リリカル・デビル・サーガ   作:ロウルス

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――――――――――――

「おとまり?」

「そう。プレシアさんのところで、せっかくの休みだからって」

 つまんない、つまんない!
 ゴールデンウィークはずっとお休みだから、遊んでくれるって言ったのに!

「むー、つまんないっ!」

「そうね……ちょっと、つまらないわね」

 私が怒っていると、お母さんが頭を撫でてくれた。つまんないっていってるけど、なんだか嬉しそう。なんで?

「だって、孔がわがままなんて、初めてだから」

――――――――――――アリス/海鳴市児童保護施設



第18話b 永遠の絆《弐》

 ミッドチルダ行政特区ヴァルハラ。

 様々な先進的政策や産業を試験的に導入する目的で設けられたその街は、魔法世界を離れて数年が経つリニスにも分かるほど活気に満ちていた。

 

(前に来た時よりも、ずっと開発が進んでいますね)

 

 空港に併設されたカフェで情報端末を操作しながら近代的なビルが並ぶ町並みを見下ろすリニス。もちろん、空港といっても飛行機に乗ってきた訳ではなく、テスタロッサ邸の転送装置を利用している。装置を使えば直接目的地へ移転する事も出来るのだが、魔法世界では移転技術が進んだ現在でも次元世界を超える移動は空港施設が受け持っていた。入国管理のようなもので、その手続きを無視すれば魔力反応を追って管理局員が飛んでくる。

 

(まあ、これから行くところは「そういう人」も多いわけですけど)

 

 手の中にある画面には「先進都市の裏側」という見出しの記事が表示されていた。ヴァルハラは行政特区という性質上、経済の入れ替わりが激しい。新しい産業が導入されればその部門の先端技術を売りにした企業が乱立し求人も一気に増えるのだが、事業が失敗したり、補助を受けられる期間が過ぎたりするとあっという間に他の産業に取って代わられる。「取って代わられた産業」で活躍していた人々が「取って代わった産業」で引き続き活躍できればいいのだが、必ずしも関連産業が次の主力となるとは限らない。取り残された人々は職を失い、新たな産業は外部から人を求め、更なる人口の流入を招く。中には不法に入国してまで職を求める者もいたが、もちろん全員が職にありつけるわけではなく、結果として街は「取り残された人々」と共に失業者を大量に抱えることとなる。そうした人々の大部分は他の都市に移住するのだが、諦めきれず再起を狙う者やそもそも移住する資金がない者、その他複雑な事情で他の都市では生活できない者等がとどまり、スラム街を形成していた。

 

(そのスラムの住人の生活基盤が便利屋組合……規模が多少大きくなったことを除けば、相変わらずみたいですね)

 

 落ちぶれたとはいえ、元々は自分の技術に自信があってヴァルハラに移り住んだ人々。それが独自の技術を売り物にするため、寄り合って集団をつくるのは必然といえた。スラムという法を誤魔化しやすい環境も手伝って、格安に合法・非合法を問わずどんな依頼も引き受ける。そんな便利屋組合の需要は、決して少なくなかった。リニス自身もプレシアの研究にどうしても必要な資材を入手するために利用したことがある。

 

(もう依頼を出すことはないと思っていましたけど……)

 

 果たしてスニークが残していった情報にある男はいるのか。それはコンタクトを取ってみないと分からない。リニスは端末の画面を落とすと、混沌とした街の空気に懐かしさを感じながら空港を後にした。

 

 

 † † † †

 

 

 ヴァルハラ北部でもちょうど行政区との境界にあたる区画。スラム街から職を求めて出てきた浮浪者と、彼らに何かしらの価値を見いだして訪れる都市部の人間、そして多発する犯罪を取り締まるための管理局員が行き交う街は、まさに表社会と裏社会の狭間と呼ぶに相応しい混沌とした賑わいを見せている。そんな猥雑な都市の片隅、吹きだまりのような場所にバー「Kの穴蔵」はあった。暗い路地裏の奥、軋む鉄の扉を開けると、酒瓶に反射するランプの光が照らす店内が出迎える。

 

「君みたいなレディ(お嬢さん)がこんなところに来てはいかんな」

 

 老齢の店主の声と共に、数人の視線が突き刺さった。その視線は警戒と敵意を含んでいたが、しかしリニスは臆することなく問いかける。

 

「昔の客はもうお忘れですか、K?」

 

「おっと、テスタロッサの娘さんだったか。すまんな。このところ管理局の目が厳しいもんでね」

 

 Kと呼ばれたその店主はリニスの声を聞くとすぐに顔を上げ、営業用でない笑顔で出迎えた。表向きはスラムの住人を相手にしたバーを経営しているが、Kの本来の稼業は情報屋と便利屋への仲介約だ。アリシアの父親であるアリオンとも仲がよかったらしく、リニスの事もプレシアの「使い魔」ではなく「娘」として扱うほどには気に入っている。

 

「だが見ないうちに美人になったな。年寄りの視力じゃ誰か分からなかったよ。ついでに腕もあげたな。SSクラスぐらいかい?」

 

「ありがとうございます。こちらも色々ありましたもので」

 

 カウンターに座りながら、出てきたグラスに手を伸ばすリニス。言葉を待つKの姿が写るノンアルコールのカクテルを見つめながら、リニスはタイミングをおいて切り出した。

 

「ここの組合に参加している、ギルバという人と会いたいんですが?」

 

 目を細めるK。一瞬の沈黙をおいて、Kはどこか重い調子で問い返した。

 

「……その名をどこで聞いた?」

 

「少し面倒事に巻き込まれまして。ある筋からその人が情報を知っていると」

 

「そうか。だがレディ・リニス、俺の答えはこうだ……あの男には関わるな」

 

 グラスを見つめたまま作り出した雰囲気を無視してさらりと問いかけるリニスに、Kは直接的な警告で返した。だがリニスは表情を変えないまま続ける。

 

「あら? どうしてですか?」

 

「危険だからさ。主義とルールを持って活動するのが腕利きの便利屋だが、ヤツの流儀は『綺麗に』完遂。ターゲットどころか、目撃者も残らねぇ。そういうヤツはただの仕事バカか、何か目的があるかのどっちかだ。で、ヤツの殺気は完全に標的を持った男のそれだ。そのためなら、依頼主だって平気で殺るだろうよ」

 

「なるほど……裏側の事件や公表出来ない生物を処理するにはうってつけの人ですね」

 

「そこまで分かってるんなら、なぜ手を退かない?」

 

「退けない事情があるもので」

 

 リニスの視線とKの視線が交差する。体感にして数分の沈黙。意志を読みあう時間の後、先に目を反らしたのはKの方だった。

 

「まったく、アリオンの絡む女にはかなわんな」

 

 ため息をつくと、Kはギルバという男について教えてくれた。数年前から便利屋組合に出入りしている大男で、売りは高度な戦闘技術。受けた依頼は合法・非合法を問わず「完遂」するため、要人警護や暗殺が必要となる「その筋」の人間からは人気が高い。バックボーンは一切不明であり、何故この都市に来たのかも分からないが、暴走した魔法生物の処理を優先して引き受ける傾向にある。

 

「今はちょっと前にあがった依頼で出てる。依頼の中身までは言えないが、大体の察しはついてるんだろう?」

 

「ええ……悪魔ですね?」

 

「そいつには肯定も否定も出来ないが、妙な化け物を見たっていう『噂話』ならしてもいい。この辺じゃそれほど流行っていないがな」

 

 Kが語ったのはヴァルハラからはやや離れた都市・グラナガンで流れているという「噂」だった。郊外にできたニュータウンで化け物が徘徊しているというもので、それも1、2人ではなく複数の証言がある。中には一緒にいた相手が化け物に喰われたという者もいた。実際に凄惨な死体も上がっており、ニュースにも流れたという。

 

「まあ、報道じゃ放逐された魔法生物ってことになってるがな。ウチにもその魔法生物退治の依頼が上がってる。政府も目撃場所が一か所に固まってるんで、ただの怪談に出来なかったんだろう」

 

「その場所とは?」

 

「先端技術医療センター……お前の父、アリオンが死んだ人造生命体研究所の上に出来たアレだ」

 

 

 † † † †

 

 

 その先端技術医療センターでは、孔は与えられた部屋からじっと廊下を眺めていた。もっとも、部屋といっても扉は鉄格子になっており、どちらかというと牢屋に近い。

 

「まさに実験動物といった扱いだな」

 

「冷静に言わないでよ」

 

 クルスの苛立たしげな声が響く。苦笑で返す孔。急にアースラの転送ポートに立たされたかと思うと医療施設に移され、出迎えた所長が謝りながら案内したのがこの地下にある病棟だった。窓がなく、強力な術式で固められた壁と高圧の電流が走る鉄格子を並べたその病棟は、治療というよりも隔離を目的としているようにも見える。

 

(しかし、俺だけならまだしも、クルスさんまで一緒とは……)

 

 一緒に放り込まれたクルスに目を向ける孔。色々と怪しいところがある自分と違って、クルスは立派な管理局員だ。ホテルを手配するなり、部隊の寄宿舎に帰すなり、他に適切な場所はいくらでもある。仮に監視役だとしても、同じ鉄格子の中に入れる理由がない。どう考えてもおかしい扱いに首をひねっていると、後ろからクルスの声が聞こえた。

 

「とにかく、ここから出て抗議しに行こう」

 

「いいのか? 大人しくしておけという遠まわしの命令とも取れるが?」

 

「一時的ならともかく、こんなところに何時間も閉じ込められたら、流石にパワーハラスメントで訴える権利と義務があるよ」

 

 クルスも相当ストレスがたまっているらしくついに立ち上がる。が、それと同時に鉄格子の鍵が外れる音が響いた。

 

「時間だ。出てもらおう」

 

 同時にこの施設の係員が顔を出す。クルスは間髪入れずに問いかけた。

 

「その前に、こういう場所に入れた理由をお聞かせ願いますか?」

 

「答えられない。出てもらおう」

 

 が、返答は拒絶と繰り返しだった。機械のように生気のない言い方に眉をひそめるクルス。その困惑した様子に孔が抱いたのは危機感だった。係員のまるで意思が感じられない表情と動作は、まるであの時、アリサ・ローウェルを襲った悪魔の傀儡と化した死体のそれだったからだ。

 

《My Dear, そいつは悪魔よ》

 

「っ! クルスッ!」

 

 アースラに連行される直前、ゲート・オブ・バビロンに隠しておいたI4Uがその直感を肯定する。クルスを押し退けて飛びかかる孔。抜いた剣は容赦なく係員の格好をした悪魔の心臓を貫いた。

 

「コウッ!? 何を……っ!」

 

 叫ぶクルス。が、貫かれた係員が全く血を流さず、泥のように溶けて崩れたことでその悲鳴は止まる。残った残骸からは腐った肉のような臭いがした。

 

「悪魔……っ!」

 

「ああ、反応があった」

 

 デバイスをレアスキルの宝物庫から取出す孔。クルスの「はあ、便利なレアスキルだね」というため息混じりの声を聞きながら、死体を観察する。その消滅と残骸はかつて見たゾンビと何も変わらない。という事は、この施設にも悪魔を操る存在がいるという事だ。孔は廊下へと踏み出しながら問いかける。

 

「クルス、この施設に何か心当りは?」

 

「いや。前に一度、見学で来たことはあるけど、ほとんど立入禁止だったから。せいぜい医療技術関連の研究をやっているぐらいとしか……」

 

 後ろからデバイスをセットアップしたクルスが続く。そうかと短く答えながら、孔はI4Uに目を向ける。指示を出すその前に、愛機はサーチを終えていた。

 

《悪魔の反応は広範囲におよそ200……でも、強い反応はないわね。少なくともこのフロアにいるのはさっきのゾンビくらいでしょう。代わりに人間の反応があるわ。地下病棟に閉じ込められているみたいね》

 

「コウ、その人達の救助に向かおう。どういう理由で隔離されたのか知らないけど、悪魔の犠牲者にするわけにはいかない」

 

 それを聞いたクルスが声をあげる。人命救助を第一に考えるのは、末端とはいえ管理局の一員だからだろうか。クルスの提案にうなずくと、孔は日の当たらない以上に冷たい空気が支配する地下を進み始めた。

 

 

 † † † †

 

 

「ア、アンタら、管理局員かっ! た、助けてくれ! 改造手術なんて嫌だっ!」

 

 I4Uが告げた先には、電流が流れる鉄檻越しに怯えた声を上げる男がいた。身に着けているのは魔力から見てバリアジャケットだろうか。ただ、クルスのような管理局の制服を模したものではなく、緑色のペイントが入った灰色の防護服のような形状をしている。

 

「落ち着いて下さい。今助けますから……」

 

 混乱している様子の男性に声をかけながら、チラリと孔へ視線を送るクルス。孔はそれにうなずくと、鉄錠に剣を降り下ろした。電流をものともせず扉を易々と切り裂く刃。その異常な力に驚きながらも、男性は廊下に出て息をつく。

 

「た、助かった……」

 

「いったい何があったんですか?」

 

 落ち着かせるように問いかけるクルスを横目に、孔は男を観察していた。腰に提げたボウガンはデバイスだろうか。普通ならば没収されてしかるべきのものだ。他にも、うっすらと魔力を纏った指輪を所持している。

 

《あれはIDカードのようなものね。情報をこっそり読み取れるけど、どうする? My Dear?》

 

(頼む)

 

 念話で思考に割って入るI4Uに指示を送る孔。それによると、男性はハーリーQという名で、管理局外の魔導師をやっているらしい。ミッドチルダの経済に詳しくない孔はそうした魔導師にどういう需要があるのかは分からないが、フリーの傭兵のようなものだろうか。

 

「光だ、光だよっ! 仲間とヴァルハラの依頼にあった魔法生物追いかけてたら、センターにツボミみたいなのがあってよ……そっから、光が飛んできたんだ! そしたら、あの場所にいた全員、化物みたいな格好になっちまって……っ!」

 

 そのハーリーQは未だ混乱しているのか、クルスの問いかけに断片的で要領を得ない回答を続けていた。が、それは途中で途絶え、代わりにガチガチと歯を鳴らして震え始める。

 

「来るな、ち、近づくな……喰うな、喰わないで……く、喰わないで、くれ」

 

「どうしたんです? 何を言って……?」

 

 尋常ではない様子に問いかけるクルス。孔はハーリーQの怯えた視線を追って振り返る。そこには、ハーリーQと同じ格好をした男女がいた。先ほど口にした仲間だろうか。しかし、

 

「く、喰うなぁ!」

 

 ハーリーQは悲鳴をあげてボウガンを構えた。止める間もなくトリガーが引かれる。放たれた矢は同じ緑のペイントを持つバリアジャケットの上から2人を貫き、爆発を起こした。悲鳴をあげるクルス。

 

「な、何をやって……!」

 

「だって、アイツら喰ったじゃねぇか!」

 

 だが既に恐慌状態に陥っているハーリーQは、ボウガンを乱射しながら叫び続ける。

 

「どいつもこいつも、化けもんみたいな姿になってよ……敵も味方もわからねぇ乱戦で、負けたやつらてんでに素手で引き裂いて、それで……っ!」

 

 流れ矢を躱しながら何とか取り押さえようとするクルスを、しかし孔は手で制した。怪訝な顔を向けるクルスに廊下の奥を指し示す。その先には爆発の奥で動く人型の影。孔は軽く砲撃を放って煙を払う。そこには全身に矢が突き刺さったままの男女が――否、男女の死体が立っていた。それは痙攣するように全身を震わせながら別の何かへと変わっていく。バリアジャケットは生気のない崩れかかった皮膚と一体化し、死者の色を演出する。眼球は抜け落ち、筋肉が萎縮して、

 

「人が、悪魔にっ!?」

 

「ひ、ひぃぃい!」

 

 目を見開くクルスに悲鳴をあげて逃げ出すハーリーQ。孔は迫る悪魔に宝剣を撃ち込んで迎撃する。大した手応えもなく吹き飛ぶ悪魔。断末魔の後には、先ほど屠ったグールと同じように崩れ消えていく肉片が残った。

 

「コウ、今のは?」

 

「悪魔、だろうな。人間に擬態したか、とりついたか。あるいは……さっき言っていた改造手術か」

 

 ハーリーQの去っていった廊下を見つめる孔。クルスはそんな孔と闇に包まれた廊下へ交互に視線を送っていたが、やがて静かに問いかけた。

 

「そんな技術が本当にあると思う?」

 

「……人間の死体を改造して作られたゾンビなら見たことがある」

 

 孔はハーリーQが逃げた後を追って破壊された蛍光灯が照らす廊下へ踏み出した。後ろから続くクルス。会話はない。それは単純に周囲の警戒に集中するという理由もあったが、雰囲気の変化も大きかった。果たして本当に人を悪魔にする「改造手術」がこの先端技術医療センターで研究されていたかは分からないが、事実として悪魔と化した人間がいたのだ。クルスからいつもの柔らかい表情は消え、張りつめた殺気を見せている。無論、それは孔も変わらない。だが、単純な憤り以上に引っ掛かるものがあった。

 

(まさか、サイファー博士が言った技術は……!)

 

 ガイア教の寺院を訪れた時に言われた「技術を加えられた」という言葉。それは何度も自分に向けられた悪魔でも見るような視線と結びつき、次第に仮定を形作っていった。悪魔を召喚ではなく、人そのものを悪魔に変える技術。もしそれが悪魔の力を利用し、力を得るために使われていたとしたら。もしその被験者が自分だったとしたら。そしてもし、シェルターの顔のないスフィンクスや赤い回廊の奥で戦った悪魔に力が効かなかったのが、同種の悪魔の力を振るっているせいだったとしたら。

 

――く、くるなぁ!

 

 しかし、そんな仮定を否定する前に、悲鳴が響く。

 顔を見合わせる孔とクルス。

 視線の交差は一瞬。

 走り出す2人。

 次第に濃くなる血の臭いを抜けた先には、へたりこむハーリーQ、そして、

 

「おぉぉ……ぉ……ぁ……!」

 

 おびただしい量の死体を背にした魔導師がいた。やはりハーリーQと同じ格好をしている。だが様子がおかしい。ハーリーQに近づこうとするその歩みははっきりとしたものではなく、まるで弛緩する体に任せるようにぎこちない。それは先ほどのゾンビと同じで、

 

「ぁぁ……ぁぁあああいhyぐえwjfvj!」

 

 魔導師は急に背をのけぞらせると絶叫を上げた。人外の言葉と共に開放される魔力。それは強力な魔力光となって広がり、徐々に体を侵食して行く。肉体はその異常な魔力に蝕まれた先から急速に膨れ上がり、やがて完全に姿を変えた。

 

「#$y5$あぁァァアア!」

 

 光が収まって上げた咆哮は、悪魔のそれ。巨大な鶏、という形容が当てはまるだろうか。だが蛇の様な尻尾と胴体のせいで竜のようなシルエットとなっている。

 

「ひぃぃいい!」

 

 悲鳴をあげるハーリーQ。恐怖で孔達にも気づいていないのだろう、振り返る事なく震える膝を必死に動かして廊下の奥へと逃げていく。が、途中で壁にある端末へボウガンを撃ちこんだ。隔壁が降りる。

 

「逃げるためなら、目についたものはなんでも利用する、か」

 

「冷静に言わないでよ」

 

 苦い顔をする孔を横目に、クルスは人間だった悪魔にデバイスを構える。そこに戸惑いはない。孔は表情を険しくして問いかけた。

 

「クルス、あの人は……」

 

「分かってるよ。でも、これ以上被害を広げるわけにもいかない。もう彼は、悪魔なんだ」

 

 クルスは感情を抑えた声で答える。一瞬悪魔から外れた視線は部屋の奥に見える食い散らかされたような死体に向けられた。対策を探す時間がない以上、多くの犠牲を防ぐために悪魔と化した一部の被害者を切り捨てる。管理局員としては必要な判断なのだろう。孔もそれは正しいものと納得できるし、判断を下すのに相当な痛みを伴うことも理解できた。だが、技術を加えられた挙句化け物となった魔導師に、どうしても自分の姿が重なってしまう。

 

(せめて他に救助の手段があれば、こんな戸惑いもないだろうに)

 

 殺すしかない。この処刑執行にも似た判断は、いつか自分にも向けられるのだろうか。そんな感傷を振り払うように宝剣を構え、

 

「コウは、手を出さないで」

 

 しかし、遮るように前に出るクルスに止められた。それは民間人である孔が人間へ手をかけるのを防ごうという意思か、それとも自らが切り捨てた醜い悪魔と化した人間を救おうとする選択肢を抱える事ができる孔への羨望か。どこか複雑な笑みを残して、まるで孔が汚れるのを防ぐように、クルスは悪魔へと跳んだ。

 

「%#hdyえおhv!」

 

 巨体を誇る悪魔の頭部の真上から、引き抜いた魔力の剣が抜刀の勢いと共に襲いかかる。咆哮をあげる悪魔。肉を叩く鈍い音が響く。だが、悪魔は剣を羽で受け止めていた。刃は通っていない。羽毛と鱗で守られた巨体は剣の一撃をものともせず、そのまま押し返すようにクルスを弾きとばす。

 

「っ! クルス!」

 

 空中で受け止める孔。その勢いのまま巨鳥の頭を踏みつける。同時、右腕を触れた。

 

――幻想殺し〈イマジンブレーカー〉

 

「&%hくぃv……?」

 

(だめか……!)

 

 とっさに使った異能は、しかし悪魔と化した人間を元に戻すには至らない。おそらく、魔術や魔法を使った変身ではなく、直接遺伝子レベルで細胞組織を改造しているのだろう。舌打ちしつつ砲撃を撃ち込む。それは悪魔を吹き飛ばし、壁に叩きつけた。

 

「助かったよ……でも、手は出さないでって」

 

「それは終わってから言ってくれ」

 

 感謝とも文句ともつかないクルスの言葉を遮って、孔は今度こそ剣を構える。だがクルスはそれを再び止めた。

 

「ダメだよ。どんな理由をつけても、十字架は背負ってからじゃ軽くならないんだから」

 

「クルス、ついさっき、俺もグールになったハーリーQの仲間を吹き飛ばしたばかりだ」

 

「なら、なおさら一般の人には手を挙げないようにしないとね」

 

「っ! 強情だな……」

 

「メシア教徒はそんなものだよ」

 

 言葉を失う孔に背を向けると、クルスはよろめきながら立ち上がる悪魔に再び剣を向ける。先ほどの魔力刃と違い、その剣は冷気を纏っていた。

 

「塵は塵に、灰は灰にっ!」

 

 クルスは声と共に飛び上がる。

 

 大きく羽を広げる悪魔。同時に鋭い風がクルスを襲った。

 

――パワーウェイブ

 

 それを盾で受け止めるクルス。しかし跳躍の勢いは失わない。流すように風の刃を盾で反らし一瞬で悪魔の真上にたどり着いたクルスは、いまだ風を放つため翼を振りぬいた体勢のままの悪魔に向かって急降下、後頭部へ剣を叩き落とした。

 

――氷結刃

 

 砕かれる後頭部。そこから氷に覆われていく悪魔。着地と同時、クルスはそれを振り返る。

 

「人を外れたこの者にも、死の安らぎは訪れますよう……!」

 

 粉々に砕け散る氷像と化した悪魔を前に、涙が頬を伝う。だが、すぐにそれを拭うと孔に向き直って問いかけた。

 

「じゃあ、あの人を追いかけようか」

 

 無理をしているのだろう。いつもと変わらない声は、むしろ痛々しく見えた。孔はそれを受け止めながら、しかしクルスの感情に触れることはなく、ハーリーQにより閉ざされてしまった隔壁へと踏み出す。

 

「分かった……少し、離れていてくれ」

 

《Blaze Cannon Ver. Magma Axis》

 

 魔力を収束させて放った砲撃は、かつての悪魔の頭のように、軽々と隔壁を吹き飛ばした。

 

 

 † † † †

 

 

 隔壁の先にあったのは、転送ポート。有事の際の脱出手段として設計されたためか、それとも侵入ルートを制限して非道な実験を隠ぺいするためか、記録されている転送先は「第三研究棟」一か所のみだ。

 

「じゃあ、転送を始めるよ?」

 

「ああ、頼む」

 

 装置に魔力を流し込むクルス。何が襲ってきてもいいように構える孔。2人を乗せた転送ポートは魔力光に包まれ、数秒の後には目的地――無人の倉庫のようなところに転送された。周囲に悪魔の気配は、ない。ただ床を汚す血だまりが、未だ解決しない異常を告げている。

 

「こんなところまで出てくるなんて……」

 

「隔壁が開いていたからな。悪魔もマグネタイトを求めて地上に出てきたんだろう」

 

 ため息をつくクルスに答えながら、孔はI4Uを操作してサーチをかけた。I4Uはすぐに異常反応を告げる。

 

《この先の研究施設で高い霊的磁場を確認。ハーリーQもそこに逃げ込んだみたいよ?》

 

「確かに研究施設にはガードシステムと緊急用の通信設備があるけど……」

 

 眉をひそめるクルス。あれだけ怯えて逃げた先が悪魔の巣窟とは、なんという皮肉だろうか。孔は悪化する事態に焦りを感じながらも、努めて冷静にサーチ結果を読み解く。

 

「他に悪魔は……別棟か。ここからじゃ、ハーリーQが逃げ込んだ施設とちょうど反対側だな」

 

《魔力反応からすると、そっちは管理局が応戦中みたいね。この辺の一般施設も管理局が制圧したと見るのが妥当でしょう。ミッドチルダ式の術式に特有の魔力残渣があるわ。ただ、さっき伝えたとおり研究施設にも反応があるから、うまくやり過ごした悪魔もいる、という事でしょう……あら?》

 

「どうした?」

 

《ちょっと待ってね。みょうちきりんな反応をキャッチしたの……何か、悪魔と人、両方の反応が一緒になった様な……ハーリーQが逃げ込んだ研究施設に真っ直ぐ進んでるわ》

 

「悪魔に変化しかけの人間ってとこか。コウ、どうする?」

 

「研究施設に向かおう。ハーリーQもそこに向かったみたいだし、逃れた悪魔が管理局を背後から攻撃しようとしていたら危険だ。そこがこの事件と関係する研究を行っていたところなら、治療法のヒントも手に入るかもしれない」

 

 口に出してはみたものの、それは期待できない希望であることは孔も分かっていた。クルスも都合のいい未来など考えてはいないだろう。だが、それを否定する言葉を口に出したりすることはなく倉庫の外へと踏み出す。不気味なほど静まり返った廊下は、しかし悪魔の妨害を受けることなく、目指す研究施設へはすぐにたどり着いた。

 

「この施設は……私の権限でも入れる――開けるよ?」

 

 孔がうなずくと、クルスは自分のIDカードを掲げる。同時にロックが外れる音がした。銃を構えて突入する孔。出迎えたのは、実験室をガラス越しに見下ろすコントロールルーム。実験室といっても高さ数十メートルはあろうか。強力な魔力隔壁により囲まれたそこには、巨大な「つぼみ」のような装置があった。

 

「っ! さっき、ハーリーが言っていた……!」

 

「ああ。人を悪魔に変えた装置だろうな」

 

 ぴったりと閉じた灰色の花びらに、まるで生きた触手のように蠢くコード。ところどころから漏れる光は、どこか生命力のようなものを感じさせる。そしてその奇妙な物体がつながる先には、

 

「む? お前達は改造手術をすませたのか?」

 

 白衣の男がいた。背後には青いバトルスーツに身を包んだ2人の少女を携えている。そしてそんな3人の手前には、震える手でボウガンを構えるハーリーQ。その矢先は少女と白衣の男に向けられていたが、怯えた視線は孔たちを捉えていた。

 

「あ、あんた等……! ま、まさかっ!」

 

「ちょっと待ってください! 私たちはこの装置を止めに来たんですっ!」

 

 変に勘違いした様子のハーリーQに叫ぶクルス。だが、その否定の言葉に反応したのは白衣の男の方だった。

 

「そうか……お前達は、まだ私の言う事を聞かぬ邪悪な人間なのだな。ならば、デク人形に改造してやるっ!」

 

 そう叫ぶと同時、研究施設に赤いランプがともる。警報と共に研究施設の奥の扉が開き、

 

「さあ、ガイアの徒が創りだした機械の軍勢よ! この者たちを我らが贄とするのだ!」

 

 入ってきたのは大量のマシーン兵器。

 

「なっ!?」

 

 声を上げたのは、孔。悪魔が出てくるという予想が裏切られたためではない。まるで対悪魔銃・ダビデスリングを手にした時のように、知らないはずのそのマシーン兵器の名前が頭に浮かんだからだ。

 

(T-95CP(95式機動歩兵C型)……!)

 

 だが、戸惑いは一瞬、すぐに砲撃を放ちながら駆けだす。数十メートル先にいるハーリーQの肩をつかみ、背後に放り投げながら広域シールドを展開。同時、膨大な量の銃弾が降り注いだ。

 

「コウッ!?」

 

 クルスが叫ぶ。それは単純に攻撃を受け続ける孔への心配からか、それとも相手を知っているような反応への不審だったか。だがそれを気にしている余裕はない。

 

(クルスッ! あの白衣の男の手元だ! ガードシステムを狙え!)

 

「っ! ス、スティンガースナイプ!」

《》

 

 孔の念話に反応し、クルスは誘導弾を真上に放った。術者の意図を反映して軌道を変えるその弾丸は、天井すれすれで向きを変え、孔へ銃弾を浴びせ続けるマシンを飛び越える。

 

「ぬっ!」

 

 そして、白衣の男の端末を弾き飛ばした。止まる銃撃。

 

「う、うわぁぁぁあああ!」

 

 同時、マシンの群れにボウガンが乱射される。ハーリーQだ。狙いは定まっていなかったが、しかしそれは大群の中で魔力爆発を起こす。吹き飛んだマシンの後ろには、

 

「ふ、ふははは! そうか! 貴様、このガードシステムを知っているか! そして、その呪われた身体……! お前こそが我が分霊かっ!」

 

 嗤い続ける、白衣の男がいた。剣を構えながら、感情を抑えた声で問いかける孔。

 

「……どういう意味だ」

 

「未だ思い出さぬか! 貴様は我と同じ引き裂かれた魂のひとつ! 悪魔に貶められた時から有限に閉じ込められ! 輪廻に囚われた存在! 故に、我々はひとつに戻らねばならぬ!」

 

 そう叫ぶと同時、白衣の男は実験室のガラスを突き破り、つぼみのある実験室へと飛び降りた。追いかけようとする孔。だが、それを阻むように声が響く。

 

「哀れな人形に閉じ込められた我が分霊よ! すぐに解放してやろう!」

 

 呼応するように崩れる天井。落ちてきたのは、巨大な鎧。しかし、先ほどのマシンと違い、記憶を揺さぶられるような感覚はない。代わりに、背後でクルスが叫んだ。

 

「砲撃兵っ!? なんでこんな!」

 

「クルスッ! 砲撃兵とは!?」

 

「傀儡兵シリーズっていう、魔力で動くガードロボットだよ! 砲撃兵は中でも大型のタイプだけど……!」

 

《ちょっと待って、アレはただの魔導兵器じゃないわよ……中に、ジュエルシードが埋め込まれているわ!》

 

 しかし、クルスの解説にI4Uが割り込む。目を見開く2人。その隙を見計らったように、砲撃兵から巨大な魔力が膨れ上がる。次いで打ち出される砲撃。孔は慌ててシールドを展開した。

 

 視界が、青一色で染まる。

 

 ロストロギアの生み出す魔力の奔流に、見る間にシールドが削られていく。

 

「コウッ!」

「お、おお、俺は降りるぜっ!」

 

 そんな孔を見て、盾を構えながら駆け寄ってくるクルスと、逃げ出すハーリーQ。孔はそんな2人を背後に見つめながら、

 

――幻想殺し〈イマジンブレーカー〉

 

 右腕で魔力を霧散させた。目を見開いたのは、しかし孔だった。

 こちらを見向きもせず出口に殺到するハーリーQの前に、いつの間にかバトルスーツの少女が回り込んでいる。

 

「のけっ! ガキ!」

 

 押しのけようとするハーリーQ。だが、

 

「サンプルの逃走を確認」「確保開始」

 

 少女2人は機械のように抑揚のない声を出すと、ハーリーQを文字通り殴り飛ばした。まるで濡れ雑巾のようにまっすぐ壁に叩きつけられるハーリーQ。

 

「あがぁ!」

 

 空気と共に嗚咽を吐き出し、沈黙。慌てて駆け寄ろうとする孔。しかし、そこへ背後の砲撃兵が動いた。魔力は不利と学習したのか、巨大な腕を振り上げる。

 

「クルスッ!」「分かってるよ!」

 

 ハーリーQをクルスに任せ、剣を抜く孔。しかし、

 

「そ……うか、いっこだけ……分かったことが、あるぜ……」

 

 その「異変」に気づいた。

 

「ハーリー?」

 

 クルスも足を止める。だが、ハーリーQはそれに答える様子は無く、幽鬼のように立ち上がる。膨張する魔力。それは左手の甲に刻まれた、燃える鉄杭の形をした痣から魔力光となって漏れ出ていく。肌を這うように広がるその光は、悪魔に怯え続けていたはずの男を侵食し、

 

「喰われる前にっ! 喰っちまえばいいんだよなっ!」

 

 神話上の存在へと変えた。

 

 馬頭をもつ悪魔と化したハーリーQは、勢いのまま巨大な傀儡兵に殺到する。砲撃兵は再び魔力を膨れ上がらせ、

 

「おおぉぉおおお!」

 

――アギダイン

 

 しかし、それを解き放つ前に、馬頭の悪魔が放った炎に焼き尽くされる。熱に耐え切れず崩れ落ちる鎧。露出する青いコアは、その魔力と感応し、

 

「ちっ!」

 

 孔は慌てて封印術式を展開した。

 

《Sealing Jewel Seed, No ……XXI》

 

「なんだとっ!」

 

 だが、告げられたジュエルシードのシリアルナンバーに目を見開いた。ナンバーⅩⅩⅠ。それは、あの槙原動物病院を破壊した、初めて封印したジュエルシードだ。プレシアを通じて管理局に渡したジュエルシードがなぜここに? しかし、浮かんだ疑問への回答を考える間もなく、

 

「おおぉぉおおお!」

 

 飢えた獣のような咆哮が響いた。「正常な反応」をする魔導師だったハーリーQが、悪魔と化して少女2人に殺到する。止める間もなく紙切れのように吹き飛ばされる2人。先ほどのハーリーQと同じように壁に叩きつけられる。焼けただれたバリアジャケットからは、

 

「っ! 機械……! いや、あれは……!」

 

 むき出しとなった配線が覗いた。否、それだけではない。胸にあたる場所には、青い宝石が埋め込まれている。ジュエルシードだ。

 

「あ、え……? う、わ、あついあついあついあついあついあついあつい!」

 

 衝撃で感情を抑えきれなくなったのか、炎に焼かれながら転がりまわる少女。だが、ハーリーQは止まらない。慌てて少女2人を庇うように立ちはだかる孔。抜いたままの剣を構える。斬らなければならない。だが孔が見せたのは、一瞬の戸惑いだった。

 

「コウッ!」

 

 後ろからクルスの声が響く。氷剣を振りかぶっているのが気配で分かった。しかし遠い。すさまじいスピードで距離を詰めるハーリーQは、

 

「おぉぉ……ぉ……ぁ?」

 

 孔にぶつかる前に止まった。その悪魔の目にはうっすらと理性が見える。うろたえたように後ずさりするハーリーQ。膨張した魔力は次第に弱まりをみせ、

 

 そして、真っ二つになった。

 

 目を見開く孔。

 

 自らの炎に焼かれながら崩れ落ちるハーリーQの向こうには、

 

「You can't handle it.(貴様には過ぎた力だ)」

 

 包帯で顔を隠し、ダークグリーンのスーツに身を包んだ男が立っていた。

 




→To Be Continued!

――悪魔全書――――――

邪龍 コカトライス
 ヨーロッパの伝説上の怪物。コカドリーユ、コカトリスとも。紀元一世紀、ローマの大プリニウスが著した『博物誌』にバジリクスの名で記述がみられる。鶏と蛇を合わせた姿で描かれ、黄身のない雄鶏の卵を蛇またはヒキガエルが温めることで生まれるとされる。毒の息を吐き、触れた者や睨んだ者を石化させる能力を持つという。

幻魔 ハヤグリーヴァ
 「馬の頭」を意味する名を持つ、インド神話に登場するアスラ族。聖仙カシュヤパとダヌの間に生まれる。ブラフマーからヴェータを盗み出すもヴィシュヌにより倒されたとされるが、その一方でヴェータを盗み出したのは別のアスラ族のダイティヤであり、ハヤグリーヴァはそれを取り返すためにヴィシュヌがとった化身という説も存在する。のちに大乗仏教に取り入れられて六観音の一尊、馬頭観音菩薩となる。

愚者 ハーリーQ
※本作独自設定
 ヴァルハラを根城とする魔導師グループ「アサインメンツ」のリーダー。グループ名は「任務」を意味し、そのグループカラーである緑色のペイントが入ったバリアジャケットを纏う。ヴァルハラの便利屋組合では第5位の勢力。射撃を得意としており、デバイスもボウガン型。

阿修羅 ハヤグリーヴァ(AS ハーリーQ)
※本作独自設定
 ハヤグリーヴァの力を得て悪魔と化したハーリーQ。高熱の炎と頭部の鋭いブレードのような角を武器に、恐怖から逃れるように目の前の悪魔を喰らおうとする。

――元ネタ全書―――――

「だって、だってアイツら喰ったじゃねぇか!」
 DDSATより、ハーリーQ。ファーストダンジョンのボスのくせに、悪魔に変身する力を見せた主人公からびびりまくって逃げまどうというインパクト抜群の登場を見せたため、記憶に残った方も多いのでは?

コカトライス
 やはりDDSATより。ファーストダンジョンでハーリーQの前哨戦として戦うことになります。異様にでかくなったグラフィックにビビったのは私だけじゃないハズ。

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