2度目の高校生活   作:くるぶしおかか

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あー最近冷えてきますね。
仕事帰りなんて特に冷えますよ、手がかじかみます。
鍋系ばかり食べるようになりました。
あと、みかん。甘甘です。

それでは、続きです。
感想、批評お待ちしております。


26話

 

大人たちの屍を超えてゆけ

 

その玉を7つ集めるのだ、世界中の親戚達の元にちりばめられた幻の秘法

 

7つ集めればちびっこ達のどんな願いもかなえてくれるという伝説の宝玉、お年玉を。

 

 

そう、この正月での大人たちの血税からなる臨時収入、お年玉の使い道に悩んでいるのだ。

大人の気持ちはわかるが今の私は高校生、もらえるものはもらっておくんだぜ精神なのである。大人達の気持ちは考えなくていいのだ。お年玉を受け取ったときにキラッって効果音が着くようなリアクションを取っていたため、ありがたくお年玉を献上してくれたのだと信じたい、いや信じよう。

 

今の時間はまだ早朝である。今日はどう過ごそうか思考中である。もちろん宿題関係はきちんと終わらせてあるのだ。早めに終わらせて懸念事項を無くす、これが基本であり自分のモットーなのである。

 

 

正月を終え冬休みも残り1週間。このままぐうたら過ごすのは、何かもったいない様な気がするんだよな。さて、どうしよう。

困ったときは頼りになる悪友の集に連絡してみようか。

 

「よお集、今いいか?」

「あり?これはこれは貴一の旦那じゃないっすか。どしたんすか?」

「実はさお年玉の使い道に悩んでたり、残りの冬休み何かしたいんだけど思いつかなくてさ、なんかないっすかね、集さんよ。」

「むふふふ、なるほど。だったらこういうのどうっすか?スノボーとかスキーとか。」

「ウィンタースポーツとは中々、ゲレンデでナンパとか?」

「貴一さんよ、なんか古いですぜ。」

「バブルの夢の跡か…。」

「いや、誰だよ。おい平成生まれ。」

「なにそれ聞こえない。でもまあありやなそれ。」

「お?乗り気になりやしたか?」

「たまには野郎とつるむのもありか…。」

「おいおい聞こえてますぜ、旦那。一発殴っても良いかな、良いよね?」

「ん?受話器越しでなにかできると?ぷぷぷ。」

「やばいわ、こいつ腹立つわ。」

「まあ楽にも連絡してっとくれや、よし思い立ったら吉日、今日行こうぜスノボー。」

「ほんと急っすね。ウェアとかどうするよ?」

「んなもんレンタルに決まってるやないすか!」

「だな!じゃあ楽に連絡してまた折り返すからよ。」

「頼んだぜ集さんよ。じゃあまた」

「おうよ!」

 

 

とりあえず予定は決まったな。ウィンタースポーツって良いよね。スノボーした次の日なんか普段使わない筋肉を使うからよく次の日に筋肉痛に悩まされたりしたんだよなあと、過去の思い出を振り返る。特に股関節が痛くなるんだよな。スキーとかすると特に。過去、毎年滑りにいっていたため中々出来るのだ。フロントサイド180とかスピン系かっけーって感じで、つい練習に熱中していた頃もあったなあと、しみじみ思うのだった。高校生くらいまではずっとスキーしていたんだけど、なんか気付いたら次はスノボーかなって乗り換えていくんだよね。もちろんスキーも好きなんだけどね。といってもこの肉体では初めてになるだろうけどスペックが前より上がっているから楽勝だろうな。

 

 

その後集から連絡があったのだが楽の方が集英組の方で用事があって来れないそうだ。全く間が悪いとはこのことだ。ということでメガネ猿もとい集と共に冬のスキー場にバスにて向かうのであった。

 

「わーーーー!真っ白だなおい!!」

「はしゃいでんなあ、こどもみてえだぞ。」

「いやいや高校生なんてガキだよガキ。」

「まあそうなんだけどな。」

「とりあえずレンタル借りにいくか。」

「おうよ。」

ということでウェア、スノボー板などセットで借りた。こういうところで子ども料金のお得さに感謝だよね。

「お?集もスノボー?経験者?」

「まあねい、貴一も経験者?」

「そんなとこかな。とりあえず自由に滑りますか。」

まずは準備運動、準備万端バングラデシュ!

そして頂上までリフトで登りいざ初滑り!

まずはゆっくりと身体をなじませていくことに集中。無理をせずにプレス、スピン、ドライブと軽く試しつつ慣らしていく。下る際の素肌に刺すこの冷たい風が心地いい。

ジャンプ台を飛びちょっとかっこつけてアクションを取る。案の定転倒。転んでなんぼのとこあるし、転ぶの楽しいんだよね。転ぶために滑ってるみたいなものだ。

 

「派手にこけてんなあ、大丈夫か?」

「こけてなんぼだろ?あー雪つめてぇーー。」

 

そして無我夢中に二人でそれから滑り倒しました。スピーカーからはやはり定番の冬ソングが流れていてやはりこの世界もこんな感じなのかと再認識したり、ちょっと可愛い子達にスノボー指南したりそのまま昼食を一緒に取ったりゲレンデマジックが起きたかと期待したがそうでもなかったぜ。解せぬ。

 

「あーー!楽しかったわ!

「だな!あー滑ったわマジで!」

ということで今は帰りのバスの中。

「なあ集さんよ」

「どした?」

「晩飯なんだが居酒屋いかね?」

「居酒屋って高校生行けたっけ?」

「まあ食堂のくくりだし、別に問題ないよ、酒飲まないし。」

「なるほど。ノンアルコールとかあるけどあれってどうなん?」

「法律的には問題ないらしーよ、でもまあ頼みづらいかもな。」

「別にそれくらいいじゃんって思うけどな。」

「だな。とりあえず帰りに居酒屋寄るぜ!鳥の砂ずり食べたいんだよ。」

「おっさんだな。つまみに合いそうだなそれ。」

 

ということで居酒屋に到着。店内に入ると元気な店員さんの声が聞こえてくる。居酒屋の若い学生アルバイトの子って可愛い子多いんだよね、なんて考えながら個室の席に案内してもらう。おしゃれな店内と鳴り響く小粋なジャズが心を落ち着かせてくれる。

可愛い子にお酒を注いで欲しいところだが、今日の飲み相手は集だし、メガネだし残念、てか、メガネだし。

「これお通しでーす。」

そう言って運んできた可愛い店員さん。

「おっ、うまそう。飲み物はまあ水で。」

「とりあえず、枝豆にたこわさ、シーザーサラダにとん平焼き、もろきゅう、マグロとアボカドのカルパッチョ、とりのからあげ、鳥の砂ずり、鳥軟骨のから揚げ、海鮮チヂミ、豚キムチチャーハンで。」

「かしこまりました。」

「貴一、一気に頼んだなおい、うーん、注文は以上で。」

「かしこまりました。」

そう言ってテーブルから離れる店員さん。あ、パンツ見えた。

「たこわさマジ美味いから。」

「こいつ本当におっさんじゃね?あ、パンツ見えた。」

「ビール飲みたいところだけどな。あ、パンツ見えた。」

「ジンジャエールでも飲んどけ。あ、パンツ見えた。」

「しゃあないのう。あ、パンツ見えた。」

 

 

「「あ、パンツ見えた。」」

 

 

「てか何かこう、野郎同士で話すの久しぶりだな。」

「確かにな。年末年始どうだったよ?」

「俺はまあ実家でのんびり過ごしてたよ。集は?」

「こっちは中々眼福だったんだぜい!大晦日は巫女さん満喫したし。」

「小野寺たちの?」

「そうそう!みんな可愛かったんだからよ!あーあ、貴一ももったいないことしたなー見れなくてよー。」

「ああ、確かにな。見たかったかも。鶫とかバインバインなんだろうな、埋めたいよね、男の夢さ。まあこっちもいろいろ楽しめたからまあ良かったよ。」

「前半はまあ共感できなくもないが。ふむふむ気になりますなー、このリア充め。」

「ああ、それなんだがやっぱり俺リア充だと思うんだよな。認識を履き違えていたよ。大体彼女がいるからそうだとかじゃなくて、可愛い女の子の知り合いがいる時点でそいつは幸せだと、充分リア充なんだよなって最近思うようになったんだよ。」

「旦那、なに悟ってるんですかい。」

「てか、正月の新年早々誰かやらかしてないわけ?」

「ああ……正月に楽の家にみんなで集まったんだけどさ、お酒入りのチョコ食べただけでかなり酔って、大変なことになってたんだからよ。」

「ふーん。」

「どうでもよさそうだな、」

「いや、なんか予想ついてたというか。」

「すげーなおい。」

「ってか、楽ってよ中学生の頃から小野寺の事好きなんだっけ?」

「そうだぜー、まあ貴一は中学校は違うから知らないわな。ずっと片思い中。」

「ほんまよーやるわ。でもさ今は桐崎さんと偽の恋人演じてる訳じゃん?」

「そうだけど、それがどうしたのか?」

「ヤクザの抗争かどうか知らないけどさ、ガキを巻き込むなって感じよ、俺から言わせてもらえばね。」

「さすが貴一さん、厳しい意見ですな。」

「まあ、自分の気持ちにだけはウソついてほしくないな。てか小野寺も楽のこと好きじゃん、さっさとくっつけよな。それでなんだかんだハッピーエンドになんじゃね?」

「うーん、それはどうなんだろうか。って言ったら桐崎さんも怪しくね?」

「あー、あれは向こうはマジになってるよな、見たらわかる。」

「だよなー、複雑だよな。流血沙汰は勘弁してほしいな。」

「そりゃあおえんて。洒落にならんな。」

「ってことはバッドエンドしかないのかな。とりあえずあと鶫と橘が楽のこと好きな訳じゃん?」

「うーん、でも万里花ちゃんどうなんだろーね、最近、貴一になんかべったりしてないか?」

「いや、気のせいだろ多分、いや、そうだろ。寝取られ系はちょっと…。」

「なんでそんなギャルゲー脳なんだよ。」

「いやこれがまた意外に面白いんだって。」

「はいはい。」

「てか俺、年下属性の子がタイプだし。」

「出たなロリコン。」

「最近否定すんのも面倒になってきたからね、開き直ってるよ。」

「にししし。それでいいじゃん。」

「そういえばさ、集はキョーコ先生が好きなんだったよな?」

「あり!?おれ、話したっけ?あれ?」

「いや、勘だけど?」

「お、おお、まいったな、まさかばれるとはな。」

「まあ、いいんじゃね?同じメガネだし。」

「いや、メガネ関係ないよね。」

「大人に憧れるのはわかるぜ、でもな案外自分が将来大人になってもきっと中身はガキだぜきっと。」

「確かに貴一はそんな感じしそうだな。」

「年なんて誰だっていずれ取るもんだしな、まあキョーコちゃんは良い女だね。」

「いや、お前誰だよ、酔ってんのか?ジンジャーで。」

「ジンジャーじゃない、カミュと呼べ。」

「いや、カミュってなんだよ意味分からねえよ。」

「これだから全く。はやいおとこは嫌われるぜ?」

「だから誰だよ、関係ないよね。」

「で、告白すんの?」

「いや、…しないよ。あくまで先生と生徒だからな。」

「まあそれが普通だろうよ。俺も度胸ないわ、てかこわい。」

「叶わない、叶えたらいけない恋だってのは分かってるんだ。先生にも迷惑かかるしな」

「大人な考えだねえ。でもまあ俺たちはこどもなんだ。もし迷って足を動かしたくても動けなくなった時は後ろから蹴り飛ばしてやるよ。」

「ずいぶん乱暴だな、まあその時は頼むわ。」

「まかせときな、荒療治がこういうとき一番なんだよ。」

「で、貴一はどうするわけ?」

「ん?俺?別にどうもしないけど。」

「後輩二人組みと大変仲が良いらしいじゃないっすか。」

「まあそうだよな。迷うんだよなあ、二人ともすごい好みだからね。」

「かーー、これだからモテる奴はイラっときますわ。」

「即オッケーで逆に土下座してお願いするくらいのレベルだしな。」

「引くな!!」

 

 

 

「いやー食った食った。」

「結構値段いってんじゃね?」

「心配はノンノンノートルダム。」

「寒いし。」

「安心アンコールワット。」

「貴一、少し黙ろうか。」

「くっ、俺も酔いがまわっちまったか。」

「もう、つっこまないからな。」

そしてお勘定。お年玉の使い道はこうでなくちゃ。まあバイトしてたし仕送りも余裕あるし、そんな普段贅沢しないからね、たまにはこういうのもいいよね。

 

 

「じゃあ、次は3学期に学校でなー。」

「せやな!じゃあまたなー!」

 

そして互いに帰路につく。あーそれにしても外の空気が冷えるなあ。おそらく明日は筋肉痛まっしぐらだな。次は3学期か。なんというかここまであっという間だったなあ。

年を取るたびに1年があっという間に過ぎ去ると感じるのだが、学生の場合結構長く感じた記憶が残っている。時の流れは残酷であり、楽しい時間というものは本当に早いものだ。

 

2月になるとバレンタインかあ、荒れそうだな。

 




とりあえず休憩?会かな。
次から原作に戻る予定です。

感想、批評お待ちしております。

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