里を捨てた少年   作:落ち葉崩し

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第50話 サスケ回収任務その6

シカマル達は走っていた。研究所の入り口を探すために。

 

そしてヒナタの声に立ち止まる。

 

「シカマルくん!ガイ先生、何かおかしいです」

 

その声にシカマルは周りを見渡すと気付いた。

 

「まずい、俺たちはもう敵の術中にいる!幻術だ!」

 

その言葉に3人は背中合わせに近づき構える。

 

「ヒナタ、どこにいるかわかるか?」

 

「右前方、30mくらい先の木のうしろにいる。多分あれは笛かな?構えて吹いてるわ。避けて!上からくる!」

 

その声に3人はそこから飛び退く。

 

すると受けから3つの巨大な人のようなものが降ってきて、自分たちがいた大木の太い枝が粉々になり、消えていた。

 

 

「避けやがったか、やるじゃねぇか」

 

姿を現した多由也を3人は発見するが、すでに多由也からの攻撃は始まっていた。

 

「終曲第9節・魔境の乱!」

 

笛の音が鳴り響き、3人の耳に届く。

 

そして3人の口寄せ獣たちは6人に襲いかかる。

 

ガイは一撃で口寄せ獣を撃退すると、シカマルとヒナタを見るとシカマルが印を結び術を発動せんと動いているのを見た。ヒナタは柔拳で対応していたため、シカマルに向かった1体に攻撃を叩き込む。

 

「木葉旋風!」

 

ガイの回転蹴りが炸裂し、口寄せ獣は木にぶつかるとそれらをなぎ倒し消える。

 

ヒナタの方に加勢に行こうとすると、ヒナタは既に口寄せ獣を撃退していた。

 

「ガイ先生、ここは俺たちに任してくださいよ、他の場所を探して、サスケを連れ戻さなきゃなんないんすから」

 

「そうです。ガイ先生はサスケくんを探してください!」

 

 

ヒナタとシカマルの言葉にガイは少し躊躇ったがそこは上忍。2人にこの場を任せ先に行くことを選択した。

 

「任せたぞ、お前たち!」

 

そう告げると走りこの場を去っていった。

 

 

「はっ、舐められたもんだな。クソムシ2匹で何ができるってんだ!」

 

その言葉にヒナタが返す。

 

「サスケくんは私たちの仲間です。それを取り返すためならあなたを倒します!!」

 

その言葉を多由也は鼻で笑い否定する。

 

「あんたらじゃサスケ様を連れ戻せない。あんたらはもうサスケ様の足元にも及ばねぇんだよ!諦めて死ね!」

 

笛を構えようとした瞬間動きが止まる。

 

「影真似の術成功だな」

 

そう言うとシカマルは立ち上がる。そして睨みつけて多由也に言葉を投げた。

 

「おまえは俺たちを甘く見た。それがテメェの敗因になる。それを心に刻んでおけ」

 

そのままシカマルは影首縛りの術に移行する。

 

その時だった。

 

「舐めやがって!本気出してやるから覚悟しとけ!ぼぉけ!」

 

叫びとともにチャクラが膨れ上がる。そして多由也の体を呪印が覆い、頭からはツノが生えてくる。

 

そしてシカマルの術を無理やり引きはがそうとチャクラで抵抗してくる。

 

「ぐぅっ、なんだこのチャクラは!」

 

シカマルは歯を食いしばり術に力を込め多由也を押さえ込もうとするが多由也の抵抗は強い。

 

「あぁー?うちがお前らなんかに負けてたまるかよー!」

 

少しずつ影を押し返されシカマルは叫ぶ。

 

「ヒナタ!俺が止めてるうちにとどめをさせ!じゃねぇと俺のチャクラが切れた瞬間動き出してやられちまうかもしれねぇ!」

 

その声に反応したヒナタは走り駆け寄る。そして白眼で敵の天穴を見切る。

 

「八卦空掌!」

 

ヒナタの攻撃が炸裂した瞬間術を解くシカマル。

 

多由也は10メートルほど飛ばされ木にぶつかる。

 

だがまだ立ち止まった。

 

「てめぇら、今の一撃でうちを殺せなかったのがお前らの敗因だ。今度はうちの番だ!」

 

多由也が笛を構えた瞬間だった。

 

金色の髪の女が目の前に降り立った。

 

「口寄せ、斬り斬り舞!」

 

瞬時に口寄せを行うとあたり一面の木が全てなぎ倒される。そして多由也を斬り裂き風が止み土煙が舞う。

 

土煙がやむと多由也が血を吐き木に挟まれて意識を失っていた。

 

 

「ま、こんなもんか」

 

テマリはつぶやくと振り返り笑う。

 

「な、なんでテマリさんがここに?」

 

ヒナタの言葉にテマリは手短に理由を話し、付け足す。

 

「ま、奈良シカマル。あんたがこないだ陽光を助けてくれたから今があるんだよ。あんたの名前が任務の参加者に入っていたから危険を承知で飛び込んできた。あんたなら木の葉を変えてくれると信じているからね」

 

テマリの言葉にシカマルは頭をかきむしりながら応える。

 

「ありがとよ、だが俺だけじゃねぇ。ヒナタも、そして他の同期も俺たちと同じ志を胸に頑張ってんだ。木の葉は俺らがかえるぜ?ま、ちょっとめんどくせーけどな」

 

その言葉にテマリは及第点といったとこかと頷く。

 

「まだ敵がいるかもしれねぇ、俺たちはガイ先生を追うぞ!あんたも来てくれるか?テマリ」

 

シカマルの質問にテマリは行動で示す。

 

「さっさと行くよ。置いていかれたいのかい?」

 

そう言うとテマリは走り始める。シカマルは笑むと後ろを駆ける。

 

そしてヒナタもそれについて走り出した。

 

 


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