原初の機体と神才のインフィニット・ストラトス   作:赤目先生

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はいさい!今回は一人称と三人称を混ぜて書いてみました。書きやすかったのでこれからは、この書き方で行きたいと思います。

それでは、第一話どうぞ!


第一話:IS学園入学ついでに宣戦布告

 ここはアラスカ条約によって建造されたISの操縦、整備などを学ぶIS学園。その入学式が終わった後の一年一組の教室である。そこには男性がいた。名を織斑一夏という。

 ISは通常、女性にしか起動できないものである。それなのになぜ男がこのIS学園に居るのかというと、理由は一つしかないだろう。織斑一夏はISを起動してしまったのだ。どうして起動できたのかはまったく分からないが、この男はこれからいろんな意味で様々な困難に直面するだろう。だってこいつイケメンなんだもん。

 

 

 

 

 

 

~一夏side~

 

(これは……想像以上に……きつい)

 

 なんなんだよこの視線の数は……針のむしろ、いや視線が突き刺さってる。

 

視線が突き刺さる、そう感じている一夏だが視線の数はクラスの二十人程度である。残りの約十人の視線は一夏の隣の席に注がれている。

 

(でも、オリジンさんの方にも視線が行ってるけど、大丈夫なのか?)

 

そう、隣の席には第二回モンド・グロッソで誘拐されたときに助け出した、マキナが座っていた。ただ普通に入学してきただけなら注目はされないだろうが理由があった。それは、二週間前に遡る。

 

 

 

 

 

 

~マクスウェルside~

 

「ISコアの複製に成功したぁ!?」

 

 そうやって大きな声を上げるのは同居人の篠ノ乃束だ。まったく、もう少し声のボリュームを下げてほしいところだよ。

 

「そうだよ、あの程度なら普通に作れるよ。因みに三ヶ月前にはもう完成してたりするんだよね」

 

 束のコア作成スピードが少し遅かったから自分で作ってみた結果。案外簡単に作れた。少子抜けだよ、この世界の人間はあの程度の物も作れないのかって勝手に落胆していた。

 

「やっぱりスーちゃんは私よりよっぽど凄いね、純粋にそう思うよ」

「まぁ、私は人間じゃないからね。それとISコアの複製に成功したのは世間に発表するつもりだよ」

 

 束は私の言葉を聞いて呆然としている。何か変なことを言っただろうか?

 

「な、なんで公表するの!?黙っておいた方が安全なのに!」

 

 なんだそんなことか、その点は大丈夫だ。私自身が神で身体能力でも他のことでも人間相手に負けるつもりはないし、負けるとも思っていない。それに、

 

「マキナをIS学園に入学させるんだから、派手に入学させて勝負吹っかけられるようにしないと、データも取れないからね」

 

 そう、これも結局は自分自身のためである。そのためにマキナを道具の様に扱うのは心苦しいけどマキナも了承してくれている。

 

「まぁ、スーちゃんとマーちゃんは束さんより強いから大丈夫だろうけど、どんな風に発表するの?」

 

 ふっふっふ、それも抜かりなく考えてある。

 

「それはね、まず私がコアの複製に成功したって言うでしょ、それからマキナを倒せたら倒した国にISコアを5個作ってあげるって言うんだよ。マキナをIS学園に入学させるって言ってね」

 

 マキナなら負けないだろうから安心だよ。別に作ってあげてもいいんだけど世界のバランスが崩れるからね。

 

世界のバランスが崩れる、この言葉は間違いではない。ISコアは現在467個しかない今でもバランスを保つのがやっとだというのにそれを一国に集中されて作られたら堪ったものではない。

 

「でも、IS委員会とかめんどくさいのがあるけど、どうするの?」

 

 あっ、考えてなかった。でもいいか別に

 

「特に考えてないけど何か言ってきたら物理的に黙らせるから問題ないよ」

 

問題大有りである、この神才は何を考えているのか……いや、何も考えていないからこのような考えが浮かぶのか。

 

「それじゃあ、IS学園入学式の二週間前に発表でいいかな」

 

 あんまり遅すぎると学校側も大変だろうし。

 

そしてIS学園入学式の丁度二週間前にコア複製に成功したことの発表がされた。前述したのとほぼ同じ内容だったそうだ。

 

 

 

 

 

 

~一夏side~

 

時も場所も変わり一年一組教室。一夏はまだ視線の槍に慣れず、渋い顔をしている。

 

(まだ視線が痛い……どうしたら……良いんだ……)

「……君、織斑 一夏君っ」

「は、はい!?」

 

いつのまにか始まっていた自己紹介に自分の番だと気付かずに突然声をかけられたと思い大きな声をだして、目の前の緑髪の巨大な胸部装甲を付けた先生を怯えさせてしまう。

 

「あっ、あの、お、大声出しちゃってごめんなさい。お、怒ってる?怒ってるかな?ゴメンね、ゴメンね!でもね、あのね、自己紹介、『あ』から始まって今『お』の織斑くんなんだよね。だからね、ご、ゴメンね?自己紹介してくれるかな?だ、ダメかな?」

 

ペコペコ頭を下げながら言う緑髪の先生。この人本当に教師か?などと失礼な考えが一夏の頭の中をよぎるが今は自己紹介をするべきだ。

 

「いや、あの、そんなに謝らなくても……っていうか自己紹介しますから、先生落ち着いてください」

「ほ、本当?本当ですか?本当ですね?や、約束ですよ。絶対ですよ!」

 

 か、顔が近い。それにこの人こんな感じで先生やれてるのか?とりあえず自己紹介だな。よしっ!

 

「えー……えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

 それから……えっと……なんだ?いきなり趣味とか言われても困るだろうし。ど、どうしよう

 

「以上です!」

 

 クラスのほとんどがずっこけるけどなんか、変なこと言ったか?

 

するとそこで、ドアの開いた音がした。そのドアから黒のスーツを着こなし、腰までの黒髪をなびかせ出席簿を持った鋭い吊り目の女性が一夏の前まで行き、

 

 スパァン!!

 

「いっ―――!?」

 

 なんだ今の!?何で殴られたんだ!?そう思って顔を前に向けると―――

 

「げえっ、関羽!?」

 

またしても乾いた音が響く。一夏の脳細胞が約一万は死んでしまっただろう。

 

「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」

 

頭から煙が上がっているように見える一夏を無視し、話を始める千冬。

 

 

誰も一夏視点をだらだら見続けるのは嫌だろうから移りますね。

 

 

 

 

 

 

~マキナside~

 

(あれが今の織斑千冬か……)

 

 束の言っていた生身でもISでも強いって話は本当の様ね。入試試験では訓練機同士で対決したけど、引き分けだったから今度は専用機同士で戦いたいわね。

 

そんなことを考えていると千冬が教壇に立ち、話を始める。

 

「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことはよく聴き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。私の仕事は弱冠十五歳を十六歳までに鍛えぬくことだ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな」

 

 ……結構、理不尽なこと言うのね。こんな暴君丸出しの発言なんかする人間についてくるやつがいるのかしら。

 

「キャーーーーー!千冬様、本物の千冬様よ!」

「ずっとファンでした」

「私、お姉さまに憧れてこの学園に来たんです!北九州から!」

「私、お姉様のためなら死ねます!」

 

 いたわ、こんなにたくさん。向こうの世界ではこんな人種、あまりいなかったから新鮮だわ。……私もこんなキャラでいった方が良いのかしら?

 

「……毎年、よくもこれだけの馬鹿者が集まるものだ。感心させられる。それとも何か?私のクラスにだけこんな馬鹿共を集中させているのか?」

 

 千冬、本気であきれてるわね。世界最強が目の前にいるんだから興奮するのも仕方ないと思うけれど。

 

「きゃああああああっ!お姉様!もっと叱って!罵って!」

「でも時には優しくして!」

「そしてつけあがらないように躾して~!」

 

 何?この世界ではこれが普通なの?いくら束と一緒に暮らしてて世間に疎くてもこれは無いと断言できる。絶対に。

 

「で?挨拶も満足にできんのか、お前は」

 

 そう言って千冬は射るような目で一夏を睨んでいる。公私の区別は、はっきりつけているのだろうか。

 

「いや、千冬姉、俺は―――」

 

 また出席簿が襲い掛かってきたわね。ご愁傷様。

 

「織斑先生と呼べ」

「……はい、織斑先生」

「え……織斑くんって、あの千冬様の弟?」

「それじゃあ、男でISを使えるっていうのも、それが関係して……」

「あぁ、いいなぁ。代わってほしいなぁ」

 

 またしても教室がざわめき始める。織斑なんて珍しい名字なんだから、すぐに身内って連想できると思うけど。

 

さわぎ始めた教室を静めるため、千冬は手を叩き注目させる。

 

「では、最後に、オリジン。挨拶をしろ」

「分かったわ、千冬」

 

名前呼びに反応しすぐさま右手にある出席簿を叩きつけようとするが、

 

「危ないじゃない、何するのよ」

「織斑先生と呼べ」

 

頭をずらし、手で弾く。すると、出席簿はきれな放物線を描き千冬の左手に戻ってくる。

 

「分かったわ、織斑先生」

 

そう言ってマキナは振り返り、

 

「初めまして、マキナ・オリジンよ。趣味は特に無いわ。ニュースでも言った通り、私を倒せばISのコアを五個作ってもらえるから、精々頑張ってちょうだい。私は誰にも負けるつもりは無いし、負けるとも思ってないわ。この三年間で私を倒せるぐらいに成長することね。挑戦はいつでも受けるから気軽に声を掛けてもらってもいいわよ」

 

 とりあえず、言うことだけ言って、席に着く。今の話で反応したのはイギリスの代表候補性ぐらいかしら。どうせ国にでも命令されてきてるんでしょうね。

 

「さあ、SHRは終わりだ。諸君らにはこれからISの基礎知識を半月で覚えてもらう。その後実習だが、基本動作は半月で体に染み込ませろ。いいか、いいなら返事をしろ。よくなくても返事をしろ、私の言葉には返事をしろ」

 

 無茶苦茶に聞こえるけど理にかなったことを言ってるわね。ちゃんと考えて言ったのかしら、いえ、きっと素ねあれは。それよりも……

 

(一夏はもう座らせてもいいんじゃないかしら……)

 

 自己紹介の時から、一夏は所在なさげに立っていた。

 

「席に着け、馬鹿者」

 

やっと気づいた千冬の号令により、一夏は座ることができた。

 

 さて、これから初めての学園生活が始まるわね。次からは授業か、授業ねぇ、ISの知識は全部インストールしてあるから暇なのよね。寝てようかしら……そう思った私はスリープ状態に移行する。

 

彼女が目を覚ましたのは一時間目が終わった後の休み時間だった。




今回はどうでしたでしょうか。原作も無いし、アニメも見て無いの、無い無いずくしで書いてみました。

アドバイス、感想、ご要望がございましたら。感想欄までお願いします。

それでは、また次回!

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