原初の機体と神才のインフィニット・ストラトス   作:赤目先生

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皆さん今回の投稿がいつもより遅れてしまい、すいませんでした。理由はテスト2割、友達と一緒にゲームをしていたのが8割です。もっと早く投稿できたはずなんですけどね。あ、あと鈴まで行けませんでした。それではどうぞぉ!


第四話:良いサブタイが思い付かない

~マキナside~

 

「では、一年一組代表は織斑一夏くんで決定です。あ、一つながりでいい感じですね」

 

クラス代表決定戦の翌日のSHR。教壇に立つ真耶の言葉に周りからは拍手が起きた。対象の一夏はどうしてこうなった、と言わんばかりに頭を抱えていた

 

「先生、質問です」

「はい、織斑くん」

「俺、昨日の試合に負けたんですが、どうして俺が?」

「それは―――」

「それはわたくしが辞退したからですわ!」

 

セシリアが立ち上がり妙に高いテンションで宣言した。

 

「確かにわたくしは勝ちました。しかしそれは考えてみれば当然の事。なにせわたくしが相手だったのですから。それでまあわたくしにしても、大人げなく怒ったことを反省しまして。『一夏さん』にクラス代表を譲ることにしましたわ。何せIS操縦には実戦が何よりの糧。クラス代表となれば戦いには事欠きませんもの」

 

セシリアの言葉に他の生徒たちも賛同する。

 

「だ、だったらマキナはどうなんだ?セシリアに勝ったじゃないか」

「あら、私はクラス代表には推薦どころか立候補すらしてないわよ」

 

 何を言ってるのかしらね一夏は、さてと今日の一時間目は……

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「ではこれよりISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。織斑、オルコット、オリジン、見本として実際に飛んで見せろ」

 

一組の専用機持ちが前に呼び出される

 

「まずはISの展開からだ。やれ」

 

 千冬の指示に従い、ISを展開する。

 

 私のISの待機形態は右手の薬指にある指輪だ。薬指には神への神聖な誓いをする指といわれてるらしい。神に仕えている私に丁度良い待機形態だ。

 

「織斑、集中しろ」

 

 千冬の叱咤が飛ぶ。横と見ると一夏はまだ展開できていなかった。セシリアは伊達に代表候補生を名乗ってないだけあって結構早いわね。少しして一夏も展開を終える。

 

「よし、飛べ」

 

 千冬の合図で飛び立つ。一気に上昇していく、ある程度の所まで来て、私、セシリア、遅れて一夏の順で停止する。

 

「何をやっている織斑。スペック上の出力はデウス・エクスはともかく、ブルーティアーズより白式の方が上だぞ」

 

 一夏は本日二回目のお叱りを受けた。今日は何回かしらね~

 

「と言われても、『自分の前方に角錐を展開させるイメージ』って言うのがまだ感覚を掴めていないんだよなぁ」

「一夏さん、イメージは所詮イメージ。自分がやりやすい方法を探す方が建設的でしてよ」

「なるほどな、参考までに聞きたいんだけど。マキナはどんなイメージなんだ?」

 

 イメージか……なんて答えればいいのかしら。とりあえずありのままを伝えましょうかね。

 

「イメージなんてしてないわよ。飛べるから飛んでる、それだけよ」

「な、なんか格というか、そんなものが違うな」

「とりあえず練習すれば自然に飛べるようになるわよ」

 

 少なくとも私は、人間にとって練習は嘘をつかないと思ってるわ。

 

「とにかく練習あるのみって事か」

 

 そこまで話したところで千冬が次の指示を出してきた。

 

「次は急降下と完全停止をやって見せろ。目標は地表から十センチだ」

「了解です。でお二人ともお先に」

 

 一番最初にセシリアが急降下していく。そして……停止。やっぱり上手いわね。伊達に代表候補生やってないって訳ね。

 

「次は私が行くわね」

 

そう言って、瞬時加速《イグニッションブースト》を使用して地表に近づいていくマキナ。地表十センチ近くで下に向いていた体をPIC《パッシブイナーシャルキャンセラー》と体を振った際の勢いで一瞬にして上に向ける。

それを見ていた他の生徒たちから拍手が起こる

 

「はぁ……技術は認めるがあまりその様な無茶をするなよ」

「大丈夫よ、織斑先生。私、頑丈だし」

「織斑先生、今の危ないんですか?」

 

 私と千冬の会話に疑問を持った生徒が質問してくる。

 

「ああ、今のは最悪、内臓が潰れる。お前らは真似するなよ」

 

 皆の顔が青褪めちゃったじゃない。千冬もそんなこと言わなくても……ああ、教師だから言わないといけないのか。

 

「マッキー、大丈夫~?」

 

 本音が心配そうな顔をしながら声を掛けてくる。

 

「心配しなくても大丈夫よ、さっきも言ったけど体は頑丈だから」

 

 心配させないように笑顔を作り、頭を撫でると本音は気持ちよさそうに目を細めている。やっぱりこの娘は癒されるわぁ……

 

「でも、後でちゃんと検査受けてね」

「ええ、分かってるわ」

 

 叶うはずのない約束をした所で一夏が降下を始める。あれ降りるっていうより……そこまで思ったところで一夏が落ちてきて、グランドにクレーターを作った。

 

「誰がグランドにクレーターを作れと言った」

「いや……その……」

「後で埋めておけよ」

「は、はい……」

 

 一夏が穴から出てきた。次で最後かしら。

 

「さて、次に行くか。次は武器の展開をしてもらう。まずは織斑」

 

 千冬に言われて雪片弐型を展開する一夏。その間、約一秒。

 

「まだ遅いな。まずは0.5秒を目指せ」

 

 千冬は厳しいわね。一週間でこれなら良い方だとおもんだけれど。

 

「次はオルコット」

「はい!」

 

 返事と共に腕を横に向け、武器を呼び出すセシリア。ポーズはよく分からないけど一夏よりは早いわね。

 

「流石、代表候補生と言ったところか。しかし、そのポーズは直せ。誰に向かって撃つ気だ、正面で展開できるようにしろ」

「で、ですが、これはわたくしのイメージを纏めるために必要な―――」

「直せ。いいな」

 

 千冬からしたら隙だらけな呼び出し方は早い内に直した方がいいと思ったのでしょうね。

 

「オルコット、次は近接武器をてんかいしろ」

「えっ、はっ、はい」

 

 レーザーライフルを収納して、近接武器を展開しようとするが、中々出てこない。

 

「まだか?」

「も、もうすぐです。―――ああ、もうっ!インターセプター!」

 

 やけくそになって武器の名前を呼んで展開するセシリア。教科書に書かれてる初心者用のやり方で展開したけど近接武器には慣れてないのでしょうね。

 

「……何秒かかっている。実戦でも待ってもらうつもりか」

「じ、実戦では近接武器の間合いに入らせませんわ!だから、問題ありません!」

「ほう、織斑との対戦で初心者に懐に入られていたようだが?」

 

 射撃特化でも、近接武器の展開速度は早くないといけないわね。まあ、私は近接武器自体を持ってないけれど。

 

「最後はオリジンだ」

「分かったわ」

 

 そう言われてビットを展開する。

 

「0.1秒。早いな」

「このぐらい普通にできるわよ」

 

 さっきから皆の顔が面白いわ。青くなったり驚いたり。

 

「他の武器は無いのか?」

「一応、掌にビームの発射口があるわ。撃ってみる?」

 

 千冬は少し考えてから今日はやらなくてもいいと言ってきた。

 

「それじゃあ近接武器はあるのか?」

 

 そう聞かれた私はビットを撫でながら答えた。

 

「このビットが自分に向かって飛んできたら痛いと思わない?」

「なるほど、大体は分かった」

 

千冬は生徒たちの方に向き直り

 

「当たり前だが、ISも反復練習が重要だ。基本的な技術が今出来なくても、何度も繰り返して練習しろ。目標はオリジン……とは言わんが目標は高ければ高いほど良いからな、精進しろ。良いな」

「「「「「はい!」」」」」

 

締めの言葉を言って授業は終わった

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 昼休み、私は本音と他の生徒―――鏡ナギと夜竹さやか―――と一緒に昼食を食べている。そういえば―――

 

「本音、貴女たまに夜遅く帰ってくるけど、どうしたの?」

 

 本音がゲテモノお茶漬けを飲み込んでから答える。

 

「えっとね~かんちゃんの所にいるよ~」

「かんちゃん?」

 

 かんちゃんとは誰だろう。本音の友達ということは分かるのだけど……

 

「かんちゃんっていうのはね、本音の幼馴染の更識簪さんのことだよ」

 

 なるほど更識か……姉とは関係無いのでしょうけど会ってみたいわね。

 

「本音、その簪に会ってみてもいいかしら?」

「いいと思うよ~かんちゃんは第三整備室にいるよ~」

「分かったわ、ありがとうね本音」

 

 そう言って本音の頭を撫でる。なんだか最近、本音の頭を撫でるのが癖になってきてる気がするわ……

 

 

 

 

そして放課後になりマキナは本音と一緒に第三整備室に来ていた。本音は今回も簪を手伝おうと思い、整備室に来ていた。否、今回も、というより今回こそと言うべきだろう。本音は何度も手伝おうとしているのだが、簪が一人でやると言って言って聞かないのだ。説明してる内に整備室に着いたようだ

 

「かんちゃ~ん、手伝いに来たよ~」

 

 その声に気付いていないのか、水色の髪の少女はキーボードを弾いて何か打っているようだ。彼女が本音の言っていた簪ね。

 

「かんちゃ~ん気づいてよ~」

 

 そう言って本音が簪の肩を揺さぶる。

 

「本音…止めて…」

 

 本当に止めてほしそうな目で簪は本音を見ている。すると、こっちと目が合った。挨拶ぐらいはしておこう。

 

「初めまして、更識簪さん。マキナ・オリジンよ」

「ど、どうして名前を?」

「えへへ~私が教えたんだよ~」

「なんで?」

 

 本音がそう聞かれると少し赤くして嬉しそうな顔をした。

 

「マッキーがね、私の帰りが遅いのを心配してくれたんだ~」

「そういうことよ。私が心配して、貴女の所にいるって教えてくれたからここに来たのよ」

 

マキナがそう言うと簪は遅くまで残らせたことを怒られるのかと思い身構えてしまう

 

「別に怒りに来たわけじゃないわよ、更識楯無の妹がどんな人か知りたかっただけよ」

「あ、あなたも……」

「ん?」

「あなたも私のことをあの人の付属品だって思ってるの?」

 

 簪が目を鋭くしてそう言ってくる。……なるほど、大方、姉と比べられてきたからそれがコンプレックスになってるってとこかしらね。

 

「そんなこと考えてないわよ。貴女は貴女。姉は姉じゃない」

 

 簪が驚いた様に目を丸くしてこちらを見てくる。人間なんだからそれぞれが違うのは当たり前だと思うのだけれど。

 

「あ…ありがとう…」

「どういたしまして?」

 

 それじゃあ、そろそろ部屋に帰ろうかしら。……ああそうだ。

 

「そこのプログラムの数値、一部間違ってるわよ」

 

 そう言って間違っている所に指を指す。簪がそこを見て驚いている。

 

「偶には周りに頼ることもしなさいよ。一人じゃ出来ることなんて限られているのだから」

 

 ご主人様だって私に頼ることもあるのだから、人間一人に出来ることなんて高が知れている。

 

そしてマキナは、簪に背を向け手を振りながら去って行く。

 

 

本音と簪以外の誰かの視線を感じながら……

 

 

 

 

 

 

~簪side~

 

 あんなこと言ってくれた人、初めてだ。初めてあの人を知っている人から私を私と扱ってくれる人に出会えた。

……周りを頼れ、か……まだ一人でやろうと思うけど、本当に行き詰ったらまずは本音に頼ってみようかな。あと、オリジンさんとも、もっと話してみたいな。……本音と一緒の部屋だったはず。……今度行ってみよう。




あれ?本音と簪の様子が…… 当初はこんなはずじゃ無かったのに、どうしてこうなった…… どんどん百合に向かって走っている気が

次回は鈴登場です。どこまで書けるんでしょうね。

それでは、また次回。

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