白き妖犬が翔る   作:クリカラ

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訪れる悲劇(オリ主に)

 

 

 

 

 

―――四魂の玉

 

原作(犬夜叉)の中枢を担う重要なアイテムであり、物語の根幹を成す真の黒幕。

物語の中では無数のかけらとなり、日本の至る所に飛び散った。

 

かけらの効力は多様性に優れ、『能力向上』『病や外傷の抑制』

『死者蘇生』など一部は魔法の領域にまで及ぶ。

この効力は妖怪だけに留まらず、人間にも作用するため、

この玉を巡って人と妖は幾度となく争いあった。

 

玉は不滅とされており、かけらになろうとも再び玉に戻り、時空を越えて災いを撒き散らす。

言ってしまえば、無意識の災害。

いや、四魂の玉自身に自我があるので人為的な災害とも言える。

 

善悪の概念は無く、所有者の心に左右され、邪悪な者が持てば汚れが増し、

清らかな魂を持つ者が持てば浄化される特性を持つとされる。

願いを叶えるのは事実だが、持ち主の欲望を更に引き出させる為に本当の願いだけは叶えない。

 

そして最後に、所有者が『正しい願い』を願った時、玉はこの世から消滅する。

 

 

 

 

 

―――ここまでが原作(犬夜叉)に出てくる、四魂の玉についての大まかな詳細だ。

 

……はっきり言って悪質な詐欺もいいところだ。

『死者蘇生』などこちらの世界では魔法紛いのことをしておきながら、

本当の願いは叶えないなど笑い話じゃないか。

これじゃあ、かけらを悪用したがる妖怪や人間が多く現れるのも寧ろ必然だと断言してもいい。

自分が只の人間だったのなら、何としてでも手に入れたと思う。

今の(殺生丸)はそう考えていた。

 

 

 

 

 

ん? 私の名前か?

 

自己紹介が遅れたな、では改めて名乗りを上げるとしよう。

私は元人間、現大妖怪の殺生丸だ。

 

この世界(別世界)に転生して随分と永い時が過ぎたが、その間に様々な事が知れた。

結論から言おう、この世界は犬夜叉の世界では無いらしい。

 

初めの頃は原作知識を活かし優位に立ちまわろうと考えたが、

時が経つにつれて、この世界は別世界じゃないのか考えを改め直した。

自分という異物が混入した時点で世界は変化するものと思っていたが、

どうやら根本的に間違えていた様だ。

 

 

 

 

 

―――根源

 

物事の大本。

起こりや始まりを意味する言葉であるが、私が言いたいのは一般常識ではない。

 

 

―――『魔術』と『魔術師』

 

……気付きたくなかった事実だ……

……ああ、これだけでは意味が分からない者も居るかも知れないが、

分かる者には理解できるだろう……

 

そう、何の嫌がらせかは知らないが、この世界は型月の世界らしい……

 

 

かたつき……カタツキ? 型月か? ……型月だって?

………………ふっ…ふざけるなぁぁぁぁ!! 何だよこれ!! 何なんだよ!!

 

 

この世界のことについて理解した瞬間、表れた心境の一部だ。

殺生丸のキャラが壊れないように表情には表さなかったが、内心は大いに荒れ狂った。

 

 

 

 

 

―――TYPE-MOON

 

直訳すると「型月」と呼ばれ、生前において私が好きだった作品の一つだ。

作品同士の世界観を共有し、独自の発想で魔術の在り方や神秘を取り扱う物語で、

その中に出てくる魔術師たちは『根源』と呼ぶものを探求し続ける存在であった。

 

『根源』は渦と呼ばれ、万物の始まりにして終焉、この世の全てを記録し、

この世の全てを作れる、あらゆる出来事の発端とされる座標らしい。

魔術は根源の渦から分かれた流れで、魔術師たちにとっては

これを研究し最終目標である『根源の渦』にたどり着く事を目標としている。

 

その内容は私が知っている『型月』そのものであった。

それから独自で調べたりしてみたが、

やはりこの世界は型月の世界を基にした別世界だと判断した。

 

何故、そう考えたのかと言うと、自分自身(殺生丸)の存在が一番の理由であるが、

他にも原作(犬夜叉)に登場した妖怪たちが何匹か居たためである。

私一人だけで有ったのならばただの型月世界だと考えたが、

それ以外にも別のものが存在するというので有れば、

世界(型月)を基準とした別世界……平行世界だと考える方が自然だと私は思った。

そして、その考えは間違っていなかった様だ。

 

この事を知り、私は型月関係の内容をなるべく記録する作業を始めた。

はっきり言って犬夜叉の世界よりこっちの方が数段危険だったからだ。

抑止力から始まり、幻想種や吸血鬼である死徒二十七祖。

主人公たちが持っている「直死(ちょくし)魔眼(まがん)」や「固有結界(リアリティ・マーブル)」など、

超常の存在であるこの身(妖怪)を打倒するかもしれない。

 

 

冗談じゃない!

もし本物の殺生丸でもORT(オルト)や朱い月のブリュンスタッドたちと比べると形無しだ!

他にも色々と素で殺生丸を上回りそうな奴ばかりじゃないか!

 

 

これが分かった時点で私は可能な限り知っている事を記録しようとした。

しかし、此処が犬夜叉の世界だと思い込んでいた所為で、それ以外の記憶は既にうろ覚えだった。

辛うじて覚えていた事は、Fateの物語である聖杯戦争の事やそれ関係に加えて、

印象に残った人物の詳細程度だった。

それでも貴重な情報だったので、思い出した事は直ぐに書き記し、厳重に保管した。

 

次に目標にしたのは力を付ける事……つまり修行である。

まだこの世界についてよく知らなかった時から、可能な限り鍛錬を行ってきたつもりだったが、

全然ダメだったらしい。

この世界にはTUBAMEを斬ろうとして剣技が魔法の域に達したNOUMIN、

初見でかの騎士王を打倒したYAMASODATIなど色々とオカシイな存在が居るので、

自分が行ってきた修行ではまだまだ成果を出すには至っていなかったらしい。

だから私は、其処から今まで以上 修行に力を入れていった。

 

 

 

 

 

ここで少し、殺生丸(オリ主)の力について説明するが、

彼は自身の力についてまだまだだと考えているようだが、

この時点で既に上から数えた方が早いほどの強さを誇っていた。

 

 

―――秘剣・燕返し

 

佐々木小次郎がツバメを打ち落とそうとして編み出した秘剣。

『ほぼ同時』ではなく『全く同時』に放たれる円弧を描く三つの軌跡と、

彼が持つ長刀、そして超絶的な技巧と速さが生み出す対人魔剣。

 

 

彼が目標にしているNOUMIN(佐々木小次郎)は剣技だけで、魔法の領域に達した化物である。

かの騎士王や援護があったとはいえ、ギリシャの大英雄をも退けた猛者だ。

技だけの境域で云えば、ヘラクレスですら連続の剣技が限界であった。

……まあ彼は、100頭のヒュドラを同時殲滅した弓矢とか持ってる、

トンデモ英雄だから別に如何でも良いか。

 

同時(・・)』と『連続(・・)

 

似ているようで異なる二つの言葉。

連続攻撃は始まりがあり、それに続いて後の攻撃がやってくるもの。

対処の方法を簡単に言えば、最初の攻撃さえ強制的に止めてしまえばそこで攻撃は止まるのだ。

だが同時は読んで字の如く、全く同じタイミングで複数の攻撃がある。

一つ攻撃を止めて終わりではなく、これ全てに対処しなければならない。

 

……分かって頂けたであろうか?

彼は人間を越えた存在(妖怪)で在りながら、この技クラスを身に付けようとしているのだ……

……これについての話は、また何処かでしよう。

 

 

 

 

 

私はそんな風に、自身に出来る事 試していく日々(引きこもり生活)を過ごしていた。

 

だが、平和な日常を過ごしていたある日、終わりは唐突に訪れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――冒険(物語)が動き出したのだ―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――原作(犬夜叉)他作品(型月)が融合した世界(別世界)―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――殺生丸(オリ主)を軸とした 新たな四魂のかけらを巡る争い(オリジナルストーリー)が―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あっ…因みに時代背景は紀元前だよ。

 

 




ここまで読んで下さった皆様方に感謝です

作者は一応ここまでは簡単に書けるので投稿しましたが、
次からの投稿はいつになるのやら分かりません

ですが、こんな小説にもお気に入りの登録、感想など正直めちゃくちゃ嬉しいです

なので次に投稿する時は連載にして、完結まで走れるように頑張りたいと思います

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