2度目の高校生活   作:くるぶしおかか

24 / 71

どうもこんばんは。
勢いで打ち込んでみました。

マクロスE久しぶりにまた見てみたら
めちゃくちゃおもしろかった。

ナペス!

それでは続きです。
感想、批評お待ちしております。


24話

 

ただいま、神社にて、

「じゃあ二見君、まずはこれに着替えて来て。」

そう神主さんに言われ、男性用の助勤の衣服を渡された。部屋を移動して、着替えをして、立ち鏡を見てみると自分で言うのもなんだが、意外に似合っていてびっくりした。細身の体型なのでスッとしている。

 

 

「あ、二見先輩、着替えられたんですね。」

「あ、風ちゃん。どう?似合ってるかな?」

「似合ってますね。どれどれ…。」

そう言ってぺたぺたと身体に触れてくる風ちゃん。近いよなにこれ、やばい、めっちゃドキドキするーー!!

「ふむふむ。先輩って結構筋肉質なんですね。あ、写真撮ってもいいですか?」

「お、いいよ。じゃあ俺も風ちゃん撮らせてー!」

「ふふ、良いですよぉ、折角なのでこう…」

そう言って片腕を取り身体を寄せてくる。

「こうすれば…ツーショットできますね。」

「え!?なんか緊張するんだけど。」

「あれ、先輩にも可愛いところあるんですね。」

「おいおい。」

 

 

そして小さいデジカメを片手に持ち腕をピッと伸ばして器用にパシャリと撮る。

「うん!良い感じに撮れました。」

「その写真現像したらちょうだい!」

「もちろんですっ!」

「よっしゃあ!」

「ふふ。先輩どうしたんです?そんなに喜んで。」

「いや中々レアじゃん、良い記念だなって。」

「そう言われるとなんか照れますね。」

 

そうニコリとする彼女は巫女姿と合わさって魅力的に映った。

 

 

その後、先の話になるのだが、撮影した写真は実はお互い少し顔が赤みをおびて、そう…まるで初々しいカップルの様に映っていて、現像した写真を見た風ちゃんの母親に「涼もちゃんと青春してるのね、その隣の人ってやっぱり彼氏なの?」と、煽てられ、「違うってばー!」というやりとりがあったそうだ。

 

 

よし、そろそろちゃんと仕事に移りましょう。

基本的な仕事だが、ほとんどが参拝客に対するお札やお守りなどの販売だ。あと絵馬とか神社のグッズとかあったり。また、案内所や御神酒所など担当が分けられていて、お客様に甘酒などを配ったりする。いずれにしても接客業みたいなものだ。接客自体得意なので、笑顔で応対をしております。

 

また販売の際、レジ打ちがないため簡単な暗算が必須だ。この時期は参拝者も多いため、てきぱきとこなす必要があるのだ。そこは無駄にスペックが高い私にかかれば、お客様をさばくのもお手の物な訳だ。

 

そして意外にも体力が結構いるのだ。大量のお守りを運んだり、休憩時間もそんなに取れなかったり、参拝客の対応をしたりと忙しいのだ。寒さ対策も重要だ。そして何より勤務時間が長いため中々ハード仕様になってくるのである。

 

 

田舎の神社だからそう人も来ないと思っていたが、中々どうして盛況であった。こう忙しいといつの間にか時も流れ、空も暗くなっていた。昼休憩は朝作っておいたおにぎりを食べたりした。今は仕事終わりで神社の裏の床の上に座っている。夜の仕事は他に人員がいるみたいなので、自分の仕事はもう終わりなのである。

 

 

「お疲れ様です、二見先輩。あと、これどうぞ。」

そう言って暖かいお茶を渡して、隣に腰掛ける風ちゃん。

「ありがとう。お疲れさま風ちゃん。仕事はどうだった?」

「楽しかったですね。こんなに参拝客が来られるとは思ってもいませんでした。」

「俺もそれ。巫女さん始めてだったんだ?」

「はい、本当急だったんですよ。」

「でも良かったよ、まさか知り合いに会えるなんて。」

「私もです!びっくりしました!」

「本当に…いいものが見れたよ。」

「どうしたんですか?そんなニヤニヤして」

「なんでもないよ。ハハハ!」

「変な二見先輩。」

 

 

 

「二見先輩はこれからの予定はどうされるんですか?」

「特に予定はないかな、もう家に帰るくらい?」

「そうでしたら、良かったらこれからいろいろ見て回りませんか?」

「喜んで。一応親に連絡しとくか。」

「私も親に連絡しておきますね。」

 

 

そして帰る時間が遅くなる旨を伝え、羽目を外し過ぎないように、ちゃんと向こうの家に送ってあげなさいと有難い忠告を頂いたりしました。わかってますよ私は紳士なのですから、そこらへんは抜かりないですぜ。

 

 

「とりあえずまずは着替えないとね。」

「この格好のまま行くのもありなんですけどね。」

「まあ借り物だし仕方ないよね、あと寒いし。」

「わかってますよ。では着替えてまた集合で。」

「じゃあまた。」「はい!」

 

 

それぞれ着替えて私服姿に。もう季節もだいぶ冷え込んできてるからね。防寒装備、完全冬服ですね。

自分は黒系のジャケットで身をつつんでいる。お、風ちゃんも着替え終わったようだ。

「お待たせしました~」

声の聞こえる方を向いてみると風ちゃんの姿が。ブラウンのコートに身を包みとてもおしゃれで可愛いので凝視してしまった。

「じゃあまずは神社から御神籤引こう!」

「良いですね!」

お互い御神籤を引いて両方中吉だった。

「お揃いですね!」

「だね!」

「大吉じゃないかあー中吉、微妙に惜しいな。」

「くじって中吉が一番多いんでしたっけ?」

「え?そうなの?」

「っていうの聞いた事あるんですよ。まあ本当か知らないですけどね。」

「変なのー。」

「ですよねー。」

「大晦日って結構屋台とかも出てるんだよね。」

「お腹すきました!さあ行きましょう先輩!」

と、手を取って引っ張られる。

「ちょっ、わかったから慌てないで…ね?」

「むぅ…仕方ないですね。」

そして手を繋いだまま屋台を周り、焼きとうもろこしなどいろいろ食べたりして満腹になり、くじ引きや射的などに興じるのであった。

 

 

「あ~満腹満腹ぅです。」

「ククク、風ちゃん意外と食欲あるんだね。」

「もう、笑わないでくださいよ!今日あれだけ働いたんですから当然お腹が空くわけですよ!」

「そうだね、くくく。」

「もうっ!」

 

ちなみに今いるところは神社から少し離れた小さな公園のベンチに座っている。新年に向けてのカウントダウンのため神社の方に人の波は密集しているため現在いるこの公園は人だかりが少ない。少ないというか誰もいない。ここで田舎クオリティ。周りに木々が生い茂っているため、寒い風も抑え目になっている。

 

 

「もうすぐ今年も終わりだね。」

「ええ、そうですね。まさか今年の終わりを二見先輩と過ごすとは思いもしませんでした。」

「確かに俺も予想外だったよ。」

「来年は先輩と同じ高校に行くのでよろしくお願いしますね。」

「もちろん、まかしといて!」

 

 

そしてカウントダウンまで雑談をしながら、公園で待機中。

「風ちゃん、寒さ大丈夫?寒くない?」

「うーん、ちょっと寒いかもです。」

「実はそんなときのために…」

「ために?」

「マフラーも用意しておきました!」

「さすがです先輩!」

「はい、マフラー使っていいよ。」

「ありがとうございます!そうだ、えっと…」

そう言って横ぴったりに座ってマフラーを自分と風ちゃんで一緒に巻く形になった。

「これで二人とも暖かいですね。」

「だね。なんかバカップルみたいだけど。」

「え!?た、確かにそうですけど、嫌でした?」

「いやいやもちろん喜んで!って、いや、まあねえ、嫌な訳ないじゃん。」

「なんかすごい動揺してますね、心臓の音聞こえそうですよ?」

「そりゃあ緊張するよ。」

「あれ?先輩にとっては私はただの後輩って感じじゃないんですか?」

「ただの後輩とこうして過ごす訳ないじゃん。変な風ちゃん。」

「そうなんですね、なら良かったです。」

 

そう微笑みかけて、こちらを見ながら

 

「ちょっとまだ寒いので…」

「どうしたの?」

「ぎゅーーってしてもらってもいいですか?」

「グハっ!!」

「先輩!?」

「ごめんごめん、あまりの破壊力につい…」

「破壊力って…アハハハハ!変な先輩!ああ、お腹痛い!ハハハ!」

「そんなに笑うことないじゃんか。」

 

と、おでこに指をチョンと突く。

「あー、いたーい、ひどーい。」

「すごい棒読みだね。」

「あー、いたいなー、これは、ぎゅーってしてもらわないと、なおらないなー」

そう、棒読みでチラチラこっちを見てくる。

「まったく、しかたないなーもー、しょうがないなー」

ふと風ちゃんの顔を覗いてみる。腕で顔を隠しているが口元が軽くにやけている。まったく、この子は。

 

「じゃあ、いくよ風ちゃん。」

「はい…。」

 

そして重なる二人。夜空の満点の星空の下、公園で抱き合っている二人。周りに誰かいないからまだそこまで恥ずかしくはない、誰かにこんなところを見られたらきっとタコのように顔が真っ赤になって体温が上昇していただろう。お互いの心音の鼓動が聞こえてきそうだ。横顔を覗いてみると耳が真っ赤になっている。

これが寒さによるものなのかそれとも………かどうかはわからない。しばらくお互いの体温を感じながら、無言だが早い鼓動から段々と心音もどこか落ち着きつつある。この静けさもいいさ、あやうく寝そうになるのを我慢する。なんだろうこのリラックス感は。

 

 

遠く向こうからカウントダウンの声が聞こえてくる。

「10!9!8!7!6!5!4!3!2!1!0!!!」

わーーッと喝采がここまで聞こえてくる。

「いつのまにか今年終わっちゃいましたね。」

「だね、明けましておめでとうございます。風ちゃん、今年もよろしくね。」

「こちらこそよろしくお願いしますね。あと、明けおめです貴一さん。」

「てかずっとこの状態だね。」

「ですね。あ~先輩あったかいです。」

そう言って、また強く抱きしめてくる。

「風ちゃん!?お!?うぇ!?」

「は~なんか癖になりそうです。」

「風ちゃんが何かに目覚めてしまった件。」

「ふふ、何言ってるんですか貴一先輩。」

「あの、そろそろ家に送らないと親が心配するんじゃないかなーなんて。」

「あと、もう少しだけ!あと5分だけでいいから!」

「…仕方ないなあ。」

 

 

5分後ではなく長引いて10分後、ようやく解放されました。一度捕まったら離さないおそるべき吸引力だった。手強かったぜ。ちょっと頭が沸騰しそうだったけどなんとか耐えたぜ。

 

「じゃあ送るね。家どっちなん?」

「こっちです先輩!」

そして手を差し出す風ちゃん。その手を取り

「じゃあ行きますか。」

結構距離も近く、あっという間に風ちゃん宅に到着。玄関を開けると風ちゃんの母親らしき方がおられた。

「ただいまー!」

「遅かったわね涼。あら隣の方は?」

「二見貴一と言います。娘さんとはいつも仲良くさせてもらっています。」

「あら本当。まさか涼にボーイフレンドがいるなんてね。」

「もうお母さん!」

「では、僕もそろそろ帰りますね。じゃあまたね風ちゃん。」

「はい!また連絡しますので!」

「それじゃあ、お邪魔しました。」

「娘を送ってくれてありがとうね。」

「いえいえ。では。」

 

 

そして自分も帰宅。両親にはあんた遅かったじゃない?何かあったの?あったんでしょ?話なさい!いいわね?質問攻めにあったよ。新年早々慌しいものだねえ全く。

そうして中々解放させてくれないのであった。

 

今年で、春には高校2年になり春ちゃん風ちゃんが後輩になるわけなのだが、これからどうなっていくのだろうか。非常に楽しみである。

その日は中々寝るのが遅くなったため元旦は昼に起きる始末。まあたまにはこういう日があってもいいだろう。

 

正月、親戚の集まりでいろいろ挨拶を周ったりお年玉をもらったり、同年代の人達と無難に話したりと、にぎやかな日々を送った。意外に記憶が足りなくてもなんとか順応出来る自分がいた。この適応力は今後も鍛えて生きたい。

 

 

財布もホクホク、両親とも先ほど別れをすませた。また海外に渡っていく両親の後姿を見つめる。少し寂しいかもな。

そして今は電車の中。また一人暮らしの家に向かう。

この年末年始、なかなか心に残る思い出が出来たな。まさか風ちゃんに会うなんてなあ、本当にありがたいサプライズだったな。

あー、あのときの事を思い返すと顔が熱くなる。自分の心をかき回していく風ちゃん。

いろいろな一面が見れて楽しかったなあ。

 

とりあえず家に着いたらまず、掃除をしよう。

そうつぶやいて玄関の戸を開くのであった。

 

 

 





とりあえず帰省編完結かな。

次はちょっと視点を変えていこうかなと

挑戦していきます。

感想、批評お待ちしております。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。