日間ランキングに載っていて、ふぁっ!?っておもわず夜叉のポーズを
取りそうでした。すごい嬉しいですね、逆にプレッシャーも感じたり。
これはやはり万里花さんが脱いだからなのかな。
では、続きです。
感想、批評お待ちしております。
明けたばかりの空が、朝の冷気とともに新鮮に日差しが輝いている。透き通るような淡い水色の12月の空。いつもより少し早く目覚めたようだ。目が覚めて横を見るとスヤスヤと気持ちよさそうに寝息を立てている橘の姿が瞳に映る。これが朝チュンというやつだろう。決してエロいことは考えていない。
朝からいいものが見れたな、内心すごく晴れやかな気分になるのは仕方がないことだろう。今、この空間にいるのは二人だけなのだから。なにか独占しているようで誇らしい気分になるのであった。
そっと、起こさないように ベッドから立ち上がりとりあえず洗面台に顔を洗いに向かった。
「くう~~~!」
早朝のこの時期、ひんやり冷たくて目もよく冷めた。とりあえず朝ごはんの準備しようかな。
ご飯を炊いて、味噌汁、卵焼きに鮭の塩焼きを作る。やっぱり朝は和食だよね。
料理も完成。そろそろ橘を起こしにいこうか。
「おーーーい、起きろーー。」
そっと肩を抱きながら軽く揺らしてみる。
「んっ……くー…。」
ありゃりゃ寝起きは中々重いのかな、そうだな…どうしよう。あえて荒っぽく、覆いかぶさっている布団に手をかけ、一気に布団を持ち去る。えいっ!
「!?冷たっ!なにごと!?」
「やっと起きたかお嬢さん。朝ごはん出来てまっせ。」
「用意いいですわね、んぅ…ふあぁ~、眠たいですわ。」
「はいタオル。とりあえず顔洗ってきな。」
「行ってきます~」
力の抜けたぽわーんってしている橘。こんな一面も可愛いと思う自分は大分毒されてきたのだろうか、可愛いは正義、良い言葉だね。今なら共感できる。
両手を合わせて、
「「いただきます。」」
そして二人一緒に朝食をとる。まるで同棲しているカップルみたいだね、なんてつぶやいたりはしないのが私なのだ。
「こうして一緒に朝食をとっているとまるで同棲しているカップルみたいですわね。」
「うーん、まあ、そうだね。」
「あら、素っ気無いですわね。」
「でもまあ、こうして誰かと一緒に食事するのっていいな。」
「貴一さん、一人暮らしで寂しいのなら、もっと頼っていいですわよ。」
「お、おう。その時は頼むわ。」
「ええ、喜んで。」
そんな良い笑顔でこんな言葉をかけられるとは不意打ちだよ。ちょっと喉が詰まりそうだったじゃないか、詰まってないけども。
「やっぱり美味しいですわね。」
「当然、一人暮らししてるんだしこれくらいは普通よ。」
「両親とはちゃんと連絡を取られてるのですか?」
「もちろん、両親とも海外だけどね、年末に実家に戻るらしいから俺も年末実家に帰る予定なんだ。」
「そうなんですの、楽しそうですね。」
「まあねい。」
どんな両親なのか気になるところなのだ。時々海外電話やメールのやり取りはしているのだけどね。
「「ごちそうさまでした。」」
「ふう、食べた食べた。」
と、お腹をポンポン、たぬきのように叩きながらホットコーヒーを淹れる。橘には紅茶を用意する。
「ほい、橘、紅茶。」
「どうもですわ。」
やっぱり食後のコーヒーは必須だよね、もはやカフェイン中毒の域なのだ。毎日3、4杯は飲んでいるな。やめられないとまらないってやつだ。
「そういえば今日もまたクリスマスパーティするんだってな。」
「みたいですわね。」
「橘は行くんだろ?」
「ええ、まあ行こうかと。」
「楽しんできなよ。」
「貴一さんもね。」
「小野寺さんの妹さん早くお目にかかりたいですわ。」
「まあ多分来年うちの高校に来ると思うよ、いや絶対かな。」
「そうなんですの!それはまた楽しみですわね!」
「仲良くしたってやってくれな。」
「保護者目線ですか。」
「お前に娘はやらん。」
「それお父さんっ!」
「次会えるのはいつですか?」
「うーん、クリスマス終わってから年末近くに実家に戻るから遅くても新学期かな。」
「会えないのが寂しくなって死なないでくださいね。」
「なんだそれ…うさぎじゃあるまいし。」
「繊細ですからね、私のように。」
「はいはい、わかったから行ってらっしゃい。」
「もうっ、この人は。」
「じゃあ、本田さんよろしくおねがいします。」
「ええ。それでは。」
そして高そうな車に乗り込む橘。よし、お別れに最後に、そうだな。
「じゃあまたな!万里花!」
「!?ええ!…で。ではまた!!」
「…不意打ちですわ…。」
その声はどうやら届かなかったようだ。
そして橘を乗せて帰っていった。走り去る車の後姿をしばらく眺めていた。
「まあ、こんなところかな。」
さてと、午後からに向けて準備しますか。服装良し、財布よし、プレゼントよし、スケジュールよし、時計よし、ハンカチよし、では参ろうか。
「いくぞ、リア充へ、諭吉の貯蔵は充分か!」
高校生だからね、高校生らしくいこうじゃあないか。車持っていないのだから。
見栄を張らず、あくまで自分らしく、気負うな。柳のようになめらかに行くぞ。
待ち合わせ場所は近くの駅前なので、そこに向かう。
よし予定通り、集合時間10分前ごろに目的地に到着できそうだ。
おや?もう春ちゃん到着しているみたいだ。ちょっと急ぎ目で向かおう。
「ごめん、春ちゃん。待たせちゃったかな。」
「い、いえ!まだ時間になってないですし、た、楽しみで早く来すぎたというか……。」
なにこの子、可愛すぎるんですけど!抱きしめてもいいかな?事案?いやいや合法なのだよワトソン君。
「俺も楽しみで昨日中々寝付けなかったよ。」
「私もです!!」
「今日はよろしくね!」「はいっ!」
とりあえず電車でショッピングモールに向かう。
予想通り、ショッピングモールはクリスマス仕様になっていた。大きなツリーがあったりサンタコスの店員さんがいたり、ミニスカサンタコンテストやっていないのかな?やっぱり森島先輩がナンバーワンだよね。っというか人が多いな。まるで人がゴミのよう……ゲフンゲフン。いろいろお店をまわりながらゆったり過ごしていこうじゃあないか。
「やっぱり、人多いね。」
「さすがクリスマス!ですね!」
「こりゃ、はぐれちゃ大変だね。」
そう微笑みながらそっと自然に春ちゃんの手を取る。
「!?」
「これで安心だね。」
「……はいっ!!」
け、計画通り。だがしかしここはそうするべきだ。いいか年上らしくリードをしなくては。少し気負いすぎないようにしよう、あーでもダメかも緊張して手汗が……出ない!万が一はぐれたら大変だからね。そう大変だから。
「やっぱりカップルさんが多いですね。」
「こっちも周りからそう思われているんじゃないかな。」
「そうなんですか!?そうなのかなあ…。」
なにやら小さい声で何か言っていたようだが聞き取る事は出来なかった。
いろいろお店をまわって今は喫茶店で休憩中。ちなみにどこぞのラビットハウスだとかそんなことはない。飲食店にうさぎは衛生的にまずいだろ、おっとこの突っこみは辞めておこう。食べログなら書かれるだろうな。そうさ、可愛ければ後の事は気にしない、それが言いたかったのだ。
ブラックコーヒーを口に含む。あー生き返るんじゃあ~。ちなみに春ちゃんはカフェオレを頼んでいる。そして互いにクリスマスケーキ的なちいさいものを頼んでいる。
「うん、コーヒー、美味いな。」
「先輩のコーヒー飲む姿、様になってますね。」
「やっぱり?習慣だからね。」
「ふふっ、そうなんですかあ。あ、先輩のケーキ一口もらっていいですか?」
「うん、いいよお。」
ちなみにケーキだが自分がフルーツがいろいろ乗ったタルトで春ちゃんはイチゴのショートケーキだ。
「じゃあ、春ちゃんのも一口もらっていいかな?」
「もちろんっ!」
と、それぞれのケーキを味わう。甘くて美味しい。これは後で運動しないとな、甘いもので太っちゃうのは勘弁だからね。
「春ちゃんのケーキも美味しいね。」
「先輩のタルトも美味しいです!」
そうニコっと笑顔。100点だよ。
「春ちゃん、これクリスマスプレゼント!」
「え!?良いんですか!?嬉しいです!あ、どうしよう私用意してないです。」
「いいよいいよ、こうして一緒に過ごせるだけでも充分だよ。」
「先輩………。あ、開けてもいいですか?」
「ふふっ、いいよ。」
「それでは……お!可愛いブランケットですね!ありがとうございます!えへへ。」
なんだそのとろけるような笑顔は!?くそっ、衝動的に抱きしめたくなるじゃないか!このテーブル越しの距離感が憎い!近いようで遠い!なんて生殺しなんだ。
「これから冷えるからね。体調崩してほしくないからね。ひざ掛けにしたり実用的でいいかなって思ってね。」
「本当嬉しいです!これから使わせていただきますね!」
「良かったよ、喜んでもらえて。」
「もちろんです!先輩からのプレゼントですもんっ!」
冬の夕方の空が硝子のような色をしている。楽しい時間はあっという間に過ぎ去るものだな。冷たい空気が瞼や頬にかかり少し痛いな。
「もう夜ですね、はやいものですね。」
「もうだいぶ日が暮れるの早くなってきたよね。」
「先輩、あれみてください!」
「なになに?お!キレイだね。」
町並みのクリスマスを飾るイルミネーションが二人を照らす。大きなツリーも輝いている。ああ、なんと幻想的でロマンティックな非日常的なボーイミーツガールなのだろう。
「ねえ春ちゃん。」
「なんですか?先輩。」
「ちょっと案内したい所があるんだ。」
「おっ、なんだろう楽しみです!」
やっぱりクリスマス最後の締めは展望台、空中庭園だよね、ここに行ってみたかったんだ。
「こっからエレベーターでガーって登っていくわけですよ!」
「展望台ですか!いいですね!」
大阪の空中庭園、懐かしいなあ。前世の懐かしい思い出を思い返す。
そして屋上に上がり周りが暗くて床のブルーライトで幻想的に照らしている。
空中庭園の手すりに両手を置き、下を覗く。
「わあーー!!キレイですね!!」
君の方がキレイだよ、そんな台詞はドラマだけだよね。
「キレイな夜景だよね、こうして見下ろすことなんて普段ないから、本当に……キレイだ。」
「きっと今日の日はずっと忘れないです、先輩、ありがとうございますね。」
「俺も今日は忘れないね。ずっと見たかったんだこの景色を。」
そう台詞の発した人物の瞳はキラキラ青少年のように輝いていたとか。
そしてしばらく夜景を眺めていると雪がポツポツと降ってきた。
「あ、先輩!雪ですよ雪!」
「だね、雪ではしゃぐなんて可愛いとこあるね。」
「な!?だって雪ですよ!雪!」
そう、ぴょンぴょンしている春ちゃん。
「えっと、……。」
なぜか、もじもじしている春ちゃん。
「あの……先輩?」
「ん?どうかしたの春ちゃん?」
そう見上げるように顔を真っ赤にさせながら
「貴一先輩っ!」
「はいっ!なんでしょう!」
「えっと、あのですね!……」
何かを決心したようなそんな眼差しをして、その真っ赤な顔は寒さのせいなのか、それとも……
「ん……っ、いえ、なんでもないです!」
「ズコーーーーー!!」
おもわず膝が折れそうだったよ、なんとか耐えました。
いやいやなんだこれ。ひょっとしてギャグなのか?これがラブコメ世界の洗礼なのか宿命なのか。
てっきり告白されるのかと身構えていたのだが、そうでもなかったようだ、残念だ。
「もー、春ちゃん、びっくりさせないでよ。」
「すみません先輩。」
「あまり遅くなると親御さんが心配するからね、いこうか。」
「はいっ!」
そう二人並んで帰宅する二人。
今年のクリスマス、良い体験が出来たな。
「貴一先輩、聞きたいことがあるのですが。」
「なになに?」
「先輩は私のことどう思ってるんですか?」
この質問はずるいよ春ちゃん。
「うーん、そうだね。一緒にいて心がぽかぽかするというか、その笑顔に元気をもらえる、そんな可愛い後輩って感じかな。」
「!?…そんな風に思ってくれていたなんて嬉しいです。先輩ってなんというかまっすぐなんですね。」
「まあね。言葉にしないと伝わらないからね。」
「貴一先輩………。」
「ん?ありゃりゃ、いつの間にか着いちゃったね。」
「!?もう着いたんだ、ほんとあっという間だなあ…。」
あれ、これなにかやらかしたのかな。
「今日はありがとうございました!本当に…楽しかったです!」
「こちらこそ、今日は楽しかった。いいもの見れたしね。」
「もーなんですかそれ。」
「ふふっ、なんでもないよ。」
「じゃあ、またねですね。先輩!」
「じゃあね、春ちゃん。」
なんというかこのクリスマスの二日間濃かったなあ。
自分は一体どうしたいのだろう。別に誰かと付き合いたいだとか考えた事なかったのだ。単純にこの世界で楽しみたいと思っていただけだった。
だが、こう実際に触れてみて、フィルターを通していた景色がいつの間にか直に触れている、今この瞬間が現実であるのだと感じるのだ。ちなみに実は今日もしかしたら告白されるのではないかと自惚れていた。ああ、恥ずかしい、そんなことを考えていたとは。
手に入れようと思えばきっと手に入れることが出来るのだろう。触れてしまえば壊れる可能性もあるのかもしれない、何かが変わるということに恐いと思ってしまうのもわかるのだ。偉そうに今まで言ってきたが自分がいざどうするかとなると足踏みしてしまうなんて、心は大人だと思っていたんだけどな。
青春時代にフィードバックしたような、こういう悩みもきっと大事なのだろう。どちらが正解だなんて分からない。もし本当に好きになったら行動に移そうと思う。周りなんて関係ない、自分の言葉で自分の気持ちで伝えよう、この思いを。
ハードボイルドの語源を知っているか?
そう、固ゆで卵…。
負けるんじゃねーぞ、男は強く
ハードボイルドに生きろ。
小銭方の旦那、俺もあんたみたいにハードボイルドに生きてみせるよ。
とりあえずここまで。
んー難しい。ここが現実だと再認識した上で自分の
答えを出そう、そんな感情を表現したい。
書くの難しいな、でもちょっと楽しいかも。
感想、批評お待ちしております。