そんな時に訪れた各里からの手紙。
ついに暁が動き出す。
そして運命の歯車は動き始めた。
雲隠れの里…
「ふぃー、きもちいいぜぇこの快感、たまんねぇぜ!」
顔に変な模様が浮き上がっている忍が地面に仰向けになり寝転がっている。
その体は血だらけで常人ならばかなり危ないレベルまで血が滴っている。
「早くしろ飛段いつもいつも儀式だかなんだか知らないが時間をかけすぎだ」
その隣に立つ大男は壁に磔にされた女、二位ユギトの回収をしていた。
「うるせえぞ、角都!これは神聖な儀式、ジャシン教の教えに背くことは出来ねぇんだよぉ!」
飛段は角都に文句を言いながらも腹に刺さった3刃のを体から抜くとゆっくり立ち上がる。
「角都よぉ〜、お前はいつも急ぎすぎだぁ、もう少しゆとりを持とうぜぇ?」
そう言うと飛段は角都の肩に手を置きながら怪しい笑みを浮かべるが角都は全く意に介さない。
「だまれ、我らにはまだ任務が残っている。はやく終わらせるに越したことはない。次は砂隠れだ。一尾と九尾がいるからな」
「はぁ?俺たちが3匹も狩るのかよ」
飛段は毒づきながらも角都の隣を歩いていく。
「そうだ。こいつらは砂隠れのどこかにいるはず。そしてこいつらを狩れば後はデイダラとサソリが三尾と六尾、八尾を、イタチと鬼鮫が四尾と五尾、七尾を狩れば終わりだ。それまでにまずはこいつを運び封印する必要がある。雲の追っ手がくると面倒だ。急ぐぞ」
ユギトを担ぎながら歩く角都は冷静に話し始めた。
「わぁったよわかりましたよー!ったくめんどくせぇこった」
飛段は叫ぶと走り出す。角都もそれに続き走り出した。
二尾を封印するために。
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その頃鬼鮫とイタチ・・・滝隠れの里
「イタチさん、逃げられてたみたいですねぇ、七尾」
頬にエラのようなものがある大男、干柿鬼鮫はつぶやいた。それに言葉だけで反応するイタチと呼ばれた男。
「あぁ、だが行き先はわかっているだろう、木の葉隠れの里に向かう」
2人は走り出す。木の葉隠れに向けて…
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その頃デイダラとサソリ・・・霧隠れの里
「んー、まぁどこにいるかわからねぇな、うん」
上空を飛び回りながら呟くデイダラ。その後ろからサソリが声を出す。
「真剣にやれよ、俺たちは人柱力じゃない尾獣が今回のターゲット。何か鍵があるはずだ」
そして2人は地に降り手がかりを探す。三尾の捕獲のための鍵を。
その鍵を大蛇丸が持っているとも知らずに。
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木の葉隠れの里
「なに?雲隠れの人柱力が攫われた!?」
まわってきた伝令を見て叫んだのは綱手。5代目火影であった。
「雲の人柱力といえば二尾と八尾ですよね?あの方々はかなりの手練れだと聞いてますがそんな忍をさらうってことはかなりレベルの高い忍ということですか?」
抱いていた豚を下ろし綱手に話しかけるシズネ。そのシズネに対し綱手は肘をつきくちに拳を当て話し始める。
「暁と呼ばれる組織の犯行とみて間違いないだろう。現場にはかなり激しい戦闘があったような痕跡が残っていたそうだ。そしてその時に二尾の人柱力を担いだ男が目撃された。その男たちの写真だ」
綱手は封筒に入っていた写真を机に並べると頭を抱える。
「こいつらの身元などは一切不明。そして暁という集団は以前も何度か目撃されてはいるのだが、わかっているメンバーは5人、そしてそのうちの2人はこいつらで、後の3人は霧隠れの忍刀七人集の1人干柿鬼鮫、爆弾使いのデイダラ、そしてうちは一族を滅亡させたうちはイタチ」
その言葉にシズネは口を押さえ驚きの表情を見せる。言葉にならなかったのだ。
「それにまだ人数は把握できていないが、情報では奴らは2マンセルで動いてるようだから、最低でも後3人はいるとみていいだろう。このことは他の隠れ里にも伝えてあるそうだ。シズネ、こいつらをここに呼べ!」
紙に擲り書きし、その紙をシズネに渡すと綱手は立ち上がり窓の外を眺める。
その紙を受け取ったシズネは部屋を出て綱手の部隊に命令を下し忍を集めた。
そしてここから暁との死闘が始まる。