでしょうか。」
「いや案外変わらないのかもね、ククっ。」
それはきっと誰にもわからないだろう。
特に未来のことなんて。
まだまだ今日は長くなりそうだ。
いろいろと話に不備があるかもですが、なんとか一気に打ち込みました。
お冷沢山飲んで頭痛はちょっと治まりました。
感想、批評お待ちしております。
さて原作のニセコイは次どうなるのか。ひっそりと期待しております。