原初の機体と神才のインフィニット・ストラトス   作:赤目先生

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まずは謝罪させていただきます。全国のカゲロウ使い、ファンの皆様この度はカゲロウのことを忘れるという失態を犯してしまい大変申し訳ございませんでした。m(_ _)m 

それじゃあ謝罪はこのへんにして、前書きでございますですはい。前回は一人称にするとかほざいてましたが三人称より難しくて断念しました。というわけで今回も三人称です。

それでは、原作前:第一話です。どうぞ!


原作前:第一話

~マキナ、マクスウェルside~

 

 扉をくぐり光に包まれた先に待っていた光景はあまり人目につかない路地裏だった。あの悪戯神は一応こちらのことは考えているようだ。

 

「マクスウェル様、これからどうなさいますか?」

 

 マクスウェルは顎に手を置き考えるそぶりを見せ、

 

「う~ん、そうだね、とりあえずモンド・グロッソとかいう大会を見に行こうか。ISを生で見てみたいし」

「しかし、タダで入れるのでしょうか?」

「それもそうだね、あいつのことだから入れる手段ぐらいあると思うけど」

 

 そう言いながらタブレットを操作するマクスウェルは、あっ、と声を漏らし笑顔を向けながら

 

「あったよマキナ!モンド・グロッソの観戦チケット!」

 

 いや~たまにはあいつもいいことするね。と子供の様にはしゃぎ始めた。

 

「よかったですね、マクスウェル様」

「ほんとによかったよ。それじゃあ!さっそく見に行こう!」

 

 タブレットで周辺の地図を開き現在地を確認すると、

 

「ん?何この反応」

 

 そこには赤い点が複数あり、青い点が一つ存在していた。赤い点には危険だよ♪と書かれており、青い点には助けて~♪と書かれていた。

 

「なんだろう?この点。無性にイラつくけど」

「どうします?見に行きますか?」

 

 あいつの掌の上で踊らされてる感じがしますが。加えて言うマキナの顔は渋い顔をしていた。

 

「そうだねぇ、他人を見捨てるほど私も非情じゃないからね」

 

 もしかしたらISもあるかもしれないし。言うと同時にマクスウェルは歩き出す。その後ろにはマキナが数歩後ろを歩いている。

 

 そこには、一人の少年が車の中から運び出され、廃墟に連れて行かれているところだった。

 

 

 

 

 

 

 

~誘拐犯side~

 

 ドイツの裏路地の一角に存在する廃墟の入り口には二人の男が自動小銃を持って立っていた。

 

「はははっ!今回の仕事はガキ一人攫ってくるだけだったからかなり楽だったな!」

「確かに楽だったが問題はこれからだぞ。いつ世界最強が来るか分かったもんじゃないからな」

 

 そう、この男たちは第一回モンド・グロッド総合優勝を果たし世界最強と呼ばれている織斑千冬の弟である織斑一夏の誘拐を行い、今回の大会で千冬を棄権させようとしているのだろう。

 そのようなことをして利点があるのかは分からないが。

 

「お前は相変わらず心配性だな、世界最強が来たとしてもこっちには人質がいるんだから大丈夫だろ」

「そうだよな、こっちには人質がいるんだから大丈夫だよな」

 

「それで?人質はどこにいるのかしら?」

「「!!」」

 

 突如聞こえた女性の声が聞こえた方向に男たちは銃を向けるがそこには――――――

 

 胴、手、足にのみ装甲を付けた女性が立っていた。

 

「な、なんで――――――」

 

 ISが、続けて言おうとしたがそれは叶わない。

 

「情報提供者は一人でいいのよ」

 

 女性がそう言うと元気に騒いでいた男の首が骨を切断し、半分の太さになってしまった。

 もう一人の男はその光景に脳の処理が追いついていないのか呆然としている。だがある程度の修羅場を潜り抜けてきた男には一瞬で理解してしまった。

 

 

   次は俺の番だと――――――

 

「うわあああああ―――がっ!」

 

 男はぎりぎり喋れる程度に首を絞められ、壁に打ち付けられた

 

「あまり叫ばないでほしいわ、ばれちゃうじゃない」

 

 女性は男に冷徹な目を向け、人質の場所を聞いてきた。

 

「三階の……一番奥の……部屋だ……!だ、だから助け――――――」

 

 そこまで話すと男の首が横に九十度折れ曲がる。

 

「そこまで話してくれてありがとうね、お休みなさい」

 

 女性は三階付近の窓であろうものを見つけると、膝を曲げ垂直跳びをするだけで窓までたどりつく。すると、女性の周りには楕円形の円盤のようなものが漂っていた。

 円盤の中心に光が集まり一筋の閃光が放たれる。

 

「それじゃあ、かわいそうな少年を助けにいきましょうか」

 

 そう言って女性は、崩れた壁を越えて廃墟の中を進んでいった。

 

 

 

 

 

 

~一夏side~

 

「(あれ……?ここ、どこだろう?)」

 

 一夏が目を覚まし周りを見渡すと先ほどまでいたモンド・グロッソの会場でないことが分かる。

 

「(なんでこんなところに…?俺…たしか、千冬姉の応援のためにドイツに来て、決勝戦の前に千冬姉に会いにこうとしたら廊下で男たちに囲まれて、それで…)」

 

 そこまで考えたところで見張りの男に声をかけられる。

 

「おう、坊主ようやく目が覚めたか。気分はどうだ?」

 

 その男は一夏に対し気さくに話しかけてくる。一夏は現状を理解できていないのか呆然としている。

 

「何があったのか理解できてなさそうだな。仕方ない、説明してやるよ」

 

 男は一つため息をつくと、

 

「残念ながら、お前は誘拐されたんだよ」

「!!」

 

 一夏は驚きを隠せずに混乱しながら男に聞き返す。

 

「なんで俺が!」

「あぁ、それはな。お前が織斑千冬の弟だからだ」

 

 気怠そうに男は続ける。

 

「分かるか?今回、俺たちの目的は織斑千冬の決勝戦を棄権させることだ」

 

 詳しいことは知らんがな。そう言うと男は部屋の外へと出ていこうとしたとき、

 

 

 

 

   建物を揺るがす衝撃が襲った―――――

 

「なんだ!?今の揺れは!」

 

 揺れに耐えている男の元に一人の男が駆けつける、

 

「侵入者だ!今すぐ行くぞ!」

「ッ!?織斑千冬か!?」

 

「(千冬姉!?)」

 

 助けに来てくれたのか!?一夏はそう思うと嬉しくなるが、

 

「いや違う!金髪の女だ!ISを装備している!」

「ISだとっ!?クソッ、坊主!巻き込まれたくなかったらここを出るんじゃねえぞ!」

 

 そう言って二人の男は一夏の前から姿を消した。

 

「(な、何がどうなってるんだ)訳がわからねえよ」

 

 口に巻きつけられていた布が緩むと一夏はそう呟いた。

 

 

 

 

~マキナside~

 

「ふぅ、大体は片付いたようね」

 

 マキナは現在廊下の一番奥の部屋へ向かっている途中だ、その少し後方の広間には死人はいないが皆動けないように足を使えなくされている。

 まだ諦めていない一人の男がマキナに対し銃を向け、トリガーを引き弾丸装甲の無い足に放つ。しかし、弾丸は装甲の無い部分に当たったが綺麗に弾かれる。機械であるマキナにただの銃など無意味でしかない。

 

 マキナは何事も無かったかのように一番奥の部屋にたどり着く、幸い鍵は開いたままだった。

 

「彼ら、そうとう焦ってたのかしら、不用心ね」

 

 マキナは待ち伏せなどが無いと思っているのか、なんでもないように扉をあける。

 

「あなたが織斑一夏君かしら?」

 

 俯いていた一夏は声に反応して、勢いよく顔を上げる。助けが来たと思い、安心しきっている様子だ。

 

「そ、そうです」

「だったら、早く外に出るわよ、背中につかまりなさい」

 

 背を向け、姿勢を低くするマキナの背中に一夏はつかまる。その背中は異様に冷たかった。

 

「あ、あの、ありがとうございます」

「いいのよ別に、それより私がいいと言うまで目は開けない方がいいわよ」

 

 衝撃的な光景が広がっているからね。その言葉に従い一夏は目を閉じる。

 

「それじゃあ、行くわよ」

 

 そう言うとマキナは見張りのいた入り口まで歩き始める。

 

 

 

 

~千冬side~

 

 織斑千冬は今までに無いほど焦っていた、この世でたった一人の肉親である弟の一夏が誘拐された。とドイツ軍から情報提供があったのだ。それを聞いた千冬はモンド・グロッソ決勝戦を棄権して情報にあった廃墟まで愛機であるIS『暮桜』を駆り飛んでいる最中だ。

 

「一夏、無事でいてくれ…!」

 

 スピードをさらに上げる『暮桜』のハイパーセンサーに廃墟から出てくる二つの反応を捉えた。一つは一夏、もう一つはISを纏った金髪の女性である。

 

「一夏ァ!!」

 

 叫びながら千冬は女性の前に降り立つ。

 

「千冬姉ぇ!!」

 

 マキナの背中から降りた一夏は千冬の胸に飛び込む。千冬は腕を広げ飛び込んできた一夏を迎え入れる。

 

「良かった、一夏、無事で」

「俺も千冬姉に会えて良かった」

 

「良かったわね、お姉さんに会えて」

 

 微笑ましい光景を眺めながらマキナが声をかけてくる。

 

「はい!ありがとうございました!」

「一夏、この人が助けてくれたのか?」

「ああ、そうなんだよ!」

 

 一夏がそう言うと、千冬は一夏を降ろすと頭を下げる。

 

「一夏を助けていただき、ありがとうございます。何かお礼をさせてください」

「いえ、いいのよ。偶然見かけたのを助けただけだから」

「そうはいきません。なんでも言ってください」

 

 なんでも、という言葉に反応しマキナにとある考えが浮かんできた。

 

「だったらあなたのISのデータをすべてコピーさせてちょうだい」

 

 その言葉に千冬の目が鋭くなる。国家機密である専用機のISデータをコピーさせろなどと言う相手には恩人だろうと警戒せざるをえない。

 

「なぜ、ISのデータを?」

「私のご主人様が、どのISでもいいからデータをほしがっていてね、だからよ」

 

 なんでもするって言ったんだからいいわよね?マキナはそう続けて言う。

 

「分かりました。ですが、悪用しないことだけは守ってください」

「ええ、分かってるわよ。あの方もそんなことはしないでしょうし」

 

 そう言ってタブレットを取り出し、マキナが『暮桜』に手を当てると、凄まじい勢いでデータのコピーが始まった。

 

「なぜ…ISに触れるだけで…!?」

 

 彼女の着けているISの機能だろうか、そう思い千冬は声を漏らすが、集中しているのかマキナには届いていない。そして、待つこと数分。

 

「終わったわ、それじゃあもう帰ってもいいわよ」

 

 タブレットを粒子化させ表通りに向かって歩き出すマキナに千冬は声をかける。

 

「あの、あたなの名前は?」

 

 そういえば言ってなかったわね。そう言いながら振り返り、

 

「マキナ・オリジンと呼んでちょうだい」

 

 また、会えたらあいましょうね。そして、マキナは通りに向かって歩き出した。

 

 

 

 

 

 

~マクスウェルside~

 

「やっぱりマキナすごいね、あれだけいた人間を数分で制圧しちゃったんだもん」

 

 ディスプレイでマキナの行動を見ていたマクスウェルは一瞬だがマキナの動きが鈍ったのが分かった。

 

「あれ?どうしたんだろう?」

 

 気になったマクスウェルはマキナにメディカルチェックを行う、するとマキナに対しハッキングをされていることが分かった。

 

「誰だろ?マキナにハッキングしてるやつは」

 

 表情に多少の怒りを浮かべているマクスウェルは神の作った物の邪魔をする愚か者に制裁を加えるべく、逆探知し、ウイルスを送り込む。そして、ハッキング元を探るとここからそう遠くない孤島から反応が検出された。

 

「へぇ、面白いことをする人間もいるんだね。マキナにハッキングを成功させるなんて只者じゃないね」

 

 新しい玩具を手に入れた子供の様に嬉しそうな顔をするマクスウェル。

 

「それじゃ、次はここに行ってみようかな」

 

 そう言って神才は大事にしている原初の機体の帰還を心待ちにしていた。




今回はどうでしたでしょうか?同じような言い回しが多くてうんざりしたかもしれませんが作者の国語力ではこの程度です。次回は天災に会いに行きますよ!次が終われば原作に入っていくと思います。あと次は短いかも…

感想、アドバイス、指摘があればいつでも言ってください。

それでは、待て次回

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