2度目の高校生活   作:くるぶしおかか

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今更ながらアマガミをプレイしています。
絢辻さん裏表のない素敵な人でした。

では、続きです。


15話

時は流れ新学期。

突然だが自分には嫌いなものが3つある。

ひとつ「学園祭準備にはしゃぐ女子」

ふたつ「それに便乗して無理にテンションを上げる愚の骨頂の男子」

みっつ「それらを全て抱擁しやさしく微笑む教師」

なぜ急にこんなこと言うのかだって?そう来たんだよあのいまわしき学園祭の時期が。

学園祭のいい思い出なんてなかったのだ。非リアなめんなよと声高く伝えたい。

 

 

「はいはい注目―それでは早速今年行われる我が校の文化祭の話し合いを始めたいと思います!」

 

そう黒板前で発破をかけているのは親友の集だ。あいつこういうイベントは率先してやる奴だったな。

 

「げ、舞子かよ」「変な企画たてんなよ」「実行委員舞子かよ」「ちっ」

「こら、貴一、舌打ちすんな!」「あ?」「いや、なんでもないです」

イライラが伝わったのだろう、悪いとは思わないけどな。

 

「それでうちのクラスでは投票により文化祭当日に行う演劇に決まった!気になる演目は「ロミオとジュリエット」!!」

 

甘いんだよね、劇でもやれば出し物の評価として高いとか、もしかしたら女子と近づきになれてモテるのではとか考えているのだろう。その考えは間違っている。無難に料理系の出し物でいいのに、全くもう。本当にモテるのは自炊系男子さ。ここは料理できますアピールの方が楽だし、そっちのが良かったのだがな。

 

「それで今日は配役を決めたい。そこで提案なのだが……」

「主役のロミオとジュリエットには我がクラスのラブラブカップル……!一条楽と桐崎千棘嬢にお願いしようとおもうのだが、どうだろう?」

そして鳴り響く拍手、まあ妥当な判断だよな。だがしかし予想外なことがおきた。

「やらない。演劇に興味ないしやりたくない…誰かほかの人に…」

そういえばこの二人喧嘩っぽいことしてたんだっけな、と言っても桐崎が一方的に避けているのだけれども。

「うーん、そっかあ残念だなあじゃあ誰かほかの人に」

「はいはいはーい!!私がやりますわ!」

と、名乗りを挙げるのは橘だ。

「なあにー万理花さんがジュリエットだとお!?ならばおれがおれが!!」

と、男子陣が収拾つかなくなってきたな。

じゃあ俺が。からのどうぞどうぞの流れではないようだ。

 

「仕方ねえな、公平にくじ引きで」

「パス」ちなみに私は引いておりません。

そして決まったのは楽と小野寺だった。すごい確率だな、楽のくじ運の良さは他の追随を許さないな。

 

「それじゃあ放課後、劇の練習するから教室に集合なー!」

 

 

いろいろ劇の配役も決められた。え、私ですか?小道具、衣装係ですがなにか?自分の小手先の技術を活かすにはここしかないだろう。人前で劇とか自分のキャパシティを超えてくるからとりあえず却下にしたんだよね。

だって、さあ、なんか恥ずかしいじゃん?過去に劇で大層な役を演じたことがあるので、その黒歴史をフィードバックしたくないのだ。

「なあ貴一、お前も劇に出ろよー」

「そういう集もナレーションだろ?俺、人前に出るのあんまり好きじゃないんだよね。恥ずかしいってことにしとくわ」

「な、なんだよそれ、そういうのやりたそうに思ってたわ」

「全く……どんなイメージを持ってるのやら、まあ、楽にまかせとけばなんとかなるだろ、多分」

「まさかあの配役になるとはね、素でびっくりしたわ」

 

 

文化祭本番も間近に迫り、演劇の練習も本格的になってきている。

今は手芸部の部員達と衣装作りをしております。

「二見君、小物作りに衣装作りもこなせるなんて……」

「なんなのこの女子力は!?」

「手芸部の私たちが負けるなんて……」

と、無双状態にはいっております。

「材料、素材に関しては集が手配してるし、やるからには納得いくようにしたいからな。こだわっていきたい」

裁縫スキルA クラスだからな。知らんけど。

そうして完成した楽や小野寺の衣装は非常に納得できる水準の出来栄えだった。

小野寺可愛いすぎんだろ。小咲は俺の嫁!違うかっ!!

 

「どうしよう、鶫さんの胸が収まらないんだけど……」

「ちゃんと採寸したのに」

なんだと、また成長したのか。けしからん、ここは衣装係として

「なんだと!?誠士郎、さあ測らせるんだ!」

と、しきいのカーテンを開く私。

「二見くん、男子は来ちゃだめだよ!」

「んなことどうでもいいわ!さあ、ちょっと生地に余裕もたせるから、こっち来い」

「み、み………」

「あ?」

「見るなーーーーーーーー!!!」

そしてグーが飛んで来た。とっさで避けれなかった、解せぬ。

まったく、少し下着を見られたくらいで、なんて奴だ、全く困ったもんだ。

このときは自分の行動に疑問を全く抱いていなかったのだ。

そうして、わいわいしながら作業をこなすのであった。

 

そして、

「パンっ」

と、廊下から音が聞こえた。空気が何事かと急に静まり返った。そう思って音の鳴るほうを見てみると桐崎さんが楽をビンタしていた。よかったな、首はしっかりとついているようだ。

 

「なになに喧嘩?」「修羅場?」「破局?」

「楽のやつM体質に目覚めたらしいよ」「集…」

「なにそれ、引くんだけどど」「マジ引くわー(棒読み)」

 

「なあ集よ、さすがにMに目覚めたはないだろ……」

「でも、あれでなんか通ったみたいだぜ」

「どうかしてるぜ。まあ、あの二人ならそのうち仲直りするだろ」

「そうだといいけどな」

 

 

只今、自宅。

 

 

「もしもし春ちゃん、今、大丈夫?」

「はい!大丈夫です。先輩、どうかしたんですか?」

「今度、高校の文化祭あるからさ、学校案内も兼ねて見に来ない?」

「なるほど!元々見に行こうとは思ってたんです!先輩が案内してくれるんですか?」

「もちろん、自分で良かったら」

「お願いします。それですね、友達も一緒に案内してもらってもいいですか?」

「春ちゃんの友達?もちろんいいよ!喜んで!」

「風ちゃんっていう子なんですけど。じゃあ、当日よろしくお願いしますね、学校に着いたら連絡するので!」

「はいよー、それじゃあまた。おやすみ春ちゃん。」

「おやすみなさい、貴一先輩」

 

 

劇の準備はもういいのかだって?いや、自分裏方なので。もう仕事はやりつくしたからね。あとは劇を眺めて見守るくらいだよ、うん。

楽と小野寺の劇に期待。……あ、たしかトラブルがあって小野寺が捻挫で劇に出れなくなのだったかな。悲しい事件だけど仕方ないよね。

もしかしたら何も起こらないかもしれないし、でもこのイベントがないとあの二人の成長にもならないし、判断が難しいな。だからといって誰かが怪我するのを黙って見ているほど性根は腐ってはいないはずだ。一応それとなく見て大事になりそうだったら対処に向かおう、そうしよう。

 

 

そして文化祭当日に迎えるのであった。

 




とりあえずここまで。ようやく風ちゃんが出せる!
ここまで長かった・・・・・

次回文化祭編です。

感想、批評よろしくお願いします。

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