2度目の高校生活   作:くるぶしおかか

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ゆるゆり三期おもしろいですね。
おかげで元気出てきましたよ。
続けて更新、内容はともかくスラスラ打てました。

では、続きです。




16話

文化祭当日。わがクラスの劇は体育館で昼の一時からだ。そのため午前中は自由に動き回れるのだ。昼過ぎてからは裏方として様子や手伝いという流れになっているのである。

 

 

さて、ここで紹介するのは彩風涼。通称風ちゃん。小野寺春の友人。身長は155㎝ほどでセミロングで左側に三つ編みをしている美少女だ。モブにしてはキャラデザが優遇されていたり、楽に惚れていなかったりと特殊な立ち位置の少女だ。性格は落ちついており、穏やか。若干ユリっぽい一面もあったような。プロカメラマンの父親の影響でカメラ撮影が趣味と、自分の知る知識としてはこれくらいかな。

 

今日春ちゃんと文化祭に来るということで、内心浮かれております。原作ではこういったイベントがあったかどうか定かではないが、余計な事は考慮せずに楽しむことにしよう。

 

 

朝、クラスの教室で談笑中に告げる携帯の着信音。

「わりい、集、ちょっと電話だわ。」

「ほー、誰だ誰だ?」

「仲のいい後輩、ちなみに小野寺の妹ね。あ、もしもし?もうこっち着いた?」

「小野寺って妹いたんだな。」

「性格は結構違うけどそっくりさん。」

「ということは美少女ですか、このこのー」

「まあ友達だけどね。じゃ行ってくるわ。」

「にしし、行ってらあ。」

 

ということなので、校門に向かうことに、

 

校門の近くに春ちゃんらしき姿と、隣の友達の姿が見えた。

「お待たせ、今日はよろしくね。」

「先輩、今日はよろしくお願いします!それで、この子が私の友達の…」

「彩風涼です。初めまして!うちの春がいつもお世話になっております。」

「二見貴一です。春ちゃんとは仲良くさせてもらってます。って、保護者か!」

 

つい突っこんでしまった。やはりこう見ると予想していたがおっとりした感じですごい可愛いなこの子。

 

「いつも春が先輩のこと話すのでどんな人か興味があったんですよ、ほら、春って男の人が苦手ですから。」

「もう、風ちゃん!」

「全然そうには見えなかったんだけどね、ああ初めて会ったときはナンパされていたんだっけな、オロオロしてたもんな、懐かしいね。」

「先輩………」

「それでですね、春が二見先輩のこと私のお……」むぐっ!!

「風ちゃん!!」と、風ちゃんの口を焦りながら押さえているのであった。

 

「うちのクラスは昼からだから午前中にいろいろ教室回って、んで折角だし劇見てもらって終わってから、また合流って形でいいかな?」

「はい、そこらへんのことは先輩にまかせます。」

「なんだかすごい自然な感じですね、二人とも。」

「まあうちらの仲やからね。」

「そ、そ、そ、そうですね!!」

どうした、春よ。情緒不安定じゃあないか。

「二見先輩、良かったら連絡先交換しませんか?」

「もちろん。交換しよっか。よろしくー。」

ということで連絡先を交換。

 

「それじゃあまわろーか!!」「「おー!!」」

 

そして他のクラスの出し物をいろいろ回ることに。そして今はおばけやしきの前に立っている。ちなみに二人の格好は私服だ。素晴らしい。三人で回ることで自分が可愛い女子二人連れていることに、男子たちの怒りを買っていたのはこの時は気付いていなかった。

 

「まあ定番だよねお化け屋敷」

「ですね、春、どうしたの?まさか、こわいの?」

「べ、別にこわくなんか!!い、行きますよ!!」

と、入ってみたもののコレが思った以上に本格的にセットが作られていて恐いのか腕にしがみつく春ちゃん。

「先輩~~~」グスンッ

涙目で訴えかけてくる。隣の風ちゃんは終始ニコニコしている。この子、中々手強いな。

歩いて、カーテンみたいのを開くと、椅子に座って顔を俯かせている男子高校生がいた。低い声のトーンで

「いらっしゃーーい。ちょっとすいませーん………拾ってくれません?」

ん?まさかこの流れは

「俺の目玉をぉ~~~~~!!!」顔恐いよ!

「「キャーーーーー!!」」

手を引っ張られ連れ去られる私。なんて力だ。

それから、いろんな仮装したお化けたちがいたりでてんやわんやで楽しかった。

なんなんだこの謎のクオリティは。

あと仮装してたやつ、何人か抱きつきに行ってただろ、セクハラだろあいつ。

 

 

「あはは、中々おもしろかったねお化け屋敷」

「ほんとなんなんですかあれ!」

「すごい力入ってましたよね」

「二人とも叫んでたよね、あ、風ちゃんも、叫び声可愛かったよ」

と、ちょっとお腹を抱えて思い出し笑いをしてしまう。

「もう!二見先輩っ!」と、ポコポコ叩くが全然痛くない。照れ隠しなのかも。こういった一面もあったのかと再認識して少し嬉しく感じるのであった。

「いつのまにか仲良くなってるし」

「確かに。言われてみれば」

「なんか接しやすいんですよね、自然と。良い意味でですよ」

 

 

それからも学校の施設を案内しながら、各クラスの出し物を回ったりした。

ちなみに今は音楽室である。先ほど演奏が終わったみたいで今はゆったりとしている。

「先輩は、なにか楽器とか弾かれるんですか?」

「ピアノは昔、結構嗜んでいたくらいかな。」

「昔って、わたしたちまだ10代ですよ、変な先輩」

「そう言われると、そうなんだけどね」と、苦笑いをしてしまう。

「良かったら弾いてもらえないですか?」

そう言ってきたのは、風ちゃんだ。

「ちょっと鈍ってると思うけどやってみますか」

 

 

ちょっと借りますねと吹奏楽部の人に許可を取って、さあ弾くぞ。って、何を弾こうかな。まあ、前にハマっていたアニソン関係で良いか。この世界でどれくらい浸透しているか知らないけども。

そして銀盤に指を叩いていく、かつての経験を思い返しながら、某スクールアイドルのアニメで流れていたのに当時嵌り、弾けるように練習していたのでそれらを弾くことにした。おそらく、この世界には作られていないだろうけどね。

メドレー形式に好き勝手に自由に我侭に愛のままに弾いていた。時間にしてどれくらいかはわからないが結構熱中していたようだ。

 

「ふう………」

そっと、銀盤から手を離すと周りにいつの間にかギャラリーが増えていた。しかも拍手をもらえた。何か急にすごく恥ずかしくなってきたぞ。おもわず赤面してしまったのは仕方ないだろう。

「先輩、ピアノすごいんですね!感激しました!」

「本当に上手でしたよ、それに歌声もきれいでしたし、聞いたことのない曲でしたがすごかったです」と、微笑みながら賞賛を送ってくれる二人。照れるではないか、あれ?ちょっとまてよ?

「もしかして口ずさんでいたの?」

「「はい!」」

 

それを聞き、がっくりとうなだれる。ああ・・欝だ。まるで黒歴史が晒されたみたいじゃないか、穴があったら入りたいよ。

と、意気消沈している自分を見て微笑む二人。

「先輩にもかわいいところあるんですね」

してやったりと浮かべる表情の春ちゃん。

こいつ、あとで覚えてろよと内心に零す。よし今更だが体裁を取り繕うか。

「まあ、少し柄にもなくはっちゃけてしまうとはな」

「もう、今更かしこまっても遅いですよ」

風ちゃん、あなた結構Sなのね、理解したよ。

 

そしてそれから吹奏楽部の人達から勧誘があったり、また弾きに来てくださいと言われたが、行かないからな、絶対行かないんだからねっ!

 

 

「そろそろ劇の準備の時間だな」

今クレープを食べながら休憩中です。

「それじゃあ、行ってくるね。劇、楽しみにしててね」

「先輩は役としては出ないんですか?」

「あまり人前に出るのは抵抗があってね」

「さっきあんなに見られてたのにですか?」

「風ちゃん、後で覚えてなよ」

「キャー、こわーい」

「こいつめっ」そういって頭に軽くチョップする。

「んじゃ、またな!」

「「がんばってください!」」

そして走り去る後姿を眺める二人であった。

 

 

「先輩、行っちゃいましたね」

「春ってあんな表情するんだねー」

「え!?」

「ちょっと妬いちゃうかも。でも良い人だね」

「だよねだよね!風ちゃん、まさか……」

「ちょっと気になるかも」

「え!?」

「冗談だよ~」

「もうっ、風ちゃんったら!」

 

 

 

春ちゃんたちと別れて只今体育館の裏側に到着。会場もかなり人が来ていて大盛況のようだ。

「あと一時間かあドキドキしてきた!」「ほら、早く準備済ませて!」と、開演に向けて浮き足立っている状況のようだ。だが、この騒がしさも良い空気感だ。嫌いじゃない。

 

大道具など証明などのチェックを済ませつつ周りに意識を向けながら作業に集中する。

ガシャ!そんな音が少し目を離した際に聞こえた、どこだ!?あそこか!間に合え!視線を向けてみれば落ちる女生徒を受け止めようとする小野寺の姿が。

 

ああ、ちくしょう、結局結果は変わらないのか、悲しきかな。間に合わなかったよ。あれで捻挫で済むのだから軽症には変わらないが、小野寺すごい楽しみにしてたんだよな。後悔に思考が飲まれそうだったが原作を思い返せ、あの二人を信じると決めたのだろう、ならばそれに従うんだ。そう、心に繋ぎとめ小野寺の安否を確認、先生に対応を求めた。

 

「先生、これは捻挫っぽいです、骨は大丈夫そうですが」

「そうだな、先生も対応ちょっと考えるから、みんなは一応準備続けといて」

「「「はい!!」」」

 

小野寺落ち込んでるなあ……ここは楽、頼んだ。

そして、すぐに桐崎を探しに飛び出して行った。小野寺の思いを無駄にしないよう、思いに応えるのにすぐ身体を動かす、理屈じゃあないんだろうなあ、無鉄砲なときもあるだろう、だが実際に動けるのは本当に尊敬できるんだよな。

 

そして桐崎さんが代役を務め、いつもの二人に戻ったみたいで劇を開演。クロードが乱入したりアドリブが出たりとギャグテイストな感じになったりもしたが、大盛況で幕を閉じることができた。

二人とも良い演技するなあ、もはや演技じゃないようにも見えてくる。ロミオとジュリエットねえ、全然見劣りなんかしない、こいつらだからそう思えるのであろう。

ああ、敵わないねえ、これは。

スポットライトに照らされる二人は誰よりも輝いて見えた。

 

 

 

劇を終え春と風ちゃんに会いに行く。

「「お疲れ様です!!」」

「ありがと、劇どうだった?」

「本当にすごかったです!!」

「良かったです!二見先輩の姿も見たかったところですが」

「おいおい。まあ楽しんでもらえてよかったよ」

「お姉ちゃん劇に出てなくて残念だったね」

「そうですね。お姉ちゃんそんなに前に出て行くタイプではないと思うんで仕方ないかなあとは思うんですけどね」

真実を伝えるべきか、劇の配役について話していないということは、ここは伝えないほうが優しさなのかもしれないな。

「でも、まあ小野寺さんも変わっていくと思うよ?大人になるっていうのかな。春ちゃんだって、男の人苦手だったの克服できたみたいなんだしね」

「春、先輩以外の男性と話しているのみたことないんですよ」

「ってことはまだ克服してはいないのか」

「風ちゃん!!」

いつの間にか文化祭も終わりに近づいていた。

 

「「先輩、今日はありがとうございました!!」」

「いえいえ、楽しんでもらえてなにより」

「来年ここに通うのが楽しみになってきたね風ちゃん!」

「うん、そうだね」

ユリユリしてんなあ、有りだが、悪かねえぜ。

 

そして校門まで送っている最中、

「あ!!!」

「どうした?」

「今日結局お姉ちゃんに会ってない!!」

「わあ、お姉ちゃんかわいそー」

風ちゃんがからかっている。

「まあ、家でゆっくり語るこったな」

「ですね、そうしよう、そうします!」

「それじゃあ先輩、また今度!」

そして、風ちゃんがすっと近づいてきて耳元で

「また、ご連絡しますので」

なぜ、近づいて言ったのだ。なんか耳元で話されるとこそばゆいというかビクッとするんだよね、ドキドキするし。

「お、おう」どもってしまった。

クスクスと笑う後輩。こいつ実は腹黒いというかなんだろう、中々謎があるな、まあそこがまた魅力的ではあるんだが。今日だけで印象もだいぶ変わったな。

 

と、別れてクラスの打ち上げへ。今日の劇はかなり評判が良かったみたいだ。ジュースやお菓子、他クラスの余った食べ物とかを食べたり、談笑したりした。春ちゃんたちを連れまわしていたのを見られていて、いじられたりしたが、大人の対応をした。可愛い子たちだったので男子たちの制裁をくらいそうになったが、返り討ちに。物理最強。それとピアノの件がやはり漏れていて、それをいじられると、意気消沈、自暴自棄になってガブ飲みをしていた。

 

なんやかんやでどこか甘く、ほろ苦い文化祭は幕を閉じるのであった。

打ち上げ中に屋上で芝居をしていた二人もいたらしい。青春だね、名シーンだ。

 

 

また、ピアノ始めようかな。いや、ギターでもやろうかな、なんてな。

 




初めて5000字に。
とりあえず文化祭は終わりましたね。
文化祭って準備はすごい時間かけるけど、終わるとあっという間なんですよね。片付けでダンボールとか壊すの、結構爽快なんですよね。
モザイクアートとかしたなあ。懐かしいなあと。

最近はラム酒にはまっており、仕事疲れで余計に睡魔がすぐ襲ってきます。
眠くなるタイプなんです。「人生」読んで寝るとしますか。

感想、批評お待ちしております。

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