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その日、殺生丸は自称師匠であるゼルレッチに呼び出されていた。
「――私を呼び出すとは何用だ、ゼルレッチ?」
「……今日呼び出したのは、四魂のかけらに関する事だ。
お前には是非とも、話しをしておかなければならないと思ったからだ」
この時、殺生丸は嫌な予感を感じた。
ゼルレッチは爽やかな笑みを浮かべてこう告げる。
「――四魂のかけら……一つ異世界に落としちゃった<( ̄∇ ̄)ゞゴメ~ン♪」
「………………………………(゚Д゚) ハア??」
殺生丸は呆けた顔を魅せた。
ゼルレッチは舌をペロッと出し、ふざけた表情をとった。
彼はそんな魔法使いの態度に一つ、溜息を吐いた後に一言呟いた。
「殺そう」
「まてまてまてっ!? 落ち着けっ!? まずは落ち着いて話しをしよう!! そうしよう!!
我らには言葉という平和的解決方法が有るじゃないか!? それを活用しよう!!」
「死ね」
「待って!? 解った!! ちゃんと謝る!! ふざけた事について謝るから落ち着いてくれ!!
力が落ちた儂では貴様の全力など耐えきれんぞ!?」
「知らん」
「アレじゃ!! ほらアレじゃよ!! 年老いた老人の茶目っ気という奴じゃ!!
頼むからまずは話を聞いてくれ!?」
「………………………………」
殺生丸は
それを見たゼルレッチは安堵の溜息を吐く。
「……はぁ、寿命が縮むかと思ったわい」
「――手短に用件だけを述べろ、老害」
「……冗談が通じない奴zy……分かったから刀に手を置くのを止めろっ!?」
「――で?」
「……儂がお前をその異界に送り込んでやろう」
「――やはり、それしか手立てはない……か」
殺生丸は分かっていた事だが、気持ち的に凄く萎えた。
そんな彼を見たゼルレッチはこればかりはどうしようもないと言葉を続ける。
「仕方ないであろう。
回収に適した者は、お前を於いて他に居らぬのだから」
ゼルレッチは一度、四魂のかけらに心を奪われたコトがあった。
かけらの回収に当たっていた殺生丸は、その時にこの魔法使いと出会った。
それ故に、ゼルレッチはこの秘宝の恐ろしさを知っている。
並の者では心を呑まれる、真に封印する者こそがかの宝玉に触れられる。
そしてそれが出来るのは彼の目の前に居る、大妖怪をおいて他にいない。
故に、ゼルレッチはこの案件を殺生丸に託す他ない。
殺生丸もそれらの事情を全て理解しているからこそ、面倒に感じているのだ。
「――ゼルレッチ、時が惜しい。 手早くコトを進めるぞ」
「――ああ、責任を以てお前さんを向こうの世界に送り届けよう」
ゼルレッチは殺生丸に自身が特定しておいた世界の座標を載せた第二魔法を行使する。
本来は彼にしか使えない代物だが、色んな意味で規格外の存在である殺生丸には使えるのだ。
「――今よりお前を異界に送る。 準備は良いな?」
「――始めろ」
「――うむ、では良い旅路を」
そう告げて、偉大な魔法使いは大妖怪を異界へと送る。
「ボトッ(あっやべ)」
「……えっ?」
殺生丸が転移する直前、地面に描いた魔法陣の一角に鳥がフンを落とす。
ゼルレッチは焦ったが殺生丸は既に送りつけた後。
故に、彼は笑顔で一言こう呟くだけであった。
「ま、いっか!」