2度目の高校生活   作:くるぶしおかか

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こんばんは。
今回はホワイトデーとかの話になるのですが3月14日だと中学3年って
卒業式終わっているくらいなのかな。という感じで話をつくっていきたいと思います。
高校生はまだ普通に学校ですもんね!

では続きです!
感想、批評お待ちしております。



28話

早朝の教室。少し早く学校に来すぎてしまったようだ。まだ人がいない妙な静けさが空間を支配している。自分の窓際のベストプレイスの席の椅子に腰掛けて、

「今日は…風が騒がしいな。」

と、つぶやいてしまった、別に何か意味があるわけではない、ただ衝動的に言葉を発していた。

「でも少し…この風…泣いています。」

と、後ろから女性の声が聞こえてきた。やばっ、聞かれてた。ええいままよ!行ける所までいってやろうじゃないか。

 

「それは悲しくてないているんじゃない…うれしい時だって泣くだろう。」

「え??」

「急ごう、風が止む前に…。」

 

そう言って女性の横を通り過ぎようとしたのだが、

「って、なんでやねーん!!」

そう後頭部に鋭い突っこみが入った。

 

「あ痛っ!って橘かよ。」

「朝っぱらから何変なことしてるんですの?」

「いや、お前も乗ってきたよね。」

「まあ私エンターテイナーなんで、楽しませてあげようかと。」

「はいはいありがとね。」

「うわあ素っ気無い。」

と、朝から茶番に付き合ってくれたこの女性は橘万里花だ、今更説明はいらないか。

 

 

「そういえば橘最近帰り早いけどバイトとかしてんの?」

「まあ、よくわかりましたわね。」

「金持ちなのにバイトなんてよくするなあ。」

「父に社会勉強をしろと言われましたので。」

「あー、世間知らずだもんな橘、ククク。」

「失礼な人ですわね、相変わらず。」

「いやいやこんな事言うのはお前だけだぜ!」

「何、キリッ!って感じでドヤ顔しているのか謎なのですが。」

「まあ、がんば。」

「ええ。実はバイトをするのには他の特別な理由があるのですが。」

「あ、特に興味ないんでいいです。」

「そこは黙って聞く流れでしょー!!」

「いや、知らんし。」

「おい貴一。あ、相変わらず手ごわいですわね。それでは朝のつぶやきを誰かに…。」

「それはやめてください万里花お嬢様。」

「ふふ、仕方ないですわね。」

それから早朝のホームルームまで世間話に興じるのであった。

 

 

 

 

そう、それは突然だった。

あ…ありのままに今起こった事を話すぜ!

俺は今、不可解なものを体験したんだ。いや体験したというよりは全く理解を超えていたのだが、ありのまま起こった事を話そうと思う。

 

そう、俺は、廊下を歩いていたのだが前方に見知った二人組が歩いてきたんだ。それだけだとだからどうしたって話になるのだが、その二人が手錠でお互いの片手を繋げていたのだ。いや別に二人の性癖や付き合い方を否定するつもりなんてないのだが、そういうことは二人きりで自分が見えない所でやってくれないかと思う訳だ。

 

ネクタイとかで軽く痛くないように縛ったり、目隠ししたりするのもたまにアリだと個人的には思うのだが。おっと、少し話が脱線してきているがなんだろう。この状況、しかも誠士郎もなぜか周りに質問されても反応がおかしいし、いつもなら怒るのに怒らない。挙句の果てには楽が押し倒したのにそれでも怒らないのだ。

 

催眠術だとか超現象とかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ、もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…。

 

お前はどこのポルさんだと言われそうだが気にしないようにするよ。

まあ実はビーハイブの爆弾付きの手錠だとかで確かもう爆弾は解除されているんですけどね!知ってたけどね。プププ。

 

「楽、お前の趣味を別に否定なんてしないさ、でもさTPOは弁えてほしいな。」

「誠士郎、お前の事ちょっと誤解してたみたいだ。でもまあそういうお前もアリなんじゃないかな?」

 

と言って、汗をダラダラと流しながら怒りを抑えながら顔が沸騰するのもなんとか抑えようとしている二人を見るのは良いストレス発散になったりといい気分転換になったのであった。ごめんね二人とも。でもね実は全く後悔していないんだ。だから僕は悪くない。

 

 

とまあそんなことがあったりしたが基本的にいつも通りの日常でした。もうすぐホワイトデーなので、夕食の帰りに一緒にお返し用の材料を買うことに。

そしてスーパーに入り今日の夕食はどうしようかと考えていると

 

すべては愛のターメリック、ハラハラハラペーニョ

泣かれちゃやだもん、シナモン、カルダモン、無理か、パプリカ、コリゴリコリアンダー。

カレーのパッケージを眺めていると頭にカレーのうたが流れてきたので今日はカレーを作ることにした。あとはお菓子の材料をちょいちょいと。

 

 

そしてカレーを食べ終え、ようやく今日のメインイベント料理ショーを始めるよ!

 

どうもこんにちは。二見料理ショーにようこそ。

只今ホワイトデーのお返しをどうしようかと考えております。キャンディとかもありですね。

だがしかし、手作りで一気にたくさん作ったほうがいいな。ということで無難にアイスボックスクッキーにしましょうか。

それではこちらが材料の卵、砂糖、バター、バニラエッセンス、薄力粉、純ココアです。

バラーをやわらかくして、粉類もふるっておく。卵を割りバターと砂糖をボールに入れて混ぜ合わせます。ちょっと味見と。スティーブスティーブわかったよ。味見なんかしてないでさっさと進めろってんだろ?うふん!わかったよ。

 

それからバニラエッセンスを二等分してそれぞれ混ぜる。そして生地を棒状にして、ラップで包み、冷蔵庫に寝かせる。そして切ってそれぞれの生地を重ねる、渦巻き型と市松模様の生地を作ります。そしてさらに寝かせて薄くカットしてオーブンで焼き上げます。そしてこんがり焼いて完成だ。ここまでとても簡単である。

 

とりあえず試食。はあむ、うん。普通に美味いな、レシピ通りやればまあこんなものか。基本に忠実に、下手なアレンジは必要ないのだ。出来上がりだ。二見料理ショー、ではまた来週!さようならー!

 

 

吹奏楽部の人達、クラスメイト、他のクラスの人、橘、風ちゃん春ちゃんの分を小袋に分けてそれぞれ綺麗にラッピングをして完成だ。

 

 

次の日3月14日ホワイトデーになりました。チョコをくれた人達にお返しのクッキーを渡しに移動を繰り返しました。こういうのってお返ししないって方も結構多いそうなのですが自分はどっちかっていうと返す派なのである。野郎共で集まって前日の夜に家のキッチンでたくさん作っていたのが懐かしいなと思い返すのであった。

 

お返しなのだが春ちゃんと風ちゃんに別に用意をしているのだ。まあ大したものではないですがハンドクリームを購入しました。理由は第一に実用性を意識しました。サラッとよく伸びて、ベタつきが全くないですし主張しすぎないほのかな香りと中々好まれる商品だと自負しております。

 

 

おっと隣の席のこいつにも渡しておかないとな。

「橘、これお返しのクッキーな。」

「まあ!ありがとうですわ!」

「義理のお返しね。」

「ふふ。義理ですもんね。」

やっぱこいつ睫毛長いよなあ、と眺めていると

「私の顔に何かついてましたか?」

「わりい、なんか気付いたら眺めてたわ。」

「ほらほらー、もっと見てもいいんですよ?」

そう言って脇腹に肘を軽く入れながらつついてくるお嬢さん。

「いや、もういいや、飽きた。」

「キーーーーッッ!!」

「シャーーーーッ!!」

威嚇する猫の真似をして応戦と馬鹿なやり取りをしていた。

 

 

「あの二人一体何をしてるのかしら。」

「二見君らしいかも。」

「え?」

 

 

そして放課後にまずは風ちゃん家に向かう事に。まずは在宅してるか確認の電話を入れる。

「もしもしー風ちゃん、もう家に帰ってる?」

「貴一先輩どうもです。ええ、もう帰ってますよ。」

「もうすぐそっちに着くから。」

「わかりました。待ってますね。」

数分後風ちゃん家に到着。2階建ての普通の一軒家だ。インターフォンをそっと押す。

ピンポーンと室内に鳴り響く。すぐ玄関の戸が開き風ちゃんが現れた。

「おまたせしましたー。」

「どうも風ちゃん、これお返しのクッキーね」

そう言うと風ちゃんがこっちに近づき、手を引っ張りそのまま玄関の敷居をまたぐことになった。

「どうしたの風ちゃん?」

「せっかくですからお茶とか出すんで上がってもらっても?」

「いいの?じゃあお言葉に甘えて。」

ということで、靴を脱ぎ室内に入る事に。

「両親は今いないの?」

「はい、両親とも仕事で出ています。あれ、もしかして何か期待してるんですか?」

「風ちゃん、大人をからかわないの。」

「いや、こどもですよね?変な先輩。」

 

 

「ここが私の部屋なんで中でちょっと待っててもらってもいいですか?」

「ほーい。」

「変な事しないでくださいよ?」

「へ、変な事ってなんだよ。」

「まあ、私に言わせるんですか?」

「いや、ここはスルーだな、うん。」

「つれないなあ。ではお茶持ってくるので。」

「ありがとねー。」

 

そして扉を開き風ちゃんの部屋にお邪魔することに。うん綺麗に整頓されているなあ、あと風ちゃんが撮ったのだろうかいろんな景色の写真などがボードに貼られていたりしたり、少しおしゃれな部屋だな。

ベッドがあって勉強机とシンプルだが女の子女の子の強いインパクトがなく、少し大人っぽく落ち着きやすい部屋の内装になっており快適そうだ。目が痛くならないなんてなんと優しい感じだなあと一安心してリラックスすることに。

とりあえず時間をつぶすのに何をしようか、漁るのはダメだな自重しましょう。とりあえずカメラ関係の雑誌かな、それを読みながら待つことに。

 

 

「お待たせしましたー。」

そう言って飲み物を持って来て部屋に入る風ちゃん。

「どうぞお茶ですが。」

「ありがとー!ちょうど喉が渇いてたんだよ。」

「ふふ、なら丁度よかったですね。」

「先輩の作ったクッキー食べましょうか。」

「早速ですかいっ。」

「ちょうど飲み物もありますしね。」

そして自分の作ったクッキーを二人で食べる事に。

「うん、美味しいですね!さすが。」

「まあレシピ通りにしただけどね。」

「それでもですよ。それが大事なんですけどね。」

「あ、そうそう。あとお返しにもうひとつあってさ。」

「なんですか?気になりますねー。」

「これハンドクリーム、使いやすいし仄かに良い香りするんだよこれ。」

「ありがとうございます!早速使ってもいいですか?」

「もちろんっ!」

「貴一先輩に塗ってもらっていいですか?」

「え?」「え?」

「ダメですか?」

「ダメじゃないっすよ!仕方ないなあもお。」

「慌てる先輩可愛いなあ。」

「そんなこと言うと塗らないよ?」

「ごめんなさい、謝るんでどうか!」

「必死かっ!まあしますけども。」

「じらさないでくださいよぉ。」

「いや、風ちゃんが悪いよね。うん。」

 

ということで、自分で出来る事なので必要性を感じないのだがとりあえずやりますか。今の状況としてはお互いフローリングのクッションの上に座って向かい合っている状態だ。

「じゃあ、いくよ?」

「はい…。」

風ちゃんの両手に適量のクリームをそれぞれ付けて自分の手で両手を持ち、クリームを両手全体に広げるように包んでいく。

「なんかくすぐったいです。ハハハ。」

「これ俺やる意味ないよねやっぱり。」

「そんなことないですよー。」

「まあこんな感じかな。香りどうかな?」

そういうと手のひらに鼻を近づける風ちゃん。なぜか自分の手の甲に鼻を近づけようとしているのだが。

「そっち違うよね、自分の自分の!」

「おっと、私としたことが!そうですねー良い匂いです!うん!」

「良かったよ、じゃあ、ついでに手のマッサージもするわ!」

「良いんですか!?じゃあお願いしますね。」

 

まずは拳を作り指の関節で手の甲をマッサージ。指先から腕に向かって血液の流れをよくするように、ゆっくりと繰り返します。そして指の間は親指と人差し指でしかりと挟みほぐしていく。そして親指の付け根の膨らんでいる部分を揉み解していく。肩こりのツボらしいので痛くならないように優しく揉んでいく。

「どう…かな?」

「ふわぁぁ、気持ち良いですぅ。」

「まあこんなところかな。」

「もっと…欲しいです。」

「風ちゃん…、なんて恐ろしい子!」

「ダメですか…?」

「仕方ないなあ、マッサージ終わったら帰るからね。オッケー?」

「オッケーです!」

「じゃあ、横のベッドにうつ伏せになって?」

「私になにするつもりですか、先輩のエッチ!」

「マッサージだけど?そんなこと言うと帰るから。」

そう言って立ち上がって帰ろうとすると後ろから抱きしめられて

「もう!可愛い冗談じゃないですかあ。」

「なにそれあざとい。」

「はい!うつ伏せになりましたよ!ほらどうぞ!」

「じゃあいきますよーお客さん。」

「お金持っていないのですが。」

「お金がないだと?どう精算するつもりだい?身体で支払うとでも?」

「くっ!タダと言ったじゃないですか!」

「さあて、そんなこと知らないなあ。」

「きゃあーーー。」

「と、まあ茶番はこれくらいで始めるね。」

「はーい。」

 

よしまずは上からいきますか。首筋から肩にかけて首筋は親指で円を描くように軽く押していきます。手のひらを使って親指と人差し指で軽く押して離すの繰り返しだ。

「どうかな?」

「ちょっといた気持ち良いですー。」

「なら良かったよ。」

 

背中に関してもゆっくりとなでるように解していきます。なんというか身体つきがすっと細くてくびれもあり胸も大きくはないがちゃんとある訳で…雑念は払う事にするよ。

「ん!…くはぁっ」

なんか声が聞こえるが気にしない事にするよ。背中から下がって太ももなどほぐしていき最後に足裏ですね。足裏全体を両手でつつむようにかかえて両手の親指でやや強めに押し込む。

 

「ちょ!いたたたたたた。」

「ここか!ここがいいんだなー!!」

「ちょっ!先輩!いたいですって!」

「ここが悪い所だなー、にししし。」

「いたたたた。」

 

 

そして一仕事終えました。やり切りました、もちろんですプロですから。

「……ふぅ。」

「痛かったけど気持ちよかったです、ありがとうございます。」

「まあ俺も楽しめたからおあいこね。」

「先輩は鬼畜だ。」

「いやいや愛しさとせつなさと心強さから出来てるからね。」

「懐かしいですねそれ。ぷぷっ。」

「これから春ちゃんのとこにもお返ししに行かないと。」

「そうですよねえ、ふふ。」

「お返しありがとうございました。あとマッサージも。今度は私が貴一先輩にマッサージしてあげますね。」

「おう頼むわ!じゃあ、お邪魔しました!またね!」

「はい!それでは!」

 

と、玄関で見送られ次のお返し先に向かう事に。

よーし、和菓子屋の春ちゃんのとこ行くぞー!

 




ちょっと長くなったので区切ろうかなと。
最近はダイヤのエースの展開が気になっているので
明日の立ち読みが楽しみです。

感想、批評お待ちしております。


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