原初の機体と神才のインフィニット・ストラトス   作:赤目先生

9 / 19
お待たせしましたぁ!!修学旅行は一日目のホテルが一番楽しかった赤目です!今回は無人機襲撃ですがセシリア戦と同じ様に戦闘と言う名の蹂躙です。タグにディバゲ組チートのタグを付けた方がいいかもしれませんね。

それではどうぞ!


第六話:無人機襲来

~NOTside~

 

五月、クラス対抗戦当日

 

第二アリーナ第一試合。組み合わせは、世界初の貴重な男性操縦者である一夏 対、一年で中国の代表候補生まで上り詰めた鈴。話題性は十分なようで、観客席は全て埋まっており、立ち見の生徒までいる始末だ

そんな、人でごった返す観客席にマキナの姿もあった。隣には本音が座っていて、そのさらに隣にはさゆかとナギが座っている

一夏と鈴はアリーナ中央にて既にISを展開して向かい合っている。二人は何か話しているようだ

 

「あの二人、何話してるんだろうね~」

 

先程、マキナの隣と言ったが訂正しよう。いつのまにやらマキナの足の上にちょこんと座っている本音から疑問の声が上がる

 

「最近あの二人は喧嘩してたみたいだからそれの続きでしょうね」

 

そう言いながらマキナは本音の頭を撫でる。マキナ曰く、本音は癒しの塊らしい。そんな二人を見ているさゆかとナギを含めた周りの生徒たちも癒されているらしく、顔をだらしなく歪ませている

 

 

 

マキナが本音の頭を撫でていると試合開始のブザーが鳴った。ブザーが鳴り終わった直後、二人は真正面から激突した。斬りかかった一夏の雪片弐型を鈴は二本の青竜刀《双天牙月》で受け止め、押し返す。体勢を崩した一夏は立て直す暇もなく追撃をもらってしまう。鈴は両手の青竜刀を器用に回転させ、あらゆる角度から切り込んでいく

 

相手に反撃の隙を与えず、一方的に攻撃を続けている所を見ると、鈴は代表候補生の名に恥じぬ技量があるようだで、一夏は試合開始時に踏み込んだ以外、防戦一方だ

 

このままでは埒が明かない。そう判断した一夏は一度距離を取った。鈴はそれを追わず―――

 

「甘いわよ一夏!」

 

鈴のIS『甲龍(シェンロン)』の二つの非固定浮遊部位(アンロックユニット)の装甲が開いた。その内部が一瞬光って―――一夏が見えない何かに吹き飛ばされた

 

「へぇ、あれが衝撃砲なのね」

 

一夏が吹っ飛ばされたのを見て、観客席のマキナが本音を撫でる手を止め興味深そうに呟いた

 

「衝撃砲?」

「なにそれ?」

 

マキナは本音を元の席に戻し、二人の問いに答えた

 

「空間に圧力をかけて砲身を作り、そこから余分な衝撃波を砲弾として撃つ兵器よ。砲弾が見えないから避けにくいわね」

 

へー、と二人が納得したような声を上げる。アリーナではいまだに試合は続いている。鈴が撃つ衝撃砲を一夏がかろうじて避けているが、被弾が無くなったわけでは無い。

鈴は中々当たらなくなってきた衝撃砲の出力を下げ、連射に特化させる。それをチャンスを思い一夏は被弾覚悟で鈴に瞬時加速を使い一気に接近し零落白夜を発動し斬りかかろうとしたとき

 

 

―――ズドオオオオオオオオンッ!!!

 

 

「!?」

 

アリーナ全体に轟音と衝撃が走った。アリーナ中央には煙が上がっており何かが落ちてきたことしか分からない。しかし、そこに落下するためにはアリーナのシールドを突き破ってこなければならない

 

状況が分からず混乱する一夏に鈴からのプライベート・チャンネルで通信が飛んできた

 

『一夏!試合は中止よ!今すぐピットに戻って!』

 

一体何が起こっているんだ、と一夏が思った瞬間、白式のハイパーセンサーが緊急警告を発した

 

〈【警告】熱源確認/所属不明のISと断定/ロックされています〉

 

「なっ―――」

 

それはつまり、煙の中にはアリーナのシールドを突き破れるほどの攻撃力を持つISが居るということであり、アリーナのものと同一であるISのシールドをも敵は貫通できる、ということを証明していた

 

 

 

 

 

 

~マキナside~

 

 緊急事態。これほど現状を表現するのに的確な言葉は他には無いでしょうね。

 正体不明のISがアリーナのシールドを破って乱入してきた。しかもそのISがアリーナ全体をハッキングしているらしく、出口がロックされ、非難が全く進まない。しかもアリーナのシールドレベルも上げられているようで、ステージで交戦中の二人の援護に教師部隊が出てこれていない。仕方ないわね―――

 

そしてマキナは携帯電話を取り出し、どこかに電話を掛けた。しばらくすると繋がったようだ

 

『やっほーマキナ、久しぶりだね』

「はい、お久しぶりです。ご主人様」

 

出てきた人物はマクスウェルだった

 

「ご主人様、急に電話を掛けて言うのもなんですが、折り入って頼みがあります」

『アリーナの扉のロックの解除でしょ?いいよーやってあげる」

 

なぜここに居ないマクスウェルがアリーナのことを知っているのかと言うと、何かイベントがある時はマキナの見ている光景を向こうでも見ているのだ

 

『それじゃあマキナは扉に今送った端末を接続してきて』

「かしこまりました。それではまた」

 

 そう言って電話を切る。アリーナの扉は間隔が空いてはいるがそこまで多いわけでは無い。そんなことより千冬への説明の方が面倒くさいわ。

 

千冬への説明を考えながらマキナは観客席を離れ、パニック状態の生徒たちを押し退けながら扉に近付き扉付近のパネルに送られてきた端末を接続する

 

「しばらくすれば扉が開くから落ち着いて避難しなさいよ」

 

 さっさと全部の扉に端末を挿してきましょうかね

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

全ての扉のロックを解除してマキナは逃げ遅れた生徒がいないか探していた。どこにもいないと思いマキナはISを展開し、正体不明機をスキャンした

 

(へえ、あれ束の所にあった無人機とほぼ一緒ね。そういえば設計図が一つ盗まれたって言っていたわね)

 

一夏と鈴が苦戦しているのでマキナも援護に向かおうとしたとき―――

 

『一夏ぁっ!!』

 

アリーナのスピーカーから聞いたことがある声が響いた。キーン……とハウリングが尾を引くその声は箒が中継室のマイクを使って発したものだった

 

『男なら……男なら、そのくらいの敵に勝てずしてなんとする!』

 

 信じられない……なんなのあの娘、戦闘中にそんなことしたら自分から撃ってくれって言ってるようなものじゃない。

 

案の定、敵ISは箒に反応した。一夏と鈴そっちのけで、巨大な腕を箒に向ける。その腕には大口径のレーザー砲が付いており、生身で受けたら塵も残さずに消えてしまうだろう

そう考えたマキナの行動は速かった。アリーナのシールドをビットを使って突き破り、敵ISのレーザーが放たれると同時に箒の前にビット四つを全て盾の様に広げて守る。

 

マキナ自身は両の掌についている発射口《アウェイク:マキナ》から発射されたビームで敵ISの両腕を吹き飛ばす。その後、敵ISに接近し頭部を掴むとアウェイク:マキナで消し飛ばした。

 

「三人とも、無事かしら?」

 

 箒の首根っこを掴み一夏に手渡す。今回の様な事は二度としてほしくないわね。

 

「あ、あぁ、こっちは無事だ。ありがとな箒を守ってくれて」

「いいのよあれぐらい、その代わりに後で何故あんなことをしたのか聞かせてもらうわね」

 

そう言いながらマキナ達はピットに向かって移動していく

 

―――――しかし、戦闘はまだ終わっていない

 

(ロックオン警告!?)

 

警告を受けたマキナは一夏と鈴、箒をピットに投げ飛ばしアリーナ中央に向かって瞬時加速を行う。その直後、マキナ達の居た場所にクレーターが作られた

マキナが上を見上げると、そのこには先ほど倒した無人機と同じ外見をしたISが一機、佇んでいた

 

「あなたたちはピットに避難していなさい!」

 

 出てこようとする一夏と鈴を制止させる。

 

「でも!一人だけじゃ!」

「シールドエネルギーがほぼ尽きてるお荷物を抱えて戦うより一人の方が楽に倒せるわ。だから下がってなさい」

 

二人に言い聞かせてマキナは無人機にビットによる射撃をしながら一気に近づいていく。無人機もその攻撃を受けるわけにもいかず、機体を捻らせ最小限の動きで避け反撃する。が、その時には既に回避時の隙を突いたマキナが目の前にいた

 

「消えろ鉄屑……」

 

振り抜いた右の拳が無人機の顔面を粉々にし吹き飛ばす。無人機は吹き飛ばされながら腕からレーザーを撃ち反撃する、しかしそんな攻撃も軽々と避けられてしまう。マキナはお返しに全てのビットから最大出力でビームを撃つ。アリーナのシールドに打ち付けられた無人機が避けられる筈もなく四肢が捥がれる

 

(後始末は教師部隊に任せればいいわよね)

 

そしてマキナは完全に沈黙した無人機を一瞥し一夏たちが待っているピットに戻って行く。その途中、教師たちがアリーナに入ってくるのが見えた

 

「あら、三人とも固まっちゃってどうしたのかしら?」

「いや、ただ俺たちがあれだけ苦戦したのをあんなに簡単に倒したから驚いてな」

「当たり前じゃない、あの程度の敵に苦戦してるようならあの方を守れないわ」

 

 そういえば最近はあまり強い敵もいなくて退屈してるのよね。

 

「それじゃあ、さっさと帰るわよ」

 

そう言ってマキナはISを解除し、一足先にアリーナを出て行く

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

放課後、マキナは事情聴取のために応接室に来ていた。千冬、真耶、楯無がそこには既に来ていた

 

「それで、私に聞きたいことは何かしら?」

「いわずとも分かっているだろう、アリーナの扉をハッキングしたことについてだ」

 

 予想通りね。だったらこっちも予定通りに進めましょうか。

 

そしてマキナは何も言わずに粒子化させていたパソコンを取り出し、マクスウェルにカメラ通話を繋げた。真耶が何か言おうとするが千冬に止められていた。暫くするとパソコンの画面にマクスウェルの顔が映し出された

 

『やっほーマキナ、さっきぶりだね』

「先程ぶりです、ご主人様」

 

千冬たち三人は普通に有名人が出てきたことに驚愕している様だ

 

『じゃあハッキングについては私が話すね。と言ってもマキナの頼みを聞いてあげただけなんだけどね』

「頼みと言うのは?」

 

千冬が疑問を呈する

 

『周りの人間がピンチだから助けてくれ、っていう簡単なものだよ。いや~私はマキナが人間らしくなってきてくれて感無量だよ』

「人間らしくというは?オリジンさんは人間なのでは?」

 

今度は、マクスウェルの言い方に疑問を持った真耶が質問する

 

『マキナは生まれがちょっと変わっててね。数年前までは私にすら感情を見せなかったからね』

「それで、ハッキングの方法は?」

 

生まれについては聞かない方がいいと思った楯無が質問する

 

『ああ、言うの忘れてたよ。それは簡単だよ、マキナに扉のセキュリティを読み取る端末を取り付けてもらって、そこからハッキングしてロックを解除しただけだよ』

 

意外と簡単だったよ。と続けて言う。すると後ろから千冬にとって聞きなれた声が聞こえてくる

 

『スーちゃん、そろそろこっち手伝って~』

『分かったよ~それじゃあ話はこの辺で。マキナ、今度はゆっくり話そうね』

「かしこまりました、楽しみにしております」

 

プツンッと音を立てて通話が終了する。そしてマキナが千冬たちにようやく口を開く

 

「それじゃあ私はもう帰っていいかしら」

 

いつもの口調に戻ったマキナに千冬が聞いてくる

 

「一つ、個人的なことを聞いてもいいか?」

「いいわよ」

「束はマクスウェル博士と一緒にいるのか?そして束は元気か?」

「それじゃ二つじゃない。まあいいわ、束はご主人様と一緒に暮らしていて元気だと思うわよ」

 

 そうか。と一言だけ言い千冬は安心した様に息をつく。やっぱり親友のことは大切にしているのね。私がご主人様以外に大切にするとしたら、本音と簪あたりかしらね。

 

「じゃあ私は部屋に帰ってもいいわよね」

「ああいいぞ、面倒を掛けてしまってすまないな」

「いいのよこのぐらい」

 

そう言ってマキナは応接室を出て自分の部屋に帰って行く

 

 

……そういえば余談ではあるが事情聴取の後マキナは箒の所に行き、翌日の日が昇る時間まで説教されたそうだ。箒は軽くトラウマになり数日の間マキナを見ると体が震えてしまっていたらしい




今回はどうでしたでしょうか?文字数が原作で言う一巻の内容が終わりましたね。原作持ってませんがね!次回からはシャルとラウラですね。シャルはどうしましょうかねぇ

感想、アドバイスなどがあればドンドン言ってください。

それではまた次回ィ!    


あ、因みに旅行先は九州でした

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。