すばらしい!!
続けて更新です!!
学校では只今、衣替えの季節。暖かくなり半袖の制服に変わっていた。
今日なんと鶫にラブレターが靴箱に届いていたようだ。やはりモテますよね。自分も若かったら勢いで告白して玉砕してたな、てか結局フラれるのかよ。
しかも相手はどうやらサッカー部のイケメンでモテるらしい。横の集の顔がめっちゃしゃくれてる、とりあえずしゃくれてやがる。気持ちはわかるが。というかラブレターをみんなに晒すの止めてあげて、実際自分がラブレター出して「私、○○からラブレター貰ったんだけど」「えー」なんて情報が広がって振られたらトラウマもんだよね。だから言いたい、ラブレターをもらったのなら本人だけの秘密にしてあげなよと、まあラブレターが偽物だという考えてをしてしまうのは自分だけなのだろうかはわからない。
なんと鶫の奴ラブレターの意味も知らなかったらしく意味を知ってめっちゃオロオロしている。可愛いじゃねーかこの野郎。
「あ、でも鶫ちゃん、好きな人がいるんだっけ」
「ま……また、そんなものはいないと……」
「あははー隠さなくていいのにー」
「それで、結局どうすればいいのでしょうか」
まあここは鶫次第だよね、助言は必要ないだろう。自分で出す答えこそが大事だからね。
ちょっと気分転換に屋上に微糖の缶コーヒーを片手に向かった。
屋上は風がよく吹き微妙に心地良い。ちなみに一人、ぼっちとか言うなよ、泣きたくなるから。
と、少し黄昏ていると屋上の扉が開き、誰かと思えば知っている顔だった。
「なんだ鶫か、どうしたよ」
「いや、返事をどうしようか悩んでいてな」
「ふーん、で、そいつと付き合うの?」
「え!?いや、だってまだ話したことの無い相手だぞ?」
「まあそうか、それでも好きになったんだろうそいつは、お前のことを。一目惚れなのかな?知らんけど」
「他人事だな」
「そりゃあそうだろ、お前のことだし、言わせてもらうと相手の気持ちも考えてあげなよ。そのまま無視ってのはそいつめっちゃ傷つくと思うしな、答えがどうであれ」
「そうか……なら私なりの答えをすることにするよ」
「ああ、そうか、行ってきな」
「ああ、その、なんだ………ありがとう」
そういって屋上から出て行った。ああ、青春だねえ。告白現場を覗き見しようなんて野暮なマネはしない。スピードワゴンはクールに去るぜ。
あー本当、鶫っていったい誰が好きなんだろうなー。
下で楽達がドタバタしているのだろうな。サッカー部のイケメンよ、振られてしまうがドンマイ。この言葉だけ送ろうと思う。割と自分が空気だということは意識したくないなあ。
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「皆さん、実はお嬢に秘密の話があるんです。少しよろしいでしょうか」
あれ、集がいない。まあいいか。
「今日は千棘お嬢様の誕生日なのです!なのでそのサプライズパーティーに皆さんをご招待したいのです」
鶫と楽のアタフタな感じ、ツンデレが空回りしているのは面白いが、楽さんちょっと鈍すぎやしませんかね。今度ギャルゲーでも貸してあげようかなどと考えていた。そして楽は小野寺と一緒に誕生日プレゼントを買いに出かけるようだ。
プレゼントかあどうしようかなあ、やはり実用的な物に限るか。重くなくちょっとあったら便利かなあぐらいのものかなあ。ちょっと鶫さんに助力を願おうか。
「なあ鶫、これから時間ある?」
「どうした二見、時間は……大丈夫だ」
「ならさ、ちょっとプレゼント選び手伝ってくれないか?桐崎さんの趣味嗜好知らないからなあ」
「そ、そそ、そういうことなら手伝ってやらんこともない!」
「手伝ってくれないのか?」
「な!手伝うと言ってるだろう!」
これだからツンデレさんは扱いやすいな。
そして二人でプレゼント探しへ、雑貨屋さんですこしシックな写真立てを購入。
「ありがとな、鶫。買い物手伝ってくれて」
「ふん、これくらいいつでも付き合ってやるぞ」
ちょっとヨイショしたらノッてくれるこの子、チョロ過ぎやしませんかねえ。
「次は楽と二人きりで出かけたらどうだ?」
「なぜ、私が一条などと!?」
そういや前に買い物行ってたんだっけな、そのときのことでも思い出したのだろう。
「おっ、この反応。なにかあったっぽいなあ」ニヤニヤしながら問いただしてみると、プルプルしている。まずい、今すぐでもその身に持っている銃をぶっ放しそうだ。どこぞのアヘ顔ダブルカトラスみたいに沸点が低くない事を願う。
そして時間が流れてただいま桐崎さん宅へ。
「………おっきいねーー」
すっごい豪邸。
「どうしよう私、たいしたもの持ってきてないんだけど」
「お嬢はプレゼントの値段で人を計ったりはしませんよ」渾身のドヤ顔頂きました。
「ところでなぜ貴様がここに?」
どうやら集の奴どこから情報を拾ってきたのか、誘われていなかったのに来るとはたいしたものだ。ちなみに自分は教えていない。
「桐崎ってやっぱどっかのお嬢様だったんだな」知らないフリと。
親がギャングってことを気にしているみたいだが楽の家もヤクザだしなあ。ここがニセコイの世界じゃなかったらかかわりたいとは正直思わないけどなっ!
「さあ、こちらがパーティー会場となっていますので」
扉を開けると盛大なクラッカーの音とともにギャングの皆様がお出迎え。
「「「ハッピーバースデーお嬢~~~!!!」」」
「「「誕生日おめでとうございます!!!」」」
「いやー今日でお嬢も16ですかい」「おおー!今回は友達も一緒と!」「初めてじゃないすか!」
「嬢ちゃんたち今日はよろしくな!」
顔はこわもてだが人のよさそうな人達だ。
と、騒いでいるとクロードがやってきた。
「これはこれはお嬢のご学友の皆さんですね。ようこそ歓迎します」
テラ子安。表面は人がよさそうなんだけどなあ、楽に対してはめっちゃ煽っていた。
あまりに露骨すぎてすがすがしいぜ。と、プレゼントをみんなで渡してわいわい。楽のプレゼントのゴリラ人形。ちょっと待てそれどこに売ってたんだ?結構そっくりで草が生えそうだ。
「「「小僧、こりゃあどういうつもりだ………お嬢がゴリラとでも?」」」
皆さん、顔!顔怖いですよ。
「アハハ、ありがと、嬉しいよ」すごい良い笑顔。こうしてみればかなり魅力的なのにな。
「初めてのプレゼントの採点をしよう」「何点ですか」「………100点だよ」ドンドン!!
脳内でそのイメージが浮かんできて噴出してしまって変な目で見られたのは失策でした。
テラスで楽と桐崎が鍵の件でアタフタしている中、俺と集はギャングの皆様とトランプやチェス、チャンバラなど好き勝手に騒いでいた。
「坊ちゃん、中々やりますね」
「ええ、あなたも」
いやあ中々有意義な時間だったぜ。おや?確かあの人は桐崎さんの親父さんだ。ちょっと軽く挨拶でもしておこうか。
「お邪魔してます。桐崎さんのクラスメイトの二見貴一と申します」
「ご丁寧にどうも。私は千棘の父親だよ」
「娘は学校でうまくやっているかい?」
「ええ。もうクラスの中心人物ですよ」
「それは良かった。………そういえば君は確か……子供の頃確か千棘と遊んでいたのを覚えているよ。どこか見覚えがあるなあと思ったんだよ」
な…ん……だと!?過去に会っていたことがあるというのか。そう、この身の過去の、自分の知らない記憶の中のことだろう。
「本当ですか!?全然記憶に残ってないんですけどね。お互いに」
「そうか。まあこれからも娘もよろしく頼むよ」
「まあ、彼氏の楽がいますからね」
「フフッ、そうだね」
「では、それでは。今日はありがとうございました」
「ああ、またいつでもいらっしゃい」
本当に良い父親だよな。ギャングなにそれって感じの紳士だよ。変態じゃない紳士だよ。
まあ楽と違った出会いが過去に有ったのだろう。もしかしたら今住んでいる部屋に過去の手掛かりとなるものがあるのかもしれないな。ちょっと気が向いたら探してみるのもまた一興かも。
「はーい、みんな注目!林間学校の写真を掲示板に貼り出されているから各自欲しい写真を提出すること。OK?」
{OK!}ズドンっ!!しまった癖でコマンドーが頭に浮かんでしまった。
一枚100円だと!?普通60円くらいじゃないのか、この……資本主義者め。
いつの間にこんな写真撮ったんだろう、これもいいね、これも!
「おやおや、二見の旦那、こちらにも良い商品がありますよ~」
集がニヤニヤしながら写真を売りつけてきた。
「モロにHな写真など俺の主義に反する、………俺が求めるのは絶妙に恥ずかしいショットのみ!」
さすがです集様。あなたについていきます。
いやー良い買い物でしたね。鶫の写真をこっそり買っていたのは秘密だ。割と班での写真が多かったからね、良い買い物でした。もっと安くなれよ!とは言えなかった。
それからの日々はテスト勉強でマックでみんなで勉強をしたり、ちなみに自分の成績は意外と上位に入れそうな感じだ。まあ普通の公立校っぽいしね。なんかこういうマックとかで勉強会……懐かしいなあ。大学時代はジョイフルなどでしていたのを思い出した。
楽達のラブコメを集と変な顔で見ていた。俺たちっていったい………考えるのを止めた。
小野寺と桐崎さんとは会話は普通。だが鶫とは距離が近くなったような気がする……気がするだけだ。最近春ちゃんと会っていないなあ。風ちゃんとかにも会って見たいけどね。
そろそろマリーさんが襲来するのだろうか。あれ博多弁だっけ?ちょっとうろ覚えだが、会えるのは楽しみだな。
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後輩組、春ちゃんの活躍が・・・欲しいところ。
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